公園という所は実に様々な物が不法投棄される場所でもある。特に雪が積もると大型家電が捨てられる事が多い。春になり雪融けが進むに連れてその姿をさらけ出す事になる。ゴミステのマナーを筆頭にモラルという言葉は存在しないかのようである。全く開いた口が塞がらないといった心境である。
そんなある日の事である。公園の池に奇妙な不法投棄があった。最初見た時は本物?と目を疑ったのだが、すぐに剥製という事に気が付いた。そう、妙な不法投棄とは「マガモの剥製」だった。
私は見付けた時、既に翼の部分は突かれていた。早速ブトが視察にやって来た。しかしこの光景を遠巻きに見ている人達の「カモさんがカラスに突かれている!!」と言っているのが聞こえてきた。それにしてもおかしいとは感じないのだろうか?
このブト君、マガモの翼の部分を引っ張り始めた。剥製とはいえもともとは生きていた者を使って作った代物だ。本物と思っても仕方があるまい。カラスも剥製に騙されるという事が証明されたのである。
この剥製を良く見ると保存状態がとても良かったとは言えず、恐らくダニでも発生して気持ち悪くなり公園へ捨てにきたのだろう。生きていたマガモが剥製になるために命を落としている訳なのだから、扱いはもっと慎重にして欲しいと思う。
あっ!もう1羽様子を見にやって来た!何とこのブトはいじめられっ子ではないか??いじめられっ子はこの後マガモの剥製を独り占めしていた。しかし間もなく剥製は片付けられてしまったのである。残念・・・・・。
翼の部分を集中的に突いていたので辺りにはマガモの羽根が散乱していた。ここに剥製があった事を知らない人は「マガモがカラスに食べられた」と何の証拠もなく言うに違いあるまい。いつでも犯人はカラスなのである。たとえ死骸を突いていたとしても・・・・・。
それにしても不思議に思ったのはこの光景を見ていた人達の反応である。地面に伏せっていたのならまだしも、この状態でカラスに突かれて「何の反応も示さない」という事に何の疑問も感じないのだろうか?死んでいる状態で立っている事自体は先ずあり得ない。だとしたら尚の事「偽物ではないか?」とは感じないのだろうか?それに流木の下には土台が付いている。その辺に目は行かないものだろうか?私はマガモの剥製が不法投棄されていた事よりもこの人達の方が余程不思議で堪らなかったのである。
この時のブトの表情は真剣そのものでした。私が発見した時には既に突かれていたのですが、代わる代わるやって来るブトを見ていると本当に会話が聞こえてきそうな気がしました。いじめられっ子も来たので面白かったです。私としてはもう少し置いておいて欲しかったですね。
それにしても「カモが可愛そう」というのは良いとしてもこのカモを見て偽者と気が付かない神経には本当に驚きました。(^^;