中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

ほら、言わんこっちゃない!

2009-09-19 17:08:49 | Weblog
 冷静に考えて「六回の上園続投」はないのではないか。初回に4連打で2点を奪われたが、幸運にもこの失点だけで済んだ。そこから味方打線がソロ3発で逆転してくれたものの、上園はいつ崩れてもおかしくない、危なかっしい不安定な投球ぶりだった。特に、五回表の二死一、二塁でマクレーンに投じた球などは、モンブランケーキ級の大甘スウィーツ。偶然にもマクレーンが打ち損じてくれて助かったが、逆転3ランを食らってもおかしくなかった。それやこれやを考慮すれば、5回2失点は超御の字。なのに…。
 
 六回表の広島が下位から始まるということで、色気が出たのかもしれない。たとえ抑えていたとしても、個人的には異を唱えただろう。六回を江草か筒井でしのぎ、七、八回とアッチソン、そして九回を藤川で逃げ切る。「積極的継投」で是が非でも逃げ切ってほしかった。1点ビハインドの九回表に藤川を出すくらいなら、特にそう思わざるを得ない。

 六回二死走者なし、カウント1-3から石原に痛恨の同点ソロを浴びた上園―狩野のバッテリーは、状況を考えていなかったのだろうか。たとえ石原を歩かせたとしても、次の打者は投手・前田健。1点を追う広島は、100%代打を出してきただろう。とうことは、四回以降再び調子を上げてきたマエケンを交代させることにもなり、阪神ベンチとしても継投に入りやすくなる。つまり、本塁打以外ならどんな形であれ、出塁させてもよかったのだ。

 細心の注意を払って、ベンチから指示をしてやれなかったものか。いや、してやるべきだっただろう。簡単に二死を取ったことで、流れに任せてしまっていたとしか言いようがない。ここまで書いた瞬間、ラジオから「桜井バント失敗!」てなアナウンスが聞こえてきた。桜井にバント?そら、失敗するわな。なんで「サヨナラ2ランを打ってこい!」って送り出してやらないのだろうか。不思議だ。

 いい天気の下で行われたデーゲーム。甲子園からため息が聞こえてくる。