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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

里花に親しむ ~最初の50種~

2018-05-13 | 雑感
 仕事上、海岸植物には少なからず親しんできたが、山里の植物には興味はあったもののからきしであった。それを克服すべく、わんこの散歩がてら1日1種を目標に里山の花の名前調べを始めた。きっかけは先月の探鳥会で先覚者から教えを受けたことによる(前々回の「花の名前を覚える近道は?」参照)。


記念すべき確認第1種目「タツナミソウ」:岸近くで波が砕ける様に由来。簡潔でたいへんセンスが良い名前。

 里花に親しんで早一月が過ぎ、「スミレやタツナミソウの青系の花が少なくなり、ドクダミやヒメジョオンの白系の花が目に付くようになる」と言った、花の消長による季節の移ろいが楽しめるようになってきた。苦手な夏が近づいているのではあるが。。。


記念すべき確認第50種目「ママコノシリヌグイ」:なんとも酷い物語を持つ名前で、命名は植物学の父と呼ばれる牧野富太郎。明治時代の学者は皆、想像力豊かだ。

 さて、本業に支障のない範囲で欲張らずに花の名調べを続けてきたが、本日、記念すべき50種目の撮影に達した。プチ自慢までにその目録を以下に記す。確認時機は4月から5月上旬、地域は和歌山県紀南地方、場所は海岸近くの里山、対象は野生花であるが、ごく一部の樹木や園芸種も撮影したものについては加えてある。


春の里花のお気に入りNo. 1「オオイヌノフグリ」:小さくて可憐で大好きな空色。花は抜群だが、名は最悪。牧野さんには愛のある名に変えて欲しかった。


 アメリカフロウ、イワタイゲキ、ウンゼンツツジ、オオイヌノフグリ、オオジシバリ、オオバコ、オヤビジラミ、ガクウツギ、カタバミ、キキョウソウ、ゲンゲ、コガクウツギ、コセンダングサ、コツツブツメクサ、サンショウ、シャガ、スイバ、セイヨウタンポポ、タガラシ、タチイヌノフグリ、タチツボスミレ、タツナミソウ、タビラコ、チガヤ、ツルマンネングサ、ドクダミ、ナズナ、ニガナ、ニワゼキショウ、ノビル、ハエドクソウ、ハハコグサ、ハマエンドウ、ハマヒルガオ、ハマボッス、ヒメジョオン、ヒメレンゲ、ヒルザキツキミソウ、マツヨイグサ、ママコノシリヌグイ、ミヅキ、ミゾカクシ、ミヤコグサ、ムラサキカタバミ、ムロウマムシグサ、モチツツジ、ヤマフジ、ユズリハ、リンドウ(ハルリンドウ?)、ワスレナグサ


春の里花のお気に入りNo. 2「ムラサキカタバミ」:鮮やかな小花を持つが、要注意外来種だそう。帰化して数百年、もう市民権はあるだろうに。

 この目録を愛好者が見れば普通種過ぎて失笑するであろうが、目録にあるほとんどは初認識、全くの無知であった。


春の里花のお気に入りNo. 3「ハハコグサ」:春の七草の1つとは知らなかった。近くに本種とゲンゲ、それにニワゼキショウが入り乱れた宝箱のような小さな原っぱがある。

 私の研究対象は調べても種名が分かることは稀な、名前のない混沌とした世界である。一方、花は、先人の恩恵によるものであるが、「名のない雑草など存在しない」と言っても過言ではないほどの整然とした世界である。名前が分かることは、日頃のストレス解消にも役立っている。


おまけ1「スイバ」:雑草王であるが、花を拡大して見ると実に美しい。

 なお、上記の目録は素人同定であるので近縁種との誤認は免れまいが、継続によって腕が磨かれるものと期待している。同定は主に「山と渓谷社の野に咲く花」と「ナツメ社の野草図鑑」を参考にした。特に後者は花の色から名前を探せるので素人には最適。さて、次の50種はいつになろうか。大好きなツユクサの開花も待ち遠しい。


おまけ2「ミヤコグサ」:都草とは書くが古い帰化植物とのこと。群生景観はこの時期の1つのクライマックス。