鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

6月一般質問「子ども政策について」

2024年06月14日 11時45分15秒 | Weblog

6月の一般質問で、子ども政策として主に子ども条例策定に関係することを問いました。質問の構成は、現状の確認、そして今後の取組という形です。

自分は、市民としても議員としても条例づくりに関わりましたし、ここ数年は子ども政策を所管する地域福祉委員会に所属して、地域や福祉、子ども政策に取り組みました。子ども条例の制定に関しては、制定するべきと以前から考えていました。そのため、制定を議会から進めることを考えたことが、地域福祉委員会に継続して所属した理由のひとつです。

そのような経験から、現在の鈴鹿市の子ども条例策定は、策定という結果に重きが置かれすぎ、また子どもの参画が不十分で、過程、プロセスを軽んじていると懸念を持っています。

ご存じの方も多いと思いますが、国では昨年4月に「こども基本法」が施行され、それをうけて12月に「こども大綱」が、そして今年に入って「こどもまんなか実行計画」の策定と大きな流れがあります。また三重県でも子どもに関係する条例の見直しが議論されるなど、鈴鹿を取り巻く状況は大きく動いています。

市の「鈴鹿市子ども条例(仮称)検討委員会」の取組は尊重するものですが、やはり国や県の動向と現在の取組との整合性などを確認する、議論することは必要だと考えます。

一例として、4月18日に開催された第5回会議での資料で鈴鹿市条例でのこどもは「18歳未満のすべての者」と考えられているのですが、こども基本法では「この法律において『こども』とは、心身の発達の過程にある者をいう。」とされていて、すでにずれています。このような状況で進んでいくのはいかがなものでしょうか。

そして条例策定にあたっては、こども基本法でもこども大綱でも、子どもの参画や意見表明などの重要性が取り上げられているのですから、それが最大限尊重されているかは重要なポイントです。

ロジャー・ハート(参考)の参加の階段のどの位置で、子どもの参加に取り組んでいるのか、より高位の参画で取り組むことが大切と考えます。

※参考:NHK地域づくりアーカイブスより「子ども『も』民主的なコミュニティ育ての主体者仲間」より

また、子ども政策を中学校卒業までのようにとらえていると考えられることが鈴鹿市の課題で、これまでの執行部には折に触れて発言しているのですが、鈴鹿市は中学校卒業以降の若者政策が貧弱なので、サードプレイスの設置など、若者に視点を向けた施策に取り組んだほうが良いと考えています。

このような思いを軸に質問をしたのですが、要約となりますが答弁は以下のような形でした。

「 子どもの意見をしっかりと取り入れるため意見聴取のあり方を検討した。本年1月に公立小中学校の生徒を対象にアンケートを行ったほか、未就学児や小学生の保護者、高校生や一般、外国人学校に通う児童生徒を対象にアンケートを行った。

 検討部会の意見を勘案しながら、全庁的に検討を重ね、総合計画2031に基づき、制定に向けた取り組みを進める。

 高校生を含めた若者世代への取組については、現時点では対応しきれていないので、今後の課題として検討する。

 条例策定については、現在示しているスケジュールに沿って取り組む。

 今後は、子どもたちへの周知・啓発を行い、子ども条例が制定された後も、子供の意見表明や社会参画機会の確保に取り組む。 

皆さんはどう感じられるでしょうか。アンケートをもって子どもの参加と考える姿勢は、子どもの権利に関係する条例を策定するときに納得できるものでしょうか。

現在示されているスケジュールは、6月に行政内の条例審査会で審議、7月に行政経営会議に諮ることと議会調整、8月にかけてパブリックコメントの実施、来年1月に条例案を出し、2月定例議会での議決を想定して、4月に条例の施行という流れです。子どもの参画機会は想定されていません。納得できるでしょうか。

しかもこの行政の姿勢は、令和元年度と令和5年度の議会からの提言、どちらも「市民、子ども等からの意見をしっかり取り入れる。」ことを求めているのですが、それらとも矛盾するものです。

提言を狭く取り入れ、アンケートで意見を聴くことを持って達成していると行政が考えるのであれば、そのような判断には真摯さも誠実さもないと思います。このような状況で作られる条例は、本当に子どもたちに良いものになるでしょうか。そうは思えません。

そこで答弁について「意思決定は部長なのか市長なのか」と問いただしたところ、子ども政策部長が答弁に立ちました。

「こども基本法」が施行されているにもかかわらず、これまでの取組と現状の検証を避け、アンケートをもって子どもの参画を行ったと考え、以前に考えたスケジュールで進もうとする鈴鹿市の姿勢は、生保の不適正支給報告書で「前例踏襲、ことなかれ」と指摘された市の組織風土は変わっていないとさえ思わされるものでした。

子ども条例の制定は喜ばしいものの、質問を通して感じた鈴鹿市の姿勢には大きな課題、問題意識を持ちました。


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