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ロマノフスキー@浜離宮朝日ホール(2013.5.14)

2013-05-18 | ●コンサートに行きました
14日、アレクサンダー・ロマノフスキーのリサイタルを聴きに
浜離宮朝日ホールへ行きました。

プログラム
バッハ/幻想曲とフーガ イ短調 BWV.904
ベートーヴェン/ピアノソナタ第14番
ショパン/24のプレリュード
アンコール
スクリャービン/12のエチュードop.8-2、12
ショパン/ノクターン第20番嬰ハ短調
バッハ=ユシュケヴィチ/管弦楽組曲第2番より『バディネリ』


うーん、やっぱりショパンの、しかもプレリュードのような曲集がプログラムに入ると
自分が好きになれそうなピアニストかどうかがよくわかるな・・・私には。
ロマノフスキーはちょうど境界線にいるという感じでしょうか。

去年聴いた時と同じように、音はきれいだなと思った。
少し暗めの、それでいてキラキラ光る、妖艶な音。それだけで酔えるくらいの。
その音色を存分に使って、
短調で激しく動くような曲ではそれはもう生き生きと弾くんだけども、
そういう曲に対する愛情と同じだけのものを
静かな曲には感じられなかった…のよね。
少しでも情熱的に歌える部分がある曲は
その部分めがけてのびやかに歌うのに、
テンポの遅い静かな曲はつなぎのようにしか聴こえなかった。
プレリュードの2番とか13番、15番の中間部とかは
あまりに愛がなくて、聴いててなんだか悲しくなってしまった・・・。
要はバランスが悪いんです。
聴いてて彼が好きな曲とそうでない曲がはっきりわかってしまう。

音色がきれいだと書きましたけども、
去年聴いたときと比べてその音色だけに酔いきれなかったのは
暗譜があやしかったからというのもあるかも。
ちょいちょいヒヤッとしたので、醒めちゃったのよね…
それともああいう遺稿があるんですかね?私の知識不足だったらすいません。

月光第一楽章で、静かな中にも何かが光ってるような感じがしたりとか
プレリュードの8番や12番、14番ではドキッとするような歌い方とか和声を聴かせてくれたりとかしたもんで
それだけに何か非常にもったいない気がしてしまって。
もっとそういうところを磨くべきなんではないの…?
彼は超絶技巧系は嫌いではなさそうだけど
「君の伸ばすべき長所はそこではないよ」と言ってくれる先生はいなかったんでしょうか。
彼がもし、コンクールというものがない世界に生きていたら
彼の音楽性はもっと違ったものになった気がしてなりません。
うんと若いピアニストだったら、まぁこれもいいか、と思って聴いていたかもしれないけど
20代の終わりでこんなふうに深みのないピアノだと
ちょっと心配になる←大きなお世話
音楽家としての成熟には個人差があるとは思いますが
どうしても同世代のピアニストたちと比べてしまう。
帰り道、友達(っていうか趣味を同じくする上司だが)の
「この人はこれから苦労するかもしれないね」という言葉に
深くうなずいてしまいました。






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