新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
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「イランの敵」と化する危険な安倍外交

2019年11月02日 12時05分56秒 | 安倍外交

「身の丈」失言ではなく安倍政権の本質を吐露した「身の程」知らずの萩生田光一文科相。

この大学入試への民間の英語試験導入は、安倍政権が一体となって進めてきた経緯がある。

自民党が野党時代の2012年10月に安倍晋三総裁直属の「教育再生実行本部」が設立された。

そして同実行本部の初代本部長の下村博文元文科相は2013年に民間試験の一定以上の成績を受験資格にするよう安倍晋三首相に提言している。

この提言を取りまとめた実行本部部会の一人が萩生田光一であった。

新自由主義の考えが安倍政権下で教育に持ち込まれ、新自由主義的な発想の持ち主である、下村博文、柴山昌彦、そして萩生田光一と歴代文科相たちに引き継がれ「エリート優遇、機会均等の軽視」の英語の民間試験導入が決まったわけである。

したがって、「文科省事務方の制度設計の詰めの甘さが原因だ」とばかりに、「文科相として自信をもってお勧めできるシステムになっていない」と他人事のように記者会見で発表するとは、盗人猛々しいと言わざる得ない。

もっとも萩生田光一文科相の前任者も、参院選の最中、大学入学共通テストに反対するやじを飛ばした男性が県警に取り押さえられたことに対して8月27日の閣議後会見で「大声で怒鳴る声が響いてきた。選挙活動の円滑、自由は非常に重要。そういうことをするのは権利として保障されていない」と言っていた。

文科相「やじの権利ない」 埼玉知事選 応援演説中の抗議男性に



どこから見ても、文科相としては更迭はされなかったももの不適格閣僚であった。

さらには、こんなヨイショ発言をする頓珍漢な自民党の参院議員もいる。

英語試験延期 自民・世耕参院幹事長『思いやりにあふれた決断』」



いまさら安倍内閣のポンコツ閣僚や自民党の連中の甚だしい劣化振りを指摘しても始まらないのだが、その腐臭を含んだ空気というものは国内にも広がっているようである。

市長という公人の立ち場ながらも常軌を外す言動がお得意のこの男もその1人かも知れない。

市が津田氏らに法的措置で調整


   
そして、一昨日の首里城火災を巡り、インターネット上には「在日朝鮮人の仕業」「中国人か韓国人による放火」などのヘイト投稿や、「プロ市民の仕業」「パヨクの陰謀」といった根拠のないデマが相次いでいるという。

『中国・韓国人による放火』『プロ市民の仕業』 首里城火災でネットにデマ相次ぐ


ところで、多くの国民の目が国内の体たらくな閣僚やヘイト投稿やフェイクニュースに踊らされている最中に、安倍政権の悪辣な憲法9条破壊計画が進んでいる。

日本国憲法第9条の制約があり、専守防衛のための「必要最小限度の実力」として整備が進められた陸空海の各自衛隊は、海外展開能力は、それを超えるものとして忌避され、政府としても海外展開を行なわないようにしてきた。

発足直前の1954年6月2日には、参議院で「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議(自衛隊の海外出動をしないことに関する決議)がなされた。

米軍との海外での環太平洋合同演習への参加を除けば、1991年に自衛隊が実任務として掃海部隊のペルシャ湾派遣が初めての海外派遣であった。

これをきっかけとして、武力紛争に巻き込まれる恐れが少ない地域を中心に、救難、輸送、土木工事などの後方支援(兵站)や司令部要員などへ非武装ないし軽武装の要員・部隊を派遣するようになった。

そして、その後は自衛隊の海外派遣の根拠となる法律が次々と作られてきた。

■1992年6月: 国際平和協力法・PKO協力法成立   
■1994年1月: 改正自衛隊法成立
■1998年6月: 改正PKO協力法成立
■1999年5月:周辺事態法、防衛指針法(日米新ガイドライン法)成立
■2001年10月: テロ対策特別措置法成立
■2003年7月:イラク復興特別措置法成立
■2006年12月:海外派遣を本来任務とする改正防衛省設置法・自衛隊法成立。
■2008年1月16日:新テロ特別措置法が成立、補給活動を再開
■2009年6月19日:海賊処罰対処法・海賊対処法成立
■2015年9月30日:国際平和支援法、改正PKO協力法、(重要影響事態法)、改正自衛隊法成立。(平和安全法制)


かなりいかがわしい、もっともらしい法律が成立されたが、それなりに国会審議を経て正式な法律として成立してきた。

「特別措置法」は時限立法であり一定の期間が過ぎれは失効しあらたに成立を果たさなければならない。

しかし、米国トランプ大統領の多国間の有志連合の結成計画に対しては容易には参加できず、姑息な手段を持ち出してきた。

1992年より防衛庁取材を担当している東京新聞論説兼編集委員の半田滋は「何でも正当化できる「打ち出の小槌」と批判している。 

<自衛隊は「調査・研究」のために中東へ行く? 日本政府の奇妙な論理>
 2019.10.30 現代ビジネス
■「派遣ありき」で話を進めるから…
政府が検討を進める中東海域への自衛隊派遣。その法的根拠は防衛省設置法第4条「所掌事務」の「調査・研究」だ。活動は情報収集に限定され、民間船舶が攻撃を受けたとしても何もできない「お地蔵さん状態」。トランプ米大統領の顔を立てて派遣するだけのアリバイ派遣に過ぎない。
それでも、自衛隊が攻撃されれば応戦は可能。戦闘に巻き込まれる可能性はゼロとはいえず、はるか1万km先の中東まで出かけて行って、大騒ぎという事態になりかねない。
23日に開かれた衆院外務委員会。防衛省の槌道明宏防衛政策局長は「現時点でわが国の船舶に対する攻撃が想定されるような状況ではないが、今後、状況が変化する場合には、わが国に関係する船舶の安全確保のためにさらなる措置についても検討していく」と述べた。
さらに槌道氏は「仮に状況が変化し、必要な措置を取る場合には『海上警備行動』の発令が考えられる」と述べ、日本関連船舶の護衛ができる自衛隊法上の「海上警備行動」を発令する可能性もあるとの考えを示した。
この説明に、防衛省の苦しい立場が現れている。「現時点でわが国の船舶に対する攻撃が想定されるような状況ではない」のであれば、そもそも自衛隊を派遣する必要はない。槌道氏自身の言葉通り、「状況が変化」した後に「海上警備行動」を命じて派遣すればよいだけだろう。
派遣したがる首相官邸の意向を忖度して「はじめに派遣ありき」で検討を進めるから、中途半端な対応にならざるを得ないのだ。
「有志連合」への参加を求める米政府によい顔をする一方、イランとの伝統的な友好関係も壊したくない──。この二律背反を克服しようとした結果の独自派遣。そして派遣を合法化する苦肉の策が、防衛省設置法の「調査・研究」である。つまり、自衛隊は中東まで「調査・研究」名目で出かける、というのだ。
■まるで「打ち出の小槌」
この「調査・研究」は防衛省内で「打ち出の小槌」と呼ばれるほど、使い勝手のよい規定とされる。自衛隊が日本周辺で行っている警戒監視や情報収集も、この「調査・ 研究」が根拠となっている。
「調査・研究」は「防衛庁設置法」が定められた1954年当時からある規定だが、もちろん当時は自衛隊の海外派遣を想定していない。もとより防衛省設置法は防衛省の所掌事務や組織を定めた法律に過ぎず、部隊運用にあたる海外派遣にまで適用するのは「法の拡大解釈」と批判されても仕方ない。
防衛大臣の判断だけで実施できる点もシビリアン・コントロール上、問題とされている。
これまでにも防衛省が「調査・研究」を部隊運用に適用した事例は複数回ある。2001年の米同時多発テロを受けて、米海軍横須賀基地から避難した米空母を海上自衛隊の艦艇が護衛する際にも根拠とされた。
すると新聞・テレビは「事実上の集団的自衛権行使」と大々的に報じ、当時の福田康夫官房長官は「私の耳には入っていない」と不快感を示した。自民党内からも「悪のりだ」などの批判が噴出した。
その後、テロ対策特別措置法の成立に先立ち、防衛庁がやはり「調査・研究」でインド洋へイージス護衛艦を派遣しようとした際には、自民・公明両党から反対の声が上がり、派遣そのものが見送られた。
しかし、テロ対策特別措置法が成立すると、自衛隊の海外派遣に不可欠な「基本計画」の策定前に福田官房長官らは一転して「調査・研究」による護衛艦、補給艦のインド洋派遣を容認した。
この時と現在で異なるのは、当時は「調査・研究」がテロ対策特別措置法に切り替わるまでの「つなぎ役」に過ぎなかったのに対し、現在は新法の制定が予定されておらず、最初から最後まで「調査・研究」による派遣にとどまる点にある。
■「なんちゃって派遣」の代償
「調査・研究」では文字通り情報収集しかできず、仮に民間船舶が襲撃されている場面に遭遇しても何もできないことになる。海上警備行動が発令されず、「調査・研究」のままでは、日本関連船舶さえ護衛することはできない。
つまり、外形的には「中東に『いるだけ』の派遣」となり、「有志連合」への参加を求める米政府に対する、言い訳じみた「なんちゃって派遣」に過ぎないことになる
それでも派遣された自衛隊の艦艇や航空機が攻撃を受けた場合、自衛隊法第95条「自衛隊の武器等の防護のための武器の使用」に基づき、自らを守るために正当防衛・緊急避難を理由に武器使用することになる。
中東では6月13日に日本企業のタンカーが攻撃を受けたほか、9月14日にはサウジアラビアの石油施設がドローンによる攻撃を受け、10月11日には紅海でイランの石油タンカーで爆発があった。
いずれも攻撃主体ははっきりしないが、イランには保守強硬派の革命防衛隊があり、イエメンには反政府武装組織フーシ派らが存在する。自衛隊が派遣される予定の「オマーン湾、アラビア海の北部の公海およびバブ・エル・マンデブ海峡の東側の公海」で影響力を行使しているのが、これら武力組織だ。
万一、重武装した「国または国に準ずる組織」との戦闘に自衛隊が巻き込まれれば、憲法が禁止する海外における武力行使に発展する恐れが大きい。
23日にあった自民党の合同部会では、元防衛相でもある石破茂元幹事長が「(中東派遣のための新たな)根拠が必要ではないのか。『調査・研究』というのは魔法のカードみたいなもので、何でも出せる」と政府の対応を批判し、「隊員の立場を考えてやらなくてはならない」と訴えた。
この日の合同部会では「本当に必要な派遣なのか」「事態が急変しない保証はない」「おためごかしのような説明で逃げていいのか」といった異論も相次いだ。
■それが日本の外交か?
しかし、「安倍一強」のもと、18日の記者会見で菅義偉官房長官が明言した「中東における『調査・研究』の実施」は揺るがないとみて、防衛省は護衛艦や哨戒機の派遣について検討を始めた。
早ければ来年1月の派遣を目指し、情報収集のあり方と武装集団に襲われた際の対応について検討し、次には訓練に移る。護衛艦の場合、襲撃されても沈没しない限り、反撃の手段はあるものの、哨戒機はミサイルなどの攻撃を受ければ、ひとたまりもない。墜落すれば乗員全員が死亡する可能性は高い。
テロ対策特別措置法、イラク特別措置法を根拠にした「戦地」への派遣で一人の死者も出さなかった自衛隊が、「調査・研究」で派遣された挙げ句、戦後初の「戦死者」を出すとすれば、倒錯した事態というほかない。
イラン政府は沈黙しているが、自衛隊の中東派遣によって日本が米政府への傾斜を一層強めたとみれば、日本政府は米国とイランとの仲介役を目指すどころか、「イランの敵」とみなされ、問題解決の道筋を失いかねない。
米国とイランによる今回の対立は、イランの核開発を大幅に制限する6カ国協定からのトランプ米大統領による米国の一方的な離脱から始まった。「トランプ発の混乱」に率先して乗ることが、日本の外交が目指すべきものであるはずがない。中東への自衛隊派遣は断念するべきだろう。

国内では少々、無理難題な法律なでも直ちには日本の危機にはならないかもしれない。

しかし、他国からみれば明らかな、「立派」な軍隊である自衛隊(海上自衛隊」が一触即発の危険地域に乗り込めば、取り返しのつかない状況になることは明らかであろう。

様々な特措法を根拠に、「戦地」への派遣で一人の死者も出さなかった自衛隊が、「調査・研究」で派遣された挙げ句、戦後初の「戦死者」を出すとすれば、倒錯した事態になるという指摘は単なる杞憂ではない。

「イランの敵」とみなされれば、日本にとって最悪の事態になりかねないこの安倍晋三の愚行は断じて許してはならない、とオジサンは思う。   
            


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