日本の食文化・和食が世界無形文化遺産に認定。食文化に深く根ざした伝統料理の大切な麹は「国菌」に定められています。

日本の誇る和食「WASHOKU」の美味しさとヘルシーは世界で高く評価され麹の不思議な料理力を世界に向けて情報発信します。

消えゆく業界”から海外シェフ注目の食材へ

2014年04月03日 | ビオキッチン京都
“消えゆく業界”から海外シェフ注目の食材へ
日本の食文化を守る「幻の昆布問屋」

 一時期、昆布ダシの味は外国人には受け入れられない、と言われていたが、どうやら杞憂のようだ。そのような風評は、外国で一時期、低品質の昆布が流通していたことに起因している。今ではフランスやイギリス、北欧やアメリカのシェフたちも昆布を使いはじめている。

「海外メディアの取材は多くなりました。このあいだもサンフランシスコ、シンガポール、オーストラリアからお客様がお見えになりました。わかるのかな、と思うのですが、ありがたいことに皆さん、ご興味を持ってくださっています」

昆布の文化を守ることは
日本の食文化を受け継ぐこと


「世界中にシーウィード(海藻)ケルプ(昆布類)は一杯あるんですけど、我々がいう利尻、羅臼、日高といった昆布は北海道近辺にしかないんですね。だから、そこが駄目になったら代わりはないんですよ。そういう意味での危機感はあります。

今、ある昆布を大切に使ってくれるところに納めるということが、そうした環境を守っていくということに繋がると思っています。島国でありながら山もあり、海もあり、日本は世界一の生産地だと思うんです。そうしたことを僕らは食材を通じて、理解していく必要があると思うんです」

 広い世界のなかで日本近辺だけで昆布が育ち、そして消費されてきたという歴史には日本人と昆布の繋がりを感じさせる。

「昆布は奥が深いですね。外国の方はその文化的な歴史にご興味を抱かれるようです。昆布は2年間でその命を終えて、海に戻っていきます。日本人はそうした儚い生き物に自分たちの味覚を託し、食文化を守ってきたのです。

それは尊いことですよね。私はそうした文化をこれからも守っていきたい、と思っているんです」


『神社をイメージした』という白木の店内内装(3月20日オープンのコレド室町店)
 昆布について語る奥井社長の口調は穏やかだが、奥底には熱い想いがある。取材の最後に3月20日にオープン予定の直営店について伺った。

「今まで百貨店さんなどでは弊社の商品を扱ってもらっていたのですが、コレド室町店ではすべての商品を購入することができます。実は昆布ダシをとる際に昆布と同じくらい重要なのは水です。

東京の水ではいい出汁がなかなかでないことから、ここでは天然水(軟水で塩素は使わず、ろ過、加熱もしないナチュラルミネラルウォーター)をセットで販売することにしました。購入してもらって、水に浸けておけば、簡単に昆布ダシを味わうことができます」

 東京ではなかなか見かけない細工昆布(湯豆腐に使ってもいいそうだ)から、最高峰の昆布まで。あらゆる商品が取りそろえられている。

昆布水を試飲させていただいたが、雑味の一切ない澄んだ味に驚いた。穏やかなフレーバーのなかにミネラル感がある。透き通っていて身体に染みこんでいくような味だ。


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