備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『Rudolf』@Seoul

2013-01-01 00:30:10 | 他言語ミュージカル
『뮤지컬〈황태자 루돌프〉』

(承前)

初演帝劇版の感想がコチラ
ウィーン版DVDを観た感想がコチラ
その3ヶ月後にウィーンで観た感想がコチラ
再演帝劇版の感想がコチラ

曲名邦題は基本的に東宝再演。一部、初演版、英題(ハンガリ語)有り。

"Prologue"
舞台上にゼンマイ仕掛けの装置有り。

オープニングで血が垂れる、黒いバックにルドルフロゴ。

ターフェの側近ヴィリグート登場。これが全編に、ちょこまかと登場する。
で、ルドルフのシルエットと共に、人物紹介?

"幕が上がれば"
ルドルフとステファニー登場。
登場時からかなり冷え切った関係を全面に。ルドルフはスキットルを片手にアル中モード。

この時、バックにハプスブルク関係者の肖像画がかかっている。

"ウィーンのテーマ1"
ターフェが中肉中背ながらも、尾藤イサオ張りのオールバックで、存在感だけはあり。

ラリッシュがマリーを伴って登場。クシャミをした後にミアネ。

市民が両脇通路を使い登場。

フランツ登場。パンフレットと違い、白髪。
電気を付けると、三人の女性がステージに作られたお立ち台のような処で歌っている。この時、舞台上のゼンマイが動いたり、両脇の電気が付く。

そこに舞台下手から、市民が登場。そして、銃口をくわえ発砲で暗転。照明が付くと、倒れており、際立つ客。それを的確に采配するターフェ。その市民にルドルフとマリーが近づき、ルドルフ銃を持ち帰る。

"なぜ聞かない"
親子ゲンカはあっさり。フランツの後ろにはシシイの肖像画。
フランツがなかなか良い声。で、うっかり、皇帝の椅子に座ってしまうルドルフ。
この時、二人とも白いシャツに赤いパンツ。

"美しき戦争"
ユリウス・フェリックスに昏倒するマリー。それを諫め、新聞を捨てるラリッシュ。そして、曲スタート。
後ろには試着室セット。それに会計用の机。
ボーイが二人登場し、翻弄。客も五色のドレスを持つ。
原色を持つので、なかなか派手。歌もドスというよりは綺麗に歌い上げるタイプのラリッシュ。

最後、捨てた新聞を拾い上げるマリー。
また、明日への階段のメロディーがインストで登場。

"踊れワルツを"
エドワード登場。ルドルフよりもかなり叔父さん役者。ただ、それ以上に最後に登場する新聞社のツェップスのビジュアルと低音がなかなか。
この時、マリーとルドルフが再会し、お互いクシャミでミアネというお約束展開。

両脇にボックス席があり、上手にターフェと下手にヴィリグートがそれぞれ見下ろす。

"それ以上の"
別れた二人がワイルドホーン十八番の妄想デュオ。上手にルドルフ、下手にマリー。

"狐と罠"
ここでヴィリグートのソロ。意外にも正統派な歌声。
で、ターフェのツェップスへの圧力。勿論、小さい椅子も現在。"栄光への道"は無し。

"行動すべき時"
新聞社焼き討ち。松明を持った人が両脇通路を使い登場。通路から三列くらい離れているのに、かなり暑い。というか臭い。

そこにマリー登場。ユリウスの寄稿文を途中からルドルフが読み上げ、本人とこれまたお約束展開。その時のマリーの驚きの表情がなんかツボ。

"スケーティング・ソング"
スケートはルドルフがなかなか参加せず、マリーが先に滑る。

雪だるまは登場せず、ヴィリグートは普通に翻弄。最後は舞台上が全員転けて、終わり。

"Fear and Desire"(Kétség és ábránd)
何故、そこにラリッシュ?という疑問はさておき、そのタンゴが大変に体育会的ノリでなおかつ、バズーカな歌声なので、つい、サカケンを想定。

"二人を信じて"
完全にマリーのターン。それまで可愛い路線だなぁと思ってたら、本当にブリッ子。そりゃ、ルドルフでなくとも、不倫するよって、いうアピールを唄いながら、発揮。最後には雪まで降ってきて、何このロマンチックな激甘ストーリーと思わせ、一幕終了。

ここで、中央に向かって、上左右からの仕切りが動く。色は黒だけど、大変にルヴォー的な演出。

"手の中の糸"
カチカチという時計のBGMとともに、人形が落ち、真ん中にルドルフベッド、その上に簡易な階段の上でターフェが歌い始める。
手下はヴィリグート一人、下手で待機。
すると、ステファニーが謎の軍服コスで、ベッドに居るルドルフを撫で回したり、フランツがロンドンの衛兵の如く足をあげて歩いたり。1フレーズだけなのに、結構長く登場するフランツ。
その間にも黒頭巾を被った人や上手に断頭台があり、黒頭巾被らせる人登場。被すのはヴィリグート。

で、ターフェもタンゴを踊り、迷える子羊な股引ルドルフで暗転。なお、マリーと叫ばない。

で、寝起きにルドルフとマリーがイチャイチャしていたら、ステファニー登場。

"それは私だけ"
そして、イヤミっぽい事を言った後に、ルドルフを着せ替え人形にして(笑)、妻歌熱唱。

フランツの部屋で対峙するフランツとルドルフ。
マリーと結婚することを直訴するルドルフなのだが、『愛人なら』みたいな事を言うときのスケベ笑いなフランツが妙にツボ(笑)。

部屋から飛び出るルドルフだが、トレンチコートで身を隠す。そこに数名の市民とすれ違うのだが、明らかに怪しすぎるルドルフ。一応、プロイセンブルーなズボンは隠れているけど。


"パラダイスまで"
いいカンジにやる気のないルドルフ。足に怪我をした客が良い声。この時のバックの絵がかなり和風で気になる。
白い娼婦姿に身を窶したマリーが登場し、ルドルフを叱咤。

"明日への道"
冒頭の博覧会と同じセット。
ヴィリグートがターフェの演説を記者たちに書かそうと促す。

で、ターフェが続きを話そうとすると高台にルドルフ登場。民衆が一緒に足でリズムを取るのがなんかツボ。

下手にマリーとラリッシュ。

"英雄だけが"
そのセットが回転して、ラリッシュソロ。若干、演歌路線。所詮、歌謡曲路線なワイルドホーン。

"どんな日がきても"
なぜか、マリーがルドルフの部屋に居て机の上のドクロを持って遊んでいたら(笑)、ターフェ登場。チェスが無いので、王手のセリフはなかった。で、幼気にいたぶられるのかと思いきや、結構、反撃するマリー。やはり、オクさんだとこうなるよね。

"それは私だけ(re)~さよならが言えない"(東宝初演の邦題)

アウグスティーナ教会でステファニーと会うマリー。
最初にステファニーがリプライズを歌ってから、二人でデュエット。かなり、"明日への階段"と似ているメロディーというか、編曲なのは狙っている?

"それ以上の(re)"
ここで、ルドルフとマリーの妄想デュオ、リプライズ。ま、マリーが別れを決断する前振り。

"行動すべき時(re)"
机に座りサインするルドルフ。
その背後に同盟者。一幕でもそうだが、『エリザ』でお馴染みのハンガリー三人組に加えて、ハンガリーの某大物政治家やエドワードと5人掛かりなので、全員ヒゲで良い声を堪能。
著名した書類の入った箱が、同盟者の一人からヴィリグートにターフェにフランツに。この流れが盆を使わず、バックにある板の切れ目でそれぞれ渡される。

"守るべきはこの国"(東宝初演邦題)
で、燃やしながら歌うフランツ。暑いだろ、それ。
と、心の中でツッコミつつ、大変に感動的なシーン。

"世界を手にして"
フランツの手に著名した箱があるのが分かり勘当されるルドルフ。ターフェから、マリーに渡した指輪を返され、駅に。
不自然に落ちた運命のエンジ色のマフラーを拾い、再会しラストへ。
"二人を信じて(re)"
雪降るベッドに横たわる二人。本物の燭台4つを二人で消して暗転。銃声二発後、一幕ラスト同様、黒色の仕切りが中央に向かって、上左右からの仕切りが動き、幕。

임태경@ルドルフ(Im Tae kyung)
等身大な皇太子。まぁ、声は出てるし、ビジュアルも皇太子なのだが、あと一押しのないルドルフ。困った時の上川隆也氏とビジュアルが似ている。

옥주현@マリー(Oak Joo Hyun)
まさかの可愛い路線。それでいて、ソロになると力強く歌う。

민영기@ターフェ(Min Young Ki)
これが、尾藤イサオにしか見えないビジュアル。それでいて、真っ直ぐな声量なので、本当にサカケンが…。

박철호@フランツ(Park Chul Ho)
普通に安定の良い低音。
ちょっと調べたら、映像の人らしい。
でも、『アニー』のウォーターバックとかも演じてるらしいので、かなり聞きたい、

오진영@ステファニー(Oh Jin Young)
ソロが一曲しかないため、ちょっと勿体無い。一人不自然な金髪なので、目立つ。

신영숙@ラリッシュ(Shin Young Sook)
この人が一番美味しい脇役。都合、3曲あるが2曲のソロで歌い方を変える。

@ヴィリグート(Lee Sang Min)
アンサンブルなのか。一応。狂言廻しではないが、地味に色々なシーンで登場。


韓国版のジキハイやエリザでお馴染みのJohanson演出。

ファイファーの変わりにヴィリグートを配置?歌ってないし、狂言廻しもしてないけど、結構な舞台占有率。

まぁ、ハンガリー版でしかなかった曲やウィーン初演のテコ入れでカットされた曲を使い、ルヴォー版との格差を図る。それでも、似たシーンは登場。

ヨハンソン演出ではお馴染みの火炎演出も時折登場し、ラストのフランツの親心なんて、もう…。

前情報でターフェとラリッシュの曲があるのは知っていたけど、ミュージカルナンバーをチェックせず、観ていたので、二幕にあの二曲がくるなんて。それも東宝初演とは、この2つの順番を変えてかなり、感動的に、それでいて、自然な流れに。

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2 コメント

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Unknown (el)
2013-01-13 12:09:11
dachoさん、お邪魔します。

色々な演出をご覧になった上でのご感想、さすがきめ細かくて、自分が忘れている箇所多数、自分は本当にこれを観たのだろうかと思ってしまいました。あらためて色々チェックポイントが拝見できてとてもありがたいです。

テギョンさんのルドルフが「等身大」というのもとても想像できて、実はハマり役なのかも、と頷きました。

フランツはもう一人の方だったのですが、「スケベな笑い」が見たかったなと残念に思いました(笑)
dachoさんのおじさま観察がいつもツボです。

またあちらでもよろしくお願いします。
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el様 (dacho)
2013-01-14 17:34:41
井上氏ほどノーブルでもなく、かといってDrew氏ほど病弱アル中でもないのです。
他の方が、貫禄のジェウク氏、歌のウンテ氏と書いていたので、
なかなか特徴が無いのが特徴なのかと、テギョン氏。

そして、韓国のおじさん俳優はなかなか観察がいがあります。
エリザのゾフィ家臣団ズとかジキハイのダンヴァース&ジョンとか。
実は、スカピンのパーシーと愉快な仲間達(ピンパーネル団)が目下の
観察対象なのですが、観に行けるのやら。

ちなみにフランツは920フランツ的なダンディな笑みでした(笑)
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