和納中37年入学

同級生と和納と旅行をアップ。誰だか分かる?

「牛蒡五時間・・・山芋やたら」

2013-11-11 16:25:39 | 旅行
東海道五十三次丸子宿。
とろろ汁で有名な「丁子屋」のすり鉢とすりこぎ(擂粉木)が戸棚の中に飾ってありました。

尺五寸いや二尺はありそうなデカいすり鉢。黒ずんでます。
山椒の木(?)のすりこぎは使い減ってます。
枝が2本出ていて鉢にひっ掛けて良し置いて良しの形状で、とろろがつかず汚れないスグレものです。


ここは日本橋から20番目の宿場。
当時は本陣1軒、脇本陣2軒、旅籠屋24軒、宿内家数は211軒、人口は795人の東海道のなかでも最も小さな宿場だったそうですが、芭蕉が詠んだ「梅若菜丸子の宿のとろろ汁」で有名と案内にあります。
ここ丁子屋の窓からは観光バスが停れるくらい広い駐車場が見えました。
昨日は富士見て一泊、今日はとろろ汁で昼飯、天竜川さかのぼって中央道に出てもう一泊して「ああ野麦峠」見て帰ろうか?
またまた鷲さんとのきまぐれ道中です。



店の前、旧東海道の県道208号線から見た「丁子屋」。
広重はこのあたりから描いたんでしょうか。



「梅若菜まりこの宿のとろろ汁」芭蕉句碑
「けんくハ(けんか)する夫婦ハ口をとがらして鳶(とんび)とろろにすべりこそすれ」一九句碑



夫より手越の里にいたるに、又もや俄雨ふり出して、たちまち車軸をながしければ、半合羽とり出し打ちかづき、足をはやめてほどなく丸子の宿にいたる。こゝにて支度せんと茶屋へはいり
北八 「コウ飯をくふか。爰はとろゝ汁のめいぶつだの
弥二 「そふよ。モシていしゆ、とろゝ汁はありやすか
ていしゆ「ハイ今できず
弥二 「ナニできねへか、しまった
ていしゆ「ハレじつきにこしらへずに、ちいとまちなさろ
トにはかに、いものかはもむかずして、さつさつとおろしかゝり
・・・・
女房 「ソレおまい、すりこ木がさかさまだ
てい主「かまうな。おらが事より、うぬがソリヤのりがこげらぁ
女房 「ヤレヤレやかましい人だ。コノ又がきやァ、おんなじよふにほへらァ
てい主「コリヤ摺り鉢をつかまへてくれろ。ヱヽそふもつちゃァすられないは。おへないひゃうたくれめだ
女房 「アニこんたがひゃうたくれだ 
てい主「イヤこのあまァ
トすりこ木でひとつくらわせると、女ぼうやつきとなりて
   「コノやらうめは
トすりばちをとってなげると、そこらあたりへとろゝがこぼれる
てい主「ヒヤァうぬ 
トすりこ木をふりまはして立かゝりしが、とろゝ汁にすべって、どっさりところぶ
女房 「こんたにまけているもんか
トつかみかゝりしが、これもとろゝ汁にすべりこける。むかふのかみさまかけてきたり
   「ヤレチャ、又見たくでもないいさかいか。マアしずまりなさろ
トりやうほうをなだめにかゝり、是もすべりころんで
   「コリヤハイ、あんたるこんだ
ト三人がからだ中、とろゝだらけに、ぬるぬるして、あっちへすべり、こっちへころげて、大さわぎとなる
弥二 「こいつははじまらねへ。さきへいかふか
トおかしさをこらへてこゝをたちいで
北八 「とんだ手やいだ。アノとろゝ汁でいつしゆよみやした

 けんくはする夫婦は口をとがらして鳶(とんび)とろゝにすべりこそすれ  :東海道中膝栗毛 十返舎一九 岩波文庫


駿河には「カラスは鍛冶屋でかねたたき、とんびはとろろのお師匠さん」というわらべ唄があります。とろろは大空をゆっくりと輪を描く飛ぶとんびようにゆったりとした気持ちで作ると美味しくできますという唄です。駿府に生まれた劇作家、十返舎一九もこの唄を引き合いに出し、・・・とろろ汁を描いています。・・・宿場の夫婦が喧嘩しながら作ったとろろ汁を庭にぶちまけてしまい、とろろ汁の師匠のとんびも滑ってしまったというシーンです。食事にありつけず災難にあった弥次さん、喜多さんが残した狂歌です。:丁子屋 栞





400年変わらぬ味「丸子」を注文。1,397円(1,330+税)ナリ。
ふだん新潟コシヒカリ100%に慣れた味覚は、「ンー、麦トロは新しくて古い味覚ナリ」とやせ我慢です。
ウチのジーサンはとろろ好きですが、「腹の中で膨れるので、いっぱい食いすぎるな!」といつも言ってました。
おひつの麦は残しました。


 
「大極上寒製山薬 駿州丸子駅丁子屋平吉」
中国4千年の中医学では自然薯は「山薬」として脾、肺、腎に働くといわれます。
ここ丁子屋では薄く切り寒い日に天日干して粉にしたものを「山薬」として旅人に売っていたようです。
自然薯のない季節にとありますからとろろ汁を切らす時期があったのでしょう。

クローブ(英語: Clove)は、フトモモ科の植物チョウジノキの開花前の花蕾を乾燥させた香辛料の名。
インドネシアのモルッカ群島原産。日本では漢名に従って丁子(ちょうじ)、丁香(ちょうこう)とも呼ばれる。
クローブの花蕾は釘に似た形をしているため、中国では「釘」と同義の「丁」の字を使って「丁香」、「丁子」の名があてられ、フランス語では釘を意味する Clou と呼ばれ、英語の Clove もこれを語源とする。:Wikipedia



十返舎一九さんの像がありました。
丁子屋の400年はこの人のおかげです。


:丁子屋箸袋
「ごぼう五時間 にんじん二時間 たまごたちまち 山芋やたら」
旅人はここで精をつけ、この先の宇津ノ谷峠を越えていったのでしょう。



ノリ易い性格なもんでついポーズ・・・しました。



丸子の宿を後に、鷲さんの友人を藤枝市に尋ねて島田金谷ICから新東名に乗ります。
3車線、粟ケ岳トンネルの広さにビックリ。平坦性もばっちり高規格です。
浜松いなさJCT→三遠南信自動車道を北上。
天竜奥三河国定公園佐久間ダム脇天竜峡を通りR151を飯田市のホテルまでひたすら山奥の道。天竜川見えませんでした。
あすは中央道を伊那ICから奥飛騨国境野麦峠です。











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