新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

五輪ナショナリズムを政治利用させるな!

2020年01月10日 11時48分31秒 | 東京五輪疑惑

「2020東京五輪」まであと半年余りとなり、どうやらいまさら後には引けない時期となってしまった。
 
年明け早々、「Olympic Year」という言葉が躍っていたが、オジサンからすれば「オリンピック嫌!」としか聞こえない。  
特に膨れ上がる費用が度々話題になったが、4年前にはこんな記事が出ていた。 


この記事の半年後にもこんな記事が出ていた。

2016年の都知事選で都知事に就任した小池百合子は、「『1兆、2兆、3兆って…』小池百合子知事に『豆腐屋』と揶揄された東京五輪総予算、一丁上がり」と威勢の良い言葉を発し、あたかも総予算が縮小されるような錯覚を都民に与えてた。 
 
そしてついに、昨年12月には、「東京五輪、国の支出1兆円超 過去6年間、会計検査院」ということが明らかになった。


 
そもそも「五輪開催」は都市が主体なはずなのがが、いつの間にか国家的事業となり、国家の威信の発揚場と成り下がっている。
 
そしてIOCという世界的な利権集団が生まれたのは周知の通りであるが、日本では2011年の東日本大震災にともなう福島第一原発のメルトダウンという大惨事をなかったことにしようと、安倍政権は「復興五輪」という詭弁で五輪を全面的に政治利用してきている。
 
1964年に開催されたわが国初の「東京オリンピック」の象徴的な国立競技場が、「改修工事により十分に2020年にも耐えられる」という声を無視して、取り壊し更地にし、より大きな競技場作りのため旧競技場周辺に住む住人たちの強制立ち退きも行われた。
 
その後は、新国立競技場建設のため立ち退きを強要された霞ヶ丘アパートの住人に対する都のヒドい対応に怒りの声があった。

<わずか17万円 新国立建設で強制退去の住民へ 都の冷たい対応> 
 2020年01月06日 FRIDAY
 「東京五輪なんて楽しみでもなんでもありません。むしろ迷惑でしかない。私は絶対に観戦しません」
「霞ヶ丘アパート」の元住民・柴崎俊子さん(93)は、苦々しげにそう呟いた。
総工費1569億円をかけた東京オリンピックのメインスタジアム「新国立競技場」がついに完成した。12月15日には竣工式が開かれ、安倍晋三首相や小池百合子都知事らが出席。華々しくオープンを祝った。
だが、完成を喜ぶ政治家や五輪組織委員会のお歴々の陰に、新国立をまったく快く思っていない人々がいる。建設の〝犠牲〟となった都営団地「霞ヶ丘アパート」の元住民たちだ。
「’60年代に造成された霞ヶ丘アパートは、新国立の建設予定地に隣接していたため取り壊すこととなり、居住者は東京都から立ち退きを命じられました。アパートには約200世帯が暮らしていた。’14年に通告がなされ、’16年中に解体工事が行われました」(全国紙都庁担当記者)
霞ヶ丘住民の多くは、都が用意した近隣にある別の都営団地へと転居した。強制退去にともなう都の対応は、あまりにも杜撰(ずさん)だったという。元住民の菊池浩司さん(87)が怒る。
「私は32年間、霞ヶ丘に住んでいました。建設現場の事故で片腕を失くしたもので、家にはいろいろとバリアフリーを施していた。でも、転居の際に都に渡されたのは、引っ越し費用の17万円だけ。都の担当者には『私は障碍があるので新居にもバリアフリーを』と何度も頼みましたが、『では勝手に民間で借りてください』と表情も変えずに言われました」
それでも、多くの住民が持ち出しで引っ越し費用を賄い、何とか転居を終えた。しかし、住み慣れた家を追い出されて始まった新生活は、想像以上に辛かった。前出の柴崎さんが言う。
「霞ヶ丘の住民はほとんど高齢者の一人暮らしでしたが、餅つき大会や節分、盆踊り、忘年会と、年中行事があってみんな仲良く暮らしていた。しかし、都によってバラバラに転居させられたため、いまはまったく人とのつながりがありません。強制退去後、都の職員が様子を見に来たことは一度もない。戻れるものなら、いますぐ霞ヶ丘に戻りたい。これでは、孤独死しろと言っているようなものですよ」
霞ヶ丘アパートの跡地には公園が作られる予定だ。無理やり家を追い出された高齢者たちは、転居先から巨大な新国立を眺めながら孤独な日々を過ごしている。本誌は10人の元住民に取材をしたが、「東京五輪が待ち遠しい」と答えた人は、一人もいなかった。

新国立競技場だけではなく、五輪後に始まる「悪夢」を予想するかのような記事もあった。
 
<“見にくい”新国立競技場の国民負担は3000億円?――東京五輪後に始まる3つの悪夢>
 2020/01/08 文春オンライン
 東京2020オリンピック・パラリンピック開幕まで8カ月を控え、新国立競技場は12月21日、オープニングイベントを開いた。建設費が当初、過去5回の五輪会場合計を上回る約3000億円に膨らみ、デザイン変更による建設費半減のドタバタを経た“感動の舞台”のお披露目は、入場料5000円~8000円を払わなければならなかった。五輪のレガシー(遺産)を掲げながら、1964東京五輪のレガシーそのものの旧国立競技場をあっさり壊した国民にふさわしい幕開けと言える。 
新国立の国民負担は3000億円に?
 だが、そんな国民の悪夢は五輪後から本格化する。新国立の維持費という「負のレガシー」の負担だ。新国立は建設途中から、五輪後に陸上競技場として使えないことが判明していた。選手が調整する「サブトラック(補助競技場)」を常設できず、五輪後に撤去するためだ。サブトラックがなければ国際大会は開けない。このため、施設を管理する文部科学省所管の独立行政法人、日本スポーツ振興センター(JSC)は五輪後、サッカーやラグビーが行える球技場に転用し、民間事業者に運営を委託するとした。この時点で、「レガシー」は箱物作りの方便だったとの疑いを抱かせる。日本人は64東京五輪から60年経たずに2つの五輪競技場を自ら葬るからだ。
 ところが、その球技場の民間委託も既に怪しくなっている。新国立は年間維持費が約24億円かかる。観客席8万人を埋めるサッカーやラグビーの試合はそうそう組めない。もともと開閉式の屋根を設け、コンサート会場としての利用を想定していたが、デザイン変更で屋根がなくなり、近隣への騒音を懸念してコンサート利用が制限され、収益確保のための活用の幅は狭まった。
 この維持費がさらに膨らむ可能性も高い。24億円という数字は、設計・建設を担う大成建設などが設計の段階で試算したものに過ぎない。暑さ対策などで追加した設備もあり、長期修繕費を含む維持費は試算より増える見通しだ。しかも、この維持費は年間30億円にのぼる固定資産税や都市計画税を含めていない。球技場ではとても採算が合わないという現実を背景に、朝日新聞が今年7月報道したのが『新国立、五輪後も陸上トラック存続へ』だ。だが、たとえ陸上トラックを残しても約60億円の維持費と税金を負担して、収益を上げられる民間事業者がどれだけいるのか。遠からず、公共施設として利用すべきとの議論が再浮上する公算が大きい。新国立の維持費は50年間の施設運営を前提としたものだ。つまり、文字通りの国立として維持した場合、五輪後に試算ベースでも1200億円以上の国民負担が発生する。建設費と合わせれば、国民負担は3000億円に迫る。あれほど建設費3000億円を批判していたのに、これでは21世紀の「朝三暮四」そのものではないか。
2つ目の悪夢「日本経済の景気後退」
 新国立に続く悪夢は、五輪特需の終焉と共に訪れる日本経済の景気後退だ。
「コンパクト五輪」というかけ声とは裏腹に、新国立以外でも各種競技施設の建設費が膨らんだのはもとより、道路整備や鉄道のバリアフリー化など各種インフラ整備、民間のホテルやオフィスビルの建設は、日本の経済成長を下支えした。
 しかし、こうしたインフラや建物建設は五輪開幕前に一段落し、景況感が悪化するのは避けられない。これは64東京五輪でも同じことが起きた。日本特有のことではなく、前回リオ五輪のブラジル、前々回ロンドン五輪の英国も五輪開幕前には景況感が悪化した。
 問題はその間の悪さだ。18年から世界のエコノミストの間では、迫り来る米経済の景気後退の時期が議論の俎上に載せられていた。リーマンショックから10年を経過し、立ち直った米経済も景気循環の波からは逃げられない。景気の先行指数である米製造業景況感指数は好不況の境界である50を8、9月に連続で下回った。トランプ大統領が、中国やEUに繰り出す追加関税が、米国のみならず世界経済の景況感悪化に拍車を掛けている。ただでさえ、内需が弱い日本経済にとって、五輪特需が一段落したタイミングで、外需が萎むのは悪夢といえる。
 実際、20東京五輪のお膝元である都内の新築マンション販売は今年度に入って、急ブレーキがかかっている。不動産経済研究所が毎月発表する「首都圏のマンション市場動向」で、都区部の発売戸数は今年4~7月が前年同月比21.9~37.6%減と大きく落ち込んだ。8月は同117.2%増だったが、これは五輪選手村を大会後に販売する「HARUMI FLAG」の募集があったため。毎年盆と正月の月はマンション販売が低調で前年同月の数値が低く、反動で極端に増えたように見えるだけで、不動産市況が回復したわけではない。
 不動産業界は、マンション開発業者の在庫積み増しを「半信半疑」(不動産アナリスト)でみている。今は持ちこたえているが、米景気後退が始まれば、「在庫の投げ売りが始まり、不動産市況は崩れる」とみているからだ。それは日本の景気後退の始まりでもある。
そして最後の悪夢は……
 最悪なのは、10月からの消費増税だ。安倍晋三首相は14年衆院解散で消費増税を延期。16年G7で「(世界経済が)リーマンショック前の状況と似ている」と再延期した。世界経済が安定していた当時に増税せず、景気後退の懸念が強まっている今、増税する。国民の財布のひもを固くするタイミングが悪過ぎる。
 そう、五輪後の最後の悪夢は安倍4選だ。今年7月の参院選で自民党が勝利した後、永田町には「早ければ年内、遅くても五輪後に解散」との話が広まった。日経は10月3日電子版『巨人の「V9」と安倍政権』で、安倍首相が「巨人はV9、私も(衆参選挙を)9回勝った」と漏らしたとの伝聞を書いた。「経済重視」と言いながら実際は政局優先のツケを、これからも国民が払わされる恐れがある。

「巨人はV9、私も(衆参選挙を)9回勝った」という言葉の真偽とその背景を考えると、V9以降の巨人は長期低落傾向になり、選挙で9回も勝った安倍晋三は国民の所得を倍増どころか減少させているのが実態であろう。
 
弱者を犠牲にし、国民全体に大きなツケを残し、今まで“嫌韓キャンペーン”を牽引してきた安倍晋三は、元旦の年頭所感を「いよいよ、東京オリンピック・パラリンピックの年が幕を開けました」と始めた。
 
こんな安易な“五輪ナショナリズム”を政治利用させてはならない、とオジサンは思う。
 
【付録】  

■NHK Eテレ「100分deナショナリズム」
https://www.dailymotion.com/video/x7pz3s5 part1 20200101
https://www.dailymotion.com/video/x7pz3up part2 

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