大相撲初場所5日目、嘉風をはたき込みで下した白鵬(右)
大相撲初場所5日目(13日・両国国技館)――序盤戦を終えて上位陣の勝ちっ放しは、白鵬ただ一人。
横綱の独壇場だった2010年は幕を閉じたが、土俵には年が改まっても、「白鵬1強」の構図に変化がなさそうな気配が漂う。
嘉風を右をかち上げてのけ反らせ、足がそろったところを右手一本ではたき落として勝負あり、と思われた。白鵬も一瞬、棒立ちになったが、右足にまとわりつく手の感触に反応。立行司の庄之助も「残った、残った」。戸惑うことなく戦闘態勢を敷き直した横綱は、すがる小兵をひと払いして、土俵にピシャリとはわせた。白鵬は、「相手が手を付いたと思った。よく見てはたいた」と振り返ったが、反射神経の良さで反撃の芽を摘み取った。
横綱はこの5日間、相手が土俵に5秒立つことを許していない。厳しい攻めで結びを締める前に大関陣が崩れ、期待のホープも格下に取りこぼす。「これからじゃないかな。自分の相撲をしっかり取る」と淡々と話す白鵬の表情からは、いつもと同じ展開の賜杯レースに対する物足りなさも感じ取れる。
残り10日。先場所で不覚を取った稀勢の里ら、若手の挑戦を受ける。挑戦者たちは、「今年は違う」と一泡吹かせる覚悟で当たらないと、横綱はスイスイ逃げ切ってしまう。(下山博之)
(2011年1月13日20時42分
読売新聞)
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