
久々に天丼の「豊野」を訪れた。店の住所は南区真金町なので、行ったことのない人は元遊郭地帯の中にあると勘違いしてしまいそうだが、実際は庶民的な横浜橋商店街の入口付近にある。 その日は昼時にもかかわらず、1席だけ空いていた。天丼を注文し、ふとカウンター上を見上げると、山本五十六の言葉を書いた紙が貼ってあるのに気がついた。 今まではオヤジのパフォーマンスに気を取られて見逃していたようだ。 その紙には、こんなことが書いてあった。 「男の修行」 苦しいこともあるだろう 言いたいこともあるだろう 不満のこともあるだろう 腹の立つこともあるだろう 泣きたいこともあるだろう これらをじっとこらえていくのが 男の修行である 山本五十六 これだけを見ると、ここは“軍隊調天丼屋”か“禅・哲学系天ぷら店”のように思われてしまうが、実際はこの貼紙とは程遠い“よしもと系”天丼屋である。 「じっと黙っていろ」という山本五十六の教えとは裏腹に、オヤジはずっと喋り通しなのだ。 ![]() 若い女性「あたし、ご飯少なめでお願いします」 おやじ「何粒?」 中年の女「昔はオヤツといえばお芋ばかりだったわねぇ」(芋天を頬張りながら) オヤジ「だからイモみたいな顔してんだっ」 オヤジ「おい、久しぶりだな!」(若い男に向かって) 若い男「1ヶ月ぶりかな」 オヤジ「うち店閉めるよ」 若い男「エエ~ッ!?」(絶句) オヤジ「夜9時になったらな」 オヤジ「いらっしゃーいっ!!」 全員「……」(誰もいない入口を見つめる) オヤジ「練習だよ。いつ客が来てもいいようになっ」 こんな調子で喋りまくっている。まるで客を巻き込んだ漫才のようだ。 しかも、喋りだけにとどまらず演技もある。 母娘の二人連れに対して、こんなこともやっていた。 若い娘の方には箸入れから割り箸を取り出し、さらにそれを割ってあげて手渡し。母親に対しては割らずにドンブリの上に投げやりな感じで置く。 他の客はソレを見て、みんなで大喜びしている。 でも、オヤジはすぐに、母親の箸も割ってあげていた。 すべてがこんな調子なのだが、決して軽いオヤジではないようだ。 常連らしい建設労働者がクジラ天丼の貼紙を指差しながら「これ、ある?」 「おしいなぁ。もうちょっと遅ければな。まだ時期じゃないよ」とオヤジ。 建設労働者は仕方なく海鮮丼を注文した。それからしばらくして、オヤジが何か変わったモノを揚げ始めた。 やがて、ソレが出てきた。ほんのわずかなクジラ天だった。それを建設労働者に差し出しながら、 「おい、裏メニューだっ! 喰えよ。喰いたかったんだろ」 「あ、ありがとうございます!」 常連客には結構、サービスしているみたいだ。先ほどの若い男には谷中しょうがの天ぷらを追加で乗せてやっていた。 口は悪いが、根は優しいんじゃないの。 こんなパフォーマンスが好きで、何年も通い続けている人は多いようだ。 ![]() 「ハマる横浜中華街」ランチ情報はコチラ⇒ ![]() |
ずっとこのお店は気になっていたんですが...
あの中ではそんなパフォーマンスがっ!?(笑)
これはぜひ入ってみなければ。
この濃い感じの丼ツユがすごく美味しそう♪
近かったらはまってしまいそうなお店ですね。
ちょっと濃いめそうな天丼も美味しそうです~!
ぜひ入ってみてください。
美味しいですよぉ。
日曜定休の為、土曜夜はサービス大盤振る舞いも期待あり。
毎日閉店間際になると、しじみみそ汁を全部持って帰れと命令(?)されてビニール袋を頑丈に
しばってお土産にくれます。
私は、混み合う店内が嫌いなので電話で持ち帰りを頼み、天気の良い日は大通り公園で
ビールを片手に特製弁当を食べています。
持ち帰りでも600円天丼もありますが、値段は適当に800円でとか1000円分とか
お願いすると融通をきかせて、楽しめる味に仕上げてくれます。
やはり、丼豊野さんは食券側よりこちらのお店の方が、いろんな意味で味わいがあり
おもしろいかな。
知りませんでした。
天気の良い日にやってみたいなあ。
情報をありがとうございました。
一度入ってみたいものですなぁ。。。
すぐ左側の小料理「八千代」の看板も、これまた気になりまするなぁ。。。
同じ経営の同名店がすぐ近くにあり同じものを出していますが、行くなら絶対にこちらでしょうね。
少しくらい並んでいても、お薦めします。