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猫のCOCOとヒゲじいさんのなっからさくい生活

なっからさくいは「めっちゃ気軽な」って感じ、ちっとんばいデブなシャム系猫といい歳こいたじいさんの自楽な生活記録です

第81回美登利会舞踊公演が開催されました。吉駒はリサイタルで常磐津『芥大夫』を舞いました

2025-04-07 07:11:06 | なっからさくい生活

第81回美登利会・第6回三代目吉駒リサイタルが、昨日、昌賢学園前橋ホール(市民文化会館)で開催されました。たくさんのお客さまにお越しいただけて、吉駒もたいそう喜んでいました。見出し写真は、吉駒の常磐津『芥太夫(ごみだゆう)』の出の場面です。紙衣の裃におかしな三味線、変なお面姿での登場です。伝統芸能解説者の葛西聖司さんは「皆さんが見たいことのない踊りがみられますよ…」と紹介してくれました。

     
昨日は午前中から会場入りしてお手伝いをしていました。写真は、ホールの看板と、衣装、カツラ、床山、化粧などのスタッフが出演者の設えをする部屋、出演者が来る前に準備しているところです。開演は午後ですが、スタッフは朝から準備をしていました。それでは、美登利会の舞台写真をご覧いただきます。

 

     
美登利会舞踊公演の幕開けは小曲花舞台でした。最初は、似鳥結衣子さんの『乙女椿』、二曲目は、松永佳凛さんの『おぼこ椿』でした。春にぴったしのかわいい椿二題でした。

     
続いて、船内遥月さんの『蓬莱(ほうらい)』です。そして、佐藤真綾さんの『舞扇』でした。吉駒の稽古場に通う若い人たちの舞台でした。

 

     
続いて、『羽根の禿(はねのかむろ)』、立ち方は上原実礼さんです。本舞台は初めての美礼さんでしたが、しっかりかわいい禿を演じてくれました。暖簾をくぐって登場するとお客さまから大きな拍手が沸いていました。

     
大和楽「あやめ」、立ち方は若柳糸昭さんです。恋に落ちた若い女性の憂いをあやめになぞらえた情緒豊かな美しい舞でした。

     
長唄『八島官女』は生方文子さんです。源平の戦いに敗れた平家の官女が世を忍んで魚を売り歩く海女となっているという難しい設定の踊りなのですが、上手に表現してくれていました。

 

     
長唄『俄獅子(にわかじし)』、立ち方は若柳糸侑美さんです。江戸の花街「吉原」の風情を伝える舞です。美しく演じてくれました。

     
常磐津『屋敷娘)』、立ち方は、若柳糸奏さんです。大名屋敷などに住み込みで働く屋敷娘の休日の情景を描いた踊りです。糸奏さんはこの4月から社会人になりました。どんな休日を過ごすのかななんて、余分なことを考えていました。

     
長唄『櫓のお七』、「お七」は小菅あおいさんが演じました。恋仲の吉三郎を救うために死を覚悟して火の見やぐらに登り太鼓を打ち鳴らすお七を、「人形ぶり」で上手に踊りました。雪が舞う幻想的な風景でした。

     
美登利会のトリは、若柳華龍さんの長唄「供奴(ともやっこ)」でした。代表的な歌舞伎舞踊を衣装を着けずに素踊りで演じてくれました。タップダンスみたいな「早間の踊り」が楽しかったです。

 

     
そして、第6回三代目吉駒リサイタルになりました。司会とお話は、今年も、伝統芸能解説者の葛西聖司さんがしてくださいました。分かりやすく、楽しいお話でした。

     
吉駒の最初の踊りは常磐津『鶴亀』です。リサイタルは生演奏で、常磐津は常磐津巴瑠幸太夫さんほか、、囃子は堅田新十郎さんほかです。

     
長唄の「鶴亀」は良く演じられますが、常磐津の「鶴亀」は演じられることが少ないようです。今回は二代目吉駒の踊りに三代目が新しい振り付けを加えて踊りました。

     
そして吉駒の踊りの幕間には、県立勢多農林高等学校伝統芸能部「勢凛(せいりん)」の皆さんが和太鼓演奏をしてくれました。元気良くてよかったです。

     
そしてリサイタルの2曲目は、常磐津『芥大夫(ごみだゆう)』でした。芥大夫は、江戸時代後期に、奇妙な裃(かみしも)姿で笊に棒を差した三味線まがいを抱え、いい加減な浄瑠璃を語りながら施しを受けて暮らしていた辻芸人です。そんな江戸のまちの風俗を舞踊化した演目です。

    
1828年に江戸の中村座で初演されたのですが、その後長く上演が絶えていたものを、初代と二代目の師匠の若柳寿慶師が復活させ、初代吉駒から三代にわたって伝えられてきた演目です。着けている裃は、若柳寿慶師から初代吉駒に譲られた木版本の和紙で作られた紙衣です。手にしている三味線まがいは笊に竿風の棒を取りつけたもの、バチはしゃもじです。この道具も寿慶師から伝えられたものです。寿慶師から託された吉駒三代の伝統の舞踊です。

    
裃を脱ぐと、下の着物もまた珍しい意匠です。「久方のひかりのどけき花の山 ちりはいとえどしず心 なぎててそよそよ春風に 吹き集めたるごみ大夫 てれれんてんてん」、常磐津節『芥大夫』の出だしの一節が染め抜かれているのです。この衣装も二代目から受け継いだものです。

    
吉駒三代が受け継いできた伝統の舞『芥大夫』、面白かったです。「見捨てられたる親の罰 しゃうしをバチに味噌こしを 胴より肝の太ざおに かけし三筋の糸より細き 露の命もなんのその……」、若き日に呑竜仲店で酒飲んで始まった自分の人生を思いつつ眺めていました。

 

    
美登利会が無事にできてほっとしています。片付けした帰り道、西の空の雲が賑やかでした。家に戻るとすぐに、義母さんとユキ子さんの夕食を用意しました。といっても冷凍しておいたシチューを朝から解凍しときましたんで、サラダづくりなど簡単な作業ですませました。

   
寒がりCOCOは羽毛布団に埋まって留守番していたみたいです。今朝の上毛新聞を開くと、『羽根の禿』の舞台写真が目に飛び込んできました。今日は、のんびり身体を休めます。

 

 ヒゲじいさんの連れ合いの三代目若柳吉駒でございます。
昨日は第81回美登利会を催しましたところ、たくさんの皆様にお運びいただきまして、誠にありがたく心から御礼申し上げます。会員一同の舞台に暖かな拍手をいただきとても嬉しく、心から感謝ん申し上げます。
1937年(昭和12年)に祖母の初代吉駒が始め、伯母の二代目吉駒から私に引き継がれた美登利会を主催しております。昨年の4月には、第80回の舞踊公演を行うことができました、こんなに長く続けることができておりますのも、会を支えてくださる多くの皆様のおかげと、ただただ有り難く、感謝申し上げるばかりです。これからも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

《最近の美登利会と吉駒リサイタルの舞台をご覧になりたい方は…》
第80回美登利会と第5回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧ください
第79回美登利会と第4回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧ください
第78回美登利会と第3回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧下さい
第77回美登利会と第2回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧下さい
第76回美登利会と三代目吉駒襲名リサイタルはこちらでご覧下さい
お稽古場は前橋市城東町、詳しくはこちらをご覧下さい

 


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