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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

もはや幻ではない「幻の滝」を見に行った話

2018-05-22 | 雑感
 和歌山県の山間部にゆずで有名な平井という里がある。そこに幻の大滝があると聞き行ってみた。



幻の滝を隠す平井の山々


 その名も「幻の滝」。かつては地図にあっても道が無く、到達性が極めて悪いためこの名が付いたそうであるが、今はすぐ近くまで林道が整備されていると言う。ただし、紀伊半島は7年前に未曾有の大水害に見舞われ、いまだに山間の道路はその傷跡が所々で残り、地図に載っていた道が無くなっていることもたまにある。そのため、平井にある「ゆずの学校」で美味しいゆずジュースを飲みながら、親切なご主人に道を確認し、おそるおそる車を走らせた。
 なんと、その林道はきれいに舗装され、落石や倒木も無く、あっけなく登り口に着いてしまった。滝はここから徒歩10分の距離にある。



幻の滝入り口の看板


 ところが、滝への歩道は整備されておらず、清流沿いに進むと数分で道を見失う。滝はすぐ上流にあるはずなので岩をよじ登り進む。が、ハードになってきたため、一緒に来た妻がギブアップ。困ってしまい周囲を見渡すと、対岸に道らしき痕跡が見える。そこで、水深が浅い所を選び川を横断し、滝の落口近くまで到達した。



歩道入り口付近:歩道に入り数分は道が識別できた


数分後に道を見失う


川横断:裸足で渡る。これがどんなに危険な行為であるのか、彼女はまだ知らない。 


落差63m。古座川水系にある滝の中では最も長く、「那智大滝より米俵一俵分低い」と言い伝えられてきたように、壮大で大滝に姿が似ている。比較的お手軽ではあったが、良いものを見させてもらった。



「幻の滝」


滝の下部:水量が少ないせいか滝壺は形成されない


 さて、滑落せぬように気を配りながら車に戻るとおまけが付いてきた。それは「ヤマビル」。それも妻の靴ばかりに5匹ほど。妻はパニクりながら、私は楽しみながら、小枝を探して除去する。幸い発見が早かったため吸血されずに済んだ。



靴紐の付け根に隠れるヤマビル君


靴から剥がされて逃げるヤマビル君


 気温が高く雨が多い時期はヒルも多いのであろうが、完全に山を見くびっていた。山奥に踏み込むということはこういうことだ。今後、古座水系の滝巡りを気軽にしたいと思っていたので良い勉強になった。
 最後に、インターネット記事を参考に、以下に記すヤマビル対策を検討した。これはダニにも有効であろう。次回からの滝巡りではこれで安心だ。

ヤマビル対策法
 ①侵入経路を断つ:袖付きの長靴(もしくはゲイター利用)、長袖長ズボン、それに厚手の靴下を履き、帽子をかぶる。
 ②ヒルを寄せ付けない:忌避効果のあるスプレーを靴に散布。効果の高い専用スプレーもあるが、まずは効果があるとされる
  一般の虫除けスプレーかエアサロンパスを使用するつもり。