中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

成人式で思うこと

2008-01-14 23:29:53 | Weblog
 3連休最後のこの日は、世間で言う「成人式」だった。だった、という過去形でこの文章を書いているのは、更新時間を見ていただければわかるように、成人式の日が終わろうとしている時間帯だからである。テレビの画像を見ていると、どこの成人式も女の子の艶(あで)やかさが目を引く。色とりどりの振り袖姿。親御さんにしてみれば、よくぞここまで成長したな、と感無量になると思うが、その陰でタバコを吸う我が子を目の当たりにすると、どうしょうもない落胆に襲われたりする。成人となって喜んだらいいのやら、悲しんでいいのやら…。うちの悪ガキどもはまだ幼いからいいけど、この年頃の息子、娘を持った親御さんたちの心情を思うと、なにやら複雑になる。

 プロ野球界でも、多くの選手が成人式を迎えた。具体的に誰だ、と言えば、すぐさま思いつかないのが、おっさん記者の悲しい性。去年は確かダルビッシュだったけな…。これは覚えている。とすれば、ダルより1つ下の世代。う~ん、思いつかないのだ。阪神で言えば誰だ?野原や橋本良か?自分の子供と言ってもいいくらいの年齢だけに、スッと出てこない。思い出そうとしても、なかなか出てこないのだから諦めるが、そんな新成人に言いたいことが、1つある。「自分を大人と思うなよ」。これです。

 中学校を卒業してすぐ働いている人、高校を卒業して職に就いた人はこの限りではないかもしれないが、大半の新成人は、何かと親のスネをかじって生活していると思う。たとえ働いていても、生活的にはそんなに裕福になっていないはず。成人して大人の仲間入り、と言ったところで、実態はまだまだ子供。かくいう記者もそうだったし、そのおっさんが見る限り、大半が幼い子供である。いろんなことを経験して初めて「大人」という域に達する。そんな謙虚な気持ちを持てるようになるには、相当な時間が必要だろうなあ。おそらく、こんな戯言(たわごと)には、新成人が100人いれば98人まで「フン!」と無視されるだろう。

 2年前、その年に成人式を迎えた姪っ子が不意の交通事故で他界した。いろんな要素があっての事故だったが、冷静に考えると“若者の無謀さ”にも原因があると思っている。勢いにまかせて突っ走れる時期でも、少し立ち止まって考える時間を持っていい。それが、二十何年前に成人式を迎えたものの反省。いかん、これを書いている間に日付が替わる。新成人に幸多からんことを―。