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『ビリー・エリオット』ミュージカルライブ

2014-12-13 01:49:10 | ライブビューイング(舞台関係)
他言語鑑賞用あらすじ。




70年代の炭坑労働者の実状が映像で説明されるなか、
舞台上でもストの準備に入り、歌う炭坑労働者達。
そして、場面はビリー宅のある朝の風景に。

朝食を作る父親・ジャッキーに、
若干ボケの入っている祖母、
ストに積極的に参加する兄・トニー。
その風景に何故か母親の存在は無い。
(この後のシーンで死別と判明)

そこに起きてくるビリー。
ビリーは嫌々ながらボクシング教室に行く。
決して素質がある訳ではなく、居残りをくらい、
次にその会場を使用する先生に鍵を渡すように言われる。

居残っていると、大量に現れる少女達。
そして、バレエのレッスンが始まる。
最初は傍観していたビリーだが次第に引き込まれる。
ただ、バレエに対する抵抗があり、
練習に参加することすら、躊躇うビリー。
しかし、数回の練習で、ビリーに素質があると見抜いた
先生・ウィルキンソンは個人レッスンを行い、
ロイヤルバレエ学校の入学試験を受けるように提案する。

特訓を始めるビリー。
ぎこちない動きが徐々に滑らかに。
そして、試験当日。炭坑ストも本格化し、
街は警察による包囲網が作られていた。

待ち合わせ時間になっても、
ビリーが現れないために、ビリー宅に行くウィルキンソン。
そこで、家族にバレエをやっている事を話され、
ジャッキーに頭ごなしに反対される。

ビリーはその憤りをダンスにぶつけ、
警官の包囲網をくぐろうとするが、失敗。
そして、町に出ることもかなわず、一幕終了。

時間は経過し、クリスマスに。
サッチャー批判が続く中、
ジャッキーは、息子がまだバレエを忘れていない事を知る。

ウィルキンソンにビリーに素質があるかを聞いた後、
ビリーをバレエ学校の入学試験を受けさせる事にする。
しかし、そのためにはストをやめ、稼がなくてはならなかった。
トニーにも止められるが、ストを止め、働こうとした時、
スト自体が終了。(この時点で無職?)

仲間からカンパを集め、
試験代は集まり、試験に臨むビリー。

緊張する中、実技では持ち込みのテープの不調。
そして、面接では家族の理解が必要と念を押される。

その最後の質問で、『踊る時に何を感じるか?』と聞かれ、
それを踊りで表現するビリー。

試験の結果は合格。

そして、ウィルキンソンに別れを告げ、
舞台を降り去るビリー、そして、幕。





内容は普通に少年の成長物語。
ただ、精神的というよりは技術的な成長。

また、炭坑労働者達の問題という社会背景が、
結構、全面に押し出され、ビリーの父親の感情が明確化。
ストの結果がジャッキーにどのような影響を
与えたのかは語られないため、
その辺の社会背景を知っておかないと、
最後、炭坑労働者がどうなったのか分からない。

死んだ母親も登場するが
それ以上にウィルキンソンの存在がメインに。
別にウィルキンソンを母親の存在に重ねることもなく、
歌・台詞・見せ場とこの作品で一番オイシいポジ。

最後では、ビリーを見送るマイケルというシーン
になるが、カメラはステージ上のマイケルしか映さず、
客席を降りていったビリーは全く映さない。
何か理由があるのだろうか?

意外とオッサン達が踊る。
それも警官だったり、炭鉱労働者だったり、
その衣装のまま踊るので、実はあの辺のアンサンブルは
ダンサーが揃っているのかも(見た目がオッサンなので)

曲によっては、少女たちと踊ったり。
カテコではジャッキーとトニーも、
労働者服にチュチュをつけて、ダンス。
そこも踊るらしい(笑)

果てはピアニストも踊る。
実際、弾いているのかは不明だが、
これが結構、激しく踊るデブなので、
やはり、ダンサー枠なのだろうか、あそこも。


楽曲はソロも数曲あるが、
印象に残るのは労働者達の楽曲。
エルトン・ジョン作品は『ライオンキング』『アイーダ』を
一回観ただけだが、このアンサンブル曲は『アイーダ』を彷彿。

ビリーのソロはラストの"Electricity"のみ。
この曲しか知らなかったが、ここで使われるとは。
ただ、その前に、ジャッキーのソロがあるのだが、
メロディが"Electricity"と同じで、
先に使われるためか、大変に印象に残る。


演出の一つに、ビリーが成長したビリーと
一緒に白鳥の湖を踊るシーンがある。
映画版はラスト、成長したビリーが、
アダム・クーパーだったが、
こちらでは、クリパの後のシーンで挿入。

白鳥の湖と言っても、かなりアレンジされており、
視覚的、聴覚的に面白い演出なのだが、
結構、アザトいというか『やはり、ソレか』感あり。

基本、ダンスやバレエの素養がないので、
あのシーンでの再現率や技巧レベルは不明だが、
なんとなく、メジャー処を踊らせておけ感が否めない。

二幕が心情ソロ曲が続くので、
若干、集中力が途切れている処に、
あのシーンが挿入されてくるため、そう感じたのか?


海外ミュージカルを映画館で観た事は
数回あるが未見の作品を字幕で見るのは初。
映画版も中途半端に見たことがある程度なので、
こういう展開なのか、と思いながら観劇。
カメラアングルと自分が観たいなと思う処が、
かち合わず、普段、自分が観ているポイントは違うらしい。

ただ、生で観たいかと聞かれると、ちょっと微妙。
でも、労働者ソングみたいなアンサンブル曲は
生で観た方が迫力を感じる事が出来そうなので、あれは生で聞きたい。

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2 コメント

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待っていました^^ (みきこ@神奈川)
2014-12-13 04:38:35
dacho様らしいクールなご感想ですね。
なんだかにやけてしまいました。

>海外ミュージカルを映画館で観た事は
数回あるが未見の作品を字幕で見るのは初。

素晴らし過ぎです。日本に来るくらいのモノは大体既に現地で観ていらっしゃる、というあたり。

ダンスに関してですが、バレエについての話なのに何故あんなにもタップだったのかと言うのが私の疑問です。
いえ見応えはありましたし、楽しかったんですが。
馬鹿な事にトウシューズなのかチップ付きシューズなのか、なんて凝視していたワタクシです(笑)
返信する
みきこ@神奈川様 (dacho)
2014-12-14 00:07:33
作品としては『レミゼ』『オペラ座』『JCS』と、
基本、日本で上演している作品ばかりなんですけど…。
でも、ライブビューイング作品が
日本でも上映される機会があるとつい観てしまいます。
次は『ウォー・ホース』辺りを期待しているのですが。

そういえば、タップシーンが多かったですね。
やはり、見た目が派手なダンスの方が、
見栄えが良いのでしょうか?

ただ、タップからクラシック、果てはフライングまで、
出来ないとビリーになれないのだから、日本版上演は難しいのかも。
返信する

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