goo blog サービス終了のお知らせ 

ルガンスキーダブルヘッダー

2008-09-22 | ●コンサートに行きました
昨日は昼=ミューザ川崎、夜=紀尾井ホールへ行きました。
ルガンスキーの音に酔った1日でした。
・・・何を書こうか色々考えたんですけど、
感想はただ「音に酔った」、この一言でいいんじゃないかって気がしてきた。
もし自分がピアノだったら、こんなふうに弾いてくれたらどんなにか嬉しいだろうなと思った。
音色以外で覚えておきたいことだけ箇条書きにしようと思います。

ミューザ川崎のプログラム(東京交響楽団名曲シリーズ)
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
ラフマニノフ/プレリュードop.32-12(ピアノのアンコール)
ピアノ:ニコライ・ルガンスキー
ムソルグスキー(ラヴェル編曲)/展覧会の絵
アンコール
ラフマニノフ/ヴォカリーズop.34-14
沼尻竜典指揮東京交響楽団

●パガニーニラプソディのかの有名な第18変奏、ルガンスキー自身のCDの演奏よりも
たっぷり歌っていて甘々だった。
でも全体の印象としてはビシッと引き締まっていて、
あの美しい18変奏が際だっているように思った。

●コンマスくんを、同行のyuriどんと2人で「峰」と命名(笑)。
なんで峰かって言えばのだめ参照。


紀尾井ホールのプログラム(17日電力ホールと同じ)
ヤナーチェク/ピアノソナタ『1905年10月1日』
プロコフィエフ/ロミオとジュリエットより第3曲~第10曲
リスト/『巡礼の年第2年イタリア』より 婚礼
『巡礼の年第3年』より エステ荘の噴水
『巡礼の年第2年イタリア』より ペトラルカのソネット第123番
超絶技巧練習曲集より『雪かき』『鬼火』『夕べの調べ』、第10番
アンコール
ラフマニノフ/プレリュードop.32-5
シューマン/ウィーンの謝肉祭の道化芝居『幻想的情景』より第4曲『間奏曲』
ラフマニノフ/プレリュードop.23-5
ラフマニノフ/リラの花op.21-5
メンデルスゾーン(ラフマニノフ編)/真夏の夜の夢より『スケルツォ』
カプースチン/8つの演奏会用エチュードop.40-7『間奏曲』

●やっぱり私はルガンスキーの弾く『雪かき』が好き。
けっこう手が右に左に飛ぶ曲なのに、
完全にコントロール下に置かれたピアニシモ。

●アンコール6曲。たくさん弾いてくれてありがとう。
っていうか、コンチェルト弾いて移動してリサイタルして
アンコール6曲弾く体力にプロフェッショナル精神を見た思いです。
アンコールの曲の方がわかりやすく、しかもメリハリ効いてたので
感想書いてると重心がそっちに行っちゃいそうだ(笑)。

●ラフマニノフのプレリュードop.23-5。
これを聴かせてくれないうちはロシアに帰せません。

●最後のカプースチンは、ジャズっぽい曲で、
ルガンスキーはピアノで遊ぶように弾いておられた。
ってゆーかその選曲は反則ですから!!
最後の音を弾き終わって「どうよ!」って感じに笑顔で客席の方を振り返ると
お客さんからは黄色い声の混じった大歓声。
開場が明るくなってからも拍手は続いてました。

●ルガンスキーは右利きでした(←サインをもらったって意味を含む(^_^;)。
丁寧にニコライの頭文字のNを書いておられた。
狂ったように聴いたラフマニノフの3番のCDにサインもらえてとってもとっても嬉しいです。


以下ひとりごと
●紀尾井ホールのスタインウェイはやっぱり私の好みからはずれているらしい。
それともホールの響きの問題なのかなぁ。
●昨日のピアノはルガンスキーの強打に耐えきれずだいぶ音が狂っていたが
そういえば仙台のカワイはあまり狂ってなかったな。
●やっぱりブーツェンに似てる。
●ルガンスキー終わっちゃってさびしいな・・・でも来月はアンスネスが来るんだよねと思う時の幸せ。






ルガンスキー@電力ホール

2008-09-19 | ●コンサートに行きました
一昨日の17日、ニコライ・ルガンスキーのリサイタルを聴きに
仙台の電力ホールに行きました。

プログラム
ヤナーチェク/ピアノソナタ『1905年10月1日』
プロコフィエフ/ロミオとジュリエットより第3曲~第10曲
リスト/『巡礼の年第2年イタリア』より 婚礼
『巡礼の年第3年』より エステ荘の噴水
『巡礼の年第2年イタリア』より ペトラルカのソネット第123番
超絶技巧練習曲集より『雪かき』『鬼火』『夕べの調べ』、第10番
アンコール
ラフマニノフ/プレリュードop.32-12(だったと思うけど違ってたらご指摘ください)
メンデルスゾーン作曲ラフマニノフ編曲/『真夏の夜の夢』よりスケルツォ


前にも書いたかもだけど、ルガンスキーの音はお酒のようだと思った。
透き通って水のような、上質なお酒。でも実はアルコール度数がすごく高い(笑)。
前半そのお酒で酔わせておいて、後半リストで打ちのめす。
・・・半殺しの目にあいました(T▽T)。
ルガンスキーのリストはまるで悪魔のよう。
でも、どこまでも冷たく冷酷なようで
どこか優しく暖かいような感じがするのはどうしてなんだろう。
特に私は「雪かき」に打ちのめされました。
この雪の中になら、置いてきぼりにされてもいい…
寝るな~!死ぬぞ~!(←わけがわからん…)


聴き終わってプログラムを振り返った時、
1曲目ヤナーチェクソナタの第1楽章『予感』で始まって
怒濤の超絶連続で終わるってこういうことか、と妙に納得。
アンコールではまさか聴けたりしないよね聴けたら倒れると思っていた
真夏の夜のスケルツォも聴けて
撃たれたのはチェコの青年ではなく私のハートでしたなんつってーなんつってー(-_-;)。



ところでそのヤナーチェクのソナタについてですが
招聘元のカジモトさんによれば
ルガンスキー本人が「プログラムノートにはしっかりと作曲背景が書かれていることが大事」と言っていたようなんですが
この日配られた紙(コピー1枚)には書かれてませんでした。
このコンサートはカワイのピアノ講師の方が主な対象だったようなので
知っていて当然ということなんでしょうかね。
私は知ってたからいいけどさ。
ちなみにこうなっております→ウィキペディア ピアノソナタ(ヤナーチェク)
カジモトさん主催となる21日東京公演のパンフレットには
ちゃんと書かれているものと推測されます。

このコンサートはカワイのイベントの一環ということで
ピアノはカワイでした(Shigeruモデルではなかったです)。
おそらく公の場ではそれほど弾く機会はないであろうカワイのピアノから
ルガンスキー自身の音色を引き出し
そしてその音色で彼自身の世界を作り上げていくさまが
とても面白かったです。
(08.9.24加筆)



コンサートの後、作並温泉に行きました。
温泉に浸かりながらルガンスキーの音の余韻に浸りました。
極楽。





新日本フィル室内楽シリーズ@すみだトリフォニーホール小

2008-09-07 | ●コンサートに行きました
またまた「m」さんにチケットをいただきまして(ありがとうございます~)
9月4日、新日本フィル室内楽シリーズ『ハイドン-現代に聴くクラシックの原点』を聴きに
すみだトリフォニーホール(小ホール)に行きました。

プログラム
ハイドン/弦楽四重奏曲第82番op.77-2
テレマン/4本のためのコンチェルト
ウーバー/3つの小品op.29
プーランク/ピアノと管楽五重奏のための六重奏曲


…実は、夕方くらいからヤバいと思ってたんですけど
コンサートの途中でお腹痛くなってきてしまいまして
あまり集中して聴けませんでした(^_^;
そんな中でも、プーランクは楽しく聴きました。
室内楽を聴く時、他の楽器の音をよく聴いてるなぁとか
自分が主旋律の時でも、出しゃばりすぎず伴奏の音とのバランスを考えてるなぁとか思う時
胸がときめきます
そういった意味で、オーボエさんがステキでした
浅間信慶さんとおっしゃる方だそうです。メモメモ。

このコンサートには、開演前に15分ほどのプレトークが付いてまして、
ハイドンについてのお話を聞きました。
考えてみたらハイドンについてはほとんど何も知らなかったので
面白かったですー。

リフシッツ@紀尾井ホール

2008-07-02 | ●コンサートに行きました
昨日はコンスタンチン・リフシッツのコンサートを聴きに
紀尾井ホールへ行きました。


プログラム
モーツァルト(リフシッツ編)/ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.424
ショパン/12のエチュードop.25
シューベルト/ピアノソナタ第19番
アンコール
シューベルト/アレグレット ハ短調D.915
バルトーク/トランシルバニアの夕べ、組曲op.14より第2曲スケルツォ


・・・リフシッツさんは、作曲家だと誰がお好きなんでしょうね?
多分、シューベルトは好きだと思う。アンコールのアレグレットとか、割と良かったし。
最初のモーツァルト、どうしてこの曲を選んだんだろう?
どうしても自分で弾きたいと思うほど好きだから?

どうも私には、この人の「愛」がわかりませんでした。
今日弾いた中でどの作曲家が好きなのかとか、曲の中でどこを美しいと思って弾いてるのかとか、
・・・自分がどのくらいピアノが好きなのか、とか。



あ、ちなみに会場内は拍手喝采でしたヨ。
あくまで私が感じたこととして書かせていただきました。




東京都交響楽団@サントリーホール

2008-05-16 | ●コンサートに行きました
一昨日の14日、東京都交響楽団の定期演奏会を聴きに
サントリーホールへ。

プログラム
スメタナ/歌劇『売られた花嫁』序曲
ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲第1番op.107
チェロ:ガブリエル・リプキン
バッハ/無伴奏チェロ組曲第3番よりブーレI、II
デュポール(リプキン編曲)/エチュード第7番
ポール・ベン・ハイム/チェロのための音楽『Slow』
(以上3曲チェロのアンコール)
プロコフィエフ/バレエ音楽『ロミオとジュリエット』より
ヤクブ・フルシャ指揮東京都交響楽団

フルシャさんの指揮を聴きたくて出かけました。
去年、新日本フィルで振った新世界がとても良かったので。
指揮者の名前だけ見て曲目をよく見ずにチケット取ったら
チェロ協奏曲…ソリストのいる曲が入ってるじゃないか。
しまった、P席取っちゃった。
案の定リプキンさんの音は全然聞こえませんでした(^_^;
まぁ、この日の私の目的はあくまでフルシャさん鑑賞だったからいいや(←いいのか)。
そういった意味じゃ堪能しました。
P席(ステージ反対側=指揮者の顔が見える席)って、指揮者の考えていることが手に取るようにわかりますね。
フルシャが考えていることがよくわかったし、都響がそれによくついていっているのもよくわかりました。
指揮者とオーケストラに一体感がある、とても良いコンサートだったと思います。

フルシャの音楽は、シベリウスのような透明感と、独特のリズム感から生まれる粘りが同居しているように思います。
それはドヴォルザークだと爽やかに、少し懐かしい感じで響くんですけど
ショスタコーとかプロコーだと、美しすぎて少し怖い感じで
オカルト映画のサントラのようにぞわぞわしてしまった(←※ほめてる)。
特にショスタコーヴィチの第2楽章。
あんなカッコイイ音楽がついたオカルト映画があるのかは知りませんが。

チェロのリプキンは、アンコールを3曲も弾いてくれました。
2曲目3曲目を弾く時に何やら長々と話しておられましたが
P席では聞こえなかったので何を話していたのかわかりません。
(っていうか英語だったのでわかりません(^_^;)
2曲目がカッコよかったです。
その間フルシャはホルンさんのところへ行って少し喋ったあと、
空いている席に座って聴いておられました。
(その後ろ頭を眺めてニヘニヘする私)

最後のロミオとジュリエットは
フルシャにはとても満足のいく演奏だったようで
オーケストラのメンバーを全員(多分)立たせてました。
立ってほしい人の楽器をジェスチャーしておられたのが
とても可愛らしかったです~うふうふ~(←殴)。




フルシャさんのCDは現在3枚が確認されておりますが
私はコレ↓が一番スキです。
ドヴォルザーク:チェコ組曲Op.39(B 93) 他 [Import]
ドヴォルザーク/チェコ組曲Op.39、ポロネーズB100、ワルツ集op.54[Import]、
  • ヤクブ・フルシャ指揮プラハ・フィルハーモニア
  • SUPRAPHON
  • 価格: ¥ 2,275
  • 発売日: 2006/03/16
  • 売上ランキング: 27122

posted with Socialtunes at 2007/10/20


トゥランガリラ交響曲を聴きました。

2008-04-12 | ●コンサートに行きました
昨日はN響定期公演を聴きにNHKホールへ。

プログラム
メシアン/トゥランガリラ交響曲
ピアノ:ピエール・ロラン・エマール
オンド・マルトノ/原田節
準・メルクル指揮NHK交響楽団


1曲だけのプログラムゆえ予想はしてたけど、
ホールに入る時に「本日休憩時間はございません」と言われる。
全10楽章、約90分の大曲でございました。
予習及び予備知識ほぼゼロでかなり不安なまま聴いたけど、
けっこう聴けた。
テンポの速い変拍子とか不協和音はもともと好きだし。
よし、メシアンは割とイケる。聴けるリスト登録。
ストラヴィンスキーと同じ路線な感じ(←あくまで私の感覚)。
途中で気が付いたんですけど、
これってN響アワーのオープニングですネ。
(池辺晋一郎先生の選曲に違いない…)


本当は、この曲もっともっと美しい曲なんじゃないかな。
もっとこう…澄み切った音のオーケストラで聴いてみたい。
でもまぁ、ものすごーく難しい曲っぽいしな。
演奏するだけで大変なのかもな。
金管楽器とか酸欠で頭まっしろになってそうだしな。
とかなんとか思いながら聴いてたら、
最後の第10楽章の金管がとても綺麗に聞こえてきて、ちょっとじ~んとしてしまった。
N響の金管については、その昔ポゴレリチがショパンの2番を弾いた時に
ホルン奏者を蹴り飛ばそうかと思ったことがあるんですけど(笑)。


それにしても、つくづくオーケストラって恐ろしい。
オーケストラを聴くということは、
あれだけの人数の人の思念を、かたまりとして受け止めるということで。
かめはめ波食らう気分?
普段ピアノばっかり聴いてるもんで、慣れちょりません(-_-;)。

ベレゾフスキー@フィリアホール

2008-03-09 | ●コンサートに行きました
昨日はボリス・ベレゾフスキーのコンサートを聴きに
フィリアホールへ。

プログラム
ベートーヴェン/ピアノソナタ第23番『熱情』
メトネル/おとぎ話より
(※おとぎ話から何を弾くかは当日までナイショ!ってことだったので
リサイタルツアーが終わっていない今は私もナイショにしておいて、後日記録します)
シューマン/ダヴィット同盟舞曲集
アンコール
ショパン/ワルツ第3番
ラフマニノフ/プレリュードop.23-2、23-4、23-6

1曲目の熱情。意外なことに、音量控えめ、静かな熱情。
この人の場合、鍵盤に手を落としただけで十分音量が出るので余裕がある。
落ち着いていて、大人な熱情。
打って変わってメトネル。水を得た魚、じっとしてられないコドモ。
熱情と同一人物とは思えない弾きっぷりに顔が笑ってしまった。
メトネルの曲って、聴いた限りではものすごく難しいと思うんですけど
どんなにはしゃいでもちゃんと手がついて行ってるのはさすが。
後半シューマン。
元気に楽しそうに弾くところもあったけど、
どちらかと言えばピアニシモの方が印象に残ったのは
今まで私が持っていたベレゾフスキーのイメージからは意外だった。
この人は、ドーンってフォルテもいいけど、
ゆらゆら夢見るようなピアニシモも綺麗なんだな。
いろんな色が浮かんでは消える、純粋なピアニシモ。
そんなピアニシモで終わった後、アンコールはショパンのワルツ3番。
ちょっとテンポ速めで「…こんな曲だったっけ?」と思うような感じだったけど(^_^;
夢見るゆらゆらの余韻を壊さないでくれる心憎い選曲。
とはいえ、やっぱりラフマニノフ!これを聴かなきゃ帰れません。
大きな声で朗々と歌うようなラフマニノフですごく良かった。
4曲アンコールを弾いた後、またさらに2回もステージに呼び戻されたベレさん、
「もういい?」って感じに両手を広げ、手を振って去っていきました。

コンサート終わって一晩経った今も、良かったなぁ~とじわじわ思うのは、
和音の響かせ方。
和音全体が鳴っているんだけど、うるさくなくて、
大きく、おおらかに聞こえる。
大きな(音量の話ではなく)和音に包まれるような感じがして
それがなんだかとても幸せで、
ベレゾフスキーがピアノを弾いている横顔を「かっこいい・・・」と思いながら見ていたのでした。
…横から見るとあごがなかったけど(^_^;。


ラフマニノフのプレリュードのCDを買おうかと思ったんだけど
今後のストレス解消用にとっておくことにしました。
でもちゃっかりCD持参で来たのでサインはもらいましたよ(笑)。
ベレは右利きでした。それにしてもデカい手だ。
握手求めてたおばあちゃんの4倍くらいあったぞ。
左手人差し指の爪が異常に長くて2ミリくらいあったんですけど
あれは何ででしょう。
そんなに伸ばして鍵盤に引っかからないの…?

P・クーシスト&ラットゥア@武蔵野市民文化会館

2008-02-10 | ●コンサートに行きました
昨日はペッカ・クーシスト&ヤンネ・ラットゥアのデュオリサイタルを聴きに
武蔵野市民文化会館へ行きました。
昨日の東京地方は予報通り雪が積もりました。
フィンランドの2人のコンサートを聴くには良い日和でしたとか言ってみる。

プログラム
バッハ/ヴァイオリンソナタ第1~6番
アンコール
バッハ/ヴァイオリンソナタ第1番アダージョ
ヴァイオリン:ペッカ・クーシスト
アコーディオン:ヤンネ・ラットゥア


クーシストのヴァイオリンからは本当にいろんな音が出る。
口笛みたいな音だったり、フルートみたいだったり、オルガンみたいだったり…アコーディオンみたいだったり。
あまりヴァイオリンっぽい音ではないと言ってもいいかもしれない。
この日はプログラムがオールバッハだったからかな。
アコーディオンという楽器については私はよく知らないんですが、
あまり大きな音の出る楽器ではないんでしょうか、それとも逆に大きすぎるから控えめに弾いてたんでしょうか。
小さなオルガンみたいな音でした。
そのラットゥアの音に、クーシストが自分の音の中から素朴な音を選んで、混ぜる。
時々は、ヴァイオリンとアコーディオンの音がほとんどまったく同じ音で、同化して聞こえた。
2人の間に距離が全くない。
距離がなくて、音色豊かなのに飾り立てないバッハは
暖かくて、親しみがあって、
こんなバッハだったらずっと聴いていたいな~…と思いました。

楽章の合間には、2人でひそひそおしゃべり。
そのおしゃべりから楽譜に向かう時のクーシストは必ず笑顔を見せていました。
それはラットゥアに向けたものなのか、お客さんに対してか、
それとも彼の単なるクセなのかは謎ですが、
その笑顔が「オイラちょっとこれから集中するけど、緊張しないで聴いててネ」って言っているようで
それもこのコンサートの雰囲気を作っていたように思います。
世の中にはいろんな演奏家がいて、
中には聴衆にとてつもない緊張を強いる人もいるけど、
(それが悪いとは言いません。むしろそれも好き)
この2人はそれを望んでいないようです。
終演後のサイン会でも、写真を撮りたいと言ってカメラを構えた人に
2人でヘンな顔で応じてました(^_^;。



ところで、この日は着るものにとてもとても悩みました。
だってクーシストが前回来日した時のステージ衣装って
Tシャツだったんだもの~~一応黒だったけど。
今回もTシャツだったら、聴く方もあんまり気合い入った服着てたらヘンじゃないですか。
しかも雪が予想されるほどの低気温…。
出かける前に3回も着替えちゃったよ。
今回のクーシストはTシャツではなかったですけど
やっぱりかなりラフな感じでした。
(黒いシャツだったけど、右の袖だけラメラメ光ってた)
クーシストのコンサートの時は、着るものについても
あまり緊張しなくて良いようです(^_^;




今年行ったコンサート

2007-12-30 | ●コンサートに行きました
今朝、テレビをつけたら『大奥』スペシャルの再放送をやっていたので見てしまいました。
久々に聴いたわ~あのエンディング曲(笑)。
でも午前中で終わってくれて良かったよ、
危うくテレビの前から動けなくなるところだった。



さて、今年聴いたコンサートです。

●1月12日ポゴレリチ サントリーホール
●2月2日アンスネス&グシュルバウアー指揮読売日響 サントリーホール
●2月6日アンスネス 王子ホール
●2月8日アンスネス 東京オペラシティ
●2月10日アンスネス さいたま芸術劇場
●2月12日アンスネス ザ・シンフォニーホール
●3月20日ブレハッチ ヘラクレスザール
●4月8日新田ユリ指揮アイノラ交響楽団 杉並公会堂
●5月4日ラ・フォル・ジュルネ2007 アクサントゥス合唱団 東京国際フォーラム
●5月5日ラ・フォル・ジュルネ2007 海老彰子 東京国際フォーラム
●5月5日ラ・フォル・ジュルネ2007 オレグ&チャパ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア 東京国際フォーラム
●5月5日ラ・フォル・ジュルネ2007 ベレゾフスキー&リス指揮ウラルフィルハーモニー管弦楽団 東京国際フォーラム
●5月6日ラ・フォル・ジュルネ2007 ラーンキ他 東京国際フォーラム
●5月6日ラ・フォル・ジュルネ2007 ベレゾフスキー&リス指揮ウラルフィルハーモニー管弦楽団 東京国際フォーラム
●6月6日ブレハッチ 東京オペラシティ
●6月16日ブレハッチ 横浜みなとみらい
●6月19日ブレハッチ 東京オペラシティ
●7月13日ゴルラッチ 紀尾井ホール
●10月18日ムストネン&フルシャ指揮新日本フィル サントリーホール
●10月20日フォルケ すみだトリフォニーホール
●11月10日 歌
●11月15日アンデルシェフスキ 紀尾井ホール
●11月16日アンデルシェフスキ 王子ホール
●11月23日クレーメル&ツィメルマン 所沢文化センター・ミューズ
●12月2日ガヴリリュク フィリアホール

今年は当たりはずれが激しいと思ってたけど
今思い返してみるとなんだかんだ言って楽しんだコンサートの方が多いです。
(ただ、毎回コンサートの感想は必ず書くことにしているんですけど
今年は1公演だけどうしても書けなかったコンサートがありました。
理由は、察して下さい(^_^;)
ガヴリリュクのような将来性豊かなピアニストのコンサートで今年を締めくくれたのは
なかなか気分が良いです。

ガヴリリュク@フィリアホール

2007-12-03 | ●コンサートに行きました
昨日はアレクサンダー・ガヴリリュクのコンサートを聴きに
フィリアホールへ。

プログラム
バッハ(ブゾーニ編)/トッカータとフーガ ニ短調
モーツァルト/ピアノソナタ第17番
シューベルト/ピアノソナタ第13番
サンサーンス(リスト=ホロヴィッツ編)/死の舞踏
ラフマニノフ/ピアノソナタ第2番
アンコール
スクリャービン/3つの小品op.2-1
ラフマニノフ/前奏曲op.32-12
リムスキー・コルサコフ(シフラ編)/熊蜂の飛行
ショパン/幻想即興曲
フィリペンコ/トッカータ


想像していたよりも小柄で、おでこテカテカで、ニッコニコだったガヴリリュク。
このコンサートに行ったのはガヴリリュクを聴きたいというよりも
死の舞踏を聴きたいからっていうだけだったんですけど
死の舞踏だけでなく他の曲についても楽ませてもらいました。
楽しかったー!!
まだ23歳だそうですけど、
モーツァルトやシューベルトでは30代以上のピアニストじゃないと聴けないような深い音が聴けたし
後半は期待した通りのロシアピアニズム、
アンコールではおもちゃを与えられた子供みたいに楽しそうに弾きまくっていて
一日で3人のピアニストを聴いた気分。
最近胸がいっぱいになるコンサートが多かったけど、
胸よりむしろお腹いっぱいって感じのコンサートでした。

すごく腕が立つし大きな音も出るし、
バッハをきちんと勉強したんだろうなって思うような音の重ね方で
本当に23歳とは思えないって思ったんですけど
なんか全体的な印象として危なっかしいのに似て微笑ましいのはどうしてだろう。
『危なっかしい』って言うとちょっと語弊があるもしれないけど
たとえばアンコールで幻想即興曲を弾き始めた時、
その前の『熊蜂の飛行』の勢いのまま弾き始めてしまって
おっといけないもっと繊細に弾かなきゃって軌道修正かけたように感じたのは私の気のせいですか(笑)。
そこが『危なっかしい』って表現になるんですけど、
何故か顔がほころぶのは、彼のあの笑顔につられてるんだろうか。
ふふふ。


死の舞踏もプロコフィエフ7番も捨てがたいけどやっぱりラフマニノフが綺麗だったな
と思ってラフマニノフのピアノソナタ2番が入ったCDを買って
「あ」さんと一緒にサイン会の列に並びました。
蝶ネクタイのまますぐに出てきてくれたガヴリリュクさん、
おっきな手が超きれいでした。