カラス

カラスと共に生き物の世界を覗き見る

刷り込み2

2006-09-22 06:02:54 | 行動

 独り立ちを前にした雛達が最近一生懸命行っている行動がある。もちろん貯食や捕食など生きる為に必要不可欠な事ばかりなのだが、実はもう一つ大切な事がある。それは「身を守る」という事である。身を守るとは天敵が来た時に猛然と立ち向かう場合もあるのだが、それらを未然に防ぐ場合もある。公園に生息しているカラスに関しては猛禽などの攻撃が頻繁に起こる訳ではない。それよりはもっと身近な天敵がいる。それは紛れもなく「人間」である。

 最近良く目にする光景は雛の防衛反応である。この防衛反応とは「危険人物が来たら威嚇鳴きをする」という事になる。雛はこれらの人物の特徴を親からの刷り込みによって把握していると思われる。実際雛にある程度行動に余裕が出来る時期になると親が威嚇をしている相手をじっと見据えている。こうして雛は危険人物をインプットし、親が反応しなくても自らが反応し、防衛反応を示しているという事になる。

 しかしこの反応に対しての人間の反応はというと、これまた情けないといおうか・・・・・。威嚇されている事に気が付いた人の場合即座に反応している。ただ見上げているだけならまだしも、巣立ちの時期と何ら変わりなく石や枝を手に取り投げ付けている。そうすると雛も途端に威嚇が激しくなる。余りにも雛の悲鳴に近い声が続くと、今度は親が威嚇を始める。悪循環としかいいようがないだろう。

 この時点で雛の威嚇鳴きと親に威嚇鳴きの違いが判別出来る人なら良いのだが、所詮枝を振り回すような人達だからそんな事を理解出来る筈もない。最後はカラスに勝てない事を自覚してその場を立ち去るのだが・・・・・。

 毎年毎年同じ事が繰り返されて行く中、人だけが進歩する事がない。それどころかカラスに対して「野生動物である」という認識すら感じられない。そんな人間が実に多くはびこっているのが現実だ。このような歪んだ視点からしか生き物を見る事が出来ない故に「餌付け」という物も存在するのだろう。これも一種の刷り込みと言えるのではないだろか?

画像:ハシブトガラス


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2 コメント

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猛禽 (湖南)
2006-09-27 21:51:47
人は猛禽より恐しですか。

確かに、中身は猛禽の如き人もいます。そして自分が猛禽であることの自覚がない。

そんな人は昔からいたのだろうと思いますけれど、

最近の人はちょっと違うような気がします。人間らしいところが全く感じられない場合、そら恐ろしさを感じるからです。
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湖南さんへ (ブトボソ)
2006-09-28 05:28:53
こんにちは。

この記事に登場するような人物って本当に多いのですよ。地域柄という特性もあるのでしょう。それらを踏まえて考えるとカラス達は100年以上に亘り人よっていたぶられていた事になります。



最近の若者の傾向として思うのは「一人で行動出来ない」という事でしょうか?女の子よりも男の子の方がやたらと群れているのが目に付きます。
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