中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

B級グルメの食べ過ぎに注意(No.21) ~やきとり~

2009年04月03日 | B級グルメの食べ過ぎに注意

 相変わらず「食」に関わる不祥事があとを絶たない。

 雪印食品のラベル貼り替え事件以降、さまざまな不正が次々と明るみに出てきている。その雪印食品が解散した年の8月、今度は日本ハムの牛肉偽装事件が発覚。(同じ“ハッカク”でも、中華香辛料の八角なら美味しいのだがね…)
 その後は「ハンナン」、「不二家」、「ミートホープ」、白い恋人で有名な「石屋製菓」、伊勢名物「赤福」、「船場吉兆」、一色産ウナギの産地偽装、事故米転売問題、「丸明」による飛騨牛偽装表示事件…数え上げたらキリがない。
 他にも、アメリカ産の牛肉が国産和牛に化けたり、あるいは安い廃鶏が比内地鶏になりすましていたりしたことは、まだ記憶に新しい。さらに最近では、ブラジル産なのに国産と偽って、小中学校の給食用鶏肉を納入していた会社も摘発された。

 BSE問題が表面化してから、このような事件が明るみに出てきたのだが、実はそれ以前から食品に関する不正は日常的に行われてきている。
 何年か前、値引きを装った価格の表示が話題になった。たとえば、500円と印字されている“ひき肉”。この数字を「見え消し」して、398円と書き加えてある。一般消費者は値引きしているものと思い込んでいるが、実はよく見ると、最初からバーコードには398と印刷されていたという事例が多発した。

 さらにこんなこともあった。まず不正な表示をしておき、見つかったら「錯覚を呼ぶ表示に切り替える」などという、二段構えの手口も出現している。
 九州での話だ。不正表示を摘発して回っている牛肉の専門家が、アメリカ産の牛肉を佐賀牛として販売している精肉店を見つけて注意した。
 「これは外国産でしょう、正しい表示にしてください」
 すると、数日後ラベルが貼り替えられていた。しかし、そこに書かれていたのは「米国産」という文字だったという。
 なぜ「アメリカ産」と書かないのか。その専門家が推測するには、消費者の錯覚を狙ってのことだという。ぼんやりと眺めているお客は、「米国産」の「米」を見逃して「国産」と勘違いしてしまうのだそうだ。


 ところで、話が急に変わって申し訳ないが、むかしの野毛には葦簀(よしず)で囲った焼き鳥の屋台がよく出ていたのをご存知の方、いらっしゃるだろうか。
 そのうちの一軒(?)が私のご贔屓で、仕事を終えるとほとんど毎日、ここに通っていた。みすぼらしく、うらぶれた屋台ではあったが、安く飲み食いできる場所として、若いサラリーマンやオジさんたちで賑わっていた。


 ある日、私はいつもどおり1杯30円の梅割を注文した。小皿に乗せたグラスに焼酎を注ぎ梅酒を加えてもらうと、こぼれ出た酒で小皿もいっぱいになるのが、なんだか得したような気分でひどく嬉しかった。
 焼き鳥は6本で50円だったと思う。見た目は「灰色」。かぶりつくと舌先にサワサワ感が伝わってくる。肉の表面に産毛が密集しているのだった。
 これは「鶏肉」なのだろうか、先輩たちに聞くと「実は犬なのだ」と言う。なかには灰色狼説もあったりして、本当のところは闇に包まれていた。
 産地擬装どころではない。その実体が何なのかよく分からない「焼き鳥」だったのである。

 しかし、「慣れ」というのは恐ろしい。こんな安い物でも、毎日食べていると違和感がなくなってきてしまうから不思議だ。梅割り焼酎を飲みながら食べる“焼き鳥”は、なかなか美味しかった。

 通常は1皿で2杯やって帰るのだが、その日は、どういうわけか“焼き鳥”を3皿喰い、梅割りを6杯も呑んでしまった。
 8時頃、勘定を済ませ、ふらつく足取りで桜木町駅に向かった。電車は乗客が少なく、座席があいていたので腰掛けた。
 しばらく揺られていると、気分が悪くなってきた。ミゾオチのあたりから喉にかけて、酸っぱいものがしきりに込み上げて来るのだ。
 と思った瞬間、

 《ピュー……ドボドボドボ》

 まるで「小便小僧」のように、孤を描いてゲボを噴射してしまった。どうやら、産毛サワサワの“焼き鳥”の食べすぎが原因だったようである。
 しかし、呑兵衛はしたたかである。こんなヒドイ目にあったのに、翌日もまた呑みにいってしまったのだ。そして、免疫ができたのか、その日以来、何皿食べても吐かなくなった。

 それにしても、アレは何の肉だったのだろう。


本日のお勧め
◆若竹(野毛)
 カウンター数席にプチテーブルだけという、小さな小さなヤキトリ屋さん。私の知っている限り、30年は変わっていない。レバ、手羽が看板メニューだ。最後に出る鶏のスープも絶品。
◆せき弥(野毛)
 若竹に劣らず小さなヤキトリ店。こちらもカウンターと極小テーブルだけという構造。若い頃、ここで初めてピーマンの肉詰めを食った。うまかったなー。


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8 コメント

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Unknown (乙さん)
2009-04-03 07:23:09
朝から大爆笑させていただきました。。。6本50円、小生が生まれる遥か前のことでするかな?
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メチャ安 (管理人)
2009-04-03 07:29:46
◇乙さん
いやいや、生まれたあとの頃でするなぁ。
その時代にしても、破格の値段でした。
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あらゆる意味で・・ (maruto082)
2009-04-03 13:58:05
反則ですねww

元浜通りに 蕎麦屋ではない「中屋」という定食屋さんがありまして、昼の定食も ALL700円に数種の小鉢から一品サービスで選らぶという有難いスタイルなんですが・・。 夜はワンセット(生ビール中、焼酎(チューハイ)、日本酒から 3杯飲めます。)おつまみ 三品で1000円という破格の安値です。さらにサービス券をくれますので 20枚貯めるとワンセット無料ですw 
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Unknown (Unknown)
2009-04-03 22:55:38
◇maruto082さん
蕎麦屋ではないほうの「中屋」、知っています。
よく行きました。
昼も夜も。
最近はご無沙汰していますけどね。

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Unknown (さのやなぎ)
2009-04-08 06:51:46
一赤二黒三白四ブチ

と言われた頃ですね

東京オリンピック前年あたり

から捕獲数が激減したとかなんとか

某店のお婆さんから聞いたことがあります。
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いえいえ (管理人)
2009-04-08 08:35:24
◇さのやなぎさん
昭和50年代だったと思います。
東京オリンピック前だと私は生まれていなかった…
なんちゃって。
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Unknown (さのやなぎ)
2009-04-08 17:25:15
そうですね!

昭和40年代50年代初等のころには

まさか大人になって

中華街 伊勢佐木 福富を放浪する日々が

続くとは思ってもみませんでした。

ましてや野毛など絶対にね!笑い

返信する
オリンピック前 (管理人)
2009-04-08 23:33:42
◇さのやなぎさん
私は体験していないのですが、
先輩たちの話を聞くと、
昔はみんな桜木町デパートで飲んでいたとかいいます。
そこが道路の拡幅工事で追い出され、
店子はあちこちに散らばったようです。
あのヨシズの店もそのうちの一つだったのかもしれません。
まあ、いずれにしても良い時代だったようです。
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