毎年この時期になると必ずといって良い程ある相談事が来る。そう、それは「カラスが庭木に巣を作ってしまった・・・・・どうしたら良いでしょう?」というものである。私にしてみたら「庭に木があるのなら営巣しても不思議はないし、別段慌てる事でもない」ように感じられるのだが世間一般ではそうではなさそうである。
昨年の繁殖期にもやはり似たような相談事があった。様子を見に行くと、巣立った雛が地面を歩いていた。気が気でない親は雛を守ろうと通行人を威嚇していた。これではどうにもならない状態だった。
巣のある民家の人が出てきてくれたので話をする事が出来た。この方は「カラスが巣を作った事を喜んでいて、毎日成長して行く姿を見るのが楽しみだった」という事だった。しかし「巣立った後にこんな事になるなんて・・・・・」と想像もしていなかったらしい。無理もなかろう。
民家に庭木に営巣するカラスは少なくない。特に都会では緑のある場所は限られており、早い者勝ちといった具合だ。後から来た新参者の入り込む余裕はない。本来なら倍以上の樹高が望ましい筈のブトでさえ例外ではない。
営巣したのがボソだった場合は然程気にする事もない。直接攻撃はないに等しいからだ。そうかといって手出しはご法度である。あくまでも「そっと見守る」というのが適切である。これはブトでもボソでも共通して当て言える事である。
実は今回のようなケースは少なくない。巣を作られた民家の人は楽しみにしていても、巣立ち後の事までは考えないのである。巣立ち後も庭から出る事なく成長してくれれば問題はないのだが、そこは野生のカラスの事、日を追う毎に行動範囲が広がるのは当たり前である。更に雛数が多かったら兄弟がバラバラに行動を始めるので親もさぞかし大変だろう。
民家に造られた巣を勝手に第三者が撤去する事は出来ないのが普通である。都道府県によって多少の違いはあるのかもしれないのだが、基本的には出来ないと思った方が良い。民家や私有地に造られた巣を撤去するか、しないかの判断はその土地の持ち主に依存される。
民家の場合は巣立ち後の事まで考えた上で巣を見守る必要がある。近所に人達に理解を求めたり、看板などを設置して周知する必要があるかもしれない。しかし大抵の場合「カラスの襲われて怪我をしたらお宅で責任を取ってくれるのか?」と言われる事が多いと聞く。私に言わせればとんでもない勘違いだと思うのである。何故なら「カラスは野鳥であり、その野鳥が勝手に庭に巣を造ったのだから個人に責任はない」と思うのだが・・・・・。
今年も到る所で民家に営巣しているカラスの姿を目にしている。私は巣立ち後「この家族はどうなるのだろうか?」と心配になってしまう。民家でなくてもカラスが安心して子育てを出来る権利さえ否定されつつある世の中だから・・・・・。
去年と同じ所に巣を構えたヤタさんの両親(たぶん、そうだと思いますが・・。)が心配です。
あそこはかなり人通りがあるし、車も通っているので・・それを考えたらヤタさんは運がよかったのでしょう・・。
ヤタさんの両親は今年も同じ場所に営巣をしているのですね。心配ですよね。昨年いたジジがまた手を出さなければ良いのですが・・・・・。無事に子育てが出来る事を祈っています。
みんな、ただひたむきに生きようとしているだけなのに、
なんでこんな風になるんですかね。
カラスも人間も猫も・・・
そうですね。本当にただひたむきに一生懸命生きようとしているだけなのですが、それすら適わない世の中になりました。特にカラスにとっては・・・・・。
心無い権力者は自らの知識のなさを暴露しているに過ぎません。この事にいつ気が付くのでしょうね。