憲法第69条にはこう書かれている。
「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。」
これは、そもそも内閣は「勝手に解散できる」わけではなく、「不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したとき」以外は任期を全うするべきである、と読み取れる。
最近では安倍政権に見られるように、自己都合の裁量解散が常態化している。
すなわち、与党勢力の拡大のため、野党の選挙準備が整わないうちに、あたかも「国民の信を問う」という名目で解散することは、昨日の「野党は本当の労働者と共に戦わなければならない」 の中で紹介した安倍晋三の消費税の増税をめぐる一連の会見の中で、たびたび使われた、「国民の信を問う」というフレーズが典型的であった。
「安倍首相『お約束と異なる新しい判断』 あの消費増税『断言』の限りない軽さ」
ところで、2000年より衆議院議員三期務めた元民主党衆院議員・首藤信彦は、こんなツイートを発していた。
岸田政権は14日に国会を解散し総選挙と言うが、憲法69条はあくまで内閣不信任案可決が前提で、それ以外は裁量解散。野党は14日に内閣不信任案を提出すべきだ。自民党政権が否決したら、わずか一週間後の衆議院任期を待たずに解散することは誰が見ても無理筋の憲法違反だ。
— 首藤信彦(すとう) (@sutoband) October 11, 2021
たしかに理にかなっている指摘であった。
衆議院議員の任期があと2週間で終了し、総選挙になる状況で、あえて憲法の趣旨を無視して解散するほどの大義があるだろうか。
ましてや、新内閣が発足しながら一切国会での新閣僚の所信表明も明らかにせず、むしろ「疑惑隠し」のために解散するとの批判もある。
護憲を標ぼうする立憲野党にはぜひ、14日に内閣不信任案をつきつけ、岸田文雄政権は当然、否決するだろうが、そうしたら、衆議院解散をすることは論理的に矛盾することになる」と喧伝すればよかった。
それでは、野党第一党の枝野幸男はどう考えているのか。
「枝野氏、政権交代の可能性『大谷の打率くらい』 民放番組で」
立憲民主党の枝野幸男代表は11日のBSフジの番組で「政権を本気で狙いにいかないと最大野党の責任は果たせない」と述べ、次期衆院選で政権交代を目指す考えを強調した。 その上で、実現の可能性について、米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手の今季の打率2割5分7厘に触れ、「大谷の打率くらいの可能性はあるつもりで頑張っている」と説明した。 |
この枝野発言に対しては、「yahooコメント」がナント「1196」件もあったが、ほとんどが否定的な批判であった。
最近では、こんな注意書きがあるにので、悪質なネトウヨ連中のコメントや過激な表現はなくなったが、いずれも的を射ているコメントであった。
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「一割にも満たないと思います。民主党政権の残党であるならば、現在の自民党政権を批判できる資格がないからです。できない公約で議席を騙取し、最後は「増税こそ最大の景気対策」と開き直ったことに対する総括がいまだになされていないからです。舌鋒鋭い枝野氏や蓮舫氏が民主党政権の時に何をやったでしょうか。労働者の党なのに最低賃金すら上げることなく、内政外交の最悪を極めました。」
「もし仮に枝野氏が本当に2割5分7厘もの可能性があるのだと思っているのなら…
よっぽど自己肯定感が強く、私達有権者の声を聴く気がないと言う事
御自身が立ち上げた党が発足以来、どれだけの政権支持率を獲得してたのか
『反自民』を叫ぶだけじゃ政権は取れないと未だに理解していないんだろうよ
まぁその分、今の地位は盤石だもんなw
立憲民主党の未来は枝野氏を蹴倒す様な人物が出てこない限りはないと思うよ」
「政権交代の可能性無し。立民も他の野党も本気で政権を取る気なんてサラサラないんだよ。民主党政権時代の震災直後の原発事故や、尖閣諸島国有化による中国からのプレッシャーで相当恐ろしい思いをしたから怖くて政権なんか取りたくないんだよ。
聞こえは良いが国民の関心事としては決して高くない事を公約として掲げているのは、野党でいれば責任を追及されずに文句だけ言ってれば楽に高い報酬が手に入るからだよ。与党になれば責任を追及され文句一つ言えない。言おうもんなら袋の叩きで大炎上だからね。腰抜け野党の本音は『責任を負わず。怖い思いもせず。楽に高い報酬を手に入れたい。』って事なんだよ。」
「多分、立憲民主党は今度の選挙で大負けすると思う。共産党との選挙協力で選挙公約の左派色が強くなり「中道リベラル」層が立憲民主から離れると思うから。このダメージはかなり後まで残ると思う。立憲民主は変な「ルビコン川」を渡ってしまった。連合も「国民民主」を応援せざるを得ないと思う。」
もちろん、自民党ネットサポーターズの連中の「ゴミコメント」は多数あったが、「期待していた人に裏切られた」という気持ちもにじみ出ていたようであった。
ところで、ネット民たちの批判はさておき、野党共闘に関しての実務的な状況はどうなっているのか。
「党が衆院選220選挙区で一本化 共産・立民が候補調整」
共産党は13日、衆院選で競合する70程度の小選挙区で立憲民主党と進めていた候補者調整に関し、25選挙区で一本化が決まったと発表した。共産は22選挙区、立民は3選挙区で候補者を取り下げる。289小選挙区のうち、これまでに200近い選挙区で日本維新の会を除いた野党候補の一本化ができていたが、約220まで積み上がった。残る45程度の選挙区は競合を解消しない方向で、焦点となっていた立民、共産両党の候補者調整は、これでほぼ決着した。 共産の小池晃書記局長は記者会見で、立民との競合が残る選挙区のうち東京8区については一本化に向けた検討を続けるとした。れいわ新選組の山本太郎代表がいったん出馬を表明し、撤回していた。「一本化した選挙区での勝利に全力を尽くす。野党共闘で政権交代を実現する」と述べた。 共産が取り下げるのは北海道3区、4区、9区、山形1区、福島2区、茨城6区、群馬4区、千葉5区、7区、8区、東京15区、23区、神奈川2区、13区、福井1区、静岡1区、8区、奈良1区、岡山4区、広島2区、福岡5区、7区。立民が取り下げるのは福島5区、東京4区、大阪5区。(共同) |
「残る45程度の選挙区は競合を解消しない方向」ということは、同一選挙区から、2人の野党候補が立候補することになり、完全な「統一候補」とはならなかったようであるが、一定の評価もあった。
衆院選で競合する70程度の小選挙区→25選挙区で一本化が決まったと発表
— 毛ば部とる子 (@kaori_sakai) October 13, 2021
共産は22選挙区、立民は3選挙区で候補者を取り下げる。289小選挙区のうち、約220まで積み上がった。残る45程度の選挙区は競合を解消しない方向https://t.co/RMRrRyBkgH
⇒ようやった。
一方、野党からすれば敵失ともいえる選挙区では共産側が自主的に立候補予定者を取り下げる判断をしたことにより、統一候補となった。
「保守分裂の福岡5区 野党が候補一本化 共産が自ら取り下げ」
保守分裂の福岡5区 野党が候補一本化 共産が自ら取り下げ:朝日新聞デジタル https://t.co/vjlRGsDwBY #立憲 #共産 #2021衆院選
— ぽん桔 (@339_fever) October 13, 2021
>内田裕・党県委員長は(中略)「県内では立憲への一本化だが、全国的には共産への一本化も行われており、対等で平等の共闘」と説明。
これは本当に有り難いです。
2017衆院選の福岡5区の得票数は以下の通り。https://t.co/kTxQ1nFCUG pic.twitter.com/KGUxLiZhMg
— 前田 直人 (THE ASAHI SHIMBUN) (@Nao_Maeda_Asahi) October 13, 2021
いくら外野が騒ぎ立てても、今日解散され、衆議院議員は全員が「失職」になるのだが、コロナ禍での、前政権の無策ぶりで「失職」したり命を落とした人たちも決して少なくはない。
なんとか生き残っている多くの国民は、岸田文雄政権が唱える「果実」の恩恵に預かれるのか。
「所得再分配の財源 立民は富裕層から、自民は経済成長の『果実』 衆院選公約」
【東京新聞より】
野党は最大限努力して少なくとも自民党の議席をより少なくして、憲法改悪の発議を阻止して、予算案を人質にできるほどに議席を伸ばしてほしいものである。
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakuten) October 13, 2021
【甘利 出せない報告書 疑惑底なし】
【「成長も分配も」という詐欺師の口上】
『もう正体が見えた薄っぺら』
「何一つ理論武装がなかった『新しい資本主義』とやらの大風呂敷」
“クルクル変わる「成長」と「分配」をめぐる詭弁、「空前の空っぽ」、「御用聞き」首相で終わる可能性” pic.twitter.com/oTvgpallFE
本日の国会より、森ゆうこ議員。
— Tad (@TadTwi2011) October 13, 2021
「まるで安倍元総理が乗り移ってるよう」
「竹中平蔵氏と決別することをおすすめします」
場内拍手👏👏👏 pic.twitter.com/0k1Ty3jd2k
森ゆうこ「民主党政権はたったの3年ですよ。もう10年近く前です。まだ民主党の悪口を言わないと自分達を正当化できないのですか?」
— グッピー (@akishima_love) October 13, 2021
「安倍元総理がのりうつったようで岸田総理らしくないですよ」
議場笑笑笑
「GDPが下がっているのは主要先進国の中で日本だけ。それも民主党のせいですか?#国会中継
今日2021年10月13日参議院本会議での森ゆうこ議員
— 尾張おっぺけぺー (@toubennbenn) October 13, 2021
岸田文雄さんが訴えてきた「民主主義の危機」
(安倍菅政権の話のはずですが)
これについて辻元さんが質問したが岸田さんは・・・
森ゆうこ
「意味が分かりません!」
「国会で総理がまともに答えない、これこそが民主主義の危機ではないですか」 pic.twitter.com/VWfxoVNkNS
こんな元気のある議員が立憲民主党には存在することは、ある意味では救いである。
野党の「絵にかいたような餅」を食うのか、それとも搾り粕しか出ない成長の『果実』を果てしなく待つのか、それは国民一人一人が考え判断すればよい。
しかし選挙での投票行動次第では「餅は絵から飛び出る」かもしれないし、何もしなければ「腐った果実」を食わされ続けることのなる、とオジサンは思う。
どの様な世界が最適かだけを言ってほしい。
これから、どうすべきかが大事です。
ほかの党とか、これまでのことなんか、かまっている場合じゃないです。
まともな政権・与党ならば一切の批判はありません。
しかしそんな政権はどこの国にもありません。
本来ならば日本のメディアがもっとジャーナリズム精神を発揮してほしいものです。
野党から「非難」されないような国になればと思っています・・。