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N響12月B定期@サントリーホール

2009-12-20 | ●コンサートに行きました
17日の木曜日、N響12月B定期を聴きに
サントリーホールへ行きました。


プログラム
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲
ピアノ:ニコライ・ルガンスキー
ショスタコーヴィチ/交響曲第11番『1905年』
シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団


懺悔。
後半のしょすたこー11番、
どういう曲だか全く知らない状態で聴きに行きました。
いやー…予習せずに行ったことをこんなに反省したことは今までなかったです。
っつか、誰だよこのプログラム考えたの…(-_-;)。

というのも、後半がスゴすぎて
あやうく前半のラヴェルの記憶が吹っ飛ぶところだったからです。
(ルガンスキーのラヴェル目当てで行ったというのに…)
曲がすごかったのかそれとも演奏なのかが判然としないのも
予習しなかったせいかと思うとちょっと悔しいところ。
でも時間的にも音楽的にも、
あれだけの規模の曲をあれだけの緊張感保ったまま演奏するのは
簡単なことではないと思ったので
N響に対しても大きく拍手してきましたヨ…。

お目当てはルガンスキーのピアノ♪でしたが
指揮のデュトワも楽しみでした。
ずっと好きだったのに、今まで聴く機会がなかったんですね。
ステージ上に現れたデュトワは
お客さんと視線を交わしてニッコリ笑いました。
万人を魅了するような、優しく柔らかい、上品な笑顔でした。
私の席ははじっこだったので、指揮するデュトワの表情がいくらか見えたんですが
『亡き王女のパヴァーヌ』では、フレーズの終わりごとに
そのフレーズを演奏した奏者にその笑顔を向けてました。
デュトワの音楽に現れるキラキラキラ~の秘密はもしかしたらここにあるのかもと思ったりしました。

左手のためのピアノ協奏曲では、ルガンスキーの美音を堪能。
左手だけで弾いてるとは思えないほどのポリフォニックな響きもさることながら
ひとつひとつの音が本当にキレイでした。
キラキラなんだけど、ギラギラしすぎない、しっとりと色気を帯びた音で、
どうしてこの人の指からはこんなにウットリするような綺麗な音が出るのか…うっとり。
…いっこ不満を挙げるとすればこの曲が短すぎるということですね。
「あれ?終わり?…終わりっすか?!」みたいな感じがする(-_-;)

後半のショスタコーヴィチの交響曲第11番『1905年』は
(休憩時間に解説を熟読)
1905年、ロシアのサンクトペテルブルグで
帝政の圧政に苦しむ数十万の労働者によるデモ行進に対し、軍隊が無差別発砲して数千人にのぼる死傷者が出た、
『血の日曜日事件』と呼ばれている事件を題材にした曲だそうです。
そーんな曲を予備知識ゼロで最前列で聴いてごらんなさい、
終わる頃には放心状態でしたよ、怖くて(笑)。
デュトワ指揮するN響は、労働者を蹂躙する軍隊のようでした。
暗示的なトランペット、
軍隊の足音とも、機関銃の音とも聞こえる小太鼓、
一斉射撃の場面のような音楽、労働者の死を表すようなチェレスタ等々が
すごく怖かったです。
デュトワの音楽って色彩豊かだと思ってたけど、
この曲ではひたすら灰色でした。
誰よりも、どの楽器よりも、指揮のデュトワがすごく怖かった。
あんたさっきまであんなに優しい笑顔浮かべてたじゃんかー!(泣)


…曲を最初から最後まで覚えて行く必要はないと思いますけど
作曲背景とか曲の構成とか、最低限の予備知識は仕入れて行かないと
時々エラい目に合いますヨというお話でしたorz
でもねー、ショスタコーヴィチへの扉が一気に開いてしまったような気もします。
まさかデュトワ&N響が開けてくれるとは思ってませんでしたが…。




バレエを観に行ってしまった

2009-12-10 | ●コンサートに行きました
「ゲルギエフが指揮すると、バレエダンサーは踊りにくそうなんだよね~・・・」
byうちの妹(←バレエ歴・鑑賞歴ともに長し)

という言葉にだまされて(?)
行くのを思いとどまりかけたんですけど
12月8日、マリインスキー・バレエの『イワンと仔馬』を観に行ってきました。
マリインスキーバレエの今回の来日公演のうち、
オケがマリインスキー歌劇場管弦楽団で指揮がゲルギエフなのは
この日だけだったんですね。
チケット高いし、どうしようか本当にギリギリまで迷いましたが
シチェドリンのバレエ音楽を全幕ゲルギエフが指揮するのを聴く機会なんて
日本にいる限り多分二度とないだろうと思って
思い切って行ってきました。

妹と母はバレエ好きでも、私自身は全然わかりません。
でも、でも、この日はもう本当に、ちょーーーーー楽しかった!!!です。
喜劇要素の強いお話なんですが
いや~、踊りと音楽だけであんなにおもしろ可笑しく、楽しい舞台になるものなんですね。
イワンの2人の兄ちゃんとか、皇帝とその侍従とか
オモシロすぎました。
特にお姫様に嫌われ振り回される皇帝がとってもキュートで
私がお姫様だったらイワンより皇帝選ぶわーとか思ってしまいました。
(最後の死に方があんまりといえばあんまりでしたけど)
そのお姫様も、ちょっと気が強そうで、わがままそうで
ふつーのお姫様じゃない感じ。
そんな中を主人公の2人、イワンと仔馬が
なんと生き生きと跳ね回っていたことか!!バンバン!!(←机を叩いてみた)

踊りがコミカルで、主人公たちが飛び跳ねるので
音楽はリズムが命です。
気持ちよいほどにビシビシにキマってました。
私の席からははじっこのティンパニさんがよく見えたんですが
得意げに叩いてた(ように見えた。笑)。
第1幕の、宮殿に入ったところだったと思うんですが
いかにもロシアっぽいテンポの速い舞曲のときに
バレエとオーケストラの音楽が溶け合うような感じがして
なんかもうその時には「生まれてきて良かった」と思うのに似て
「今日来て良かった!」と思って天井をあおいでしまいました。
とっても幸せな瞬間でした。

終演後、ロビーで待ち合わせていた母(←S席で観ていた)と会うなり
「面白かったねー!来て良かったねー!」と言い合いましたヨ。
しかし私はバレエにあまり興味がない=バレエを語る言葉を持たないということなので
このバレエがどう楽しかったか・何が素晴らしかったかを語るのが難しいです(-_-;)
自分のボキャブラリーの貧困さがもどかしくてなりません。
まぁとにかく、思い返しただけで笑顔になるような、
そんな楽しい舞台でした。


バレエよくわかんないんですけど
↓一応自分のためのメモとして軽く書いておきます
『イワンと仔馬』 全2幕
音楽:ロジオン:シチェドリン
振付:アレクセイ・ラトマンスキー
音楽監督:ワレリー・ゲルギエフ
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

キャスト
姫君:アリーナ・ソーモワ
イワン:レオニード・サラファーノフ
仔馬:グリゴーリー・ポポフ
侍従:イスロム・バイムラードフ
皇帝:アンドレイ・イワーノフ
ダニーロ:イワン・シートニコフ
ガヴリーロ:コンスタンチン・ズヴェレフ



シチェドリンって先週のマリインスキー歌劇場管弦楽団のコンサートまで1曲も知らなかったんですけど
すごく楽しく聴けるということが判明。聴ける作曲家リスト登録。
ムストネンのCDがあったような気がする…買ってないヤツだけど。





ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団@サントリーホール(12/2)

2009-12-05 | ●コンサートに行きました
12月2日、ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団の公演を聴きに
サントリーホールへ行きました。


プログラム(オールストランヴィンスキープログラム)
バレエ音楽『カルタ遊び』
ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ
ピアノ・アレクサンドル・トラーゼ
スカルラッティ/ソナタ ニ短調(何番だか不明。ピアノのアンコール)
バレエ音楽『春の祭典』
アンコール
シチェドリン/お茶目なシャストゥーシュカ
ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団


12/1のショスタコーヴィチプログラムとどっちにしようか迷って
『春の祭典』に期待してこっちにしました。
こちらの想像と期待をはーるーかーに上回る
魂が震えるようなコンサートでしたよ…はぁ。

なんと言うか、前半2曲の間に見えない糸でいつのまにかグルグル巻きにされて
身動き取れなくなったところに
後半ドカーンと大砲を食らった感じと言いますか。
前半は今振り返ってみると割と抑えめだったのかな、
それでもところどころ「あれ?この人たちもしかしてちょー上手い?」って思うところがあって
例えば金管、派手に鳴るところはない『カルタ遊び』で
メゾピアノ~メゾフォルテくらいの音がずっと続くところがあったんですけど
(実はそれってすごく難しいんじゃないかと想像するんですけど)
それがとってもなめらかな音色でうっとりだったりとか
時々あらわれるちょっとした弦のソロがいちいち胸に響いたりとか
そういうひとつひとつが前述の「見えない糸」だったと思うのですよ。
そこに後半、『春の祭典』で
前半抑えてきたものを爆発させたというか。コンサート全体を見据えた構成なんでしょーか。

容赦のない管楽器の音と、低くうねる弦と、打楽器の轟く音。
ゲルギエフの音楽って「美しく」はないんですね(←誤解されそうな書き方だ…)。
むしろ、「醜い」。
ドロドロと流れる血のようで、オーケストラ全体が脈打ってるように見えました。
自分の心拍数も上がるのがわかりました。
ゲルギエフはこの曲の中で一回も緊張を切ってくれなかったので
本当に身動きひとつ出来ませんでしたよ。
この指揮者はひたすら冷淡というか冷酷非情にさえ見えましたねー。
テレビで指揮中の彼の顔をアップで見ると暑苦しいですが(失礼)
遠目で舞台上の後ろ姿を見ると、ピンと伸びた背中が
とてもクールに見えて、それなのに聞こえてくる音楽はすごく熱くて
なんともカッコ良かったです~。

アンコールのシチェドリンは、ちょっとジャズっぽくてテンポの速い明るい曲だったんですけど
なんかあの血みどろ春の祭典を聴いたあとだと
この明るさを素直に喜んで楽しんで良いのか?!みたいな(^_^;
おフランスのオケとかデュトワみたいな指揮者だったらこの曲は
さぞ楽しく、はじけるような音楽だったんだろうと思いますが
何しろこの指揮者にこのオーケストラですから(笑)
コントラバスのピチカート音が、自分の血が脈打つ音のように思えました。


ゲルギエフが最後のカーテンコールで
「じゃ」って感じに左手を上げたのがまたカッコ良かったです~。
(実際には鳴りやまない拍手に応えてその後もう一回出てきてくれたんですけどね)
あまりにステキだったのでよっぽど出待ちしてしまおうかと思いましたがやめました。
プログラムもCDも持ってなかったし…。
でも出待ちしてた人かなりたくさんいたらしいですね…行けばよかったかな…ぐずぐず。





日本フィル定期@サントリーホール

2009-10-25 | ●コンサートに行きました
またまた「m」さんにチケットをいただいてしまったので
先週の金曜日、急遽日本フィルの定期公演を聴きに行ってきました。
おもいっきり普段着で行ってしまった(^_^;まぁいいか。


プログラム
チャイコフスキー/幻想的序曲『ハムレット』
モーツァルト/ピアノ協奏曲第27番
ピアノ:田村響
プロコフィエフ/交響曲第3番
アレクサンドル・ラザレフ指揮日本フィルハーモニー交響楽団

(耳の調子があまりよろしくなかったので、3曲目は聴かずに帰宅しました(^_^;
プロコフィエフ、聴きたかったんですけどね…)

(それから、1曲目もチャイコフスキーだったので
感想が書けないチャイコフスキー苦手な私…)


田村響くんのピアノを聴くのはお初です。
2007年のロン・ティボーコンクールを制した方ですね。
・・・「コンクールの覇者」というとドカーンドゴーン&テンポ速っ!!って弾くイメージがあるのは
21世紀となった今ではもう偏見なのでしょーか(^_^;
急ぎすぎない、端正な、清潔感のあるモーツァルトで
ちょっと意外でした。
田村くんご自身もとてもきちんとした感じの人で好感度が高くて
失礼ながら決して女子にキャーと言われるタイプではないと思うのですが(^_^;
実物はカワイイじゃんとか思ってしまった。

まだまだ真っ白いキャンバスかな、という気もする。
教えられた通り真面目に弾いてるのかな、と。
例えばこのコンチェルト27番はモーツァルトの最晩年の曲だけど
それを意識しての「急ぎすぎないテンポ」ではなかったような。
でもまだ23歳だしね。ブレハッチより若いよ。
それにこの日はモーツァルトだったのでよくわかりません。
ショパンやベートーヴェンを弾かせたら豹変するのかもしれない。
まぁでも、少なくとも「もっと違うものも聴いてみたい」と思える
ピアニストと思いました。

オーケストラに対して礼を取るステージマナーも
とてもキチンとしていましたが
まだ洗練されてない感じ…。
ブラレイエキスを注入したい…。




ガヴリリュク@東京オペラシティ

2009-07-19 | ●コンサートに行きました
ちょっと日が経ちすぎてしまいましたが
7月8日、アレクサンダー・ガヴリリュクのコンサートを聴きに
東京オペラシティへ行きました。


プログラム
ベートーヴェン/悲愴
ショパン/軍隊ポロネーズ、即興曲第1番、ノクターン第8番
リスト/村の居酒屋での踊り
ストラヴィンスキー/ペトルーシュカからの3楽章
ラフマニノフ/前奏曲op.23-1、2、5,6,7
ビゼー(ホロヴィッツ編曲)/カルメン変奏曲
アンコール
モーツァルト/ロンド ニ長調、トルコ行進曲(ヴォロドス編曲)
ラフマニノフ/楽興の時第3番
メンデルスゾーン(ホロヴィッツ編曲)/結婚行進曲


何よりもまず
音デカっ。
最前列で聴いてたらほんとに耳がおかしくなりました。
しかしご覧の通りのバラエティ豊かなハデハデプログラムで
深く考えず楽しく聴けたコンサートでした。

体力と腕力があるうち・音楽の恐ろしさを知らない若いうちにしか弾けない曲というのは
確かに存在する。
ガヴリリュクはそのことをよくわかっていて
意識しているんじゃないかと思いました。
というのも、音はとても大きかったんですけど
勢いに任せて速く弾くようなことはほとんどなくて、
(それでも時々「あっ、やっちゃった」って感じがするのが
微笑ましいというか可愛らしいというか)
アンコールを含めこれだけ難曲揃いの曲を聴きながら
一番イイなと思ったのがアンコールのモーツァルトだったんですね。
それを「こんな風にも弾けますよ」というアピール程度にしか弾いてないのは
今は避けているのかな、と思ったからです。
ガヴリリュクは、ピカピカモチモチのお肌の持ち主で
弾いてるうちにほっぺたが上気して赤くなると
24歳ですでに薄くなり始めた髪の毛が産毛のように見えて
まるで赤ちゃんのように可愛らしくなってしまうので
モーツァルトなんかは今はむしろハマりすぎてしまうから
あえて弾かないようにしてるのかな、とか(笑)。
今しか弾けないプログラムを弾きつつしっかり未来を見据えた
夢多き若きピアニストの姿が見えてくるような気がしました。
なんか、元気になれるコンサートだったですよ~。





アンデルシェフスキ@サントリーホール

2009-06-09 | ●コンサートに行きました
6日の土曜日、ピョートル・アンデルシェフスキのリサイタルを聴きに
サントリーホールへ行きました。

プログラム
シューマン/暁の歌
バッハ/パルティータ第6番
ヤナーチェク/霧の中で
ベートーヴェン/ピアノソナタ第31番
アンコール
バルトーク/チーク地方の3つのハンガリー民謡
バッハ/パルティータ第2番よりサラバンド


1曲目のシューマンの『暁の歌』は
シューマンが精神を病む前、最後に完成させた曲だそうで、
(「作品の性格を尊重し演奏後の拍手はご遠慮頂ければ幸いです」と書かれた紙が
入口で配られたプログラムにはさまっていて、
それはちゃんと守られました)
そんなシューマンはもちろん全体を通しての印象は、
重く、暗く、深く、静か。
アンデルシェフスキの出す音は、一つ一つの音は優しく控えめで
特にパルティータのアルマンドの細かい音の連続は可憐と言ってもいいほどだし
大きな音は出しても壮絶で重厚な音ではなかったと思うんですけど
なんで暗く重い印象が残るんだろう…。

日常生活で光と音による刺激に疲れている身には
その暗さと重さが心地よかった。
アンデルシェフスキは自分のテンポをしっかり持っているので
安心してその心地よさにひたれました。
集中力が高くて、そう言った意味じゃ聴いてても疲れたんですけど
普段あんなに集中することってないですから
その疲労感も気持ちよかった。
このプログラムを弾くためにピアニスト本人は
この暗さと重さの中にずっといたんだろうと想像すると
ちょっと信じられない気持ちになります。




…私にとってこの日の大事件は
ベー様31番に開眼した(かも)、ってことです。
この曲って最初は楽しく聴けるんですけど
「なかなかダイナミックに展開しなくて最後の巻にいろいろな人が出てきてドーンと物語が終わっちゃう」
(のだめカンタービレ21巻より 二ノ宮和子著)
って、あ~のだめちゃんうまいこと言うな~なんて思ってたんですけど
アンデルシェフスキの弾く31番はずっと飽きずに聴けて、気が付いたら最後のフーガに感動してて
そんな自分に感動でした。


サイン会に並んだら、列がなかなか進まない…。
アンデルさん、一人一人とお話ししたり写真撮影に応じたりして
ていねいに接していたようでした。
新譜の裏ジャケにサインしてもらいました。
(先日表側にサインしてもらったので、リバーシブル♪)
向こうから手を差し出してくれたので、握手してもらいましたが
おっっっきい手!!ベレゾフスキーよりデカいかも?!
アンデルさんは右利きでした。





アンデルシェフスキ&アルミンク指揮新日本フィル@すみだトリフォニーホール

2009-05-31 | ●コンサートに行きました
一昨日はピョートル・アンデルシェフスキ&クリスティアン・アルミンク指揮新日本フィルハーモニー交響楽団を聴きに
すみだトリフォニーホールに行きました。

トリフォニーホールって、前に行ったときも「あれ?」と思ったんですけど
あそこって、全体に傾斜がついてます…?
(『傾斜』って、後ろの方の人にもステージが見やすいようにつけられた『段差』じゃなくて、もっとゆるやか~に斜めになってる感じ)
柱やバルコニーが斜めになっているので目の錯覚かもしれないんですが
とにかく傾斜がついてるんだか傾斜がついてるように見えるんだかで
平衡感覚が狂ってしまい、気持ち悪くなりました。
私、三半規管めちゃくちゃ弱いもんで…。
前の方で見てたのがいけなかったのかも。
後ろの方とか2階席3階席だったらまだ良かったのかもしれません。
錯覚なら目を閉じてれば大丈夫かなと思って目を閉じてたら
眠くなるしオトコマエ2人は見えないしで
仕方ないので目は開けてましたが
その傾斜の感覚に慣れたのはコンチェルトが終わった頃でした(-_-;)
そんなわけで特に1曲目は全然覚えてません。
…今思い返しても目の前がくらくらします(^_^;
これはちょっとトラウマになりそうだ…。


プログラム
ワーグナー/『さまよえるオランダ人』序曲
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番
(ピアノのアンコールがあったんですが曲名見てくるのを忘れました)
ピアノ:ピョートル・アンデルシェフスキ
ワーグナー/『ニーベルングの指輪』より
『ラインの黄金』より「ワルハラへの神々の入城」
『ワルキューレ』より「ワルキューレの騎行」
『ジークフリート』より「森のささやき」
『神々の黄昏』より「自己犠牲と救済の場」
クリスティアン・アルミンク指揮新日本フィルハーモニー交響楽団


アンデルシェフスキ目当てで行ったけれども
指揮のアルミンクも楽しみでした。
初めて見たアルミンク、カッコイイというよりも
顔の筋肉の豊かなことに笑いそうになる(←失礼)。
楽しそうに指揮をしておられるという印象でした。
新日本フィルの方々にも顔の輝きがあるように思いました。
(ちゃんと指揮者見てるしね~)
だから聴いてて楽しかったです。わかりやすいプログラムだったし。
ベートヴェンの1番はよく知らない曲なんですけど
シンプルな音型が多いのでアンデルシェフスキの音に浸れました。
アンデルシェフスキの音って、私にとって
「子供の頃お気に入りだったタオルケット」なんです。
肌触りが良くて、ずっと触っていたくなるような。

アンデルシェフスキを含め全体的に
緊張を強いない、どちらかといえば楽しく聴いてもらう方に主眼が置かれたコンサートと思いました。
(違うかもしれないけど(^_^;)
サイン会でも、アルミンクさんニコニコで
「コンニチハ~」「ドウモアリガト~」ととってもフレンドリー。
アンデルシェフスキが無愛想だと思ったことはないけど、
それでもフレンドリーアルミンクの隣りでおしゃべりしながらサインをこなすアンデルシェフスキも
いつにも増してニコニコに見えました。
・・・・・・はっ、こんな貴重な2ショット、写真撮ればよかった~~!!!




余談。
アンデルシェフスキのお腹が出ていたのがショックでした…。





ツィメルマン@サントリーホール

2009-05-24 | ●コンサートに行きました
先週の月曜日、18日、
クリスチャン・ツィメルマンのリサイタルを聴きに
サントリーホールへ行きました。
…一週間も経ってから感想を書くヤツ(笑)。

プログラム(14日武蔵野文化会館公演と同じ)
バッハ/パルティータ第2番
ベートーヴェン/ピアノソナタ第32番
ブラームス/4つの小品op.119
シマノフスキ/ポーランド民謡による変奏曲op.10

感想書くのがなんでこんなに遅くなったかっていうと、
要するに「わからなかった」からです。
後半はいいんですけど、前半がなー。
いくら私がドイツ物苦手だからって
ツィメルマンが弾くものがこんなにわからなかったのは初めてだー。特にバッハ。
ベートーヴェンの方はもうちょっとで答えが見えそうな気もするんですけど
もうこれ以上ツィメルマンのコンサートに行くお金がありません(涙)。
ひとつ思ったのは、考えてみたら当たり前なんですが
ベートーヴェン最後のソナタをツィメルマンは
「最後」という捉え方をしていないですね。
「最後」っていうのは偶然であり結果であって
後世に生きる私たちは意識するけれども
ベートーヴェン自身は意識してなかったはずで、
ツィメルマンの32番は第1楽章はもちろんアリエッタと書かれた第2楽章でさえも
何やらエネルギッシュでした。

ブラームスのop.119って、ツィメルマンみたいなおじさまが弾くと
暖かくてチャーミングで「キャーステキー」って感じがします。うっとり。
打って変わってシマノフスキ。
シマノフスキの暗~い音楽とツィメルマンの厳しさがあいまって
すごくカッコよかった。
葬送行進曲みたいなところ(?)の音が忘れられません。

ツィメルマン@武蔵野文化会館

2009-05-17 | ●コンサートに行きました
一昨日の14日、クリスチャン・ツィメルマンのリサイタルを聴きに
武蔵野文化会館へ行きました。
会場に着いた時、「で、今日私が聴くのはAプロだっけ?Bプロだっけ?」とか思う私(爆)。

プログラム
バッハ/パルティータ第2番
ベートーヴェン/ピアノソナタ第32番
ブラームス/4つの小品op.119
シマノフスキ/ポーランド民謡による変奏曲op.10

このヒトはここ数年頻繁に日本に来ている印象ですが
考えてみたらソロリサイタルは3年ぶりなんですね(だよね?)。
久々に聴くソロだったからか、それとも「ツィメルマンが弾くならなんでもいいや~」と予習ゼロで行ったのがいけなかったのか
・・・前半、完っ全に置いていかれましたorz
バッハと、ベートーヴェンの最後のピアノソナタ。
全体にテンポが速くて、想像していたのとちょっと違った。
そもそもそんな「ツィメルマンならこう弾くんじゃないか」という想像をしていたこと自体が
自分では無意識だったので、反省しなくちゃいけませんね。

休憩時間に、なるべくまっ白な気持ちでツィメルマンの音を聴こうと意識を切り替えたら
後半は楽しく聴けました。
特にシマノフスキは圧巻でした。
…本当は『圧巻』なんてつまんない言葉使いたくないんだけど
この日は前半完全に失敗してしまったので
まだ明日サントリーホール公演聴きに行くことだし
今日はあまり語らないことにしまス(-_-;)
やっぱり予習しなかったのもいけなかったわ、
このシマノフスキが最後に控えていることを知った上でこのプログラムを聴いていたら
全然印象違ったんじゃないかという気もします。


で、この日のプログラムは結局Aプロだったんですけど
明日のサントリーホール公演もAプロです。
…私Bプロ聴けないじゃん(泣)。
どうしよう~~~~~~~~~。
Bプロを聴くため、というより
あのシマノフスキを聴くためにもう1公演くらい行きたいかも…。





ムストネン指揮N響@NHKホール

2009-05-11 | ●コンサートに行きました
昨日はムストネン指揮NHK交響楽団を聴きに
NHKホールへ行きました。

この記事にオーケストラのことは書いてありませんので
あらかじめご了承ください。

プログラム
ムストネン/3つの神秘
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲ニ長調
(ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61の作曲者自身による編曲)
シューマン/暁の歌(ピアノのアンコール)
シベリウス/交響曲第6番、フィンランディア
ピアノ・指揮:オリ・ムストネン
NHK交響楽団


ムストネンって、ピアノの弾き方がすごく変わっているので
他のピアニストには絶対出せない鋭利で、冷たくて、キラキラと銀色に光るような音を出しますが
そうかと思うと時々呆然とするくらい優しい音も出る…。
そんな音に誘われて入ったムストネンという森の中は
音楽への熱い熱い情熱がうずまく世界なのですよ。
「体から音楽があふれ出ているような」とは、こういう人のことを言うんだと思う。
大きな身振りで指揮をする。ピアノを弾く。
それはオーケストラに対する指示であると同時に
自分というソリストへの指揮。
見ていると胸が熱くなる。
もし私がオーケストラの一員だったなら
どうにかしてこの指揮者の情熱に応えたいと
どんなにか一生懸命自分の楽器を弾くだろう…。

この人の表現しようとしていることは
楽器はピアノだけじゃ足らないし、
曲はコンチェルトやピアノ組曲程度じゃ足らない、ということはもうわかってる。
自作の曲をやって、弾き振りでコンチェルトして、交響曲を指揮してるのを聴いてやっと
「あ゛~、ムストネンのコンサート聴いたぁ~」という感じがする。
ムストネンって、『ピアニスト』ではないと思う。
『作曲家』でも『指揮者』でもなく
『音楽家』なんだと思う。
こういう音楽家って、ムストネン以外ににいるのかなぁ?

シベリウスの交響曲だけは
ちょっと「?」って感じでした。
ムストネンの熱が感じられなかった。すごくつまらなさそうに見えてしまった。
…シベリウスって難しいんだよねきっと…
と思うことにしておく。

続く『フィンランディア』は、ムストネンの指揮だけで音楽が聴こえてきました。
彼の目指す『フィンランディア』が聴こえてきた。
そこでまた胸が熱くなりました。
体中、手や足の指の先まで力がみなぎるような、勝利を信じる熱。


…多分心配しなくても大丈夫だろうとは思うんだけど
彼にはピアノを捨てないでほしい。
他の誰にも出せない音色を出す人だからというのもあるけど
指揮棒よりピアノの方がはるかに雄弁だと思ったので。
指揮をしなくてもピアノだけでオーケストラを引っ張って行けるんじゃないかと思うほどに。


このプログラムはテレビ放送があります。
6月5日(金)AM10:00~ NHKBS2『N響演奏会』
6月7日(日)AM6:00~ NHKBSハイビジョン『N響演奏会』
6月7日(日)PM9:00~ NHK教育『N響アワー』

…6/7はうちの地元のお祭りのはずですが、私はN響祭りだな…


↓ムストネンのCDで一番好きなヤツ。
ムストネンの指揮と弾き振りが聴けます。
Sibelius/Hindemith
シベリウス/交響曲第3番、ヒンデミット/4つの気質
  • 指揮・ピアノ:オリ・ムストネン/ヘルシンキ祝祭管弦楽団
  • Ondine
  • 発売日: 2006/08/07

posted with Socialtunes at 2009/05/11