何様のレストラン

食べ物に執着している人間の、食べ物中心のブログ。イラストレシピもあります。

「池波正太郎の江戸料理を食べる」の鴨飯を作りました

2015-08-27 21:41:42 | 作ってみた
池波作品には多くの食事シーンが登場します。
「池波正太郎の江戸料理を食べる」では、料理人の野崎洋光さんが、登場する料理を実際に作り、
またその作り方も詳しく紹介されています。
この本に載っていた、剣客商売に登場する鴨飯を作りました。


鴨飯が登場する剣客商売では「鴨の肉を卸し、脂皮を煎じ、その湯で飯を炊き、
鴨肉はこそげて叩き、酒と醤油で味をつけ、
これを熱い飯にかけ、きざんだ芹をふりかけて出す。」と書かれています。

描写を読むだけでお腹が減ってきます。

この文章を頼りに、合鴨を使って何度か作ってみましたが、うまくいかないんです。
脂でだしを取って炊いたご飯はおいしいんですが、どうも味付けが決まらない。
そして肉が硬い。合鴨だから仕方ないのかと思っていましたが…。

「池波正太郎の江戸料理を食べる」では、このへんを解決するポイントが色々紹介されていました。
さすが野崎さんです。きょうの料理ビギナーズにもっと出てください。

まず、鴨の脂皮を煎じるところですが
水と酒に鴨の脂を入れ、わけぎの青いところも一緒に入れて煮出します。(沸騰したら火を弱めて2分)
この汁を淡口醤油で味付けし、ご飯を炊きます。
鴨の脂とわけぎの旨みが移った、これだけで3杯はいけそうなご飯ができます。


でもわけぎがないので、ねぎの青いところを使いました。

加熱すると硬くなる鴨の皮は、包丁で叩く工夫がされています。
その肉に小麦粉をまぶして、フライパンで合鴨を焼いて取り出した後、
醤油・酒・みりんのタレを入れて煮立ててから、肉を戻し入れ、タレをからめます。

丼に盛ったご飯には、黒こしょうをかけ
その上に肉を盛り付け、タレをかけ、小口切りのわけぎを乗せます。

でもわけぎがないので、ねぎの小口切りを使いました。

小麦粉をまぶして焼いた合鴨肉は、しっとりプルプル。皮を叩いているので、噛みきるのも容易です。
鴨の旨みが移ったご飯+黒こしょうだけでもおいしいのですが、
そこに鴨の脂と甘辛いタレがからんで…肉を食べつくした後も、この味だけでおかわりできそうです。
もちろん、ねぎとの相性もばっちりです。

だいぶ前に冷凍庫に入れた合鴨だったので
冷凍焼けしていて心配だったのですが、とても美味しく食べることができました。




池波作品の料理の作り方が紹介されている本では、「剣客商売庖丁ごよみ」もオススメです。
こちらの本では、作り方はざっくりしています。(調味料は大さじ何杯とか、詳しいレシピは書かれていません)
それだけに想像力が広がります。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クラーブラックスでエッグベ... | トップ | 「栗原はるみの定番ごはん」... »

作ってみた」カテゴリの最新記事