中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

磯子の「喜楽」にてバンメンを食う

2014年08月06日 | おいしい横浜

 「街角中華」さんが、またまたバンメンを提供する店を見つけてきた。

 その中華料理店は「喜楽」。場所は磯子区磯子7丁目だ。旧道からほんの少し入った所にあるという。

 ここは磯子駅から行っても、根岸駅から行っても、かなり遠い。しかも旧道側なので何かのついでに寄ってみるというような店ではない。
 ということでなかなか行くことができなかったのだが、先週の土曜日、思い切って出かけてみることにした。

 大汗をかきながら現地に到着すると、雑居ビルのようなところに4,5軒、お店が入っていた。
 旧道沿いにも何軒かお店が点在しているところを見ると、この辺はむかし、ちょっとした商店街を形成していたのではないかと思われる。
 ここから少し根岸方面に向かうと浜マーケットのある賑やかな地帯に出る。かつてはこの辺に区役所があって、磯子区の中心地だったそうだ。

 さて、店に入って座ると、すぐさまコップに入った冷たい水とスポーツ新聞が運ばれてきた。
 一人客は時間を持て余すだろうから、これでも読んで待っててね、という配慮らしい。どこか中華街の「大新園」に通じるところも。 

 バンメンを注文して、新聞を読みながら店内を観察する。
 フロアには4人掛けのテーブルが5つ。かなりゆとりを持って配置されている。
 隅の方にはテレビも。よくある町の中華屋さんのスタイルだね。


 待つこと10数分。注文の品が来た。
 これが磯子・喜楽のバンメンだ!
 
 名前:バンメン(800円+消費税)
 具:白菜、長ネギ、ピーマン、人参、シイタケ、海老、イカ、なると、蒲鉾、豚肉
 器:ラーメンどんぶり
 音:テレビの音

 スープは醤油系であるが、かなり甘めの作り。そこに投入された麺はちぢれ麺だ。
 具の種類は10種類。キクラゲが参加していないが、具の量そのものは多い。スープが甘めということもあって、最後まで飲み干すことはできなかった。

 途中、口の周囲がスープまみれになってきたので、ポケットからハンカチを出し唇を拭おうとしたら、フロアのお姐さんがサッとティシュボックスを持って来てくれた。
 なかなか気が聞く店である。
 

 メニューはかなり多い方だね。
 五目ソバがあるから、バンメンと五目ソバはキッチリと分けているようだ。似たようなソバの広東麺はない。

 天津ワンタンメンがある!
 確か、バンメンを出している「華香亭」と「玉泉亭」にもあったはず。何かつながりを感じさせるが……う~む

 ほかにサンマーチャーシューメン、サンマーパイコーメンなんてのも気になるね。
 サンマーメンを変化させていったのかな。


 向かい側のビルも「喜楽」の建物。
 宴会は2階で、、、なんて書いてあるところを見ると、この上でできるのだろうか。


 さて、勘定を済ませバンメンやお店のことをお姐さんに聞いていたら、厨房から初代店主らしきお爺さんが出てきた。
 こちらからいろいろ訊くまでもなく、昔のことを語ってくれた。

 *** 以下、お爺さんのお話し ***

 店を出したのは48年前で26歳の時だった。それまでは中華街の聘珍樓や萬珍楼など、いろいろなところで学んできたよ。
 
 バンメンというのは昔はたくさんあったね。「聘珍樓」でもあった。それがだんだん消えていったよ。
 スープのないバンメン、あれは全然別のもの。

 このバンメンは、広東麺と同じね。北京ではこれをバンメンと言ってる。

 本牧の「喜楽」? 聞いたことないね。うちとは関係ないよ。

 *** ここまで ***

 どうも言葉が聞き取れない、うまく伝わらないっていうんで、内容は正しいのかどうか…イマイチ不明。

 でもバンメン=広東麺と仰ったのだけは確かだ。
 それと、昔はたくさんあったということも。

 弘明寺の「廣州亭」でも昔はこれを出す店がたくさんあったという話だったよね。
 
 どうやら横浜には何軒もバンメンを出す店があったのに、次第に消滅していき、今では昔ながらの店でわずかに生き延びているっていうところだろうか。

 中華料理界における絶滅危惧種だな…



←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね




コメント (12)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 喫茶「ストーリー」 | トップ | 横浜ワークピア地下の「EUPHO... »

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
資料 (本須)
2014-08-06 21:28:08
今回のお話が正しいとすると、昭和30年代頃の
「聘珍樓」にはバンメンがあったということですね。

それほど昔のことでもないので、「聘珍樓」あたりが
資料を所蔵していたりしないかなぁ。
返信する
Unknown (ミサイル超獣)
2014-08-07 00:44:41
ヤキソバとイタメソバ、レバ焼きとレバ炒めがそれぞれ別にあるのが面白いです。

中国人は料理に関しては新しい物好きで飽きっぽく
伝統の味を守り続ける店より、料理人がコロコロ変わる店の方が飽きなくて喜ばれるそうです。

好奇心旺盛なのは美徳だけど、消えて形跡も残らない料理があるのも寂しいですよね。
返信する
メニュー (管理人)
2014-08-07 05:57:10
>本須さん
中華街に限らず、市内の中華料理店の昔のメニューが残っていればいいですよね。
専門家が調べてくれたらなぁ。
返信する
メニュー (管理人)
2014-08-07 06:00:52
>ミサイル超獣さん
バンメンのご飯バージョンを出している店もあります。
冷たいそばの上に熱い具をのせる麺を出す店もあります。
それらはお客さんの要望で作られたそうです。
けっこう、客の意見から新作ができていくことも多いようですね。
返信する
迷ってたら・・・ (赤飯番長)
2014-08-07 06:12:10
酔華さん、こんにちわ。。。

実はだいぶ前から喜楽の出前メニュ-に
バンメンが乗っていたので酔華さんにご
報告しといた方がイイかな?と
思ってて忘れてました(汗)すいません!
まさか、あんな交通の不便な所まで来るとは
思いもよらず・・・(笑)
返信する
天津ワンタンメン (街角中華)
2014-08-07 07:50:08
天津ワンタンメンがありますね。
サンマーメンも食べていませんので、また行ってみます。

「奇珍樓」でバンメンを注文した時に厨房の話声でバンメン?広東麺の・・・と言う会話が風に乗るように聞こえてきましたが、「奇珍樓」のメニューに広東麺はないのに不思議だなと思った事を思い出しました。
返信する
交通の便 (管理人)
2014-08-07 08:10:11
>赤飯番長さん
実はちょっとした用事が磯子にあったので、
そのついでに足を延ばしてみました。
遠いですね・・・
返信する
北京 (管理人)
2014-08-07 08:12:28
>街角中華さん
お爺さんが言ってました。
この麺のことを北京ではバンメンというんだと。
おそらく辨麺なのでしょう。
華香亭のご主人の話では、
発音はバンとベンの間だとか。
それでカタカナ表記になったのではないかと。
返信する
笑止なと言われるかもしれませんが (吉継)
2014-08-07 23:42:20
ちょっと調べましたが広東と北京の間には言語や料理も含め様々な確執が有るようでバンメン=広東麺の視点では混ぜ合わせる、分ける、真逆な意味合いからも、皇都北京対広東のような意味で、北京料理は山東などなど各地の料理のいいとこどり広東料理は香港アメリカ欧州等の移民がひろめた、こういう背景みたいな部分もあるのかなと、かって日本にも北は蝦夷、アイヌ、コロボックル,他に熊疎、土御門、琉球等大和と分ける意味合いがあったように、ひょっとしたらバンメンも北京料理からはバンメン他の広東等の呼び名は広東麺や五目麺だったのではないのでしょうか?
返信する
Unknown (小径のヌシ(^-^))
2014-08-09 08:16:25
バンメンという品を
あえて選んで食べた記憶がないのでかなり気になりますが …

ムチャクチャ熱そうです (><)
返信する

コメントを投稿

おいしい横浜」カテゴリの最新記事