新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

自衛隊員不足は東大法学部卒のトップクラスのエリートで賄え

2023年06月22日 11時52分31秒 | 防衛費

1週間ぶりに朝刊を見たら、ナント安倍晋三時代よりも酷いことが起きていた。
 
日本製の武器で死者出る可能性も…輸出解禁に前のめり自民、慎重な公明 防衛装備移転三原則緩和へ論点整理
 
      *
                【東京新聞より】
 

防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の要件緩和に向けた自民、公明両党の与党協議が21日、国会で開かれ、意見集約に向けた論点整理に着手した。主な論点は、殺傷能力のある武器も含め、輸出を認める対象を拡大するかどうかだ。殺傷武器の輸出が解禁されれば、日本の武器で海外で死者が出る可能性があり、憲法に基づく平和主義を逸脱しかねない。(川田篤志)
 与党の実務者が示した論点はほかに、日本が英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を念頭に共同開発品の第三国への移転条件を緩和するかや、殺傷武器の部品の輸出も可能にするか—など。
 現行ルールでは武器輸出を認めるのは国際共同開発・生産品を除き、「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5類型に限っており、殺傷武器の輸出はできないと解釈されてきた。自民党は殺傷武器も含め幅広い分野の輸出に道を開くため5類型の撤廃を求めている一方、公明は「整理が必要だ」として慎重な立場で、今後の焦点となる。
 輸出できる対象国は現在、「日本の安全保障に資する場合」などに限られているが、政府・与党は「国際法に違反する侵略を受けている国」などに拡大することも検討している。
 他国との共同開発・生産品について、現行の運用指針では第三国に移転する場合、目的外使用などを防ぐため日本の事前同意を義務付けている。次期戦闘機に関し第三国輸出を進めたい英国やイタリアは、日本の煩雑な手続きの簡素化を求めており、自民党は要件緩和を目指す。
 部品を巡っては、今後退役する航空自衛隊のF15戦闘機の中古エンジンをインドネシアなどに輸出しようという狙いが政府や自民党にある。現行ルールでは殺傷武器を構成する部品の扱いは明確ではない。
 自民、公明両党は国会閉会後も議論を継続し、今月中に論点整理を終えたい考えだが、意見集約はさらに時間がかかる見通し。
 非政府組織(NGO)ピースボート共同代表で「平和構想提言会議」メンバーの畠山澄子氏は「戦争では市民が巻き込まれ犠牲になる。国際協力や平和貢献を持ち出して、殺傷能力のある武器の輸出を進めるのは、一般の人をあざむく行為だ」と批判した。
◆「国際紛争を助長しかねない」
 <元内閣官房副長官補・柳沢協二さんのウオッチ安全保障> 与党協議では殺傷能力のある武器の輸出を解禁するか議論している。「同志国」や侵略を受けた国、潜在的な紛争国を対象にすると思うが、これは紛争を武力で解決する道を選ぶのか、武力によらず外交や仲介で解決する道を選ぶのか、日本の大きな国家像につながっていく問題だ。
 紛争当事国に武器を出せば実質的な当事者になり、和平の仲介などはできなくなる。
 国際環境が激変し、戦争の危機が現実に高まっているからこそ、紛争を助長せず、平和解決を目指すことに平和国家としての価値がある。日本はその道を貫くべきだが、殺傷能力のある武器の輸出解禁は武力で紛争を解決するとの方向に傾くことになる。
 武器を周辺に輸出して日本の安全保障環境を良くしようというのは、中国との対立がすべてだと思っている国のものすごく勝手な見方だ。世界の圧倒的多数の「グローバルサウス」(南半球を中心とする新興・途上国)の国々は、対立に巻き込まれたくないというのが本音。武器輸出は国際紛争を助長しかねず、そうした国々のニーズとかけ離れる。

 
すでに大幅な防衛予算に関しては国会の審議前にすでに宗主国に報告していたようである。
 

 
そして岸田文雄は、「岸田首相、欧州・中東を来月歴訪 NATO首脳会議に出席」とのことらしく、「第三国輸出を進めたい英国やイタリアから、日本の煩雑な手続きの簡素化」を求められる前に武器輸出の現行ルールを国会閉会後に与党内で実質的な話を進め、閣議決定してからNATO首脳会議で報告しようとしているのいかもしれない。
 
まさに「平和憲法」などすっ飛んでしまう話である。
 
 さて「浜の真砂は尽きるとも世にマイナンバーのトラブルは尽きまじ」といわれる昨今なのだが、いくらデジタル庁の河野太郎が激怒したところで、根本的な問題の解決には程遠いようである。
 
河野太郎が激怒。トラブル続出の『富士通』コンビニ交付システムが炙り出したIT後進国ニッポンの致命的な問題点
 
■ITゼネコンを排除。「コンビニ交付システム」と同じ失敗の回避法
デジタル庁の「コンビニ交付システム」がさまざまな問題を起こしていることに関して、河野デジ相がビデオメッセージで謝罪した上で、開発したのは「富士通Japan」であり、問題が解決するまでの間すぐにサービスを停止するように指示を出したと語りました(「試練続く富士通Japan、コンビニ誤交付トラブル巡り河野デジ相からは『強い叱責』」)。
富士通は私が常に批判している典型的なITゼネコンです。理系の大学や大学院を卒業した、いわゆる「理系エリート」を採用しながら、彼らには仕様書の作成と工程管理のみ行わせ、実際のコーディングは下請けや孫請けに丸投げする、という日本特有のゼネコン・スタイルでソフトウェアを作る会社です。

【関連】実働は派遣社員のみ。亡者が蠢く「日本ITゼネコン」という地獄
こんな風に、設計とコーディングを分断した開発では良いものを作れないことをこれまで何度も指摘して来ました。どんなに優秀なソフトウェア・エンジニアでも、実際にコードを書かずに良い設計をすることは不可能で、コードを書きながら設計を変更し、徐々に良いものに仕上げていくプロセスが必須です。
しかし、ITゼネコンのように、設計は上流で、コーディングは下流で、というスタイルの開発だと、その効率が著しく落ちる上に、
コードを十分に書いた経験が少ないエンジニアが机の上で設計することになる
上下関係があるゆえに設計を批判しにくい
人月工数で仕事をしているため、効率良くクオリティの高い仕事をするメリットがない
孫請け会社が、派遣社員を雇って頭数を揃えるようなことが堂々と行われる
などの弊害があり、良いものは作れないし、人も育ちません。
それでもこのビジネスが成り立ってしまうのは、高度成長期にIBMと対抗するために国策として育てて来たIT産業(=今のITゼネコン)と官僚組織との強い結びつき(信頼関係+天下りなどによる癒着)があり、景気対策の意味も含めた政府による「IT投資」の大半が、ITゼネコンに流れ込むようになっているからです。
とは言え、良い仕事が行われている部分が皆無なわけではありません。「デジタル庁のサイトやばすぎるwww」という記事には、デジタル庁のウェブサイトがモダンな技術とデザインでしっかりと作られていることを指摘しており、必ずしも100%の税金が無駄に使われているわけではないことが分かります。
■オープンソースを活用。理想の政府系ソフトウェア調達法
この問題を解決するのは簡単ではないと思いますが、以前にもこのメルマガに書いた「オープンソースを活用したソフトウェア調達」が解決の糸口になると感じています。
順番としては、まず最初に、「税金で調達したソフトウェアは、オープンソース化しなければならない」という法律を作ります。特定のベンダーによるロックインを避けるのが一番の目的ですが、国民の税金で作ったものを公共の財産と残すのは当然だ、という考えに基づいています。
そして調達の際には、まずはプロトタイプのコンペを行います。大まかな要件のみ定義し、Githubのリポジトリ上にオープンな形でプロタイプを作ってもらい、その中な優秀なものを選ぶと同時に、優秀なエンジニア集団を選び出します。コンペへの参加は誰でも出来て、応募する唯一の条件は、応募する主体が、下請けを活用するゼネコンではないこと、です。コンペに参加する開発メンバー全員のGithubアカウントとその所属を明らかにする必要があります。
コンペに参加するためのプロトタイプの作成費は「持ち出し」になりますが、優秀な作品を提出したグループには賞金(プロトタイプの複雑さによりますが、100万円から500万円程度)を提供した上で、その後のプロジェクトへの参加への機会が与えられます。
こんな形のコンペをオープンな形でするだけで、日本のベンチャーやフリーランサーのコミュニティが活性化され、人材の流動性も高まります。コンペそのものをオープンな形で行うことにより、学ぶ機会やエンジニア同士の出会いも増え、本当に実力のあるエンジニアたちが活躍できる社会への第一歩が踏み出せると思います。
その後のプロジェクトの進め方についても、色々とアイデアがありますが、今日のところはこれぐらいにしておきます。ちなみに、先週も書きましたが、河野デジ相との対談が実現すれば、この話(ITゼネコンの問題点と、オープンコンペの話)も是非ともしたいと思います。


 
川崎市で大量のトラブルを量産した「富士通Japan」という会社は、「富士通が新会社『富士通Japan株式会社』発足、SE約400人を合流、グループ会社機能も統合」という記事によれば「富士通マーケティングと富士通エフ・アイ・ピー」という昔からあった富士通の子会社を統合したらしく、見かけ上は400人のSEと称する人材を集めたのだが、それらの子会社を昔から知っているオジサンからみれば「二流、三流の会社の統合」なので決して一流にはならず、むしろ技術力は低下するはずである。
 
この業界も建設業界と構造的には何ら変わりがなく、実作業はプログラマーに毛の生えた連中に任せられているので、自治体の担当者による単なるヒューマンエラーだけではないことは明らかである。
 
今のところ、マイナンバーシステムにより人命が失われるという事故は発生していないが、この危うい組織では人命が失われていた。
 
自衛隊は何のために存在?得体の知れない訓練生に銃を持たせるよりも大切なこと
 
■なんのためにあるのかよくわからない自衛隊
岐阜市内の自衛隊の射撃場で自衛隊の候補生が銃を発砲して3人を死傷させたことが話題になっている。
参議院もそうだが、自衛隊というのもなんのためにあるのかよくわからない組織だ。
台湾有事がいつあるかわからないとか、ロシアがウクライナを攻めたように日本もいつそうなるかわからないというが、もともと同じ国だった台湾やウクライナと日本は条件が違う。それでも、これだけの国際的な非難や制裁を受けるのに、一人っ子政策で人を死なせられない中国が日本を攻めてくるとは思えない。
戦争が起こるとすれば、まさにサイバー攻撃や無人のドローンなどによる攻撃だろう(それよりは円安がもっと進んでどんどん日本の土地が中国人に買われる方が現実的だ)。
今の射撃訓練が役に立つとは思えない。
少なくともなんらかの紛争や戦争で、海外の兵隊に自衛隊員が殺された数より、自衛隊員が自衛隊員を殺す数のほうが多いのは厳然たる事実だ。
この事件があった射撃場は、なんと岐阜駅から5キロのところにあるという。
流れ弾とか、突発事故で住民が巻き添えになる可能性だって否定できない。
自衛隊の現在の重要な任務は、災害派遣だろう。
まだ得体の知れない訓練生に銃を使う練習をさせるより、そちらの訓練をじっくりやらせたほうがはるかに有意義ではないのか?
上官だって、無防備だから簡単に撃たれてしまう。
私は戦争の準備の必要がないと思うが、もし必要だとしても、もっとハイレベルな人間に銃を撃たせ、周りの人間もその人間が暴発しても逃げられるレベルの人を使うべきだろう。
ど素人の大学生に、プロの百戦錬磨のパイロットでも難しい、特攻攻撃を命じた旧日本軍と発想がそっくりなのは、ぞっとする。
ちなみに当初の特攻攻撃は、腕を見込まれた優秀なパイロットにやらせた上に護衛機をつけていたのだから。
いい加減、自衛隊のあり方が変わったのだから、訓練も変えたらどうなのだろうか?

防衛大学校卒(6期、陸上)、京都大学大学院修士課程修了(核融合専攻)、米陸軍武器学校上級課程留学という輝かしい経歴の森 清勇は今回の自衛隊の候補生による殺傷事件の背景の問題点をに対しては、このような見方をしていた。
 
自衛官候補生の上官射殺事件、背景に東大と財務省の問題あり
陸自元幹部が指摘する、自衛隊が抱える根本問題
」  
 

銃を取り扱う自衛隊において、自衛官候補生が射場にいた上司隊員を射殺するという、あってはならない悍ましい事件が起きた。
 陸上自衛隊の最上位にある陸上幕僚長は陸自内に調査委員会を設けて原因究明を行うとしている。
 隊内や警察の取り調べは、自衛官候補生(家族を含む)の普段の教育訓練における在りよう、候補生に対する隊内教育の実情、当日の銃・弾の取り扱い方や実弾射撃に至る流れの適切性などが調査の重点となろう。
 すなわち、陸自、せいぜい広めても自衛隊全体における組織運営をはじめとする報告にとどまり、自衛隊・防衛省を超えることはできない。
 しかし、事案の背景には国家的な隊員募集の在り方をはじめ、憲法と自衛隊・安全保障問題、学校教育、キャリアの人事配置などがあると思考する。
 再度強調するが、事件(事案)の真相はいまだ不明であり、事件と候補生を直接論ずるものではなく、背後により大きな問題があるとみる視点からの考察である。
■予算不足で改悪された制度
この制度(自衛官候補生)は限られた予算でいかに良質の隊員を集めるかという窮余の一策で、候補生という身分で募集して自衛官への適格性を判定して採用の可否を決するというものである。
 一見もっともなように思えるが、民間の企業に対比してみれば、そのカラクリがより鮮明に理解できよう。
 企業などが新しく人員を採用する場合に当てはめれば次のようになる。
 これまでは新入社員として処遇してきたが、今回からは当初の3か月間は会社の概要理解や見習い的なことが多く、実働要員ではないため給料は社員よりも少ない準社員扱いとする。そのうえで、再度社員としての適格性が判定される――。
 従来の任期制自衛官(陸自2年、海・空自3年)として採用し、当初の3か月間は「新隊員教育期間」に充てていたものを、新隊員教育期間は「正規」の自衛官でない「候補生」として処遇する。
 これによって予算の節減に繋がるとされる。従って最初の任期は候補生期間を除いた1年9か月または2年9か月となる。
 ただでさえ世間一般より低い処遇と見られている自衛隊である。
 そこに、身分が隊員でない候補生で、より低い処遇となれば、募集は一段と困難になるのではないだろうか。
 自衛隊は戦う組織であり、その大部は社会人となったばかりの任期制自衛官で組織されている。
 当初の任期に1年の違いはあるものの、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって・・・」という自己犠牲を誓う服務の宣誓を行うことに違いはない。
 銃を普段に取り扱う組織であり、危機に際しては自分の命まで犠牲にして国家と国民を守る盾になるというのだ。
 これほどの重大な任務で危険と責任感を伴う組織はない。
 本来であれば、ノーブレス・オブリージェ(高貴なる者の責任)と言われるように、エリートたちこそが応募すべき職業で、英国では王族は必ず軍務に就く仕組みになっている。
 そうでない日本においては、一般人がこぞって応募するような処遇にすべきではないだろうか。
 任務がら共同生活を強いられる隊員たちがトイレットペーパーさえ自費で購入せざるを得ない状況にあると国会で問題視されるくらい予算が逼迫してきた自衛隊である。
 採用した当初の基本教育の3か月間を正規の自衛官でない「自衛官候補生」に置き換えざるを得なかった苦渋は理解できるが、社会一般の常識とは逆である。
 自衛隊・防衛省当局には限られた予算枠で所要の隊員を募集するという必成目標があり、他方の予算査定(財務省)は枠内に収めるということを任務とする。
 その相剋の産物が自衛官候補生であるが、財務当局の認識を変えてもらう必要があるのではないだろうか。
■自衛隊は国民の学校
競争社会にあってはどうしても落ちこぼれる人が出てくる。また戦後間もない頃は仕事がなく日々の寝食にさえ困る人がいた。
 採用基準に照らして該当すれば、どんな出自であろうと入隊させたのが自衛隊である。名もない有意の日本男児を救い育て、今日の自衛隊の根幹を作ってきた。
 家族からも理解され難い自衛隊であり、子供を入隊させる家族の心配も尽きない。
 しかし結果は良好で、不良であった我が息子、不登校であった自分の子供を「こんなに立派にしてくれた自衛隊」という言葉をどれほど多くの両親や姉妹たちが発してきたことか。
 右も左も分からない、また中高(大も含む?)などを卒業したばかりで礼儀作法にも欠ける若者を採用した中小の企業からは、新入社員教育をしてほしいと自衛隊に依頼が殺到する。
 著名な作家の浅田次郎氏が入隊された動機も自衛隊を経験したいという強烈な意識と裏腹に、明日の衣食に困窮するという生活状況もあったようで、双方の啐啄同時がもたらしたものではなかっただろうか。
 こうしたことから、多くの隊員たちをインタビューした作家の荒木肇氏は『自衛隊という学校』を上梓している。
 その中には、現在の統合幕僚長も含まれている。統幕長は東京大学卒である。当時(約35年前)の自衛隊はあまり理解されていなかったので氏は家族を説得し、自衛隊の有りように大いなる期待を持って入隊されたようである。
 その後、阪神淡路大震災や東日本大震災などがあり、自衛隊に対する国民の好感度は90%超と言われる。
 しかし、「自分の国を守るために戦いますか」という世界価値観調査のアンケートで「はい」と答えた日本人はわずか13%強で、調査対象の77カ国中で最下位である。
 一つ上位の76番目の国でも半数近くが戦うと答えていることから見ても、本当の自衛隊は理解されていないと見るのが至当ではないだろうか。
 憲法問題が存在し、学校教育が今日のような状況にある中にあっては、自衛隊が「国を守るとはどういうことか」を教え、教育する国民の学校であり続けざるを得ないのかもしれない。
■命の代償が貧弱、安心・安定の仕事には遠い
世界のほとんどの国は軍隊を持ち、国家の3要素である主権と領土、国民を守るという崇高な任務を有することから、軍隊と軍人は然るべき処遇を受け、国民は等しく尊敬の念を抱いている。
 米国に至っては、階級等によって異なるが、若い時代に国家に尽くしたという観点から40代に退役しても残余の期間を生活できる保証があると言われる。
 日本の軍人も然りであった。勲章には年金がつき、軍功は誇らしいものであった。軍隊にいたということで信任され町村長などにも推され、また各種の役職にも就いた。しかし、今は全く異なる。
 しっかりした技能を身につけているが、自衛隊自体に対する世間的な評価が伴わず、技能を生かせるような仕事に就けないのが実態である。
 自衛隊の都合から、多くは1任期(約2~3年)や2任期(4~5年)で辞め、20歳代の中頃までの転職が避けられない。
 本来であればこうした国家の要請に基づく中途退職者に対しては国家や地方自治体挙げての再就職支援がなければならない。
 いや、任期制隊員ばかりではない。終身就職したはずの幹部(旧軍の士官相当)や専門職の曹クラス(同、下士官相当)も40代から50代半ばまでには退職を迫られる。
 早い話が、子供たちはいまだ学齢期の段階にあるのだ。
 しかも退職後の処遇は必ずしも特技等を生かせる職場ではなく、給料は半減ともなれば、現役時代以上に生活は厳しく、魅力どころの話ではないだろう。
 こうした実態にほとんど触れないで、表面的なことで糊塗してきたのが実際である。
■おわりに
 やはり、自衛隊が憲法で認知されていないことが、今日の自衛隊をもたらしているのではないだろうか。
 もう一つ言えることは、最高学府中の最高とされる東大法学部で憲法を学んだ最優秀と称される学士たちが財務省に配置されることからくる問題がある。
 自衛隊は違憲と学んだ人士が査定官となり、どうして防衛費(増額)に耳を傾けるであろうか
 おまけに、防衛庁時代からの代々の会計課長は財務省(当時は大蔵省)から出向してきている。
 彼らは予算カットで評価されるわけで、出向先の予算をなるべく抑える
ことが本人の評価につながるという構造的な人員配置の問題がある。
 防衛省に昇格したことにより政策決定の権限を持つことになったと言われるが、高橋洋一氏によるとどうやら防衛省の会計課長は依然として財務省の出向ポストのままのようである。
 その高橋氏は「防衛費水増し・増税」特集の月刊誌『WILL』(2023年1月号)で、「財務省に国を想う心ナシ」の掲題で投稿している。
 内閣法制局は各官庁の局長以上の人事に関与するのであろうが、安保3文書を身のあるものとするためにはトップクラスを防衛省に配置するくらいの卓見が求められる。
 もっと遡り、キャリアを目指す人士が国家の安全こそが最大にして最高の任務と理解するならば、東大法学部卒のトップクラスはまず防衛省を希望するという意識改革が求められているのではないだろうか。

 
今まであまり聞きなれなかった「自衛官候補生」というのは、「限られた予算でいかに良質の隊員を集めるかという窮余の一策」から生まれたものだったらしい。
 
「自衛隊が憲法で認知されていないことが、今日の自衛隊をもたらしている」との見解は、志願者が減少している自衛隊を憲法上で正式な「軍隊」と位置づけ、最終的には「徴兵制」につなげようとする元軍人らしい 発想であるが賛成できない。
 
英国の王族のように、ノーブレス・オブリージェ(高貴なる者の責任)として「エリートたちこそが応募すべき職業」であり、「東大法学部卒のトップクラスはまず防衛省を希望するという意識改革」という提案ならば、国民の理解が得られやすいのではないだろうか、とオジサンは思う。 

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