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家族の応援歌

相談活動・短歌・シャンソン

大地

2021-02-23 22:31:55 | つっちーの国語授業

魯迅の[故郷]の話となったら、やはり[大地]でしょう。
アメリカ人の女性パール・バックが革命前の中国を描いた壮大な作品です。

全4巻あるのですが、極貧の百姓ワンルンが
富豪の黄家の女奴隷を妻に払い下げてもらってから、その働き者の妻と懸命に働き、

アヘンに溺れる黄家の息子たちから黄家の土地を全て買い取るまでが第1巻です。

[故郷]に出てくるおばさんが、てんそくと言って足を小さくしている風習が曾てあったのですが、

そういう因習などがしっかり書かれています。4巻はワンルンの孫の代で、てんそくなどがなくなっていく世代です。

壮大な中国は飛行機から見ると黄河の周りは
ネギ畑だけで日本列島が入ってしまいそうに見えますが、

飢饉のときワンルンはその大地の土をせめて栄養があるだろうからと子供らに飲ませます。

国と家族の壮大な歴史ドラマの素晴らしい作品です。映画にもなっていますが、本に叶いません。

[故郷]と合わせて読みたい大長編です。




名作[故郷]

2021-02-22 14:07:17 | つっちーの国語授業

二十年ぶりに帰郷するなら、こんな明るい春先に限りますよね。

魯迅が帰郷したのは、厳しい真冬、それも生家を処分して母を北京に引き取るという事情でした。

生家で会ったのは子供のころ兄弟のように遊んだ雇い人の子ルントウであった。

坊っちゃんであった自分と比べ、生き生きしていたルントウの少年時代の描写が田舎の風景の中で実に美しい。

風景も人物も一つも無駄のない典型のような作品です。中国語を翻訳した日本語の文章が原文に勝るほど美しい。竹内好訳です。

厳しい寒さの中を、二千里の果てから、別れて二十年にもなる故郷へ私は帰った。もう、真冬の候であった。
に始まる名文は今も覚えている。いい小説は朗読に堪える文体をもっているのです。

王朝の身分制度にあった人民を、国を憂い、
文筆で闘った魯迅の苦悩が、今、しみじみと
思い出されます。

おさえた筆致の中で書くしかなかったために難解だったこの作品の主題に迫るために、
必死で中三の授業をしました。

あれから皆は今どう日々を生きていますか。

わたしは、若い世代にはもっといい世の中
になってほしいと今ももがいています。



読み聞かせで実力アップ

2021-02-08 16:58:39 | つっちーの国語授業

おうちでの小さい頃からの読み聞かせは、言葉の力にはとても有効ですが、

学校での読み聞かせもいろいろ効果があります。

わたし自身小さい頃、給食が配られる間先生が[注文の多い料理店]を毎日読んで下さったこと覚えています。

みんな続きが楽しみで耳を澄ませてじっとお行儀よく配膳の順を待てました。

中学生の授業にも、チャイムと同時に物語を読み続けていると、皆必死に着席して耳を傾け、静かに始業です。

中三が特に惹き付けられたのは井上ひさしの
[汚点](しみ)でした。戦後、養護施設に預けられた主人公は、ラーメン屋に預けられた弟の境遇を思って様子を見に行きます。

なぜ 汚点 という題なのか ほろり。

その日の分を読む前にその日の冒頭3行を配り写させるのもたいへん力をつけたと思います。

句読点に気を付けてただ写すだけが集中力を養うのに抜群の効果をもたらします。

毎日やるうちに皆早く正確になり、字まできれいになります。生徒の進化は素晴らしい!ひとりひとりの文字を毎日点検し、たくさんほめてあげます。

この作業をして写し三行を貯めていくだけで
ポイントとしてあげれば点数にもなり、絶対評価の時代、1の評価になってしまう子を極力無くすことができました。生徒には貯めて保管することも勉強です。

このお話の最終回を読む日には、読み手も泣かないで読む練習をしておかねばなりません。4クラス全て泣かずに読まねば。



つなぎのことば

2021-02-06 16:11:51 | つっちーの国語授業

ヒヤシンス残り2球は花ひらき、いい香りです。寒さの底も見えてきました。

さて、国語苦手の第二弾は接続語です。

苦手な子のほとんどは、第一問の(  )に入る文中の接続語を選択肢から探すところから
つかえます。点をとる箇所なのに残念です。

一番苦手が、すると・ところが・ところで
でしょう。

するとは、あとに意外なことが起きるときに使います。例えば、桃から男の子が産まれるとか。するとびっくり、と覚えよう。

ところがは、思うように行かないとき、ところが鏡は白雪姫の方が美しいと答えるとか。
ところがどっこいです。

ところでは話を変えるときの転換です。

苦手なひとは、文庫本の[日本昔話]で特訓しましょう。接続語の宝庫です。

さて、[そして]などは接続語というときと、接続詞というときがありますが、その使い分けは何でしょう。どういうときが語で、どういうときが詞か説明できたら君の実力は凄い!

接続の言葉など国語力は小さい頃からの日常会話や、本の読み聞かせなどで育ちます。

君が大きくなって子を育てるとき、たっぷり子に話しかけ、お話を読んで聞かせましょうね。



国語苦手な子へ

2021-01-29 15:08:53 | つっちーの国語授業
国語苦手な子にもよく補習をしました。
教材は狼王ロボが好評でした。
何しろ内容が良く、胸を打つ物語ですから、読んでよかったなあと思えるはずです。

みなで大声で読み、段落ごとに何が書いてあったか読み取っていきます。

その日のポイントとして、指示語や接続語などを学んでいきます。

[それ]がどこを指すのか、みな苦手です。

例えば、
私は数学が大の苦手で、それが受験のネックでした。(これ私の事実)
とあるとき、[それ]とは何か正解率がとても低い。[それ]より後を答えにする子ばかりです。

[それ]の指すのは、前にあります。そして、[それ]は名詞の仲間なので、[こと]などを付けてしめるように。

正解は[数学が大の苦手なこと]です。この答を[それ]に当てはめて読んでスラスラ文が通れば大丈夫です。

こういうのが苦手な子は学年よりずっと易しい問題で訓練すると、上達します。

小さい頃読んでこなかった名作を中三で読めばいいのです。だって大人になって読んだって感動も薄く手遅れですから。

十五少年漂流記とか、ロビンソンクルーソとか、大人が読んでも楽しいけれど、子供のうちの方がワクワクです。
今日は特に寒いですね。
野菜もしっかり食べて風邪ひかぬよう。