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キーシン@サントリーホール

2009-04-24 | ●コンサートに行きました
昨日はエフゲニー・キーシンのリサイタルを聴きに
サントリーホールへ行きました。

プログラム
プロコフィエフ/「『ロミオとジュリエット』からの10の小品」より
少女ジュリエット、マーキューシオ、モンタギュー家とキャピレット家
ピアノソナタ第8番
ショパン/幻想ポロネーズ、マズルカop.30-4、op41-4、op59-1
エチュードop.10-1、2、3、4、12
エチュードop.25-5、6、11
アンコール
ショパン/ワルツ第7番、第6番
プロコフィエフ/「3つのオレンジへの恋」より行進曲、4つの小品op.4より「悪魔的暗示」
ショパン/マズルカop.63-2、幻想即興曲
モーツァルト/トルコ行進曲
ショパン/ワルツ第14番、ノクターン第10番


最初のジュリエットを聴いてるときに胸がきゅんきゅん高鳴ったので
あ、これはイイかもしんない♪と思いつつも呑気に構えていたら
続くピアノソナタが壮絶で腰抜かしました。
サントリーホールにキーシンという名のオバケが出ました(泣)。
手に汗かいちゃったもん。
第1楽章、怖い夢を見てるみたいだった。
再現部で主題が戻ってきたとき「ああ夢だったのか…」と思うのに似てホッとしてしまった。
ソナタとはこうあるべき?
キーシンを聴くのは10年ぶりで、10年前は「(良くも悪くも)端正」というイメージだったんだけど
この10年のあいだに彼に何が起きたのかと思ってしまいました。
やー、このプロコフィエフは凄かったな~…。
確か来月、キーシンの弾いたプロコフィエフの2番コンチェルトのCDが出るはずですが
このプロコフィエフを聴いてそのCDを買う決意をしました。楽しみだなー。

後半入ってショパン。
キーシンは、「誰が何と言おうとこれがオレのショパン」という
オトコマエで明確な答えを持っていて
ひたすらそれに向かって突き進みます。
マズルカはちょっと私の好みではなかった(全然マズルカっぽさがなかったので)けど
幻想ポロネーズは、私はこの曲のコーダが大好きなんですが
曲全体がそのコーダへの予感に満ちていて
長い曲の中で飽きることが全然なかったです。
物凄いスピードで弾かれたエチュード10-4の後の『革命』、
叩きつけるような弾き方だった…と言うと誤解を招くかな。
手を叩きつけるのではなく自分を叩きつけている感じで
ショパンが母国の悲しい知らせを聞いて感情のままにピアノを弾いたという姿に近いような気がしました
(そういう『革命』をキーシンが弾いたということは
私にはショックでした)
ただ、次のエチュード25-5まで来たところで、
このエチュードの選曲っていったい…と考えてしまう。
10-4→革命→25-5、6→木枯らし ~終了~
って、唐突すぎませんか(^_^;
このエチュードたちは今思い返してみると
あの長いアンコールへの序章だった気もする。
キーシンというとアンコールをたくさん弾くのが当たり前になっていて
昨日も9曲もアンコールがあってコンサート全体の印象が散漫というか緩慢になってしまって
ソナタや幻想ポロネーズのような構成力を聴いてしまうと
それがなんだか惜しいような気もしたんだけど
アンコールは、コンサートの一部というよりも
キーシンが日常弾いている曲をそのまま弾いているという感じで
(それでも1曲1曲の印象をこんなにはっきり残すのは凄いと思う)
怖い夢を見たようなプロコフィエフから、毎日ピアノを長時間弾く(であろう)キーシンの「日常」に戻ってくるアンコール、
これがキーシンのコンサートの世界なのかな?と思いました。
まーちょっとこのへんはコンサート1回2回聴いただけじゃわかりません。
アンコールでは『悪魔的暗示』の最初のゴトゴトゴトって低い音と、
トルコ行進曲やワルツ14番での高い方のキュートな音がたまりませんでした。


アンコール9曲。
7時開演で、ホールを出たのは10時20分でした(-_-;)。
サイン会があったわけでも出待ちしたわけでもありませんよ…(-_-;。
翌日有休取っておいて正解でした。

ホールを出たところで偶然、95年ショパンコンクールを聴きにポーランドへ行った時に同室だった方と会いました。
スルタノフのコンサート(いつだよ)以来会ってなかったので13年ぶりでした。
なんか昨晩はキーシンといい「10年ぶり再会の夜」だったわ~。







ブレハッチ@横浜みなとみらいホール

2009-02-20 | ●コンサートに行きました
昨日はブレハッチのコンサート第4弾を聴きに
横浜みなとみらいホールへ行きました。

プログラム
モーツァルト/ピアノソナタ第16番K.570
ベートーヴェン/ピアノソナタ第2番op.2-2
ショパン/マズルカop.17、英雄ポロネーズ
シマノフスキ/主題と変奏曲
アンコール
ショパン/プレリュードop.28-4、ショパン/マズルカop.56-2
ドビュッシー/月の光


このプログラムを4回聴いてきて私が一番いいなと思ったのは
シマノフスキの変奏曲という結論になりました。
『変奏曲』って面白いですね、そのピアニストの持ついろんな音が楽しめるから。
ブレハッチの音色の変化と世界の変化をを楽しみました。
彼はこの曲を2005年に録音してますが、なんかもう全然別の曲になってるよ…。
浜松のコンクールでも弾いているし主要なレパートリーの1曲にするつもりなのだろうと思いますが
これからも時々聴かせてほしいものです。
その都度変化がありそうな気がするので。

アンコールのショパンのプレリュード、
東京文化会館の感想で書いた、最後の和音の前の休符を
この日は意識して聴いてみました。
何かをあきらめたような悲しさがあって
(ポーランドに帰ることをあきらめたショパンと重なる…
マズルカ17-4の中間部の終わりもそんな感じだった)
胸を突かれるようでした。
美しい休符でした。


首都圏で行われたリサイタル4回の中でみなとみらいは一番
お客さんの入りが良くなかったです。
オペラシティは完売だったそうだし、東京文化会館も意外と埋まってたのに
残念というかもったいないことです。
4回のうち3回を最前列で聴いてきてしまったので
1度ちょっと離れた場所で聴いてみたいと思って
この日の私の席は2階のRDブロックだったんですけど
回りに誰もいませんでした(^_^;
そしてこの席は、「あ」さんにうかがってはいたんですが
サントリーホール以上の『風呂場』な響きでした(^_^;(^_^;
まぁでも聴き心地としては悪くなかったです。
アンコール最後の月の光、狛江と東京文化会館では弾かなかったけど
響くホールだと弾きたくなるのかなと思ったのは
これまた私の勝手な想像です…。



ブレハッチ@東京文化会館

2009-02-20 | ●コンサートに行きました
一昨日の18日はブレハッチのコンサート第3弾を聴きに
東京文化会館大ホールへ行きました。


プログラム
モーツァルト/ピアノソナタ第16番K.570
ベートーヴェン/ピアノソナタ第2番op.2-2
ショパン/マズルカop.17、英雄ポロネーズ
シマノフスキ/主題と変奏曲
アンコール
ショパン/プレリュードop.28-4、ショパン/マズルカop.56-2


14日のオペラシティ公演があまりにも良かったので
もう打ち止めでもいいかなとさえ思ったんですけど
チケット取っちゃったことだし、行かなきゃ行かないで後悔するので行ってきました。

東京文化会館の大ホールなんてお客さん入るのかなと思ってましたが
5階に空席があったくらいで、他はほとんど埋まっていました。
で、この大きなホールで私の席は
最前列の真ん中でした(^_^;
あ、あれ?もうちょっと右寄りを取ったつもりだったんだけど…。
隣の席が偶然友達だったのも笑ってしまいました。
その友達と2人で、こんなに大きなホールなのにブレハッチのピアノを独占して聴いてるみたいだねと言って
笑い合ってました。
オペラシティでも私の席は最前列だったんですけど(右寄り)、
当たり前といえば当たり前なんですけど、全然違って聞こえました。
遠くの方で響く音がかすかに聞こえたので、狛江ほど残響がないわけじゃなさそうなんですけど
ステージ近くだと響いていることをいまいち感じにくいというか。
それはステージ上のブレハッチも同じだったんじゃないか、
ブレハッチはオペラシティの響き方の方が好きなんじゃないだろうか
というのは私の勝手な憶測です(^_^;
一人のピアニストを追っかけるといろんなホールの聴き比べが出来るというのも面白いものですね。

アンコールとして弾いているショパンのプレリュード、
最後の3つの和音の前にあるフエルマータの付いた休符が
何故かとても印象に残りました。



ブレハッチ@東京オペラシティ

2009-02-15 | ●コンサートに行きました
昨日はバレンタインデーでしたね。
なのでマイリトルスイートハートに会いに行きました。きゃっ。
ブレハッチのコンサート第2弾です。

プログラム
モーツァルト/ピアノソナタ第16番K.570
ベートーヴェン/ピアノソナタ第2番op.2-2
ショパン/マズルカop.17、英雄ポロネーズ
シマノフスキ/主題と変奏曲
アンコール
ショパン/プレリュードop.28-4、ショパン/マズルカop.56-2
ドビュッシー/月の光


残響ゼロの狛江であれだけ綺麗だったものを
オペラシティに持ってくるとどうなるか」

ってハナシですよ…。

コンサートホールというものの威力と
普段からコンサートピアノとして使われメンテナンスされているピアノの威力と
そしてそれに反応する耳と手を持ったピアニストの力量を
まざまざと見せつけられたコンサートでした。

ブレハッチの弾くモーツァルトって
天上ではないんだけど、地上でもない。地上に近い空中に浮いてる感じ。
第2楽章はいつまでも聴いていたくなる。
ベートーヴェンの装飾音と、装飾音に似た三連16分音符と32分音符が気持ちよい。
マズルカop.17-2のアクセント、17-3の上行音型、
17-4のdolceと書かれた部分、マズルの旋回。
ここにポーランド語を母国語とする人にしか弾けないマズルカがある、と思う。
英雄ポロネーズの、左手がオクターブの連打になる直前のアルペジオで
キレイな手が高く上がるのが見えた(#^.^#)
シマノフスキ、コーダはかなり弾きにくそうだけど
2005年に録音されたCDの演奏と比べると
ずっと色彩豊かに深くなっていて、ずっと短く感じる。

ブレハッチって見た目があの通り細っこくて小さくて繊細そうに見えるし
音もただひたすら綺麗だから
表面的に「キレイ~♪」ってうっとりすることもできるんだけど
だんだんと、そういうつもりで聴いてると
そのうちえらい目に合うような気がしてきた…
いやもうすでに昨日それに近い感覚を味わったんですけど。
一体あの細い体のどこにこんなエネルギーがあるんでしょーね。
(や、ピアニストとしてはあと最低でも10kgは太って欲しいところですが(-_-;))

今までブレハッチを聴いてて残念というか惜しいと思っていたことの一つに
曲の最後の音が消えるのを最後まで聴かずに切ってしまうことが多いというのがあって
(聴衆はどうせ聴いていないだろうとあきらめてる感じ)
狛江でもそういうことがあったんだけど
この日はどの曲も最後の最後まで聴かせてくれたのが嬉しかった。
特に、穢れのない音で弾かれたまっ白のドビュッシーの、最後の音!
その音が消えていく時間が本当に美しくて
このまま拍手もしないで、消えていくその音の中に溶けてしまいたいとか

思ったり

しま

したヾ(´▽`;)ゝエヘヘ


---

チョコレートは結局買いませんでした。
でもせっかく14日だしー♪
気持ちだけ何か渡したいと思って
お花にしました。一輪だけ。
渡す機会がなかったらどうしようと思ったけど
サイン会あったので渡せました。



…こんなに高い花を買ったのは生まれて初めてだ…



ブレハッチ@狛江エコルマホール

2009-02-13 | ●コンサートに行きました
昨日はブレハッチのリサイタル(第1弾)を聴きに
狛江エコルマホールへ行きました。

プログラム
モーツァルト/ピアノソナタ第16番K.570
ベートーヴェン/ピアノソナタ第2番op.2-2
ショパン/マズルカop.17、英雄ポロネーズ
シマノフスキ/主題と変奏曲
アンコール
ショパン/プレリュードop.28-4、ショパン/マズルカop.56-2

狛江エコルマホールは…びっくりするほど残響ゼロでした(^_^;
後ろの方の人たち聞こえたのかしら?!と思うくらい。
でもブレハッチのピアノを聴くには良かったのかもしれない。
ステージが低いこともあって
部屋の中で聴いてるような、親密な感じだったんですよ(←カンチガイ)。
だからこそ目の前でこんな凄いピアノ演奏が繰り広げられていることが
なんか信じられなかったです。

音の扱い方がすごく丁寧で、音楽への向き合い方がすごく真っすぐ。
音楽は本来ならこの2つさえ極めれば十分という気がする。
ブレハッチの場合はそれが中途半端じゃない。
そして無理に背伸びをしない。あれこれやりすぎない。
もしかしたらそれが物足りないと思う人もいるかもしれないけど
それでも「これが僕のスタイル」という主張がはっきり伝わってくる。
一途な頑固さを持った人だと思う。
ブレハッチは以前インタビューで自分の欠点を聞かれて
「頑固なところ」と答えていたことがあったけど
それはむしろ長所と思うべきじゃないのかー?

彼はCDでの演奏を「軸」のようにして、コンサートでは思いついたように変えて弾くことがあって、
ベートーヴェンのソナタでもCDとは違うところでタメたり、内声を強調したりして
ベー様苦手と騒いでる私にもとても楽しく聴けた。
それがショパンになるともっともっと自由自在・変幻自在。
英雄ポロネーズは彼が来日するたびにたいてい弾いている曲だけど
聴くたびにブレハッチの成長を見る思いがする。
シマノフスキの変奏曲も彼が長く弾いている曲の1つなのに、
これも去年プラハで聴いた時とは全然違う印象。
ブレハッチというピアニストを知ってまだ3年ですが、
ピアニストとして大きく成長している時期を聴いていることに
幸せを感じます。

アンコールのショパンのプレリュード、
かなりテンポを揺らして弾いているのに
全然いやらしくならないのは何でだろう~…。
この曲をとても大切そうに弾いておられました。

ただ、次のマズルカのテンポがえらく速かったのは
もしかして会場の閉館時間にせっつかされていた…?
最後、拍手がまだ続いてるのにすぐ電気ついちゃうし、
サイン会あったけど、なんかずいぶんせかされて会場を後にしたような…。
まぁ、いいんですけどね(-_-;)。


明日はオペラシティ公演です。
バレンタインデーですね。
ブレハッチつながりの友達に「ラファウくんにチョコ持って行くでしょ?」と付加疑問で聞かれました(^_^;。
うーんやっぱり持っていくべきー?
でもさーきっとチョコ山ほどもらうよね~。
しかももらう理由がわからないという(笑)。



上原彩子@サントリーホール

2009-02-13 | ●コンサートに行きました
ああ~もう2時だ~。
今週はたくさんコンサートに行くので
感想は忘れないうちにどんどん書かないといけません。

11日は上原彩子さんのコンサートを聴きに
サントリーホールへ行きました。

一柳 慧/ピアノスペース
グリーグ/抒情小品集より
アリエッタ、トロルドハウゲンの婚礼の日、山の夕べ、ゆりかごの歌、小妖精、過ぎ去りて
グリーグ:ピアノソナタop.7
グバイドゥーリナ/シャコンヌ
プロコフィエフ/ピアノソナタ第8番op.84
アンコール
リスト/愛の夢、鬼火
ラフマニノフ/プレリュードop.23-5

ピアニシモで弾いた音をペダルを使って残して、その響きを聴いている…という上原さんの弾き方に
なんかグリーグのバラードを弾いた時のアンスネスを思い出してしまった。
(プログラムにグリーグが入ってたからってだけじゃないデスよ…)
グリーグはちょっとりきみすぎというか気合い入りすぎというか
イマイチ上原さんの言おうとしていることがわからないなーと思ったんですけど
あとの近~現代の曲は、
そのペダルで残されたピアニシモがゆらゆらとして、幽玄の世界でした。
上にアンスネスの名前を出しましたけど、アンスネスのように清涼な世界じゃない。
ドロドロして暗い感じ。それがこういう近代・現代曲だと妙にハマる。
なんか上原さんにはもっとバンバン弾く人というイメージがあったんですけど
もちろんプロコフィエフの終楽章とかではそういうところもありましたけど
ピアニシモの印象の方が強いです。
こんなピアノを弾く人だったのか。

アンコールの愛の夢がすごく良かったです。
そのペダルを使ったピアニシモを多用して
楽譜にはffと書かれてるようなところもそんな大音量を出さずに
「昨日あった夢のような出来事」をうっとりと思い出しているような『愛の夢』で
幸せな気持ちになりました。
なんか、乙女だなぁとか思ってしまった(笑)。


…ところで彼女が弾いていたのはヤマハのピアノだったんですけど
彼女はヤマハで満足してるんでしょうかね?
や、ヤマハが彼女を育てたのはわかってますが、
なんかヤマハのピアノは彼女のピアニシモやペダリングを生かし切れてない気がしたんですよ…。


季節柄、仕方がないとは思うんですが、
遠慮のない咳があちこちから聞こえてきて
せっかくの緊張感がぷちぷち途切れてしまうのがとてもとても残念でした。
…NHKの『世界びっくり旅行社』でやってましたけど、
ドイツのベルリンフィルハーモニーホールでははっきり『咳は禁止』と書かれているそうですよ。
ホールは楽器と申します。
そのホールの座席に座ったら自分も楽器になったのだと思って
咳は最小限に抑えましょう。



ブレハッチ&ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団(@サントリーホール

2009-02-11 | ●コンサートに行きました
一昨日の9日、ブレハッチの弾くコンチェルトを聴きに
サントリーホールへ行きました。
(※この記事にオーケストラのことは書いてありませんのでご了承ください)

プログラム
シューベルト/未完成交響曲
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
ピアノ:ラファウ・ブレハッチ
ショパン/前奏曲第4番(ピアノのアンコール)
ベートーヴェン/交響曲第5番
アンコール
ベートーヴェン/交響曲第8番より第2楽章
シューベルト/ロザムンデより間奏曲第3番
マレク・ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団

私は去年の暮れ、「冬眠して、来年2月にブレハッチくんに優しく起こしてもらう予定♪」などと
文字通り寝ぼけたことを言っていましたが
思い描いていた通りの日が来ました。
ブレハッチがこのコンチェルトの冒頭のピアノソロを弾くのを聴いて
ひゅうっと引き込まれたその先は「春」でした。
「春」と言ってもただ穏やかに陽光が差してるだけじゃないです。
一見小さく可愛らしいけど、その中に大きなエネルギーを秘めた芽のような。

この曲をよく知らない上、ベートーヴェン自体よくわからんとか言ってる私が言うのもなんですが
正直、ベートーヴェンにしては軽やかすぎるのかなという気もしました。
でもこの曲、私は今のところブレハッチ以外の演奏では聴けなくなりそうな気がしてます。
ぎゅうっと中味の詰まった、上を向いて目を輝かせてるような
そんなベートーヴェンでした。
…冬眠からの寝覚めは良好でございまス。


ところでこの日の私の席は
ベー様だしなーとケチった結果、ブレハッチの後ろ頭を眺めるような席だったんですが
思いの外、髪を少し短くしたブレハッチのその後ろ頭がどツボでした。カワイイよ~~!
サイン会でお顔を間近で見たらさらにカワイイ。
いつも日本ツアーの時に見られるような目の下のクマもなく、
お肌が荒れているということもなく
カワイかったです。ああカワイイ(←殴)


というわけでブレハッチ週間開始です。
2週間くらいブレハッチブレハッチブレハッチと騒ぐのでよろしく。



今年行ったコンサート

2008-12-27 | ●コンサートに行きました
●2月9日 クーシスト&ラットゥーア@武蔵野文化会館
●3月8日 ベレゾフスキー@フィリアホール
●4月11日 準・メルクル指揮NHK交響楽団@NHKホール
●5月14日 フルシャ指揮東京都交響楽団@サントリーホール
●6月4日 ブレハッチ@ドヴォルザークホール(プラハ)
●7月1日 リフシッツ@紀尾井ホール
●9月4日 新日本フィル室内楽シリーズ@すみだトリュフォニーホール小
●9月17日 ルガンスキー@電力ホール
●9月21日 ルガンスキー&沼尻竜典指揮東京交響楽団@ミューザ川崎、ルガンスキー@紀尾井ホール
●9月28日 Duo Piacevole@ギャラリー街路樹
●10月14日 マリコヴァ@津田ホール
●10月21日 アンスネス@王子ホール
●10月23日 アンスネス@静岡音楽館AOI
●10月27日 アンスネス@東京オペラシティ
●10月29日 アンスネス&ノセダ指揮NHK交響楽団
●10月30日 アンスネス&ノセダ指揮NHK交響楽団
●11月1日 第27回横浜市招待国際ピアノ演奏会(フアンチ、ナミロフスキー)
●11月3日 アンスネス@兵庫県立文化芸術センター
●11月12日 ヤンソンス指揮ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団@NHKホール
●11月20日 ブラレイ@東京文化会館小
●11月26日 ツィメルマン&ミュンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団@東京文化会館


今年は「旅行をくっつけた」コンサートにたくさん行けて
とっても楽しかったです。
来年2月まで冬眠します。
2月にブレハッチくんに優しく起こしてもらう予定

あ、ブレハッチといえばその来年2月の来日時に
ベートーヴェン4番のコンチェルトを弾くそうなんですけど
ちょうどそれと前後して、シフ先生のスーパーピアノレッスンでベー様4番をやるみたいなので
予習を兼ねて見ようと思ったんでした。

それにしても、ベー様4番か………(←べとべん苦手)。
家にあるのはツィメルマンのウットリDVDだけですが
なんか他に予習に良いCDないっすかね~…。




ツィメルマン&ミュンフン指揮東フィル@東京文化会館

2008-11-27 | ●コンサートに行きました
昨日はツィメルマンのコンチェルトを聴きに
東京文化会館大ホールへ行きました。

プログラム
メシアン/ほほえみ
ルトスワフスキ/ピアノ協奏曲
ピアノ:クリスティアン・ツィメルマン
チョン・ミュンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団
(コンチェルト終わった後帰りました)


ツィメルマンに捧げられたルトスワフスキのピアノ協奏曲。
この曲でのツィメルマンの音は
ただひたすら透き通って冷たく、鋭利でした。
優しい弱音もあるんだけど、暖かみのある音ではなかった。あえて封印している。
その冷徹な音が、まさにこのルトスワフスキのピアノ協奏曲を完成するために必要な
最後の楽器という感じがした。
暗く、深い谷底をのぞきこむような、
ぞっとする、でも不思議と怖くない。醜くもない。
その世界に、何度か魂持って行かれる感覚に陥りました。

解説によれば、ルトスワフスキがこの曲の構想を持ち始めたのは
1977年、ツィメルマンがまだ20歳だった頃らしい。
もしかしたらツィメルマンは、この曲を弾くまで
自分がこういう音を持っているということを知らなかったんじゃないだろうか。
ルトスワフスキは、その音をツィメルマンから
この曲を使って引っ張り出したんじゃないだろうか。
(というのは私の勝手な憶測です。逃)


現代音楽好きですか、と言われたら
正直言って苦手です(-_-;)。
それなのに何で聴きに行くのかと言えば。
作曲家とともにピアノ協奏曲を作り上げたピアニスト本人が弾いてくれるから。
それと、まだ評価が定まりきっていない曲を聴いて
自分だけの噛み砕き方が出来るから。
ショパンと同時代に生きることは出来なかったけど
ルトスワフスキと同じ時代に生きている人間の特権を
行使しに行くのです。



余談。
この日配られたプログラムの最初のページに
ポーランド人の苗字について書かれていました。
「~スキ」で終わる苗字はポーランド人にとってなんとなく
エレガントで威厳ある響きなんだとか。
へぇ~と思いながら読んでいたら
自分が持ってる本からの引用文でした(^_^;
あはははー、今度こそちゃんと読もう…。
(ちなみに『ポーランドを知るための60章』という本です)

ブラレイ@東京文化会館

2008-11-21 | ●コンサートに行きました
昨日はフランク・ブラレイのコンサートを聴きに
東京文化会館小ホールへ行きました。

プログラム
シューベルト/即興曲op.90-1、90-3、142-4
ベートーヴェン/ピアノソナタ第31番
ドビュッシー/前奏曲集より
沈める寺、さえぎられたセレナード、亜麻色の髪の乙女、ヴィーノの門、交代する3度、枯葉、風変わりなラヴィーヌ将軍
ガーシュウィン/ラプソディ・イン・ブルー
アンコール
ガーシュウィン/アイ・ガット・リズム
ドビュッシー/前奏曲集よりミンストレル
ガーシュウィン/3つの前奏曲より


オレンジのシャツにグレーのスーツをお召しのブラレイさん、
ゆっくりと歩いてきてピアノの前で止まり、
肩から客席を向いてゆっくりとお辞儀をなさいます。
この最初のお辞儀からブラレイの音楽が鳴っているようでした。
前半、なんだか聴いてて照れてしまったのは
ブラレイと目が合っちゃうような席だったせいだけではあるまい…。
なんかこう、ささやくようなピアノなんですよ。
シューベルトの深い即興曲もベー様の晩年のソナタも
ブラレイが弾いたそれは愛のささやきでございました。
…知らないうちに顔が笑ってました。照れるっちゅうねん。

後半のドビュッシーはさすがお国ものと言いますか、
極端に強い音と繊細な弱音の使い分けが見事で
ドビュッシーの描いた絵を遠くで見ているのか近くで見ているのかわからなくなるような感じがして
輪郭がぼやけるような印象になってるのがすごくきれいでした。
・・・多分私は、ブラレイの弾いたドビュッシーがすごく好きなんですよ。
でもほら、私はついこの前アンスネスの
まるでお父さんが子供に教えるような、シンプルではっきりしたドビュッシーに洗脳されたばっかりなもんですから、
その上でブラレイのドビュッシー聴いてたら
なんかもうドビュッシーが全然わからなくなってしまって
頭の中がグルグルしてました…。
最後のガーシュウィンが一番、何も考えずにブラレイの音色と音楽両方を楽しめたような気がする。
ラプソディ・イン・ブルーも良かったし、アンコールの2曲も。
ああしかしドビュッシー・・・・・・・。


サイン会あったんですけどそのドビュッシーのせいで非常に気持ちが中途半端で
並ぶのが申し訳なかったので見学してました。
ブラレイのラヴェルを聴いてみたいなと思ったんだけど
CDはドビュッシーがメインで入ってたので保留。しばらく考えます。
ブラレイさんは右利きでした。
サインした物を両手で持ち上げて、持ち主の目を見てそれを返しておられました。
その仕草もまたブラレイさんの音楽のひとつなのでした。
アムールの国の人だわ~