中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

勝敗の「岐路」

2009-09-15 22:32:35 | Weblog
 ゴンザレスから3点を奪った阪神打線を、少し軽く見ていたようだ。「機動力を使わないと…」てなことを書いたが、クリーンアップと関本が働いて見事に難敵から点を取った。最終的には延長戦で矢野の一発が飛びだし、阪神が勝つのだが、ゴンザレスから中盤までに3点を取ったことが何より大きかった。と同時に、安藤が3点で踏ん張った、ことも。

 タイトルに書いた勝敗の「岐路」を考えるに、四回裏の巨人の攻撃にあったのではなかろうか。四球と安打で無死一、三塁とされ、阿部に勝ち越し犠飛を許した。その後、安藤は脇谷に中前打を許してなおも1死一、二塁とされる。ここで打席にゴンザレス。スコアボードを見ると、なんと3割近くあるではないか。しかし、ここでのヒッティングはないよな、次の坂本に託すよな、と考えていたら、何と巨人ベンチは強攻策に出た。

 結果は、安藤が踏ん張って見逃し三振。続く坂本も三ゴロに仕留めて何とか最少失点でとどめた。巨人側にすれば、ゴンが三振だったおかげで坂本まで回せたわけだが、強攻策の末に併殺ともなれば、この時点で完全に流れは変わっていたはず。普通にバントされた方が、阪神にとっても、安藤にとっても嫌だったと思う。

 この勝ちで対戦成績が五分になった。だが、両軍の差は「20・5」もある。勝っても複雑、なのである。

今年最後の「GT戦」

2009-09-15 14:53:22 | Weblog
 初めてこのブログを見る(あるいは読む)方にお断りしておきますと、ここは私個人の「想い」をざっくばらんにお書き、提示するところ、であります。従って、私の砕けた書き様に眉をひそめる方は、無理なさらなくて結構ですし、いつでもページを閉じていただければいい。

 てな堅苦しい書き出しこのへんにして、今年最後の巨人戦である。方やマジックを「11」としてリーグ3連覇を目前にしている首位チームであり、方やクライマックスシリーズ進出へギリギリの戦いを強いられている3位チーム(すぐにでも5位まで転落してしまうが…)。立場はまるで違うけど、阪神にすれば、あくまでもクライマックスシリーズ第2ステージを意識した戦いをし、勝ちこさねばならん。俺はそう思う。

 きょう初戦の巨人先発はゴンザレスか。13勝1敗と安定感抜群のこの投手をどう打つか。振り返れば、ゴンザレスの今季初登板が阪神戦であり、苦杯をなめたことで彼を勢い付かせた。いってみれば、阪神がゴンを成長させたようなものだから、ここはきちんと“落とし前”をつけてやらんといかん。ただ、赤星抹消で機動力がやや減退しているだけに、機動力で揺さぶるとなるとどうかとは思うが、それをやらないと勝てない。

 では誰と誰で、どんな場面で揺さぶるかだが、誰と誰ではなく、出塁すれば全員でプレッシャーをかけていくべきだろう。コントルールに絶対的な自信を持つ投手だけに、エンドランなどはかけやすい。動くぞ、動くぞと常に重圧を与えながら、心理的に崩していければ、対等の勝負になると思うがどうか。

 先日、ある球団の編成担当者と雑談をした際、真弓監督の話に及んだ。彼は笑いながらこう言っていた。「真弓さんは何もしないよね」。反論ができず、この話はすぐに終わった。何もしないことがいい場合と、そうでない場合がある。今年の命運をかける9連戦、真弓監督には何かを積極的にしてほしい。