中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

「守護神」の本領

2009-09-05 08:37:37 | Weblog
 きのう(4日)の広島戦をテレビで観ていたのだが、八回裏一死、一、二塁の場面で真弓監督が藤川を投入したことに「当然やろう」と独り合点した。後ろから追いかけてくる広島との初戦、何としても取らないといけない。そんな大事な試合の終盤にきて、もし藤川以外の投手、例えばアッチソンなどを投入してもし打たれたら大きな悔いが残る。結果論で言うのではなく、あの場面は絶対に藤川であり、真弓さい配は当然と言えた。

 チームの守護神、つまり抑え投手の「1イニング限定」が当たり前になったのは、横浜・佐々木が最初じゃないか。当時の権藤監督が、大魔神に遠慮したのか、そんな起用をしたことが他球団にも応用されていったのではないかと思われる。それ以前は、終盤危なくなった段階で抑えが出てきてたように思う。「回またぎ」なんか当たり前やった。七回ぐらいから出てくるストッパーもおったように記憶している。

 「JFK」のように、今は複数の“抑え集団”が終盤を抑えるという形になっているから、きのうの藤川のような「回またぎ」が特別のように感じるけど、昔の感覚なら極めて当然。ああいう場面できっちりと抑えるから守護神なんだ。

 しかし、あそこまで好投をしたのだから、先発・能見に踏ん張ってもらいたかったな。確かに、藤川を出すのが常道であっても、来年以降を見据えると「能見続投」で一皮むけさせてほしかった。あの場面で、真弓監督本人がマウンドへいき「お前に任せた!」なんてことを言えば、能見も最後の力を振り絞ったんじゃないか。100%そんなことはしないけど…。

 きょうの第2戦は福原でっか。「これで最後」というぐらいの気持ちで立ち向かってほしいね。実際、最後かもしれんし…。