NHKカルチャーラジオ「漢詩を読む・日本の漢詩」
(9月24日放送)の録音を聞いた。
「平安後期」 第3回は「藤原忠道」として
藤原忠道の詩3首と藤原忠道「売炭翁」と同じ詩意の
白居易の「炭を売る翁 宮市に苦しむ」の朗読と解説
があった。
私が気に入った詩を
運転老時至(運転して老時至る) 藤原忠道 作
老いがやって来て鏡に写しだされるのは怪しげな姿
天の運航は巡り続けて結局 とどまることはない
よもぎ色のこの髪が年を経て真っ白になると思うと
堪えられない
松の枝が時を経て青々としているようでありたいと
思う
私は無為のうちに年月が過ぎていく嘆きで涙に
むせぶ
人生50年、まぎれもなく老年なのだ
詩会を開くたびにただただ悲しみに痛む
昔の人は亡くなり、その姿を見、声をきくことが
できなくなってしまった
この詩題の「運転」は「めぐってくる」の意である。
人には必ず「老い」が來る。との詩題で始まるこの
詩は、私の心に響くものがある。
まさに、この作者の心境が共感できる・・・
今回で、4月から6か月間の
後藤昭雄さん講師「日本の漢詩(飛鳥~平安)」
が終了した。
来月からの、「漢詩をよむ」講座を楽しみにしている。