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クレーメル&ツィメルマン@所沢文化センター・ミューズ

2007-11-24 | ●コンサートに行きました
昨日はクレーメル&ツィメルマンのデュオを聴きに
所沢文化センター・ミューズへ行きました。
「あ」さんとお会いして、開演前にアンデルシェフスキへの恋心(←アハハハ~)を打ち明けたものの、
あんまりその話ばっかりしてると今日のコンサートがうわのそらになりそうだったので
(結果的にはそれは杞憂に終わったんですけど)ほどほどにして会場へ。



プログラム
ブラームス/ヴァイオリンソナタ第2番、第1番(雨の歌)、第3番
アンコール
フランク/ヴァイオリンソナタ第3、4楽章
ヴァイオリン:ギドン・クレーメル
ピアノ:クリスティアン・ツィメルマン


正直に言うと、私ヴァイオリンの音が少々苦手で、
ツィメルマン目当てでこの公演のチケット取ったはいいけど
クレーメルのヴァイオリン聴いていられるだろうかなんて思っていたんです。
ところがクレーメルのヴァイオリンはまるでそんな私を気遣ってくれてるみたいに優しくて柔らかで
それを受けるツィメルマンのピアノもとても綺麗で静かで
昨日、このコンサートを聴けたことを感謝せずにいられないです。


ヴァイオリンという楽器はピアノよりもずっと音が小さいので
ヴァイオリニストが負けまいと声を張り上げるように弾くことがあるように思うけど
クレーメルはそれを一切しなかった。
ツィメルマンはそんなクレーメルの音を本当によく聴いていて
ヴァイオリンのどんな繊細な音も殺さない。
(時々クレーメルの方を見上げるツィメルマンの顔がとても素敵だった)
クレーメルは、そのツィメルマンの音の上に
自分の音をふわりと乗せる。
2人の音が、ちょうど見上げるようなところで
混ざり合って、溶け合って、消えていくのが本当に綺麗だった。
クレーメルとツィメルマンという天才たちの演奏だったけど、
強烈な個性をぶつけあうというようなことは全くなかった。
ただ最高のものを作るための丁寧な空気。
それでも観客に緊張を強いない優しさ。
お互いに対する静かな尊敬と思いやり。
アンサンブルの真髄を見ちゃったような気がする。
もうこれは、泣いちゃってもいいかな、いいよね、と
ハンカチをずっと握りしめていました。
昨日は乾燥してたけど目薬要らずでしたよ…。

コンサートとしては、ソナタ3曲では、短い。
もっと聴きたい、もう一公演くらい押さえておくべきだったか、
別プログラムにあったフランクも聴きたかった
とかなんとか思っていたら
アンコールでそのフランクのヴァイオリンソナタを弾いてくれました。
これはちょっと得した気分でした。

このコンサートの前に
ツィメルマンが足を怪我してかなり長期間練習できない状態だったことを知りました。
(12月1日に軽井沢で予定されていたリサイタルは延期になったそうです。
詳しくは、こちら
こちら
)
ツィメルマンがペダルを踏むたびに、痛くないのかななんて思いながら見ていましたが
途中からそれは全く気にならなくなりました。


終演後、「あ」さんに連れて行ってもらって出待ちしました。
クレーメルにはサインしてもらうネタがなかったのであきらめ、
(うぉー私クレーメルのCD持ってるのにー!持っていけば良かった)
ツィメルマンに、ショパンのバラードのCDにサインしてもらいました。
ツィメルマンのコンサートには何度も行っているけど
目の前で会ったのは初めてです。
目が綺麗…。
ツィメルマンが話したポーランド語がまだ耳の中に残ってます。
昨日ほどポーランド語をやってて良かったと思った日は
今までなかったかもしれない。


昨晩はベッドに入ってからもなんだか涙が出てきちゃって
なかなか眠れませんでした。
一日経った今思い返してもウルウルする。
はぁ・・・。

アンデルシェフスキ@王子ホール

2007-11-17 | ●コンサートに行きました
銀座に行くのはそんなに久しぶりじゃなかったはずなんですけど
昨日有楽町駅を降りたら別世界になってた…イトシアがオープンしたんですね。
一瞬ココはドコ?ワタシはダレ?状態でしたけど、
すぐ左の交通会館見て正気付きました。


昨日は王子ホールへ。
アンデルシェフスキのコンサートを聴きに行きました。

プログラム
バッハ/イギリス組曲第6番
シマノフスキ/仮面
シューマン/フモレスケ
バッハ/パルティータ第1番
アンコール
シューマン/あかつきの歌op.133-5
ベートーヴェン/バガテルop.126-1、2、5
(アンコールの曲は知らない曲だったので、会場に貼り出されていたままを書いています。
前日と同じ曲を弾いてたと思うんですが、作品番号が微妙に違うのは何故だ(^_^;)

1曲目のイギリス組曲は、最初4番が予定されていたんですが
会場入口にプログラム変更のお知らせとともに
準備が間に合わなかったことを詫びるアンデルシェフスキ自身のコメントが貼り出されていました。
6番なら今まで何度も弾いて成功しているので楽しんでもらえると思う…というようなことも。
私が、アンデルシェフスキのピアノを聴く前から勝手にイメージしてしまったのは
こういうクソ真面目というか、完璧主義を思わせるエピソードの数々があるからです。
自分の演奏に満足できなくてコンクールを途中棄権しちゃったとか
パルティータをレコーディングするとき1000以上のテイクを行ったとか。
ところがどうもその私のイメージとはだいぶ違うらしい・・・ということが
前日の紀尾井ホール公演でわかったので
それを踏まえてこのコンサートを聴きました。

バッハだろうがなんだろうが、やっぱりお構いなし遠慮なしのフォルテ。
感情の起伏に合わせたフォルテで、基本的にこういう演奏は大好きなんだけど
完璧主義者ってこういう演奏を嫌悪するものなんじゃないの?と私は勝手に思っていたわけです。
でも彼は、そんな自分を拒否しているようには見えない。
むしろすごく楽しそう。
勢い余ってちょっと「プチッ」ってなっちゃってないか?(バッハで?!)って思うようなところもあって
そこに本当のアンデルさんが見え隠れしているような気がする。
この人は確か私とほぼ同い年のはずだけど、
なんだかずっと年下の少年のように見えてくる…。

イギリス組曲の後は本当はシューマンだったんですが
アンデルさん自身が曲順変更を告知してシマノフスキ。
バッハを弾いたのと全然違う、きらめく音の、ぞっとするようなシマノフスキ。
後半シューマン。うわー、恋するシューマンだ。
アンデルさんの「プチッ」が一番あったのがこのシューマンだった。
ショパンとかだと曲に引きずられまいとして構えるかもしれないけど
シューマンは楽譜面からして一見キッチリカッチリなので
かえって無防備にさらけだしてしまうのかもしれないな(笑)。
最後はバッハに戻ってパルティータ(っていうかトリがコレか)。
独り言のような、正直なパルティータ。
私にとってはリパッティという最強のデフォルトがある曲だけど
こんなパルティータもいいな…。


彼の理想というのは多分、自分を完璧にコントロールすることではなくて、
曲が自分の一部になること、あるいは自分が曲の一部になることなんじゃないのかな。
その結果として少々「プチッ」となるようなことがあっても構わないんだ。
自分と音楽の間に距離があるよりは。


最後のパルティータをお守りのように持っていたくて、
CDを買って昨日はそれにサインしてもらいました。
ばかの一つ覚え、でも心の底から
じぇんくぃえん ざ ふすぱにあうぃ こんつぇると
(素晴らしいコンサートをありがとう)と言ったら
Dziekuje bardzo!と言って笑ってくれました。
帰り道はハートほかほか。
電車に乗ったら窓に自分の顔が映っていて
その顔がかなりヘラついてたので可笑しかった(-_-;)。



アンデルシェフスキ@紀尾井ホール

2007-11-16 | ●コンサートに行きました
昨日はピョートル・アンデルシェフスキのコンサートを聴きに
紀尾井ホールへ行きました。

プログラム
モーツァルト/幻想曲ハ短調K.475、ピアノソナタ第14番ハ短調K.457
ベートーヴェン/ディアベッリの主題による33の変奏曲
アンコール
ベートーヴェン/バガテルop.126-3
シューマン/あかつきの歌op.133-5


私の勝手なイメージで、アンデルシェフスキってもっと大人~なピアノというか
端正な音の人なんじゃないかと思っていたので
やりたい放題のやんちゃ坊主、
時々ドゴーンって音がお腹に響くピアノはかなり意外でした。
前半のモーツァルトはドゴーンドゴーンって全然モーツァルトっぽく聞こえなかったんだけど
これは後半とのバランスなのかな。
後半、私にとって大問題のディアベッリも退屈しなかったし寝なかったし
やりたい放題してるのに不思議なまとまりと緊張感もあるし
自称フォルテシモフェチの私も音量・音質ともに合格点だと思ったんですけど
どうも紀尾井ホールのスタインウェイがイマイチに聞こえるせいもあって
勝負(←?)は翌日の王子ホールに持ち越し。
この一公演だけじゃさっぱりわからん。




・・・と、ここで私のアンデルさん@紀尾井ホールは終わるはずでした。
サイン会があることも知ってましたが、今日はとりあえず並ばず帰るつもりでした。
でもね、アンコールがあったわけですよ。ベートーヴェンとシューマン。
それを聴いていたらですね・・・
・・・あれ?この胸のときめきは、何?

終演後席を立とうとしたら、足に力が入らなくて立てませんでした。
何だこれはーー!!
アンコールが良かったのか、それともディアベッリブローが効いたのか・・・
自分でもよくわかりません。


結論=「モーとベーじゃわからん!!」
(と、モーツァルトとベートヴェンのせいにしてみたり)
今日、王子ホールで別プログラムを聴きます。
バッハ、シューマン、シマノフスキです。
あのときめきが何だったのか確かめてくるわ。



歌聴いてきました

2007-11-11 | ●コンサートに行きました
昨日は西国分寺にあるいずみホールへ行きました。
3月の旅行の時に同じツアーだった女の子が声楽をやっていて
彼女の先生の門下生によるコンサートに彼女も出演するというので
聴きに行ってみることにしたのです。
(どうでもいいけど、行きの中央線で人身事故があって
電車が1時間遅れでした。間に合わないかと思った。
だいぶ早く出たので間に合ったけど)

16人が出演したこのコンサート、プログラムは盛りだくさんすぎるので割愛。
彼女が歌ったのはショパンの歌曲、
Zyczenie(乙女の願い)、Moja pieszczotka(愛しい人)、Melodia(メロディー)、
あとショパンのマズルカop.50-2をポーリーヌ・ヴィアルドがアレンジしたSeize ans(16才)でした。
普通に話している時はまるでひまわりのような、明るくて快活なお嬢さんなんですが
シックなドレスでステージに立った彼女はまるで別人。
そこに立っただけで吸い込まれるような雰囲気があって
その雰囲気に酔ったまま心地よく聴いてしまいました。
(歌声も、普段の話し声と全然違った←当たり前だ(^_^;)

普段歌のコンサートなんて全く聴きに行かないので
聴く機会を与えてくれたって意味でも彼女には大感謝です。
いろんな人のいろんな歌を聴くのって楽しいですね。
上手い下手を聴き比べるつもりはないですが
(そもそもそんな耳持ってないし)
自分がどんな曲調が好きなのか、どんな歌声が好みなのか探ることができる。
意外と私、歌だとモーツァルトが好きかも、と思ったのが昨日の新たな発見。




Moja pieszczotka、ピアノソロ版(リスト編)は私には難しいけど
原曲の伴奏なら弾けるかしらと思って楽譜開いたら
♭6個にいきなり挫折

ごるとべるく変奏曲を聴きに行きました

2007-10-21 | ●コンサートに行きました
昨日はフランク・フォルケのパイプオルガンを聴きに
すみだトリフォニーホールへ行きました。
プログラムはなんと、ゴルゴベルク(c)yuzu師匠ゴルトベルク変奏曲でございまス。
チケットをいただいてしまったので、
パイプオルガン聴いてみたいし、トリフォニーホール近いので
行ってみることにしたのでした。
ドイツものは苦手と明言した途端ドイツものに呪われ恵まれだしたような気がするのは気のせいでありましょうか。

自分で望んで取ったチケットではないだけに
寝ちゃわないかとか、場合によってはパイプオルガンの音がトラウマにならないかとか心配したんですけど
最初から最後まで退屈することなく聴けました。
パイプオルガンというのが良かったのかもしれない、
空気の音がするようなシンプルな音から
金属質なゴージャスな音まで音色が変わるから
それだけで飽きることはありませんでした。
これだけ長大な曲(フォルケの演奏では87分だったらしい)を
メリハリつけて演奏するのは大仕事なんだろうなぁ。
演奏者に対して敬意を覚えずにいられません。
最後、アリアの回帰が終わった後、
フォルケが静かに汗をぬぐって客席を振り返るまでの静寂に
深い感動がありました。


このコンサートはレクチャーとセットになっていて
ピアニストのシモーネ・ペドローニ氏によるお話も聞きましたが
私にはちょっとムズカシすぎた~~半分くらいウトウトしてしまった(^_^;
聖三位一体についてと、ゴルトベルクが3と3の倍数から成るというお話…
だったような気がします(←殴)。


…アンコールの曲を確認するのを忘れてしまった(←殴×2)。

新日本フィル定期公演に行きました。

2007-10-19 | ●コンサートに行きました
昨日は新日本フィルの定期公演を聴きにサントリーホールへ。

プログラム
モーツァルト/ドン・ジョヴァンニ序曲
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番
ピアノ:オリ・ムストネン
バッハ/シンフォニア第2番(ピアノのアンコール)
ドヴォルザーク/交響曲第9番『新世界より』
ヤクブ・フルシャ指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

ムストネンのピアノを目当てに行ったんですけど
彼の前回来日公演があまりにも出来上がったムストネンワールドだったので
(↑自分で作ったオーケストラを連れてきて自作自演、弾き振り、交響曲リサイタル)
それを聴いた身には昨日はちょっと物足りなかったです。
あれを聴いてしまうと
ムストネンをオーケストラの定期公演のような決まった枠の中に入れるにはもう無理があると感じてしまう。
せめてリサイタル聴きたかったな…。

ムストネンは、いつもの通り楽譜持参で登場。
その楽譜を譜面台の左寄りに置く。
指揮者、そしてオーケストラを視界に入れるためだと勝手に想像。
この人は、指揮者なのだと思う。
ピアノパートがないあいだ、フルシャの手と同じように体を動かして
音楽を感じ取っている。
ソリストである自分も含め、本来の指揮者であるフルシャも含めて指揮をしているように見えた。
それでもこの人がピアノを弾き続ける理由って何なんだろう。



ムストネンが物足りなかったと言っても
それはコンサートの枠組みそのもののせいであって
決してフルシャ&新日本フィルのせいではありません…。
むしろこの日のハイライトは新世界だったかも。
美しいメロディであふれかえったこの曲を
すみずみまで丁寧に歌わせてた。
ああ、私が聴きたかったのはコレです~~~!!
6月に誰かさんに奪われた青空と誰かさんに踏みにじられた花壇
フルシャと新日本フィルが取り戻してくれました。ありがとう…(涙)。

指揮のヤクブ・フルシャは1981年チェコ生まれの26歳…若いっ!!
けどすでにプラハ・フィルの主席指揮者だそうです。
まだあどけなさが残っていると言っていいくらいの風貌でしたが
毅然として知的で、熱さもある指揮っぷりでした。
いかにもって感じの茶褐色の髪(ブレハッチさんみたいな)で、それだけでも私にとってはポイント高いんですけど
指揮者の横顔を見るような席だったせいか、あの、その、




・・・恋に落ちたかも・・・。



ははは。
(笑ってごまかす)

ブレハッチのコンサートに行きました(6月19日東京オペラシティ公演)

2007-06-23 | ●コンサートに行きました
今週の火曜日6月19日、ブレハッチのコンサートを聴きに
東京オペラシティへ行きました。

プログラム
バッハ/イタリア風協奏曲BWV.971
リスト/3つの演奏会用練習曲より「軽やかさ」、2つの演奏会用練習曲より「森のざわめき」、「小人の踊り」
ドビュッシー/版画
ショパン/舟歌、ノクターンop.62の2曲、24の前奏曲より第13~24番
アンコール
ショパン/マズルカop.17-2、ワルツ第7番
モシュコフスキ/花火
ショパン/ワルツ第6番

今回のブレハッチの来日公演プログラムで一番記憶しておきたいと思ったのは『版画』。
この日、第1曲『塔』の最初の音が聞こえてきた時、何だかとても嬉しかった。
あ、このドビュッシーにまた会えた、と。
フランス音楽っぽい色鮮やかさではない、ブレハッチの音。
ブレハッチの音は意外と個性が強いと思う。どんな曲でも彼の色になる。
モノトーンに近い、雨にしっとり濡れた風景のような。
『グラナダの夕べ』の、とろとろと揺れるリズム(ラローチャ思い出した)。
『雨の庭』、にぎやかな雨音の曲なのに、なぜか優しく聴こえる。
ブレハッチの誠実さが見え隠れする。

版画が終わった後しばらく、ブレハッチの音を吸い込んだオペラシティの天上を見上げていました。
(↑3階席で天上近かったし(^_^;)
…どうも私は、ブレハッチの弾く版画に恋したらしい。
はぁ、また聴きたい、聴きたい。また弾いてね。

(で、先日買ったギーゼキングのCDで版画を聴いてるんですが
また頭の中で「こーれーじゃーなーいーー」って声がする(-_-;)
困ったもんだ…)


ブレハッチの次回来日は2009年。
(追記:公演後出待ちした際に、ご本人に直接聞きました)
前回の来日からたった半年でこんなに変わっちゃうんだから、
1年半後はどうなっちゃうんだろう。
自分の年齢を考えると、ピアニストとして完成する40代50代まで見届けられるのは
多分ブレハッチの世代が最後だと思うんですね。
だから、成長を報告しに頻繁に来日してもらいたいものです。
(あんまり報告ないとポーランドまで行っちゃうよー♪)


あ、そうだ、プレリュードの24番聴いてて思ったんだった。
ブレハッチさん、私はあなたに『革命』を弾いてほしい…。

ブレハッチのコンサートに行きました(6月16日みなとみらい公演)

2007-06-20 | ●コンサートに行きました
先週の土曜日6月16日、ブレハッチのコンサートを聴きに
横浜みなとみらいホールへ行きました。

プログラム
バッハ/イタリア風協奏曲BWV.971
リスト/3つの演奏会用練習曲より「軽やかさ」、2つの演奏会用練習曲より「森のざわめき」、「小人の踊り」
ドビュッシー/版画
ショパン/舟歌、ノクターンop.62の2曲、24の前奏曲より第13~24番
アンコール
ショパン/マズルカop.17-2
モシュコフスキ/花火
ショパン/ワルツ第6番


リストが綺麗でした。クラクラしちゃったー。
きらきらプチプチの、ブレハッチならではの音色で
ひとつひとつのフレーズを弾き飛ばすことなく丁寧に歌う。
ブレハッチの音色の美しさについては私が語るまでもないんだけど、
この人の凄いところは、弾き込んだ曲ほど
まるでその場で思いついたみたいに即興的に聴こえるところだと思う。
タメてもリズムを揺らしても自然で、いやらしく聞こえない。
版画も綺麗でした。
ちょっと民族的な響きとリズムもあるこの曲集は
ブレハッチに合ってるかも。
24の前奏曲は、後半だけだったけど、
この細いピアニストは重量級の曲が続くこの後半を弾ききれるのかと思ったら
意外とパワフルに弾ききった。


ブレハッチが去年の秋に来日した時、
「この子は本当にピアニストとしてやっていけるんだろうか」と思ったものでした。
(今思えば本当に失礼な話)
細いし、目の下クマできちゃって心配、って体力的なこと以上に
この人のピアノは本当は家族とか友達とかごく少数の人に向けられるべきもので
それを無理にコンサートホールで弾き続けていたら
彼のあの音を壊してしまうんじゃないかと思ったんですね。
でもこの日、最初のイタリア風協奏曲を聴いてて
それは杞憂に終わったと思いました。
綺麗な音はそのまま、外側へ向かう音色に変化してると思った。
自分の魅力に気づいて、それを武器にする方法を覚えたような。
…スイス合宿成果かしら(笑)。
(↑2月にツィメルマンとスイスに5日間滞在したそうな)


開演前は青猫さんとお会いして、
6日のグチを聞いていただきました。
出張でお疲れのところをスミマセン(^_^;
終演後は3月の旅行で一緒だった方々と出待ちした後
ブレハッチ談議。
楽しかったです。ありがとうございました。
トータルで何時間喋ってたんだ私。

ブレハッチのショパン/ピアノ協奏曲第1番を聴きに行きました

2007-06-09 | ●コンサートに行きました
掃除に追われて更新怠けてる間に
書きたいことが溜まってきてしまいました。あわあわ。
落ち着け、ひとつずつ、順々に。


ちょっとさかのぼって6月6日、
ブレハッチのショパン/ピアノ協奏曲第1番を聴きに
東京オペラシティへ行きました。

プログラム
チャイコフスキー/幻想曲『フランチェスカ・ダ・リミニ』
ショパン/ピアノ協奏曲第1番(プレトニョフ編)
ピアノ:ラファウ・ブレハッチ
ピアノのアンコール ショパン/ワルツ7、6番
ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』
アンコール
ヨハン・シュトラウスII/ポルカ『ハンガリー万歳』
ハチャトリアン/バレエ音楽「ガイーヌ」より『レズギンカ』
ミハイル・プレトニョフ指揮ロシアナショナル管弦楽団


ブレハッチを聴きに行ったのに
プレトニョフに振り回された2時間でした。
何を書いてもプレトニョフに対する恨み辛みになってしまう(-_-;)。
ショパンオリジナルの、青春の香りのするピアノ協奏曲と
懐かしい景色を思い浮かべるような歌に満ちた『新世界』を
自分がどれだけ愛しているか、
このコンサートを聴いて再認識しました。
プレトニョフの編曲・指揮で聴くには
私はこの2曲を好きすぎた。
プレトニョフの音楽を理解していない私には
このコンサートを聴く資格はありませんでした。

一方ブレハッチのピアノは
ますます磨きがかかって本当に綺麗でした。
あれは何という名の宝石でしょうね?(笑)
今までも透明感ある音だと思っていたけど、
もっと透き通った感じがした。
いったい彼の音はどこまで透き通っちゃうんだろう。
リサイタルのプログラムに思いを馳せる。
この音でドビュッシー・・・・・・(悶絶)。
第3楽章、本来ピアノのはずのところをオーケストラが弾くプレトニョフアレンジは
多分一番露骨なアレンジだったと思うけど
ブレハッチからオーケストラへのバトンタッチが自然で
案外素直に聴けました。








…コンチェルトが終わった後の休憩時間、実を言うともうプレトニョフの顔を見ていたくないとか思って
新世界は聴かないつもりで席を立ったんですが
ロビーで3月のドイツ&ポーランド旅行で一緒だった方々と
次々と偶然お会いして(や、皆さんいらっしゃるのはわかってたんですけど(^_^;)
その上SUZUさんともハジメマシテ。
嬉しくて興奮のあまり怒りを忘れ、
そのまま何となく再度席に戻って後半も聴いてしまったのでした(笑)。

アンコールの2曲はとても楽しく聴いたので
あれが聴けて良かったです。

アンスネスのコンサートに行きました(2月12日ザ・シンフォニーホール)

2007-02-13 | ●コンサートに行きました
笑えるほど仕事が手に付かない(-_-;)。


昨日は、レイフ・オヴェ・アンスネスのコンサートを聴きに
いつも出勤するのと同じ時間に家を出て新幹線に乗り
大阪のザ・シンフォニーホールへ。

プログラム(8日東京オペラシティと同じ)
グリーグ/ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラードop.24
シューマン/4つのピアノ曲op.32 
ベートーヴェン/ピアノソナタ第32番ハ長調op.111
ムソルグスキー/展覧会の絵
アンコール
モンポウ/湖
リスト/ヴァルス・アンプロンプチュ


オペラシティで聴いた時は
このプログラムに対する私の覚悟が甘くて
終わる頃にはかなりヘロヘロしていたんですが
昨日は2度目でしたから落ち着いてちゃんと聴けました。
でも同じプログラムを聴いたからと言って
前回と聴き比べることは私には出来ません。
そこまで細かく聴き取る耳の持ち合わせがないし、
覚えていられないので。
なので前聴いた時に書き忘れてたってことを
書いて行こうと思います。


グリーグのバラードの、ペダルを使った音の残し方がきれい~。
ピアノの上の清涼な空気の正体はこれか。
思わず見上げてしまうのは、響きが広がっていくからだな。
アンスネスが弾くものの中では
シューマンが一番感情が出ているような気がする。
なんかとても情熱的に感じられてドキドキする。
ベートーヴェンのソナタの第一楽章。
厳しくてもどこか、どうしてだか暖かい。
常に丁寧に弾くから誠実に聴こえるんだろう。
第二楽章は、音がゆっくり降ってくる感じ。
やっとベートーヴェンが笑ってくれたと思った
まっ白な空間と時間。

展覧会の絵を弾くアンスネスは何であんなにカッコイイんだろう。
リモージュの市場とひなどりの踊りの高いきらきらの音。
何も動かないカタコンブの静寂。
キエフの大門の出だしの音がケチくさくメゾフォルテに聴こえると
私はガッカリしてしまうんだけど
アンスネスのキエフの大門はどっしりしたフォルテから始まる。
和音の響きとか、音の種類を変えながら盛り上げて行く。
鮮やかで、立体的。
あっという間に終わってしまう、密度の濃い展覧会の絵。

アンコールの「湖」の音は、頭の中にゆらゆらと残るピアニシモ。
ヴァルス・アンプロンプチュの時は、
おっさんどんだけ可愛い子ぶって弾いてんねんと思って
ずっと顔を見てしまった(^_^;
可愛い子ぶった微笑み浮かべて弾いてた。可愛かった(笑)。
そうだよね、そうじゃなきゃ、あんなに可愛いワルツにならないよね。


以下余談。

私、アンスネスと同じ1970年生まれなんですね。
当然単純な親近感を一方的に感じているわけですが、
その成長ぶりも歳が同じなおかげでリアルに感じられて嬉しいし、
それで寂しくなっちゃったり同い年なのになぁって凹んだりもするんですが
私も私なりにやってきて、それなりに得た物はあると思うんですね。

そう思う時に、そう思うのを許してくれるみたいに
ベートーヴェンのアリエッタが聞こえてくるという
都合のいい話でした(-_-;)。

そういえばのだめの新刊が出ましたね(と話を逸らす)。
タイムリーすぎの148ページ、
目を閉じてトリップしちゃった。


1年半の間楽しみにしてきたアンスネス週間が終わってしまいました。
現在腑抜け状態。
しばらくそっとしておいてください(笑)。