
倉橋由美子の怪談集です。
文章で「怖がらせる」のは難しいと思います。「泣かせる」とか「笑わせる」よりも難しいんじゃないでしょうか?才能ある作家は、この「怖がらせる」ということをさりげなくやってくるように思います。たとえば、三島由紀夫なら、『月澹荘奇譚』や『雛の宿』などの作品からは、じわりとした怖さが伝わってきます。
そして、倉橋由美子の文体にも、静かな怖さが含まれます。怖さ一辺倒ではなく、随所にユーモアも含まれていて、そのコントラストが作品の面白さを高めているような気がします。
これ読んで思ったのは、やっぱわしって怪談が好きだな、ということです^^;。こういう小説は大好き、泉鏡花の幻想小説も好きだし、聊斎志異も好き。自分の趣味を再確認できました(^^)。
こちら目次。
目次その2。
読後感がクールな作品が多いです。
書誌事項。
ふとした気まぐれで、40年かぶりに倉橋由美子を読みました。
パルタイ、スミヤキストQの冒険、アマノン国往還記、大人のための残酷童話、そしてこの怪奇掌篇と5冊を読みましたが、とりあえずここで終わりにして、別の作家を読むことにします。
この5冊のなかでは、パルタイが一番のオススメかな?あと怖い話が好きなら怪奇掌篇。
p.s. 昨日歩いた反動で膝が痛い。