パリオリンピックも終盤に入り。男子体操では20歳の岡慎之助選手が団体・個人に続き種目別の鉄棒でも金メダルを獲得しました。あの内村航平選手でさえなし得なかった偉大な記録です。幼い頃から高い才能を認められながら、前十字靭帯断裂という大怪我があり、この大会でここまでの活躍を見せてくれることを予想した人は少なかったのではないでしょうか。
エースの橋本選手の怪我がある中で、男子団体で鉄棒での奇跡の逆転劇を生んだのも岡選手の堅実な演技でした。決してずば抜けた技があるわけではない選手なのですが、とにかく堅実でミスが無いのが最大の特徴で、彼の安定した演技が有力な選手たちのミスを生むという流れで、最後の種目別の鉄棒でも、彼の後の演技者が次々とミスをし自滅して行ったのです。
誰もがこいつモッテるなと思ったことでしょう。こうした運も味方しないと一発勝負の舞台で世界の頂点には立てないのかもしれません。且つてはお家芸ともいわれた時代もあった男子体操ですが、日本の選手がひとりで3つの金メダルを取るのは1972年ミュンヘン大会の加藤沢男選手以来52年ぶりのことなのです。
活躍が目立った男子体操の他にも3つのメダルを獲得しているフェンシングの躍進も今大会の大きな出来事でしょう。2008年北京五輪の男子フルーレ個人で、日本勢初の五輪メダルとなる銀メダルを獲得した太田 雄貴氏の活躍を知る迄、この国ではほとんど注目されていなかったフェンシングですが、今や日本のお家芸になりうる競技へと変貌しつつあるのです。
柔道に次ぐ予算を得て、積極的にフランス人コーチを招聘し、海外遠征で強敵相手に戦う機会を増やし、確実に実力を付けて来た結果なのです。体は小さくても動きが機敏な日本人向きの競技なのは間違いありませんが、ほとんど何の実績も無いところからここ迄持ってきた関係者には頭が下がります。JCF(日本自転車競技連盟)も見習って欲しいと願っています。何度も繰り返しますが日本人には自転車ロードレースは向いているはずなのです。
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