
魯迅の[故郷]の話となったら、やはり[大地]でしょう。
アメリカ人の女性パール・バックが革命前の中国を描いた壮大な作品です。
全4巻あるのですが、極貧の百姓ワンルンが
富豪の黄家の女奴隷を妻に払い下げてもらってから、その働き者の妻と懸命に働き、
アヘンに溺れる黄家の息子たちから黄家の土地を全て買い取るまでが第1巻です。
[故郷]に出てくるおばさんが、てんそくと言って足を小さくしている風習が曾てあったのですが、
そういう因習などがしっかり書かれています。4巻はワンルンの孫の代で、てんそくなどがなくなっていく世代です。
壮大な中国は飛行機から見ると黄河の周りは
ネギ畑だけで日本列島が入ってしまいそうに見えますが、
飢饉のときワンルンはその大地の土をせめて栄養があるだろうからと子供らに飲ませます。
国と家族の壮大な歴史ドラマの素晴らしい作品です。映画にもなっていますが、本に叶いません。
[故郷]と合わせて読みたい大長編です。