大陸旅遊倶楽部的日記

三国志・水滸伝・史記の旅と中国茶のほかモロモロ…

川本先生の「死者の書」

2005年07月31日 | Weblog


藤原南家の郎女(いらつめ/声:宮沢りえ)~絵葉書より~

金曜に川本喜八郎先生の人形アニメ「死者の書」上映会に行って来ました。川本先生は御年80だそうですが、20年前と全くお変わりになりません。…ちょっとお髭が白くなったかなぁ~位で、かなりビックリしました。人間好きなことをしていると、いつまでも若く居られるのかもしれませんねぇ。だから同人女はいつまで経っても若いのかも(笑)。

川本先生はNHK人形劇三国志の人形美術で有名ですよね。とても魅力的な「動」の人形を作られる方です。人形には飾っておく為の静の人形と、動かすための動の人形がありますよね。川本先生の人形は動の中の動の人形って感じがします。置いてあっても、今にも言葉を発しそうな、動き出しそうな人形です。中でも曹操のうなじの色っぽさといったら、そりゃ、もう凄いもんです

先生の人形アニメでは「火宅」が好き。主人公のウナイオトメが素敵なんですよぉ、清楚で爽やかな色気があって、同性として憧れますねぇ。今はDVDで入手できるので、気になる方は見てください。

上映会前に今回ナレーションを担当されている岸田今日子さんが云ってらしたんですが

「川本先生は”女が長い髪を振り乱して、恋しい男を追いかける”というシチュエーションがお好きで、今回もそのシーンが入っているから期待してみてください(笑)」

髪を振り乱して男を追うシーンというと、イメージするのは道成寺。女の情念というか、一念の凄さが、哀しくもあらわでしたよねぇ。

「死者の書」は来年の2月11日から岩波ホールで一般上映されるそうです。公開前なので多くは語りませんが、…原作読んで判らないものは、映画でも判りませんでした(笑) 。でも、人形たちが生き生きとして素晴らしいので、川本先生ファンならずとも、アニメに興味のある方にはオススメです。



大伴家持(声:榎木孝明)


嶺頭単叢(れいとうたんそう/りょうとうたんそう)

2005年07月28日 | お茶/中国茶

お茶を淹れるときのことなんですが、お湯を注いだ後に別のことを始めると、すっかりお茶を忘れていることがあります。…度々ある、いや、よくある(笑)。と、言うことで、抽出時間がかなり長くなってしまう訳なんですよ(笑)。

岩茶なんか淹れてた日にゃ、絶対飲めないんじゃないかなぁ…なんて思える、沼のような色になっていることがあったりして
まぁ、こんなお茶を良く飲んでいるので、パンチの効きすぎた濃いお茶も、割と好きです

そんな訳で、鳳凰単叢(ほうおうたんそう)の類は、”嫌~な感じ”のエグ味を出すのが得意です。渋みだけじゃない、鳳凰単叢独特の、失敗した時の”+αなエグ味”ってあるでしょう(苦笑)。殊に若い木だとエグ味が出やすいじゃないですか、失敗しなくても出たりして(笑)。口では上手く言い表せないんだけど、あるんですよ。

さすがにこれは悲しいので、ここ一年程、鳳凰単叢系を淹れる時は、結構気合いが入ります。絶対に別の作業をせず、お茶を淹れることのみに集中します(…なるべく)。…一煎目だけですけどね(笑)。気合いで淹れた後、フルーティな香りと爽やかな咽越しに、ほーっとしたりして。この気合いの後のホッとした脱力感はたまりませんなぁ~。

最近暑さと忙しさで集中力がない為、淹れてなかったんですけどね。この前、気合いを入れなくても美味しく入るお茶に出会いました。

夏の大茶会2005の帰りに、浜松町のお茶屋さんでゲットした嶺頭単叢(レイトウタンソウ又はリョウトウタンソウ)は、激ウマです。爽やかでフルーティで煎が利きます。お湯で4、5回飲んだ後、水出し冷茶にしてもかなりイケます。

ちょっと長めに抽出しても渋みが出にくい。そりゃ抽出時間を長くすれば、渋味は出ますが、嫌な感じにはなりませんよ。この嶺頭単叢は、さっきお話した+αのエグ味部分が出ない感じかな。
夏を爽やかに過ごすのにピッタリなお茶だと思います

冷茶で持っていって、コミケの差し入れしようかなと思案中。…でも重いからなぁ…(笑)。



大長今~Go!Go!チェ尚宮!!!~

2005年07月25日 | Weblog

今回も「チャングム」ネタで…。
チャングムに登場する敵役のチェ尚宮(さんぐん/女官の官職名)はとても美人です。整った顔立ちに意志の強そうな眉と瞳。殊に切れ長の瞳がとても印象的で、一度見たら忘れられない感じ。自分以外のものの為に頑張っている女性の悲哀を感じます。

話の中でチェ一族は、代々王の食事を司る水剌間(スラッカン)の最高責任者である最高尚宮(チェゴサングン)を輩出し、賄い方の利権を独占してきた豪商。食事に毒を盛る等、宮廷闘争の裏で暗躍してきたらしい。水剌間では名門の一族。

チェ尚宮は敵役ではあっても、元来は気骨のある性格のよう。
チャングムが女官見習の試験で正解を回答した時の、天晴れ!というような表情や、チャングムが仲間外れにされていたことが発覚した時の
「おまえたちは徒党を組んで、この子を仲間外れにしていたのか」
という台詞等、話の展開を見ていると、この人は一本気な性格なのかもと思わせてくれる場面がある。…自分に害が及ばない立場の人間には…だけど(笑)。
チェ尚宮は伯母のチェ最高尚宮に「チェ一族の為に」という大義名分を刷り込まれて、悪事に手を染めていく感じ。チャングムの母ミョンイ殺しに荷担した辺りで、すっかり腹を括ったものと思われる。気位の高い性格でひたすら頑張っている感があるが、元がお嬢さん育ちなので、詰めが甘く、姪っ子のクミョンの方が遥に策士然としているところが面白い(笑)。

心優しいクミョンは、チェ一族のファミリービジネスに荷担することに難色を見せていたが、密かに思いを寄せるミンヂョンホの心がチャングムにあると判った時点で、心を決める。チャングムに対する嫉妬心が強い分だけ、クミョンの方がチェ尚宮よりも冷徹になれるのだろうか。色恋沙汰が絡んでくると、女は強く残酷になるんだなぁ…。

この話でチェ一族が甘いと思うのは、一族の悪事を知っているチャングムを殺さないでいる所。宮中から追い出すだけで良しとしているところは甘すぎて笑ってしまう。事が露見すれば、一族が一蓮托生、連座するんでしょ?命がけのはずなのに…。商人の家系だからだろうか?政治犯としての意識が弱すぎると思うんですけど。
済州島に流される道中又は、流刑地で一服盛られて死ぬのがパターンなのに…まあ、主人公が死んでしまう訳にはいかないので、仕方ないのかな。でも、こう考えると、チェ一族もなんとなく愛嬌のある一族と言えない事も無い(笑)。


大長今~その1~

2005年07月22日 | Weblog

今、NHK BS2で「宮廷女官チャングムの誓い」という韓国ドラマを集中再放送しています。親を失った少女チャングムが世間の荒波にも負けず、宮廷女官になり、最後は女ながら王の主治医にまで上り詰めるというサクセスストーリー(?)。チャングムは韓国史書に名を残す実在の女医さんで、前半の水剌間(スラッカン/王の食事を作る厨房)の女官設定はフィクションらしいです。

このドラマが始まった当時、ちょっと見てみたけど(4話目かな…)チャングム役の子役があまりに可愛くなくて、途中で見るのを止めてしまったんですねぇ。その後、本格的に見始めたのが一昨日放送の第16話からだった。これでやっと話がつながった(笑)。

話の展開は、中国の章回小説ですね。三国演義とか水滸伝とかねぇ、市井で講釈師が語る講談みたいな感じですよ。毎回盛り上がりがあって「チャングム危うし!」、「チャングム、ピ~ンチ!!」、「どうする、チャングム!!!」って感じで次回に続く(笑)。最後に「続きは次回の講釈で」ってナレーションが入りそうな終わり方。このナレーション代わりに次回に期待を持たせる効果的なBGMが入ります。しかもそれに続き、次回の予告が入ります。話のオチが判ってしまいそうな予告です(笑)。

市井の講談宜しく、ハラハラさせた事件の結果は、大した問題も無く尻つぼみに終わっていく。「それだけのことで、あれだけ引くんだ…」っていう展開は、まったく水滸伝ぽいというか何というか(笑)。古典的な話の展開方法が、今の人たちには新しく映っているんでしょうねぇ。

でも、ずーっと、こういう展開の話を集中放送で続けて見ると、さすがに、疲れてしまいます(苦笑)。続き物の王道、講談仕立ての話は、週一位の間隔で見るのがベストなのかも…。

チャングムの女官編には、所々で三国志の故事が出てきます。脚本家が三国志ファンなのか、韓国で三国志がポピュラーなのか知りませんけど、小学校低学年位の年齢で「鶏肋」を知っているチャングムが、10年後(?)、いくらその回の講義を欠席していたからといって、「饅頭」を回答できないのはかなり不自然(笑)。話の展開上仕方ないとはいえ、三国志に精通していると思しきチャングムなら知っていて然るべき…。三国志ネタである必要はないのでは…などという突っ込みどころも満載なので、同人誌作ったらかなり面白いでしようねぇ。

友人曰く、韓国ドラマは「ありえねぇ~」という話を、くどい位、真面目に続けるのがコンセプト(昔の大映ドラマを彷彿とさせるらしい(爆))だということなので、そういう点でいえば、このドラマは歴史劇な分控えめなのかもしれない。


鶏肋つながりで、無錫三国城の「清蒸曹操鶏」(笑)
ネギと生姜と若鶏のシンプルなスープが結構イケます。
でもちょっと生姜が利きすぎだったかな…。


夏の大茶会2005~妖怪茶会~

2005年07月21日 | お茶/中国茶


配られた「鬼太郎饅頭」…鬼太郎の人形焼/中は白餡

6Fの「幽霊・妖怪茶会」ブースで、「妖怪茶会」があるというのでどんなものかと入ってみました。ご一緒いただいたHiromiさんが漫画仲間という手前、やはりここは抑えておかないと…(笑)。

ブース内には幽霊の掛け軸と、水木しげる先生直筆の「春はあけぼの、夏は化け物」(笑)という掛け軸が展示されており、時間になると、ねずみ男と鬼太郎の寸劇の後、鬼太郎が特大の茶せん、茶碗でお抹茶を立ててくれます。巨大なお茶碗はかなりの重量で、鬼太郎とねずみ男に支えられながらの、回しのみです。西大寺の大茶盛(おおちゃもり)みたいだけど…鬼太郎饅頭1個とお抹茶一口で500円は、個人的には高いと思っちゃいました。

結局、何を目的としたブースだったんだろう。鬼太郎グッズ販売?妖怪大戦争の宣伝???ちょっと異質なブースでした(笑)。


ミステリーナイトツアー2005

2005年07月20日 | Weblog

夏といえば、海よりも山よりも、先ず怪談です(笑)。今年も稲川淳二の怪談ナイトが始まりましたねぇ~。私は稲川さんの語る怪談が大好きですミステリーナイトツアーも今年で13年目ですが、初回から参加してます(多分…(笑))!!今年は9/3の関内ホールと10/7クラブチッタのオールナイトに行きます。
13年前、京急川崎駅構内に貼ってあったクラブチッタのポスターで興味をもち、何の気なしに行ってみたのが始まりです。当時は池田貴族さんと日替わりのオールナイトでした。

明るくて和やかな雰囲気の中始まる、ゾッとする怪談や不思議な話、笑い話、時にはハートウォーミングな話もあったりして、一度聞いたら病み付きになること請け合いです。最近は話しに出ませんが、民話関係の話もいいんですよぉ。癒されるんですよねぇ、稲川さんのライブって。怪談で癒されるなんて不思議でしょう?でもねぇ、ストレス解消の上、ほっこりするんですよぉ。稲川さんのお人柄でしょうか…

ライブで稲川ワールドを体験したことがない方は、是非一度いらしてみてください。

 


夏の大茶会2005~漢紅(からべに)~

2005年07月20日 | お茶/中国茶


やまぜん製茶鈴木園/漢紅の茶葉
少し寝かせた方がいいという事だったので、まだ味見はしていません…

本日も夏の大茶会ネタです。会場で、日本産の紅茶を作っていたブースがありました。
富士山の麓、富士宮で栽培されている漢紅(からべに)という品種らしいです。日本産の紅茶があるという話しは聞いていましたが、ここで初めて出会いました。ちょっと嬉しかったです~。

ブースで洗濯板(?)を使って手もみ実演をされていた方は、元々農業試験場(みたいな所…名称は違うかも(^_^;)うろ覚えですみません)でお茶を研究されていたそうで、今は日本茶のインストラクターとして、世界各国を回って手もみ実演をされているとか…。

「これなんて読むかわかります?」
お茶パックのラベル”漢紅”を指して、我々に質問です。
「カンコウですか?」
中国史好きは、漢字は全て音読みするクセがついています。それ以外、頭の回路には存在しません(笑)。
「これねぇ、”からべに”って読むんですよ」
「へぇぇ」
さすが日本の紅茶。読みも訓読みです。

「これねぇ、茶葉をわざと虫に食わせてるんですよ」
「東方美人みたいですね、ウンカに食わせるんですか?」
「うん、ダニとかねぇ」
「へぇぇ…ダニ…」

お茶に関してかなり熱く語っていらっしやいました。夢を追いかけるって素敵ですよねぇ。


漢紅の手もみ実演中


夏の大茶会2005~OZONE~

2005年07月19日 | お茶/中国茶


一階ステージ

16日土曜日に、れいさんに教えていただいた、夏の大茶会に行って来ました。会場に到着したのが11時前で、ちょっと早すぎたのか、準備中のブースもありましたが、色々な茶器が展示即売されていて、目の保養になりました。
難点は、会場の関係でしょうが、イベント参加スペースが各階に点在しているので、ちょっと見難かった。

一階ステージでは丁度、中国茶芸の実演がありまして、その洗練された優雅な動きは素晴らしかったですよ~。あんなに注目されているのに、動ぜずお手前が出来るなんて、さすが茶芸師さんですねぇ。


中国茶藝の風雅「民族茶藝から工夫茶席まで」実演中


友人のこと

2005年07月15日 | Weblog

本日は短いですよ(笑)。

私の友人は中国好きが多いので、当然中国茶好きも多いです。
このブログを見て、色々感想メールをくれたりします。結構話も弾んでます。
最近すっかり無くなっていたメールのやりとりが頻繁になってきました。

………メールをするより、ブログにコメントちょーだいよ(笑)!!!

話の内容がかっとんでるから、コメントできないの(爆)?…だろうなぁ。

それからみんな、ブログなんて見てないで、原稿進めてよ。そろそろ〆切りでしょ?
私はもう諦めたから、更新してるのよ(苦笑)。


昨夜は東方美人を飲みました。
適度に涼しいっていうのはいいですねぇ。お茶が美味いっ!!
日本の中国茶専門店で購入する東方美人は発酵度が抑えられているみたいで
ああ、青茶っという感じがしますねぇ。
その茶葉のもつ風味がよく出ているような気がします(笑)。
…でも東方美人の茶水が微妙にトロっとしているのは何故なんでしょう。


修羅場の友~チャイと人参烏龍~

2005年07月14日 | お茶/中国茶


人参烏龍茶
古いので茶葉の色が変ってしまったが、購入当時はもっと黄緑がかっていた

10年くらい前の話(もっと前かも…(^_^;))になりますが、ラプサンスーチョンを持ってきた友人が、近所の紅茶専門店(?)だったか、インド料理の店だかで、チャイの素を購入したとかで、拙宅で淹れてくれたことがありました。

………チャイ!噂には聞いていたが、初体験!!!

………あれっ?九段のインド料理屋で飲んだことあったかな(笑)?

鍋に牛乳と紅茶と生姜とシナモンと…チャイの素の後の材料は忘れましたが、香辛料の効いた、甘い紅茶は絶品でした。

徹夜続きの原稿の合間には甘いものが欲しくなるもので、こういう時にこそ、チャイなんか飲みたなぁ~と思うわけです。友人がチャイのレシピを置いていってくれたのですが、怠惰な私が、しかも修羅場に、その材料を揃えて淹れるなんて労力をかけるわけも無く…(苦笑)。究極の修羅場状態ですからねぇ、そんな時間があったら寝たいわけです。
で、息抜きに飲むのは人参烏龍(笑)。

うちにあるのは、カナダ産の高麗人参が添加されてる烏龍茶。購入当時は、発売して間もないお茶らしく(その前の年にはラインナップに無かったので(笑))、確か品評会入賞だか金賞だかという触れ込みで、そのお茶屋さんでかなりプッシュされたものでした。試飲してみたら、結構甘味があるんですよ。日々の観光に疲れていた頃だったので、その甘味が心地よく、体に染み渡る感じ。販売員の話しでは精力がつくということで、こりゃ原稿時の友だな、と常備している訳です。

実際の検証結果は?といえば、「リポDよりは、目が覚めます」という程度かな(笑)。

疲れた体には、岩茶の方が効きますが、体が熱くなるついでに、手も熱くなるので、油断すると原稿がふやけてしまいます(苦笑)。手を置いている部分が湿気を吸って凸凹になるのです~。それにガブガブ飲んでいると茶酔いしそうになります。…という訳で、岩茶は修羅場には向きません。

まあ、最初のうちは人参烏龍でお茶を濁しているのですが、更に極限が近づいてくると、体が究極に甘いものを欲してくるので、やはり極甘のチャイなんかいい訳です。ミルクティの甘いのは、何か一味足りないって感じでダメなんですよねぇ。なんか知らないけど、チャイってガブ飲みできる(…普通の人はしないと思うけど)。スパイスのお陰でしょうか。

寄る年波で(笑)、持久力がなくなってきた30代、修羅場に美味しいチャイが、お手軽に飲めないものかと考えていた矢先、レピシエでミックススパイスを発見!!これ、お手軽でよいですよぉ。
水と牛乳で紅茶を煮出したところへパッと一振り。美味しいチャイができます。ちょっと古くなっちゃった~って紅茶も美味しく消費できるし、一石二鳥(?)。個人的にはぞうさんラベルのセイロンチャイがお薦めです。(最近は煮出すのも面倒なので電子レンジでチンです(笑)。)

睡眠不足で白い紙がピンクに見えたり、ペンが転がっただけで笑い出す、究極状態になる前に、ちょっと一服して、リラックスしたいものです。


ミックススパイスのセイロンバージョン
最近見かけないんだけど、販売終了品なのかな?


お茶の燻香(くんこう)

2005年07月13日 | お茶/中国茶


昨夜は涼しかったので、六安瓜片を淹れてみました。
今結構ハマってるお茶なんですよ。

中国のお茶って結構燻されたような香りのするものが多いですよね。ガンパウダー(珠茶…だっけ?)とか六安瓜片(ろくあんかへん)とか南京雨花茶(なんきんうかちゃ)とか…。あとねぇ、中国の豆腐も一種独特の燻されたような変な匂いがついてるんですよ。中国豆腐の香りは未だ好きになれませんが、お茶のスモーキーな感じは結構好きになりました。ガンパウダーが美味しいと感じるようになったなんて、私も大人になったねぇって気がします(笑)。

昔はこの燻香が嫌いでした。就職したての頃、中国に一緒に行った友人が天壇牌の緑茶(商標忘れちゃったけど、中身はガンパウダー)を会社の人に頼まれたそうで、その人は中国茶はこれしか飲まないという位のガンパウダー好き。しかも天壇牌(てんだんじるし)のものにこだわりがあるらしい。

そう言われると、どんな味か飲んでみたくなる訳で、私も一缶買って帰りましたよ。そして、そんなに美味しいものかと、ワクワクしながら淹れてみると、独特の燻香…。
………緑茶なのに…

日本茶の「こうあるべき緑茶」というイメージしか持たない、うちの家族は全員アウト。89年産の天壇牌の緑茶は我が家の冷凍庫に5年保管された後、捨てられました。…今思うと、もったいなかったなぁ。


香港帰りの女~ラプサンスーチョン~

2005年07月12日 | お茶/中国茶

これもまだ私が若かりし頃の話し。香港帰りの友人が香港土産のお茶と共に、サランラップに包んだお茶を持ってきた。意味ありげに微笑みながら。
ラップに包まれたお茶は、ラプサンスーチョン(正山小種)。
(ラプサンスーチョン自体は香港で買ったものではないらしい。)
………らぷさんすーちょん???どこの国のお茶さ!

異質な響きに、漢字もアルファベットも浮かばず、しかも茶葉から漂う香りは「正露丸」(爆)。淹れてみると更に正露丸臭かった。蓋碗にも匂いが染み付きそうで嫌(笑)。

………この香りを元にアールグレイが出来た?????

………こんな香りにしびれるイギリス人っていったい…

正露丸の瓶を渡したら、もりもり食べるんじゃないだろうか(^_^;)。虫歯に正露丸を詰めても平気で居られる人種かもしれない。
オリエンタルな香り?もともと東洋人だしねぇ、西洋人が思う東洋的な香りは理解できないのかも…。お貴族さまと庶民の感覚は違うのだろうか。それとも、イギリスの水はこんなキッツ~イ香りを消してしまう位強力なのか?

正山小種よりもさらに燻して香りを強くしているという、イギリス向けのラプサンスーチョン。本場イギリスの水で淹れると美味しくなるものなのか、いつか試してみたいものです。


ドラマ康熙王朝~姚啓聖と鉄観音~

2005年07月11日 | お茶/中国茶


上海湖心亭の安渓鉄観音
鉄観音を淹れて写真を撮ろうかと思ったんですが
あまりの暑さにお湯を沸かす気力もなく…
旅行時の写真で代用

この所、中国歴史ドラマ「康熙王朝(こうきおうちょう)」を見ています。 主演の陳道明(チェンダオミン)は張芸謀(チャンイーモウ)の「英雄-HERO-」で始皇帝を演じていた俳優さんです。私の中では、ずーっと「続・西太后」の同治帝の情けないイメージが強かったので、この始皇帝っぷりのあまりの凛々しさに正直ビックリしました(笑)。

康熙帝(こうきてい/愛新覚羅・玄/あいしんかくら・げんよう(アイシンギョロ・シュエンイエ))は、太祖・努爾哈斉(ヌルハチ)から数えて4代目、北京に入ってからの皇帝としては父、順治帝(じゅんちてい/愛新覚羅・福臨/あいしんかくら・ふくりん(アイシンギョロ・フーリン))に続き2代目。ヌルハチ、ホンタイジ(皇太極)までは満州族らしい名前ですが、順治帝からは漢族っぽい名前になってますねぇ。

8歳で即位してから、内は重臣の専横、明朝の旧臣・三藩の乱、台湾併合等の諸問題を解決。外はモンゴル部族の懐柔、ロシアとの国境制定、チベットの内紛への介入等、清朝の基礎を磐石にした皇帝。唐の太祖李世民(りせいみん)と並び賞される名君ですね。

これまでも康煕もののドラマは数本ありましたが、康熙王朝は内容も硬め。所々中国の歴史文化を理解していないと解らないシーンもありますが、大まかな歴史の流れを知るにはいいドラマだと思います。相変わらずBGMのセンスの無さは正統派中国ドラマって感じですが(笑)、でも、最近の中国ドラマは格段に質が向上しましたよねぇ。昔のチープな作りも味があって好きですが、歴史ドラマは洗練されている方がいい。

「康熙王朝」には、時々市井の茶館や自室でお茶を飲むシーンがあります。多くは北京のシーン。蓋碗をすすっているだけなので、何を飲んでるのか判らないんですが(笑)、身分の高い人ばかりなので、多分緑茶を飲んでるのかな…。満州族の漢族化は凄いですよねぇ。

台湾制圧の辺りは福建に舞台が移るので、鉄観音が登場します。福建総督に抜擢された姚啓聖(ようけいせい)は元々福建の出身。大のお茶好きで、総督就任早々、在地の部下に「献上茶のいい物はあるか」なんて聞いたり、自ら鉄観音を淹れて同僚に振舞ったり、急須(茶壷)に口をつけて直接お茶を飲んだりと、結構興味深いシーンがあります。ここまでやるってことは、姚啓聖は無類のお茶好きって記録が残ってるんでしょうねぇ。(清代の歴史は詳しくないので…(^_^;))

急須はその形状から、元は文人の使う水差し(硯に水を足すもの)だったのではないかと、お茶関係の本で読んだことがありますが、急須に口をつけて飲むシーンを見ると、そうかも…なんて思ってしまいます。お茶好き姚啓聖の淹れる鉄観音はかなり濃そうな感じ…。しかし、急須の注ぎ口をくわえて鉄観音を飲むなんて、超弩級のお茶好きですよねぇ(笑)。


中国で飲んだ紅茶と上海のお湯のこと

2005年07月08日 | お茶/中国茶

これも私がまだまだとーっても若かった頃の話。中国で紅茶を注文すると、どす黒い水色だったり、表面に白いというかベージュ系というか、膜が張った状態で出てきたりと、結構驚くことが多かったですねぇ。

どす黒い紅茶を見て、英語で「BlackTea」というのを初めて理解しました。日本の明るい色に慣れ親しんでいる身には、ブラックティは見た感じ美味しそうではありません(笑)。添付のミルク(当時は脱脂粉乳だけど…)をドボドボ入れて飲んでました。 (上海で飲む紅茶の余韻が、黄甫江の香りに思えたのは私だけでしょうか(苦笑)。)

白い膜の張った紅茶は

………灰汁(あく)????灰汁の出る紅茶なんてさすが共産圏…

なんて納得していたんですが、これって水の中のカルシウムが凝固して膜になったものなんですって。(チンシャンのほんわか茶飲み日誌「水のありがたさ」で下井美奈子さんという方が書かれていました。)十数年経って、やっと正体が判明(笑)。

そういえば、上海大廈(ブロードウェイマンション/外灘)に泊まった時のことですが、バスタブにお湯を溜めたら何と、湯船が薄茶色に染まっていました。いうなれば、泥水の上澄みって色です。黄甫江の水をそのまま出してるの?って感じのお湯。どことなく、黄甫江の香りが漂っているような気もします(笑)。

………これは、何かの間違いかな?水道管の赤錆び?

と2度ほど溜め直してみたのですが、やっぱり薄茶色。どうりで白いシャツが洗濯で黄ばむわけだ(笑)。
それまで、ドミトリー中心の宿泊で、共同シャワーの生活。バスタブにお湯を溜めたことがほとんど無かったので、全く気づいていなかったんですねぇ。ちょっとびっくりしました。この数週間後に泊まった、上海青年会賓館はバスタブがドギツイ紫色だったので更に嫌な感じ(笑)。1986年春のお話です。
この上海大廈の濁ったお湯ですが、翌年泊まってみると、浄水設備が完備したのか、出てくるお湯は透明でした。…でも今度は青インクを数滴たらしたような、青みがかったお湯。
プールかよ(笑)!


三潭印月の喫茶店メニュー「立頓紅茶」は「リプトン紅茶」
注文すると、お馴染みの黄色タグのついたティーバッグの紅茶が出てきます。
ティーバッグが杭州の銘茶「九曲紅梅」と同じ価格というのが納得いかないなぁ…。


七夕(シチセキ)、棚機(たなばた)、乞巧奠(キッコウデン)

2005年07月07日 | Weblog

今日は七夕ですね。織姫と彦星が年一で会える日ですが、梅雨シーズンの日本ではなかなか会えないですよね。私は、宇宙の話しなのに、何で地球上の天気と関係あんの?なんて考えていた、嫌な子供(ガキ)だったんですが、気遣いのある子供でもあったので大人に聞いて困らせるなんてことはしませんでした(笑)。

本当は農暦(陰暦)の7/7なので、日本でも梅雨シーズンじゃないんですけど、新暦になってからというもの、関東方面では二人はなかなか会えないってことになってしまいますね。雲の上のお話なんで、実際のところは、我々が二人のデートを観賞できないだけってことでしょうが…。

中国の文学、歴史に浸かってると、七夕は「シチセキ」であり、「乞巧奠」です。「シチセキ」は織女と牽牛の伝説で、乞巧奠は女性がお供え物をして、手芸(機織・裁縫)の上達を願う祭事。
元々手芸上達を祈る祭りなんだから、子供の頃の願いが叶わなかったのは納得です。物欲の子供だったので、短冊には欲しいものを書いてました(笑)。クリスマスじゃないっつーの。

この乞巧奠が星祭りの行事として盛んになったのは唐代だそうです。白居易の「長恨歌」にも「七月七日長生殿」ってあるでしょう。長生殿は加賀の銘菓じゃないですよ、華清宮(西安郊外の華清池)の一閣です。玄宗皇帝と楊貴妃が遊んでたところです。でも、温泉付の離宮なんてポイント高いですよねぇ。この頃になると、手芸以外に歌、舞、音、曲、詩、文の上達も祈願されるようになったとか。梨園(宮中に設置されていた宮廷歌舞団養成所)の弟子にでもなれということでしょうか(笑)。

陰陽五行説だったかな(?)、古い記憶なので定かではないのですが、とにかく、奇数(陽)の重なる日は、良くないということで、中国では厄払いする風習がありました。人日(じんじつ・1/7・七草粥で厄払い)、上巳(じょうし・3/3・川で禊をする)、端午(5/5・菖蒲や蓬を軒に挿す)、重陽(ちょうよう・9/9・山や丘に上がって菊酒を飲む)等です。日本では五節句になってますよねぇ。七夕も厄払い的な要素があるのかもしれません。そういえば、大岡越前が始めた隅田川の花火大会も厄払いでしたよねぇ。

 「たなばた」って漢字は、元は「棚機」だったそうです。「棚機」=「織機」のことで、もともと日本にも夜の水辺で処女が機を織り、神の妻(巫女)となる神事(棚機つ女/たなばたつめ)があったそうで、これが中国の乞巧奠と結びついて、たなばたに「七夕」の字を充てるようになったとか。

年に一度しか会えないという牽牛、織女ですけど、中国の民間伝承で「天界の一日は地上の一年」って件があったから、これからすると、毎日会ってるんじゃないの~(笑)?なんて考えてしまう私は悪い大人です。でも何千年も毎日会っていたら、お互い嫌になることもあると思うので、年一程度がいいのでは。…私はやっぱり邪心の塊です。

今夜も関東は曇り。牽牛、織女のデート現場を押さえることはできないみたいですねぇ。
今日がダメなら、旧暦の7/7にチャレンジ(笑)!!