新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
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岸田文雄にのこされた道は解散総選挙になるのか

2023年03月20日 13時50分03秒 | 岸田文雄

総務省から流出した公文書により安倍晋三政権時代に官邸から敵視されテレビ各局の番組から姿を消したコメンテーターがいたが、とりわけ具体的に名指しされたTBSの「サンデーモーニング」ではそれにもかかわらずレギュラーとして発言している青木理が2つのメディアからインタビューを受けていた。
 
政権に物申す 安倍官邸に敵視された『サンモニ』出演の青木理さん
 

「けしからん」発言は“勲章"
 「これほど政権からにらまれて敵視されているというのは、権力を監視するメディアの仕事をちゃんと果たしてきた(番組の)勲章でもあると思います」。文書にあった礒崎氏の「けしからん発言」について尋ねると、青木さんは淡々とした口調で答えた。
 サンデーモーニングは1987年に始まり、30年以上続く長寿番組。タレントの関口宏さんが司会を務め、毎週日曜の午前8時から約2時間生放送される。1週間のニュースを関口さんが数人のコメンテーターとともに振り返るスタイルで、青木さんは15年9月から出演している。
 放送法は第4条で放送事業者に「政治的に公平であること」を求めている。この条文について政府は従来、「一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体で判断する」との解釈を取ってきた。文書を見ると、14年11月に「サンデーモーニング」の放送内容に礒崎氏が強い不満を持ったことを発端に、安倍晋三首相(当時)の意向もあって官邸側が、一つの番組で判断できるように事実上の解釈変更を総務省に迫り、押し切った様子が分かる。こうした経緯に沿うように、15年5月には、高市早苗総務相(当時)が「一つの番組のみでも極端な場合は、一般論として政治的公平を確保しているとは認められない」と国会で答弁している。
 この文書は、立憲民主党の小西洋之参院議員が今月2日に公表。総務省も7日、全て同省の「行政文書」だと認めた。ただ、松本剛明総務相は一部の内容について「正確性が確認できないもの」などがあるとしており、高市氏は自身について書かれた内容は「捏造(ねつぞう)だ」と主張した。

相補佐官の発言は「論外」
 その文書によると、礒崎氏はサンデーモーニングについて「コメンテーター全員が同じことを述べているなど、明らかにおかしい」などとして偏っていると指摘。15年3月には、「番組の路線と合わないゲストを呼ばない。あんなのが(番組として)成り立つのはおかしい。総務省もウオッチしておかなきゃだめだろう」と同省幹部らに主張し、「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要があるだろう」と述べた。
 文書に目を通した青木さんは一連の発言について、「論外です」と断じる。「実際、表現の自由を保障して検閲を禁じた憲法との関係もあり、(総務省は)ある程度、自制的に『放送事業者の番組全体で判断する』と放送法を解釈してきた面もあったのではないでしょうか。しかし、一つの番組でも場合によっては『取り締まる』ということになれば、明らかに政治権力による表現や報道への介入であり、まさに検閲です」
ジャーナリズムが「死ぬ」
 政権とメディアの関係といえば、安倍政権時代に、自民党の萩生田光一筆頭副幹事長(当時)が14年11月20日、在京のテレビ6局に「公平中立、かつ公正」な選挙報道を求める要請文を渡したことが思い出される。


 
毎日新聞のWeb版の無料記事はここまでであったが、さらに朝日新聞系列の雑誌では縦横無尽に語っていた。
 
総務省文書で名指しされた『サンモニ』出演の青木理氏 政権からの敵視は「番組にとって名誉」なこと
 
「極めて異常なことが、当時の安倍晋三政権の内部、総務省の内部で起きていた事実が見事に浮かび上がる文書です。ある意味で、安倍政権の体質が凝縮されていると思いました」
「礒崎氏が自身のコントロール可能な議員に“ヤラセ質問"をさせ、官邸の意向に沿う答弁を総務大臣にさせることで、放送法の解釈を変えてしまおうという構図であり、論外です。そもそも放送法が定める政治的公平性とは、時の政治権力の介入などで放送をゆがめてはならないという趣旨であり、むしろテレビ局の自主性、独立性を担保するもの。一方、総務省の従来の解釈は『放送事業者の番組全体』で判断すると一定程度は自制的なものでしたが、今後は『極端な場合』は『一つの番組』でもダメだと踏み込んだ。しかも礒崎氏は文書の中で『けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある』とまで言い放っている。あまりに露骨な言論、報道の自由への政治介入、直接的なメディア攻撃です」
「文書の中で礒崎氏らが盛んに言っているのは、国民的に議論が二分されるテーマは公平にせよということです。たとえば特定秘密保護法にしても安保法制にしても、政権は何が何でも押し通したいが、反対する声は大きかった。実際、それぞれの政策には重大な問題もあった。それが政権側から見れば『国論を二分』という理屈になるのでしょうが、それでメディアに『政治的公平性』を保てということは、『政権批判をやめろ』という意味に等しい。批判をするなら同じ分量で政権の立場も伝えろ、ということになれば、物事はすべて相対化され、時の政権や各種権力を監視するメディアとジャーナリズムの使命は死にます。結局のところ、政権に批判的なメディア、番組をつぶしたいのが本音なのでしょう」
「私はいち出演者ですから、直接的圧力はありません。ただ、こうした政権の態度はテレビ局、あるいは制作陣に直接、間接的に影響を及ぼすでしょう。また、18年に亡くなられた『NEWS23』のキャスターだった岸井成格さんは、安倍晋三氏と相当な遺恨があったのではないでしょうか。岸井さんは毎日新聞の政治部時代、安倍氏の父親である晋太郎氏の番記者であり、晋三氏の素顔もよく知っている。今回の文書が記す放送法問題と同時期、安倍氏の応援団は岸井さんを攻撃する新聞広告を出しています。政権が『サンデーモーニング』などに異様な敵意を示したのは、長く番組に出演した岸井さんへの遺恨ゆえかもしれません」
「5日、司会の関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけない』ということに尽きるのではないですか。実際、『サンデーモーニング』が偏っているわけではなく、番組のコメンテーターには元自民党議員や外務省の元事務次官も出演してきましたし、保守系の外交評論家だった故・岡本行夫さんも長く出演されていました。ただ、そうした出演者を含め、おかしなことにはおかしいと、政権にとってみれば耳の痛いことも果敢に物申してきた。逆に言えば今回の文書は番組にとって名誉かもしれません。『一強』を謳歌(おうか)した長期政権にそれほど嫌悪され、敵視されていたということは、時の政権を監視するというメディア本来の使命を果たしてきた証左とも言えるわけですから」
「現実にさまざまなテレビ番組があり、中には劣悪な番組があるのも事実でしょうが、時の政権や閣僚が自らの尺度で『公平性』を押しつけるのは、まさに政治権力の横暴であり、メディアへの政治介入です。まして放送行政をつかさどる総務大臣が『これは極端』などと断ずるのは放送メディアに対する介入であり、許されないことです」
「本当にそういう電話があったのかは知りませんが、一般的に官僚は政治家に忖度するものです。まして官僚は時の大臣の意向に沿って仕事をするわけですから、大臣が誰と会って何を話したか、どういう意向を持っているか、日常的に目と耳をそばだてて情報収集する。それを公文書として保存するか否かはともかく、メモとして残しておくのは生来の習性でしょう」
「そんな官僚たちが、大臣の発言や行動に関する文書を捏造するとは考えられず、そんなことをしても何の得もない。むしろ、できるだけ正確に記録するでしょう。実際、礒崎氏は放送法解釈に関する働きかけを総務省にしていたことを認め、現実にそれが高市大臣の国会答弁に反映されているわけですから、文書が記す細かい日付や発言のニュアンス等は精査が必要でも、文書のほとんどは真実だと考えるのが自然でしょう」
「高市氏は『捏造でなかったら辞める』と断言してしまったので一種の政局になっていますが、問題の本質は放送法の不当な解釈変更であり、そのやり口であり、『けしからん番組』は『取り締まる必要がある』とまで言い放って報道の自由に露骨な介入を企てた安倍政権の姿勢です。もちろん高市氏は当時の総務大臣であり、当事者でもありますから、私は辞任が当然だと考えますが、高市氏の進退問題だけに目を奪われるべきではない。政治とメディアの関係、そもそもメディアはどうあるべきか、そして放送法とは何か、さらには安倍政権の本音や体質は岸田政権にも色濃く受け継がれているのではないか、これを機に考察すべき論点はたくさんあります」

 
特に解説する必要はないであろう。
 
時の政権から「敵視」されなかったら権力を監視するジャーナリズムはなくなってしまい、テレビ番組は「日テレ・フジ産経グループ」だけになってしまう。
 
最近になってまたまた政府はマイナンバー普及に手を変え品を変えて取得を義務化しようとたくらんでいる。
 
政府が学校通じマイナ普及要請 昨夏、都道府県教委に
 
政府が都道府県教育委員会に対し、マイナンバーカードの申請などに関する情報を学校現場で児童や生徒らに提供し、普及促進に協力するよう呼びかける文書を昨夏配布していたことが19日分かった。マイナカードを今年3月末までに「ほぼ全国民に行き渡らせる」とする政府目標の実現に向けた施策の一環だ。
 文部科学省は「強制力はない」と説明している。だがマイナカードと学校教育は直接的には関係がなく、専門家からは「学校が政策の広報機関になりかねない」といった指摘が上がっている。
 デジタル庁と総務省は2022年7月11日付で「マイナンバーカードの普及促進に向けたお願いについて」と題した文書を文科省に送付。マイナカードを「デジタル社会の基盤」と説明し、学校から児童や生徒、保護者にカードに関する情報を提供するよう要請した。カードの申請方法や利点などを紹介したチラシも添付した。
 文科省は都道府県教委などに対し、デジタル庁と総務省からの依頼内容を学校などに周知するよう求める文書を同日付で出した。

 

 
「文部科学省は『強制力はない』と説明している」が、かつての「日の丸・君が代」問題が彷彿させられてしまう。
 
これだけではなく、もっと卑劣な手段でマイナンバーの普及率を高めようと画策している。
 
給食費と引き換えに『マイナカード作れ』と市が通知 背景に見える国の強引な普及策
 
世帯全員がマイナンバーカードを作れば給食費や学用品費は無償、でも作らないと有料—。昨年12月、岡山県備前市が子育て中の保護者あてに、こんな通知を出していたことが分かった。同市は保育園の保育料無償化も、農林水産関係の補助金も同様の条件付けをする方針だ。あくまで任意取得のはずのマイナカードの有無で、市民への給付に差がつくのは問題が大きい。背景には国の強引すぎるカード普及策がありそうだ。(中山岳、山田祐一郎)
◆カードの有無で負担が変わるのは「不公平」の声
 岡山駅から東に25キロ余に位置する備前市。備前焼で知られ、瀬戸内海沿いの地域はカキの養殖も盛ん。そんな人口約3万2000人のまちが、揺れている。
 きっかけは先月16日、市立小中学校の保護者らに配られた「給食費及び学用品費について」と題する文書だ。同市は2022年度から市立小中学校で給食費や一部の学用品費を無償化した。だが、文書によると、23年度から「児童・生徒及びその世帯員の全員がマイナンバーカードを取得している場合、申請により納付免除」するという。
 市内の子育て支援団体で共同代表を務める播本博子さん(62)は「え、こんなことするの?と驚いた。カードの有無で給食費などの負担が変わるのは、差別ではないか」と憤る。複数の保護者からも「不公平だ」などの声が寄せられた。
 播本さんの団体は同22日、吉村武司市長らあての抗議文を市に提出。今月13日には別の団体も同様の文書を出し、抗議は広がっている。播本さんや保護者らは「子ども達への平等な教育・保育を求める実行委員会」を設立。カード取得にかかわらず無償化を続けるよう、今月15日から署名活動も始めた。
◆保育料や農業漁業の補助金も同じ条件
 ただ、問題は小中学校にとどまらない。同市は保育園やこども園に通うゼロ歳〜5歳の保育料や給食費も、23年度から「世帯全員のマイナカード取得」を独自の無償化の条件にする方針。ほかに農業・漁業者が対象の資材価格等高騰対策の補助金にも、同じ条件を設けた。
 こうした方針は、市議会でも先月、説明された。中西裕康市議(共産)は「教育をはじめ行政サービスは公平性が求められるのに、大きな問題だ」と批判する。一部の議員と撤回を求めたものの、市は進める姿勢を崩していない。中西氏は「お年寄りが入院や老人ホームに入所している場合など、全員がマイナカードを取得しづらい世帯もいる。そうした世帯では不利益を受ける人が出る。いくら良い施策をつくっても、任意取得のマイナカードで市民を線引きするのは、とんでもない話だ」と訴える。
 市はどう考えているのか。教育総務課の担当者は「マイナンバーカード普及を100%にしようという市全体の方針で進めている」と説明。取得できないような事情のある家庭はどうするのか尋ねても、「今後、課題が出てくれば検討する」と述べるにとどまる。
 市のマイナカード交付率は今月8日時点で68.37%。岡山県内の自治体ではトップクラスだ。それでもなりふり構わず普及を図るのはなぜか。
 中西氏は「市長の意向もある」とみる。吉村市長は先月の市議会で「マイナンバーカードの普及でみなさまの生活を豊かにすることができるため、国も自治体も100%取得を目指す意義がある」と強調。今月の「広報びぜん」に寄せた新年あいさつで、「市民全員にカードを取得していただけるよう啓発に努め、先進的なデジタル都市を目指す」などとした。
◆備前市のやり方は妥当? 省庁は明言避ける
 備前市の給食費などの無償化には、国の地方創生臨時交付金も充てられている。ただ、総務省マイナンバー制度支援室は「市の政策判断であり、答える立場にない」。農林水産省飼料課は「カード取得を条件にするようには指導していない。良いかどうかは判断しかねる」。文部科学省は「担当者が不在」などとし、18日中の回答はなかった。
 マイナカードの普及が進む自治体は、備前市の事例をどう見るのか。15日現在、交付率が88.7%と全国の市区別で最も高い宮崎県都城市。全国に先駆けてタブレット端末を使った申請補助を行っており、その手法は「都城方式」として全国で活用されている。
 同市デジタル統括課の担当者は「一つ一つ手を抜かず、カードの利活用を含めてきめ細かに住民に理解を求めてきた」と自負する。その上で備前市のやり方には「カードを持つことと、子ども施策にどのような関係性があるかメリットについての説明が足りないのではないか」と話した。
◆「アメとムチ」カード交付率で地方交付税に差
 いずれにせよ、全国の自治体がカード普及に躍起になる背景にあるのは、政府による「アメとムチ」の方針だ。政府は昨年6月に閣議決定した「デジタル田園都市国家構想」の基本方針で、マイナカードの交付率を地方交付税の算定に反映させることに言及した。その後、交付率が平均未満の約630自治体を「重点的フォローアップ対象団体」と名指しして対策強化を要請。一部交付金について、「カード申請率が全国平均交付率以上」を応募要件とする仕組みを検討している。
 「地方交付税は一般財源として中立性が必要。特定の政策を優先させるよう自治体を誘導してはいけないし、政策の進捗しんちょく程度で自治体を差別してもいけない。交付税の補助金化で、非常に不適切だ」。東京大の金井利之教授(自治体行政学)はこう指摘する。自治体にも「自主的にせよ、国に誘導されたにせよ、普及のために住民をカネで釣るのも問題だ」とくぎを刺す。
◆同意なしに口座登録 国家資格や自動車登録にも
 政府は今月召集される通常国会で、マイナンバー法改正案を提出する方針だ。マイナンバーの公金受取口座について、行政機関が年金や児童手当の支給のために把握している口座情報を未登録者に通知し、拒否しなければ同意なしで登録できるようにする。だが、改正案を取りまとめたデジタル庁の有識者会議では一部の専門家から「乱暴」「議論を呼ぶ進め方だ」との懸念も出た。
 また法案では、これまで社会保障と税、災害対策の3分野に限られていたマイナンバーの利用範囲を国家資格や自動車登録、在留外国人の関連事務などへ拡大する。会議に参加した立命館大の上原哲太郎教授(情報セキュリティー)は「国民に対し、利用拡大が招く利便性とリスクの説明がないまま利用範囲が拡大されている。用途が広がると勝手に名寄せされ悪用されるリスクが拡大するが、現状の対策で十分なのか議論が尽くされていない。慎重になるべきだ」と危ぶむ。
 政府は、健康保険証廃止の方針を掲げてマイナカードの事実上の「義務化」を目指し、取得者に最大2万円分のポイントを付与する「マイナポイント第2弾」の期限を昨年末から今年2月末まで延長するなど普及に躍起だ。事業予算は1兆8000億円に上る。
 元財務官僚で明治大の田中秀明教授(公共政策)は、「カードに対する不安の声もある中、政府のやり方はポイントで国民を釣るようなものだ」と批判。政策としての費用対効果についても「普及にこれほどまでのコストをかけても、利便性が向上したとは感じられないのが一番の問題。自治体ごとにばらばらだったシステムを連携するのにもコストと手間がかかる。IT業者がもうかるだけだ」と疑問を呈した。
◆デスクメモ
 政府は「マイナカードはデジタル社会のパスポート」とうたう。しかしそれは、パスポートがないと「デジタル社会非国民」で、その社会の行政サービスも受けられないということを、意味するのだろうか。備前市の事例を特に問題視しない各省庁の姿勢を見るに、空恐ろしさが募る。

 
 
 
こんな事態が日本中に広がれば、最後は「マイナンバー不携帯は非国民だ!」ということになりかねない。
 
少々気になるのは、先週末の世論調査で岸田文雄内閣の支持率が上昇したという。
 
岸田内閣支持率40% 高齢層で上昇、18~30代で低下 世論調査」(朝日新聞)
岸田内閣支持率33% 前回から7ポイント上昇 毎日新聞世論調査
岸田内閣支持36% 不支持41% 各党支持率は? NHK世論調査
 
うがった見方をするわけではないが、こんな会食が支持率上昇に一役買ったのだろうか?。
 

 
さてさて、「高市早苗の進退問題だけに目を奪われるべきではない。政治とメディアの関係、そもそもメディアはどうあるべきか、そして放送法とは何か、さらには安倍政権の本音や体質は岸田政権にも色濃く受け継がれているのではないか、これを機に考察すべき論点はたくさんあります」と青木理は指摘していたのだが、実は裏ではまさに政局そのものがうごめいているという。
 
『総務省文書問題』高市早苗氏を追放したい霞が関 『更迭』は岸田首相に突きつけられた“踏み絵"
 
■官邸と霞が関が仕組んだ
総務省文書問題で高市氏は絶体絶命に見えるが、本当に追い込まれているのは高市氏を切れない岸田文雄・首相のほうだ。
 誰が高市追い落としに動いているかを辿ると、その理由が見えてくる。安倍政権時代の放送圧力に絡む総務省内部文書の内容が国会で最初に追及された際、当時総務大臣だった高市氏は「捏造だ」と全否定し、事実なら大臣も議員も辞めると啖呵を切った。ところが、松本剛明・総務相が文書は本物だと認めて公表に踏み切り、そこから高市氏は不利な状況に陥った。官邸官僚の1人が明かす。
「役所が大臣レクの内容を記したメモを含めて行政文書を全部公表するのは異例な対応だった。たとえ国会で取り上げられた文書でも、役所が正式に公表する場合は発言部分に黒塗りを入れるが、今回はそれも一切しなかった。公表を決めたのは松本総務相だけの判断ではなく、官邸がゴーサインを出した。とくに官邸を仕切る木原誠二・官房副長官は防衛増税で公然と政権を批判した高市氏に思うところがあるようで、庇う必要は全くないという姿勢だ」
 現職大臣が、官邸から撃たれたのだ。
 政権内部には、高市氏を何としても“追放"したい勢力がある。岸田政権は発足以来、安倍路線を徐々に転換し、財政再建・増税路線を進めた。それに反発してきたのが高市氏だ。
 岸田首相が麻生太郎・副総裁を最高顧問に据えて自民党内に総裁直属の財政健全化推進本部を設置すると、政調会長だった高市氏は直属の財政政策検討本部を作って対抗。また、昨年7月の参院選前には、経済政策の補正予算編成をめぐって高市氏は麻生氏や茂木敏充・幹事長と大バトルを演じ、与党協議から外された。岸田首相はそんな高市氏を昨年8月の内閣改造で入閣させて閣内に封じ込めたつもりだったが、抑えきれなかった。
 昨年末の防衛財源をめぐって、高市氏が「罷免覚悟」で岸田首相の増税方針に公然と反対したことは記憶に新しい。自民党ベテラン議員は、「今国会で高市問題がにわかに浮上したのは仕組まれたからだ」と見る。
「官邸では木原官房副長官をはじめ財務官僚出身の総理の側近たちが、増税に反旗を翻した高市さんを邪魔だと思っている。文書問題で高市さんに不利な材料を出している松本総務相の親分は財務省のドンの麻生さん。松本氏自身も父の十郎氏(元防衛庁長官)が大蔵官僚出身だったから財務省にパイプがある。背後で、財務省と総務省という財政当局が、増税反対派の高市氏を追い落とそうと糸を引いている
 
    
  
■切らねば官僚を敵に回す
政治評論家の有馬晴海氏は、高市更迭は霞が関が岸田首相に突きつけた踏み絵だと見ている。
「岸田政権を支えてきたのは財務省です。財務省は岸田首相に年金生活世帯への5000円上乗せや生活困難世帯に対する物価対策の5万円支給の予算を認めたかわりに、防衛財源として所得税などの増税を決めさせ、少子化対策では消費税増税を進めさせようとした。ところが、ここに来て岸田首相は増税に二の足を踏むようになった。財務省にすれば、話が違う。
 そこで、今回の文書問題を口実に首相に高市氏を更迭させ、安倍路線から完全に決別するように迫っている」
 踏み絵は財政再建だけではない。
 安倍政権時代の森友学園問題では、「私や妻が関係していたら総理も議員も辞める」と発言した当時の安倍晋三・首相を守るため財務省が泥をかぶり、大きな犠牲を払った。
 政治ジャーナリスト・野上忠興氏は、高市氏を更迭しなければ、霞が関全体の反発を招くと言う。
「霞が関から見れば、安倍政治の手法は政治主導と言いながら人事で官僚を支配し、政権に不祥事があれば官僚に泥をかぶらせて切り捨てた。霞が関の官僚は、岸田総理はそんな政治を転換すると期待して支持している。しかし、ここで岸田首相がわざわざ安倍氏と同じ言い方で疑惑を否定した高市氏を擁護すれば、首相自身が総務省の文書の内容が間違いだと認めて役人に責任を負わせることになる。そうなれば、官僚は“岸田も安倍と同じだ"と見放して霞が関全体が敵に回るだろう」
 霞が関を敵に回せば、政権はもたない。憲政史上最長の長期政権を誇った安倍氏でさえ、『安倍晋三回顧録』(中央公論新社)の中で、財務省や自民党財政再建派議員たちからの増税圧力をかわすためには、解散・総選挙を打つしかなかったと語っていたほどだ。
 安倍政権には岩盤保守層という強固な基盤があったが、岸田政権の基盤は霞が関だけだ。麻生氏や茂木氏、木原氏ら側近も岸田首相に霞が関の支持があることを前提に政権を支えている。野上氏は、官僚の支持を失えば岸田政権は終わりに向かうと予測する。
「岸田首相には霞が関に対抗する力はない。だから官僚を敵に回した途端に政権の屋台骨が揺らぎ、瓦解に向かう。それが見えた段階で、首相を支えている麻生氏や茂木氏、官邸の側近も政権に見切りをつけてポスト岸田に動き出すだろう」
 側近からも霞が関からも高市氏を切れと迫られ、追い詰められているのはまさに岸田首相なのだ。

  
国民目線からすれば、「安倍路線から完全に決別する」には、アベノミクスを徹底的に検証しなければならない。
 
それを行えば安部派の反発をくらい、総裁選での支持を失うことになりかねない。
 
だからと言って高市早苗を更迭すれば任命責任を問われることになる。
 
そうなれば最後に残った道は解散総選挙しかなくなるのではないだろうか、とオジサンは思う。  

       

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