大陸旅遊倶楽部的日記

三国志・水滸伝・史記の旅と中国茶のほかモロモロ…

お茶セールス1999~龍井村お茶協会婦人部 其の二~

2005年06月22日 | お茶/中国茶


龍井村の農家

こうなると、もう事の真偽を確かめたくて仕方ない。既に15:30を回っていたが、龍井村に行ってみることにする。ケンタを出ると、お茶協会婦人部の、先ほどとは別の面々が三人程、我々を待っていた(笑)。
27路のバス停に行くと、そこにも別の婦人部員が待っている。バス停のおばさんは我々に聞いた。
「何処までいくの?」
「龍井村です」
「お茶を飲みに行くなら、龍井茶室で降りなさい。龍井村の一つ手前だから」
最初に杭州に来た時に、龍井村からのバスは16時が最終で、歩いて戻るハメになったとぼやいていたパッカーが居たのを思い出した。最初の杭州は1986年だ(^_^;)。
「帰りのバスは何時頃まであるんですか?」
…中国語会話のスキットみたいなやりとりが続く(笑)。
「18:30頃よ、バスは10数分間隔であるから、龍井茶室まで1.5元よ」
やっぱり、このおばさん達、お茶協会婦人部員なんだ~。かなり笑いたいのを我慢して、このおばさんに聞いてみた。
「おばさんは龍井村の人?」
この問いにおばさんは、一瞬間を空けて答えた。
「…私は違うの、この辺に住んでるわ」
ふ~ん…

27路のバスがやってくると、おばさんが教えてくれた。
中国のバス停は複数の路線が一緒になっている。来たバスの路線番号を確認して乗り込まないと、明後日の方向につれて行かれてしまうことになる。
「龍井茶室で降りるのよ!」
我々がバスに乗り込むと、遠巻きにしていた龍井お茶協会婦人部員が大挙して後に続いた。最初4人ほどだったおばさん達が7~8人に増えている。これが集団スリだったらかなり怖い(笑)。
27路は山道をクネクネと登っていく。私の側に陣取った婦人部員が話しかけて来た。
このおばさんは眼鏡をかけていた。
「日本人?何処まで行くの?龍井に行くなら、龍井茶室で降りなさい。私は龍井の人間だから、教えてあげるから」
「あれが龍井寺よ、もうすぐ龍井茶室だから」
………お茶を売る気だな。私はこの眼鏡おばさんにキャッチされたのね(爆)。
龍井茶室に着くと、我々に続いて眼鏡おばさんが降りてきた。
龍井茶室にはその名の通り、茶館があった。茶館というか、民家のテラスでお茶ができるようになっている感じの場所だ。いうなれば、龍井茶で儲けたお茶農家が、自宅を新築する時に、テラスを設けて喫茶スペースにしたような感じ。バス通りの左右にはテラスでお茶ができる茶館(多分ほとんどが民家(笑))がつづく。バス停付近には道の両脇に白いタイル張りの、テーブルのみが5~6個ずつ並んでいる。一見、流し台が続いているような感じ(笑)。
バスが着くと洗面器と魔法瓶を抱えたおばさん達が現れて、白いテーブルに陣取った。


お茶畑ごしの農家
最近はきれいに建て直された家が多い。かなり収入(副収入?)が増えてるのねぇ。

「こっちよ!」
眼鏡おばさんが、白いテーブルの一つに我々を導いた。テーブルの向こうには貫禄のある一見おじさん?と思えるおばさんが待っていた。他の洗面器おばさんは、残念とばかり我々を眺めている。バスで我々をキャッチできなかった婦人部員達は、しばらくすると、帰っていった。
「この人私の姉なの、龍井村でお茶を作ってるのよ」
眼鏡おばさんはそういって、貫禄のあるおばさんを我々に紹介した。
洗面器の中にはビニール袋が三つ。その中には龍井茶が入っている。
貫禄おばさんは、二つのビニール袋から茶葉を出し、ガラスのコップに無造作に入れると、魔法瓶のお湯を注いだ。間もなく、いい香りが漂い始める。
「飲んでご覧、獅峰龍井だよ」
云われるまま口にすると、過去に味わったことのない龍井茶の旨みと香りが口に広がった。龍井茶開眼(笑)。龍井茶は過去の苦い経験から、特に思い入れの無かったお茶だったが、ここに至り私の中国茶ランキングでグーンと上位に上がってきた。
この時一緒だった、京都在住日本茶好きの友達は、その香りを高級な宇治茶みたいと云っていた。…高級な宇治茶は飲んだことないので判らないが(苦笑)。
洗面器の龍井茶は、最高級、高級、普通と3クラスに分けられていて、飲ませてもらったのは、高級(雨前)と最高級(明前)だった。
「最高級って、明前茶ですか?」
「あら。そうよ明前だから最高級なのよ、しかも獅峰龍井よ。皇帝も飲んでたんだからねぇ。」
明前という言葉が出た途端、、貫禄おばさんは更に胸を張って答えた。どーだと云わんばかりに誇らしげだ。
「こんな時期でも明前って残ってるんですね」
「自宅用のよ、もうこれしかないの…。お父さんとお母さんに買っていってあげなさい、喜ぶわよ~」
500g単位の販売で、最高級が180元。
…値切って180元だったのか、言い値で買ったのか忘れてしまったが、500g3600円(確か1元20円弱だったような気がする)ってことは、100g720円、50g360円…。激安っ!本当に獅峰龍井明前なのか…?茶葉の色は薄いから明前っぽいが…。まぁ、いずれにしろ美味しければいいんだけど(笑)。

おばさんは棒計りで計ると、紙に包んで、獅峰龍井とプリントされたビニール袋を被せてくれた。小分けにして、土産として配るにはいいかもしれない。でも中国の緑茶は結構好き嫌いの分かれる所なので、配る人間によっては感謝されないかもしれない(苦笑)。まあ、気は心ってことで。どーせ期待できない、中国土産だしね(笑)。

龍井村婦人部のキャッチセールスは試飲した後の売り込みが結構厳しいので、購入希望のお茶好きにはありがたいが、お茶を買う気が全く無い人には薦められない…。


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