備忘録

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『ハムレット』(四季版)

2010-07-13 02:47:02 | 国内ストプレ
志村クローディアス。かなりの野心家路線。で、悪役が驚くほどハマる。元々、顔付き(髭面)からして、悪人面だし。最初から最後まで悪人というこの手の役を四季で観られるとは思わなかった。歌えて、踊れるなら『アイーダ』のゾーザーが観たい。

田邊ハムレット。少し鼻にかかる声なので、実年齢よりかなり若々しい(と思われる)。その声質から時折、市川染五郎が、また演技的な面で、唐沢寿明などが頭を過る。ただ、台詞廻しは基本、ユタ調。

維田ボローニアス。かなり笑いに走る演出。ただ、空回りな場面も多々有り。この座組ではかなり、聞き取りヅライ台詞廻し。それほど、開口のクセが無い人なのかも。また、この路線のボローニアスを今までは誰がやっていたのか気になる処。

味方ホレイショー。ハムレットの忠実な部下。メインよりはこういう腹心役が良いかも。ただ、セリフ廻しに開口のクセが無いため、ハムレット役でも、問題ないような。

青山レイアーティーズ。ハムレットよりも王子路線な顔付きな気が。オフィーリアを妹と言い張るのがなかなか。(明らかにオフィーリアよりは…)

中野ガートルード。『鹿鳴館』でも思ったが、時代掛かった言い回しに違和感なし。佇まい的なものからも、ハムレットの母親と言っても、問題なし。史劇系のストレートで観てみたい。志村氏とセットで出てくると『めざめ』の大人二人が…。

野村オフィーリア。一幕の若々しさぶりが凄い。あの声なので、さして問題ないが、ヒロイン声全快の演技は、登場するだけで劇場の空気を自分のモノに。『尼寺に行け』から一幕ラストの退場はかなり、目を見張るモノが。二幕は狂気。『エビータ』でも感じたが、不幸(病気・狂気)が似合う。狂気の時の歌はマイナー調の不協和音なのだが、それが不快に感じさせないのは、上手いから?

日下@墓掘り1。歌いながらの登場。相変わらずの淀みのない機械のようなセリフ廻し。ただ、感情はいらない役なので、問題なし。何処を見て話しているのかがわからない(宙を見ている)。そして、歌いながらの退場。

山口@亡霊・劇王。亡霊シーンは特殊メイクなうえ、ほとんど、エコーが掛かっていたのが、残念。旅芸人到着シーンとカテコでは、かなり若作りの格好だった気が。劇王では普通のセリフだったが、やはりメイクは白塗り。

青羽オズリック。道化役ということで笑いに走るが、それなりに笑いをとる。ただ、それ以上に旅芸人の座長の方が良かったかも。

有賀@后・墓掘り2。日下氏との対比になるため、開口が目立つ。ただ、后は違和感なし。あの手の役で、女形がいけると思ったのは植本氏以来かも。基本、ストレートで見るには勿体ないのか?


蜷川シェイクスピアに比べると、セリフがかなり聞き取りやすい。ただ、ハムレット役者があまり感情を出さないため、ちょっと物足りなさが。
亡霊と墓掘り1は、日下氏が兼ねても、問題ない気がするが四季版の台本が固定なのか?
一幕は動きのない単調な話のため、『生きるべきか~』のセリフを寝過ごしたのは、痛かった。
四季でシェイクスピアを観るなら、史劇系の方が良いかも。或は、『ベニスの商人』を日下@シャイロックで。ただ、シェイクスピアでレパートリーに入っているのはこれと『商人』だけか?

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