深刻な債務危機に直面するギリシャ政府は12日午前0時ごろ、公営テレビ・ラジオ局「ERT」を閉鎖した。
約2600人の職員らは退職金を支払われて解雇される。
政府は金融支援を受ける欧州連合(EU)などから公務員削減や公的機関の閉鎖といった緊縮策の実施を迫られており、ERTの閉鎖もその一環とみられる。
閉鎖は一時的な措置とされ、ERTは組織をスリム化して健全経営の公営放送局に生まれ変わり、放送を再開する予定だが、先進国では極めて珍しい公営放送局の一時閉鎖という政府の強硬な財政再建策に動揺が広がっている。
■「民主主義の破壊」
「おめでとう。
ギリシャ政府。
これは民主主義の破壊です」。
ERTの最後となる生番組で、キャスターのアドニス・アラフォヨルゴス氏は視聴者に自虐交じりにこう言い放ち、サブキャスターのスタブルア・クリストフィレアさんは「閉鎖の一報が嘘であってほしいと望んでいました。
信じられません」と肩を落とした。
AP通信やフランス通信(AFP)、英紙ガーディアン(電子版)などによると、ERTの閉鎖は、政府報道官が11日午後6時のニュース番組で突然、発表した。
職員らは「放送を続ける」と反発したが、放送は午後10時頃から徐々に停止し始め、11時にはほぼ停止した。
職員らはインターネットなどを通じて放送を継続しようと抵抗したが無駄だった。
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