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アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した

2020年01月30日 | 読書
原題は「雇われ人」(HIRED)です、ジェームズ・ブラッドワース著
邦題が「アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した」とかなりセンセーションとなっています。
本の内容は「雇われ人」が正しい題名であると思います。



2008年の金融危機とサッチャー政権後のイギリスの緊縮財政政策により社会保険制度の破壊と民間開放政策によりどのような状況が発生したか筆者はアマゾンの倉庫、訪問介護、コールセンター、ウーバーのタクシーでの体験を基に書かれていますが、イギリスでの階級社会での雇用がどんな状況であったか、
過去の状況と現在の状況を対比して書かれており、
合わせてイギリスの地方都市の現状も書かれておられます。
どちらかというとこの辺に重きがあり、体験内容より、
取材した内容を中心に書かれているかとも思いました。
日本でも同様にこれらの問題は発生しているのでイギリスだけではありません、
外国労働者については全く同様の状況であり、政府も対応も全く一緒です。
どの国においても政府、企業、投資家は国民の事を考えていません、
今だけ、自分だけ、儲かること第一条件であり、そのために組合を作らせない、
最低賃金での雇用方法等について仕組みを作っているのです。
書かれている内容で「ゼロ時間契約」については認識がなく、関連資料を読むととんでもない契約であり、政府がこの契約内容について疑問を持っていなく、いかに経営者側に立った政策であるかが分かります。
イギリスの底辺社会については日本人であるフレディみかこ著者「子供たちの階級闘争」「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が現在の地方都市の現状をよく書かれています。参考までに。
コメント
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