中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

B級グルメの食べ過ぎに注意(その23) ~薬草カクテル~

2013年05月03日 | B級グルメの食べ過ぎに注意

 もう10年くらい前のことになるが、作治さんと一緒に関内の老舗バー「パリ」に初めて入った。
 店内は背の高いカウンターとソファ。
 でも、ソファは使ってはならず、お客さんはスタンディングで飲むのがルールだったようだ。

 バーテンは着物を着た女将さん。あとから調べると、この方は創業者の奥さんで、ご主人が亡くなったあと店を引き継いでカウンター内に入っているとのことだった。

 その日、私たちが注文したのは薬草カクテル。
 しばらくすると小さなスリバチ、スリコギ、薬草を渡された。

 ここの薬草カクテルは、お客が自分で作るのだった。
 二人してこれでもかというくらいゴリゴリ擂って渡す。
 それを彼女がシェークしカクテルが出来上がった。

 お客は我々二人だけ。
 バーテンとの会話なし。
 BGMなし。

 …シーン。

 私と作治さんのボソボソとした話し声だけが店内に響く。
 こういう雰囲気って苦手なんだよね。深刻な話や個人情報満載の話はできないからね。

 この日は薬草カクテル1杯で店を出た。
 支払いは一人6,000円。

 その後、女将さんも亡くなりしばらく閉店していたが、最近は後継者がバーを再開していると聞く
 そろそろ飲み直しに行ってみるかな。


 ところで、関内で有名なバーといえば、この「パリ」のほかに「ホースネック」という店もあった。
 店名の由来は、《馬の首のように細長い店だから》と記憶している。場所は鰻の「わかな」の近くだ。

 ここは作家や詩人、音楽関係者が多く集まる、文化サロンで、焼酎をジンジャエールで割ったカクテル風の酒・ホースネックが人気だった。
 私は大先輩に連れられて1回だけ入った記憶がある。閉店したのはいつ頃だったのかな……。

 その後、創業者の子息が経営する小料理屋「三春」(中区常盤町)でホースネックが出ていることを知り、たびたびこちらを利用するようになったが、そこも一昨年閉店し、64年間続いてきた名物カクテルの歴史の幕が閉じられた。


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4 コメント

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こういうお店 (ふ゛り)
2013-05-03 08:19:58
商売として難しいのでしょうが、お店の方の生き方の波がもろに表現されるからか、存在を愛さずにはいられませんよね。

酔華さんのBarシリーズは密かに好きなエントリーです。
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大人な呑み (ばんど)
2013-05-03 11:10:33
って感じですよね。バーで呑むのって。
まだまだ自分には似合わないようです。
行き付けって言えるバーを持てるようになりたいものです。
これからも良いバーを沢山、紹介してくださいね。
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Unknown (管理人)
2013-05-05 06:21:02
>ぶりさん
野毛の「バラ荘」、「山荘」も懐かしいです。
返信する
Unknown (管理人)
2013-05-05 06:22:17
>ばんどさん
中華街にはまだまだバーが多いですね。
行ってみてはいかがでしょうか。
返信する

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