ついに精神論満載の岸田文雄の所信表明演説だったようである。
病床増やしたとかドヤってるけど、じゃあなんで195億も消費税使って減らしたんだよと#所信表明演説 pic.twitter.com/YPQvBp1FRn
— EMIL (@emil418) December 6, 2021
改めて演説の全文から仰々しいタイトルやキャッチフレーズを抜き出してみた。
◆コロナ克服・新時代開拓のための経済対策
◆未来社会を切り拓く「新しい資本主義」
◆新しい資本主義の下での成長
●経済安全保障
●マイナンバーカードは、安全安心なデジタル社会の「パスポート」
●マイナンバーカードを使い、スマートフォンによって、国内外で利用できるワクチン接種証明書を入手できるようにします。
わかりやすく解説してくれたのがこの動画。
11207 なにも変わらない「新しい資本主義」
★特に新しいことを言っているわけではない。安倍晋三とは違う視点を持っていると思っていたが大して変わりないことが判明しただけで残念。アベノミクスを否定できない時点で期待はできない。
★あれもこれもと仰々しく大きく看板をたくさん掲げていましたね。
毛ば部とる子さんも中身が無いとおっしゃってましたが、大げさな表現の看板だけを羅列するよりも
日本にとって重大な課題に絞って、それに対する具体的な政策の説明をしていただきたかったです。
日本国政府としての外交姿勢や安全保障については当然言及しなければならないし、
内政においては経済格差への具体的対策を説明してほしかったです。
特に少子化現象は、若い人たちが将来に対しても安心安定した生活が送れる社会の構造を構築すべきではないのでしょうか。
恒例の在京各紙の社説を紹介しておく。
■朝日新聞 「(社説)臨時国会開幕 丁寧な説明 質疑でこそ」
首相のきのうの演説は、安倍・菅両氏の過去の所信を上回る長さだった。しかし、単に言葉数が多ければ丁寧というわけではない。野党の厳しい質問もはぐらかさず、正面から答える。首相の言う「丁寧な説明」は、明日以降の質疑で試される。 |
■毎日新聞 「首相の所信表明演説 岸田カラーなぜ出せない」
安倍・菅政権は異論に耳を傾けず、国会を軽視する姿勢が目立った。首相は質問をはぐらかさずに答弁し、目指す国のかたちを自らの言葉で語らなければならない。 |
■讀賣新聞 「所信表明演説 政策実現へ具体的な手順示せ」
首相は、早期に訪米し、バイデン大統領と会談する意向を示した。北朝鮮のミサイル発射などを念頭に、「敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討する」と語った。 強固で安定した日米同盟は、アジアの平和と繁栄に不可欠だ。日米が一体となって抑止力を高めるため、効果的な方法に関する議論を急ぐべきである。 |
■産経新聞 「首相の所信表明 発言の実現力が問われる」
防衛力の抜本的強化には、岸田首相が防衛予算の思いきった増額を決断することが欠かせない。 台湾情勢への言及がなかったのは物足りなかった。日本の首相が「台湾海峡の平和と安定」の重要性を繰り返し語ること自体が、台湾有事の抑え込みに寄与する。 憲法改正では、国会議員に対して国民の議論を喚起していこうと呼びかけた。ならば、憲法のどこを改めるべきだと考えているのか、自民党総裁の岸田首相自らが率先して国民に積極的に語りかけていくときである。 |
やはり直截的でわかりやすい社説はこれかもしれない。
「<社説>首相所信表明 理念・熱意が見えない」
きのう召集された臨時国会で岸田文雄首相が所信表明演説を行った。新型コロナウイルス感染症対策や経済、社会保障、外交、安全保障などの当面する課題を網羅するにとどまり、どんな社会を目指すのか、理念が見えなかった。 首相演説は「新しい資本主義」の説明に多くの時間を割いた。新自由主義で格差や貧困が拡大したとして、新しい資本主義を具体化することで「成長も分配も実現する」と強調し、「数世代に一度の歴史的挑戦」と位置付けた。 掛け声は勇ましいが、内容の多くは、安倍・菅政権が取り組んできた政策の延長線上にある。 例えば、通信網の整備で地方を活性化させる「デジタル田園都市国家構想」は、かつての「地方創生」との違いがはっきりしない。イノベーションの推進、クリーンエネルギー分野への投資などの成長戦略、賃上げをはじめとする分配政策も、過去の政権が手掛けてきたことだ。 新しい資本主義が看板政策だとしても、新味も熱意も感じられないのは、首相がそうした政策で社会をどう変え、どんな未来を目指しているのか、具体像を示すに至っていないからではないか。 首相は先の自民党総裁選まではアベノミクスを修正して「分配」重視の姿勢を示していたが、首相就任後は安倍晋三元首相らに配慮してか「成長と分配の好循環」に回帰し、方向性があいまいになった。総裁選で掲げていた金融所得課税の強化や令和版所得倍増計画にも所信表明では触れなかった。 首相は自ら議長を務める「新しい資本主義実現会議」で、全体像と実行計画を来春まとめる方針を示したが、どんな社会を目指すのかを信念を持って語らなければ、これまでの政権が取り組んできた政策に「新しい」という形容詞を冠しただけになりかねない。 安保政策では、国家安全保障戦略の改定と、弾道ミサイル発射を相手国領域内で阻止する「敵基地攻撃能力の保有」検討を明言した。先制攻撃を意味し、憲法や国際法に違反しかねない「敵基地攻撃」の表現をそのまま演説で使ったことは軽率ではなかったか。 臨時国会では衆院選後初めて衆参両院で予算委員会が開かれ、本格論戦が行われる。どんな社会、政治を目指すのか、過去の政権とは何が違うのか、首相は自らの言葉で丁寧に語るべきである。 |
「岸田首相 所信表明演説 与野党の反応」が興味深い。
■自民 茂木幹事長「力強い所信表明 意気込みと決意伝わってきた」 「力強い所信表明だった。先の衆議院選挙で国民から寄せられた大きな期待にしっかり応えていく意気込み、決意が伝わってきた。日本が直面するさまざまな課題に優先順位をつけて取り組んでいくという姿勢も明確に表れていた」。 また、岸田総理大臣が、3回目のワクチン接種について、できるかぎり2回目との間隔を短縮する考えを表明したことについて「ワクチンの余裕があり、自治体の準備が整っていれば、決して8か月を待つ必要はなく、前倒しすべきだ。前倒しの接種が、安心安全の確保につながると確信している」 ■公明 山口代表「意気込み伝わるよう 論戦展開したい」 「『丁寧で寛容な政治』や『成長と分配の好循環』などの言い回しをちりばめながら、新しい政治姿勢を強調していた。この意気込みが国民によく伝わるように、与党としても論戦を展開したい」 また、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」への政府の対応について「迅速、果断に対応する姿勢で臨んでいることは基本的には妥当だが、いろいろな意見があることも事実であり、国民や国際社会から理解されるよう説明責任を果たすとともに、政府内の情報共有をしっかり行う必要がある」 ■立民 泉代表「野党の役割実感 論戦しがいのある演説だった」 「『分厚い中間層』や『ボトムアップ』など、立憲民主党が掲げてきたことばが随所にあり、野党の役割はこういうところにもあるのかなと実感した。一方で論戦しがいのある演説だったとも思う。新型コロナ対策では、ワクチンや入国規制などがちゃんと実施されるのか、経済対策では必要な国民に支援が届くのかをよく見ていきたい」 ■維新 馬場共同代表「何をするのか具体的によくわからない」 「第一印象は、何をするのか具体的によくわからないというのが感想だ。『新しい資本主義』が、どういうことを指しているのか、まだよくわからない。これから具体的な政策が出てきた段階で、是か否かはひとつずつ判断していきたい。われわれの政策プランは、岸田さんのしようとしていることに多くの回答を提供していると思う。国会では、われわれの政策を前面に打ち出し、議論の質を高めていきたい」 ■国民 玉木代表「変革していこうという意志 薄い演説」 「具体的にいつまでに何をするのかということが不明確で、今の停滞する日本を変革していこうという意志が薄い演説に感じた。例えば、ガソリン価格の高騰に対する具体的な対応策が何も書かれていないなど、国民の皆さんの期待に十分応えていない内容だった。足りない部分については、より具体的に先手先手で政策を示し、政府を引っ張っていきたい」 ■共産 志位委員長「過去最大の積み増し 『防衛費』の言及なし」 「補正予算案では、軍事費を7700億円を超える過去最大の積み増しをしているにもかかわらず、演説には『防衛費』ということば自体がなかった。国民に何の説明もせず、こっそりやってしまうような姿勢でよいのか。また、暮らしと営業へのさまざまな支援も、困っている人に届かない極めて不十分なものだ」 ■れいわ新選組 山本代表「かなりドケチなもの 並んでいるという印象」 「不景気と新型コロナのダブルパンチで苦しむ人々を救うため、しっかり予算をつける国会だったはずなのに、かなりドケチなものが並んでいるという印象だ。そういう意味で、感想としては、滑舌のいい人が総理大臣になったんだなという以上のものはない」 |
与党はともかく、野党第1党の立憲民主党よりは、維新の会の馬場共同代表のほうが「野党」らしく見えてしまう。
岸田文雄はよく「昼間の幽霊」と揶揄されるのだが、その心は「透明感」があるが、「岸田カラー」がないかららしい。
したがって、演説の「五 未来社会を切り拓く『新しい資本主義』」の中のこの一節を読むにつけ、本人の高揚感の後には「空疎」という言葉が浮かんできてしまい、むしろ今までとなんら変わりがない日本という印象を国民に与えてしまったのではないだろうか、とオジサンは思う。
日本ならできる、いや、日本だからできる。 我々には、協働・絆を重んじる伝統や文化、三方良しの精神などを、古来より育んできた歴史があります。だからこそ、人がしっかりと評価され、報われる、人に温かい資本主義を作れるのです。 皆さん。明治維新、戦後高度成長、日本は幾多の奇跡を実現してきました。「新しい資本主義」という、数世代に一度の歴史的挑戦においても、日本の底力を示そうではありませんか。 |