弱い文明

「弱い文明」HPと連動するブログです。 by レイランダー

経産省前ハンスト、集会、「東京に原発を!」デモそのほか

2011年09月16日 | 原発 3.11 フクシマ

 今日、経済産業省前で9月11日からハンガーストライキを続けている若者たちに会って話してきた。ほんのわずかな時間しかいられなかったが、行ってきて良かったと思う。
 四人のうち、唯一の女性のことは知っていた。3.11のあと、名古屋でいち早く脱原発パレードを企画した関口詩織さん。岩上チャンネルのユーストを通じて顔を見ていた。今は東京の大学に通っているという。

 彼らの主張等はこちらにまとめられている。
 将来を想うハンガーストライキ

 経産省が業務中の8時から5時半まで座り込みを続け、夜は仲間の一人の家に行って眠る。だが家に帰っても、11日以来、水と塩しか摂取していない。確かに疲れるが、一晩寝ると意外と元気が盛り返すという──そりゃ若いからだろう、と思うのだけど。あと、いろんな人が会いに来てくれて、そのたび元気になるという。ただ、動作はいつのまにかのろくなってくる(笑)らしい。
 より責任のある俺らのオヤジ・オバハン世代がだらしなくて、若い君らにこんなことやらせてゴメンね、と冗談交じりに言うと、彼らはすぐさま首をふって、「自分達のためにやってることですから。どっちにしろ自分らこの後この世界で生きてくんだから、誰かになり代わってるつもりなんて全然ないですよ」みたいに応答する。そりゃそうなんだけど・・・。

 枝野・新経産相が就任時の記者会見で、この経産省庁舎前でのハンストについてどう思うかと聞かれ、こんなふうに答えたそうだ。
「原発を一刻でも早く止めるべきという心情はわかるが、国民的議論や合意のもとで行うべきことで、その方向で声を上げて欲しい」
 それなら聞く。原発導入、推進は国民的議論や合意のもとで行なわれたのか?上で決めたことを「国策だからよろしく」と押し付けてきたばかりか、その内実に疑問を差し挟まぬよう、国民向けに強力なプロパガンダを流し続けてきた歴史的経緯についてはどうなのか?
 
 19日まで続くハンスト、行ける人は誰でも気軽に、気持ちを届けに行ってあげてほしい。
 寄せ書きのコーナーもある↓



 その19日は脱原発アクション・ウィークの最終日。ここで宣伝するまでもないと思うが、東京・明治公園で大規模集会、デモが予定されている。
 http://sayonara-nukes.org/2011/09/110919_s-2/



 19日を過ぎた後でも、各地でさまざまな取り組みは続く。
 そのうちの一つ、僕の友人が主催するものを一つ紹介させてもらう。

 6月11日と今回9月11日、二度の新宿デモの後のアルタ前集会で、二度とも壇上に上ってスピーチしたアンジェロ・デ・ローサさん(東京・吉祥寺のイタリア語会話教室室長)が、9月25日、反原発デモをプロデュースする。怒りよりも「皮肉」を前面に掲げるという、ちょっと変わった趣向のものだ。
 東京に原発を!デモ
 たとえば、山下俊一ならまた新しいネタを提供してくれている。
「200万人の福島県民すべてが被験者です。科学界に記録を打ち立てる大事業になるでしょう」
(発行部数100万部を誇るドイツの週刊誌『デア・シュピーゲル』8月15日号より)
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/19050

 僕はこうした学者・専門家のセリフとは別に、以下のような「一般の教育者」の言葉をプラカード用に一つお勧めしたい。
 「国の言うことを信じられないのなら、日本国民を辞めてもらうしかない。
 ─いわき市小学校 学年主任教諭
 この言葉を聞いたとき、こいつがれっきとした「先生」「教育者」だっつう、それ自体がスキャンダルだと思えて。 



■おまけ

 前回記事、右翼/警察のデモ妨害の有様について書いている時、ずっとある映画のことを思い出していた。
 コスタ・ガヴラス監督の代表作『Z』である。1960年代、軍事独裁下のギリシアで反核運動のリーダーが謀殺された、実際の事件に基づく映画である。

 『Z』─映画評(神宮寺表参道映画館 さま)
 
 9月11日の、あの新宿逮捕劇を知った時、まるで『Z』のようだと感じた。と同時に、そんな古い映画のイメージを単純に当てはめていいのか?という疑念もわいた。しかし、警察が集会を保護するように見せかけて危険にさらすカラクリなど、意外なほどに似ている。新しいようで、実は古臭い閉塞状態に「退化」している(ところもある)のが、今の日本の現実かもしれない、とか。
 観たことのない人はぜひ、この機会に観てほしい。アカデミー外国語映画賞をとっているくらいの有名な作品なので、少し大きなレンタル店ならあるのではないか、と思う(けど、どうだろう・・・?)。政治のレトリック、警察のレトリック、それに惑わされないためには?・・・対抗運動に加わる者にとって、決して古くない教訓・ヒントが、探せばいくつも見つかるだろう。

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