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旅日記9 4月2日 アンゲリッシュ@マリインスキーコンサートホール

2011-04-11 | ●コンサートに行きました
4月2日夜は、ニコラ・アンゲリッシュのリサイタルを聴きに
マリインスキーコンサートホールへ行きました。

プログラム
バッハ=ブゾーニ/来たれ、異教徒の救い主よ
バッハ/イギリス組曲第2番
ショパン/ノクターンop.15-1、48-1、op.55-2、エチュードop.25-1、10-10、10-11、10-12
シューマン/クライスレリアーナ
アンコール
1曲目は不明
ラヴェル/ソナチネ第2楽章
(プログラムは一部記憶に頼っているので違っていたらすみません)


この方もなかなかソロで日本に来てくださらないピアニストの1人。
クルクルのついでとはいえ、
この旅行で聴けるのをとっても楽しみにしておりました。




・・・私は非常にこころの狭い人間なので、
コンサートを聴いていても、「あ、これはダメだ」と思うとすぐ
こころの扉を閉めてしまうクセがあります。
1曲目は良かったのよ、深ーく心に染み入るバッハで。
続くイギリス組曲で閉まっちゃったのよね、バターンって(^_^;)
あれーーー?

どうもフォルテがツボに来ない。ピアニシモは極上なんだけどなぁ。
エオリアンハープなんかは本当やさしいピアニシモで綺麗だった。
だけど、それ以上に、何かが決定的に足りない。
なんだか、なんでだかわかんないんだけど、つまらない。
ので、後半クライスレリアーナはほとんど寝てました・・・すいません。

繰り返しますが、ピアニシモは本当に
繊細な透かし彫りが入った陶器のようで、しかも包容力のある暖かな音で
涙が出るほど綺麗なんです。
アンコールのラヴェルも本当ステキだった。
でも、この人に『革命』は弾かないで欲しかったとか思ってしまった…。
おかしいなぁ…。
私にとって、この人の何がダメだったんだろう…。


あと、このホールは響きすぎるのか、
私が座った席は2階右のバルコニー?席(サントリーホールで言うRBブロック的な)の最前列で
ピアノの音はダイレクトに聞こえるはず…だったんですが、
低音の方がかなりぼわぼわしてました。
ノクターン15-1の中間部なんかはぼわぼわでタイヘンなことになっていた(^_^;)
そういう、客席にどう聞こえるかっていうこともあまり考えてないっぽい演奏だったような…ペダリングとか…。
それともそう聞こえるのはこの席だけなのかなー?


うん、きっとあれだ、アンゲリッシュさん、
サンクトペテルブルクの水にあたってお腹壊してたんだ(←殴)。



帰りに通りすがったマリインスキー劇場。ライトアップされてます。


音楽院もささやかにライトアップ。




コジュヒン@浜離宮朝日ホール

2011-02-26 | ●コンサートに行きました
昨晩、デニス・コジュヒンのリサイタルを聴きに
浜離宮朝日ホールへ行きました。

プログラム
ハイドン/ピアノソナタ 第59番Hob XVI-49
ブラームス/ピアノソナタ 第1番
リスト/ 超絶技巧練習曲 S. 139 より 第1、2、3、7、10、11、4番
アンコール
リゲティ/悪魔の階段
ラフマニノフ/前奏曲op.23-2
バッハ(ジロティ編曲)/平均律1巻10番プレリュードロ短調
ショパン/前奏曲第15番


肩くらいまでの金髪をひとつに束ねたコジュヒンさん。
ひと昔前のポゴレリチみたいだな…。
背高くて体つきもがっちりしてるのに、
顔が小さくてまだあどけなさが残ってて初々しさもあるので
顔だけ見ると女の子みたいです♪

明るめで、暖かめで、でも透明感のある音。
いいですね。ハイドンの曲とよく合ってた。
ロシアで生まれ育った割には(笑)素直でクセがないかんじ。
この子、素直で明るくてすっごくイイコなんだと思うなー。
丁寧で慎重な表現。楽譜とピアノに誠実に向かって練習している姿が目に浮かぶようです。
そういった意味じゃ、アンスネスを初めて聴いたときと感覚が似てた。
この人ピアノが大好きなんだなぁって、嬉しくなる。

ブラームスを聴きながら、悪くないんだけどちょっと音量が物足りないかもと思っていたら、
後半のリストでどどーんと来ましたよ。
それでも明るい透明感を失わないフォルテ。ああー、いいですなー!!
これは音だけでおなかいっぱいしあわせになれる系だ。
技術ひけらかしがなくて丁寧なぶん、
『超絶技巧』なスピード感はないんだけど、
重く感じなかったのはこの音色のせいかも。
後半はあまり深いことを考えずにコジュヒンの音色を楽しみました。

一方でアンコールのリゲティみたいなぞわぞわ暗い世界も良かったし、
(聴いてて顔がニヤけてしまったよ…プロコフィエフとか聴いてみたいなー!)
かと思うと雨だれ。静かな静かな雨の日。この雨だれも良かったなー・・・。

しかし24歳。まだ24歳。
20代後半から30代にかけて大化けするような気もする。
どんなピアニストになるんだろうねぇ。


このコンサートはプログラムがちょっと苦手系だったので
行くかどうしようかギリギリまで迷ったんですけど
行って良かったですほんとに。
やっぱり自分で聴いてみないとわかんないもんね。





エフゲニー・スドビン@さいたま芸術劇場

2011-01-22 | ●コンサートに行きました
今日はショパコンガラ@オーチャードホール・・・
・・・へ行かれた方が多いのでしょうが、
私はひねくれ者なので(というか、クルティシェフがいないんじゃつまんないし)、
エフゲニー・スドビンのコンサートを聴きにさいたま芸術劇場へ行きました。


プログラム
スカルラッティ/ソナタK.466、K.455、K.27
ショスタコーヴィチ/24の前奏曲より第2、6、17、24番
ショパン/バラード第3、4番
リスト/超絶技巧練習曲集より第11番『夕べの調べ』
ラヴェル/夜のガスパール
アンコール
ラフマニノフ/プレリュードop.23-5
ラフマニノフ(スドビン編)/春の洪水


・・・一応警報出しておきますね。
スドビンファンの方は読まないでください(^_^;)。





すらりとした長身、大きな目が顔の他のパーツともバランスが取れているスドビンさん(←誰と比べているのかw)、
かなりのイケメンです。
体にフィットしたジャケットもオシャレさんな感じ。

最初のスカルラッティ、ト音記号の楽譜で書けるあたりの音域をきれいに鳴らして
ペダルもふんだんに使ってにロマンチックに歌います。
・・・小声→それってスカルラッティとしては反則なんじゃないの?・・・
きれいだけど、スカルラッティの「太陽はこんなに輝いているのに何故だかほんのちょっと寂しい」って感じがしない・・・。
続くショスタコーヴィチもきれいなんだけど、こっちは逆にもうちょっととんがっててもいいかなぁ・・・
(私の場合この曲のデフォルトはムストネンだから何か間違ってるかもしれない(-_-;))
ショパン。このあたりから調子が出てきたのか大きな音が鳴り始める。
バラード3番、出だしのミーファソラシドーの後の和音をだららら~ん♪ってアルペジオで弾いちゃった。
キザっちい。ちょっと笑っちゃった。
どうせやるんだったらそのままやりとおしちゃえば良かったのに、
なんかフォルテの部分だけゴツゴツと弾くのでどうも曲としてまとまってない感じ・・・。
この曲には大好きなポイントがいくつもあるんだけど
そのポイントをどう弾いたのか全然思い出せないぞ。
バラード4番が一番良かったかなぁ、後半、分厚い音で豊かに歌ってた。
主題がメトロノームのように機械的だったのが残念なところ。
このバラ4の前半を聴いてて、この人は静かなところを聴かせるのがあまり上手くないっぽいと思ったんだけど
(長い音符の拍や休符をちゃんと読んでない感じ)
予想通り『夕べの調べ』と夜のガスパールの『絞首台』は・・・意識が遠のいちゃった(-_-;)。
超絶の中でなんでよりによって11番を選んじゃったんだろうな?
(プログラムについてのご本人のコメントによれば、
「ショパンの極めて表現的な響きの世界と『夜のガスパール』の幻覚世界とをつないでいるのです」とのこと:チラシより引用)
オクターブのの連打が好きなのかなという気がする。
そうするとアンコールの選曲も納得がいったり(笑)。そういやバラ3のゴツゴツもオクターブで動くところだった。


聴きながら、去年のショパンコンクールに出ていたアメリカ人の某ピアニストを思い出してしまった。
彼を聴いたときほどの拒絶反応は出なかったけど。
私は、ピアノのコンサートにこういうのは求めてないな、と思いました。
もっと曲に対する愛、ピアノに対する愛、作曲家に対する敬虔な気持ち、とかが感じられるのがいいな。
イケメンならいいというものではないですな。乙女心は鋼の花なんでございまス。





アリス・紗良・オット@東京オペラシティ

2011-01-13 | ●コンサートに行きました
昨晩、アリス・紗良・オットのリサイタルを聴きに
東京オペラシティへ行きました。
ジャパンアーツの間近割引でお手頃価格になってたのと
お手並み拝見しに行くにはいいカンジのプログラムと思ったので…。

プログラム
メンデルスゾーン/厳格な変奏曲
ベートーヴェン/ピアノソナタ第21番『ワルトシュタイン』
ショパン/ワルツ第2、3、4、6、7番、スケルツォ第2番
アンコール
ショパン/ノクターン第20番
リスト/ラ・カンパネラ
ベートーヴェン/エリーゼのために


シンプルな、真っ赤なドレスをお召しのアリスさん、
写真に違わずなんて美人さんなんでしょう~!
お客さんにむかってニコッと笑うと大輪の花が咲いたようです。

ま、それはさておき、
思っていたよりずっと面白いコンサートでした。
↑「思っていたより」っていうのは失礼な言い様なんですけど
考えは改めたので許してくだサイ。

華やかな外見とは違い、
リリカルだったりキラキラだったりしないし、轟音でビックリさせるでもないアリスさん。
ものすごく上手いかというとそうでもない気がするし。
(ツアーの真っ最中ですのでね、お疲れもあるかもです)
白くて細い指を思わず妄想してしまうくらい細い音で、
それなりに大きな音を出せるくせにあまりそういう音を使う気がないようで、
ピアノのフォルテシモ音に萌える私としてはその点を物足りなく思っていいはずなのに
内声を出すのが上手でポリフォニックに聴こえるというところで確実にツボを突かれる感じがしました。
前半、ワルトシュタインの第2楽章が良かったな。
ベートーヴェンという大きな懐の中で遊んでいる女の子。
温かい色使いで描かれた絵のような。

問題は後半です(笑)。
ワルツ2番、序奏はウィンナワルツ!って感じで期待が大きくふくらんだんですけど
彼女の弾いたこのワルツのリズムは~~、ちょっと私には、つかみきれなかったです。
後のワルツも、ショパン独特の跳ねるようなリズムのところに来るとね、ちょっとついていけなかった。
ただ、なんかちょっと懐かしい感じもし、
私が彼女の弾くワルツが受け入れられなかったのは単に解読コードを間違えたからという気がする(-_-;)
スケルツォは前半で聴けたような内声が聴こえたりしてイイなと思ったし、
中間部の暖かいメロディのところはやっぱり良かった。
(もっと歳を取ったらもっと良くなるんじゃないかという予感)
ワルツとスケルツォ1曲だけじゃなく、もっと色々なものを聴きたかったな。
バラードとかソナタとか、エチュードとか。
そしたら正しい解読コードを見つけられたかもなのに。

アンコールのカンパネラが一番良かったかも。
急緩の付け方が独特で、ちょっと違う世界に連れて行かれました。
リスト様降臨!!って感じもしました。
あの雰囲気がアンコール(=所詮オマケ)ではなくプログラムのトリとかだったら
私の中のアリス・紗良・オットというピアニストの存在感はもっと大きかったかも。

あ!あと、噂には聞いてたんですけど
アリスさん、裸足でステージに出てこられ、裸足でペダルを踏んでおられました。
で、ペダルを踏む音がうるさいなぁと思ったら
ペダルの音じゃなくて、かかとの音でした。
彼女はペダルを踏むときにかかとを上げるので、それを落とすときにドスンと音がするという。
あのペダルの踏み方ではそりゃヒールは履けないわー。
あのかかとの音ってホールのどこまで響いてたんだろう、
私はかなり前の方で聴いてたので、
スケルツォのクライマックスではかなりドスドスとうるさかったです(^_^;)。
…ドレスの裾から見え隠れするつま先が可愛かったりしたんですけどね(笑)。


リストが良いのかなーと思ったので
超絶のCDを買ってクルティシェフのと聴き比べたいという衝動に駆られたけど
びんぼうなので保留。
ああー、でもー、うずうずうずうず・・・・・・。




神尾真由子&クルティシェフ デュオ・リサイタル

2010-11-07 | ●コンサートに行きました
神尾真由子&ミロスラフ・クルティシェフのデュオリサイタルに行きました。
10月31日に横浜みなとみらい公演にも行ったんですが、席があまり良くなくて
ピアノの音が聴こえなくて欲求不満だったので
いい席が残っている公演を探して昨日、福島に行きました。
福島を選んだのには横浜のプログラムをもう一度聴いておきたかったというのもある…。

プログラム(横浜・福島ともに)
サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ
チャイコフスキー/ワルツ・スケルツォ、憂うつなセレナード
ワックスマン/カルメン幻想曲
R.シュトラウス/ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op.18
横浜公演のアンコール
クライスラー/愛のよろこび
エルガー/愛のあいさつ
福島公演のアンコール
エルガー/愛のあいさつ
チャイコフスキー/なつかしい土地の思い出よりスケルツォ


聴く前は私、神尾さんのヴァイオリンが怖くて仕方なかったんですけど、
(スミマセン、ヴァイオリンの音に対しては他のヴァイオリニストによるトラウマがあるんです(-_-;))
神尾さんはクルティシェフの音を本当によく聴いているし、
何よりも彼女の音が全体に綺麗でまろやかで、怖がるようなものではないということがわかったので
横浜ではビクビクして聴いてましたが(^_^;)、福島では神尾さんにまかせるような感じで聴くことができました。
どちらかというと神尾さんがクルティシェフに合わせているような気がする。
…「合わせている」って言うとちょっと違うな、影響を受けているというか、学ぼうとしているというか。
「ピアノがそう来るなら自分はこうしよう」というような。
伴奏が違う人だったらもしかしたら神尾さんは豹変するのかもしれない(笑)。

横浜で、特に前半ピアノの音が全然聴こえないとかクルティシェフが神尾さんに押されてるとか思ったんですが
福島で同じプログラムをあらためて聴いてみたら
前半は本来オーケストラである伴奏をピアノに置き換えた曲ばかりで
どうしてもピアノは控えめに聴こえるんだとわかりました。
神尾さんに押されていると思ったのは、
『カルメン幻想曲』でテンポアップするときに、横浜ではちょっとだけ神尾さんの様子をうかがったばっかりに置いていかれた(笑)だけだったらしい。
(ところでこの曲、最後にヴァイオリンの速弾きを弾ききった神尾さんがぱっと弓を上げてから
すぐにクルティシェフが立ち上がるまでの動作が音楽の一部のようでカッコよかった)

後半のシュトラウスは伴奏が最初からピアノのために書かれているので
第1楽章、ピアノは全然遠慮がなくてむしろ神尾さんのヴァイオリンが聴こえないくらいだった(私はそれでもいいけどさー。笑)。
第2楽章は、クルティシェフがそれはそれは綺麗なきらきらの音(ショパンコンクールで聴いたまさにあの音だった)で弾いたんですが
それに応える神尾さんの音が、聴こえるか聴こえないかくらいの繊細なピアニシモで、
クルティシェフの音を引き立てようとしているように思いました。
あのピアノの音がなければ、神尾さんのあのピアニシモも出てこなかったのではないか、
と言ったら言い過ぎですかねぇ…。
あの第2楽章は本当に綺麗だった…ずっとこの楽章だけ延々と聴いていたいと思いました。

アンコールは、横浜公演では『愛』のつく有名な2曲。
この2人のイメージにあまりにも合わない選曲に呆然(愕然とも言う)としているうちに終わっちゃって全然覚えてません(←殴)。
昨日福島でもう一度『愛のあいさつ』を聴いたらとても素敵でした。しつれーしました。イメージとか先入観って怖いわねー。
クルティシェフは、とろんとろんとしたピアノの音を愛おしむように弾いてました。
チャイコフスキーのスケルツォは、ヴァイオリンとピアノのやり取りが面白くて、
こういうのがもっとプログラムに入ってても良かったんじゃないかと思いました。
でもこういう曲ってその場ではワーッと盛り上がるけど、
意外と後に残らないかもしれない…アンコールで正解なのかも…。


正直、全体に緊張感を保ったままじっくり聴かせるということについては2人とも
まだまだまだまだまだ………と思ってしまいましたが、
(途中ちょっと飽きることもあったもんで(^_^;))
こってり聴かせるものがない代わりに、爽やかだった、と言ってもいいのかもしれない。
「知り合ったばかりでまだお互いにいいなと思ってるだけの男の子と女の子♪」みたいな感じがありましたですね(演奏が、ですよ)。
シュトラウスの第3楽章なんかはもっとラブラブでもいいかなという気もしましたが、
この2人の演奏は爽やかで、清らかだったような気もして、それも貴重なのかもしれません。
(多分、30歳過ぎたらこうはならない)







以下、演奏とは関係のない話。

●福島で私が取った席は前方右端。
はじっこだったけど、そんなに大きなホールではないので
譜面台のかげからピアニストくんの顔がよく見えました。
ただでさえぐりんぐりんの目が、楽譜を追いかけてると眉間にシワが寄って超コワい。
それを見ていたらルー大柴にも似てるかもとか思ってしまった。
でもまだクマも連れてないし、元気だと思う。
…気のせいかもしれないけど、神尾さんも時々、目を見開いてぐりんとしていた。ような気がする。
ずっと一緒にツアーしてたらウツるよね…。

●福島の譜めくりさん…
時々めくるのが早すぎて(あるいは2ページめくったか)、クルティシェフが戻したり自分でめくったりしてて
見ていてハラハラしてしまった。

●横浜でも福島でもはじっこの席だったので
2人が舞台袖から出てくるところがよく見えた。
神尾さんが毎回必ず立ち止まってクルティシェフが「どうぞ」って手を出してから舞台に出てきていた。
なんかそれが可愛かった。

●横浜ではサイン会がありました。
神尾さんはステージ衣装のまま出てこられたせいもあって
オリゲルドの仮面を取ったばかりの姫川亜弓のような風情だったけど
グレーのトレーナーに着替えたもしゃもしゃ頭のクルティシェフは
舞台を降りた北島マヤ(-_-;)いやもう、なんか本当に普通の男の子で、可愛くて。
つい数日前まで、あのワルシャワの大舞台で、あの軽やかで夢見るようなショパンを弾いていた人であり、
いったいいつ練習していたのかその直後のこの日のヴァイオリンの伴奏をやってのけた人なのかと思うと
なんか信じられないような、不思議な感じがしました。
ショパンコンクールの最後は本当に疲れていたようだったので
日本には来ないんじゃないかと悶々としてましたが
来てくれてよかった。ありがとう。

●予定外の出費がかさんだので、
今月ヤンソンスのおじさまに会うことはかなわなくなりました(T_T)(T_T)(T_T)(T_T)(T_T)
ま、もともとチケット取れなくて当日券狙いだったので
取れなかったものとしてあきらめることにする。



神尾さん&クルティシェフは今日もう一回サントリーホール公演にも行ってきます。


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いつかまた行くことがあるかもしれないのでメモ。
福島市音楽堂は、福島駅からバスで10分程度、日赤前下車徒歩3分。
行きのバスの本数が1時間に1本あるかないかという少なさなので要注意。
乗り遅れたらさっさとタクシーに乗るべし。
小さな山のふもとにあるホールで、山からのきれいな空気も感じられるところで
なかなか良かったです。
音響は、笑えるほどの風呂場音響(笑)。私が今まで行ったことのあるホールで最強かもしれない。ここは銭湯か!ってくらい。
後ろの方に行ったら音がモワモワしてそう。
それと、チケットは公演4日前までは代引きで郵送してくれるそうですが、
それを過ぎて当日引渡しになると「当日券扱い」になるそうで、
今回の場合1,000円増しになりました(ビックリ)。



tag:Miroslav Kultyshev-Мирослав Култышев





ブレハッチ@サントリーホール

2010-10-13 | ●コンサートに行きました
ショパンコンクールにかまけているうちに1週間経ってしまった。
(連日連夜、mixiで半ばチャット状態でおります(^_^;))
先週6日、ブレハッチのコンサートを聴きにサントリーホールに行きました。

プログラム
ショパン/ポロネーズop.26、マズルカop.41、バラード第1番、ピアノ協奏曲第2番*
ピアノ:ラファウ・ブレハッチ
*大友直人指揮東京交響楽団
アンコール
ショパン/猫のワルツ、マズルカop.50-2、ノクターン第20番


前半リサイタル、後半コンチェルトというゴージャスな構成。
ブレハッチの音楽と人柄を満喫できました。
なんかねー、魔法にかけられたみたいだった。
音ひとつひとつに小さな魔法がかけてあって
それが最後になっていっせいに花開いて
白い小さな花があたり一面満開でなんてきれいなんでしょうって感じで
とってもとっても幸せな気持ちになりました。
それがどんな魔法だったのか、ブレハッチの何が凄かったのかは私にはよくわからないんですけど
音がひとつひとつ、浮かんでは消えていく時間がそれぞれ本当に美しくて
今ここにいて、この美しい音を聴けて幸せだなーって、一瞬一瞬思いながら聴いてました。

後半のコンチェルト、大友さんの意図もあるのかもしれませんが
ブレハッチはかなりオーケストラのメンバーとアイコンタクトを取りながら弾いてました。
こんなふうにきちんとコミュニケーションを取りながら演奏されるコンチェルトって
あまり見た記憶ないです。
とても暖かな気持ちになったし、
「こういう音楽にしたいんだな」っていうのが見ていてもよくわかりました。
オーケストラもとても丁寧に演奏している印象でした。
これも魔法のひとつだったかも。


アンコールのにゃんこのワルツは、お客さんをワルツに誘い入れるような、
上品で素敵で、楽しいワルツ。
(リパッティを超える人がついに…!!)
最後のノクターンは20番。
2番コンチェルトのフレーズがところどころに出てくるこの曲を最後に聴くと、
さっきまでの美しい音楽を思い返しているようでした。


ところでブレハッチくんはアンコールのたびに
コンマスさんに「弾いていい?」と言うように振り返ってました。
(前もこんな光景見たな…)
コンマスさんも優しい笑顔を浮かべて答えていました。
時々、ブレハッチの手元をのぞきこんでおられました。


そしてこの日はぺりーとさん@The Moon Says Helloと初めてお会いしました。
2人のニクいアンちくしょうの話とか、この時期来日中だったポーランドの有名人3人についてとか
色々、本当に色々楽しくお話しさせていただきました。
とても素晴らしいお土産までいただいてしまいました。ありがとうございました。
例によってアホアホミーハートークを繰り広げてしまったので見捨てられないか不安です。
薔薇王子の話をし忘れたのが心残りなので
是非!!またお話ししましょう!!


終演後、そのぺりーとさんに、ブレハッチのピアノを初めて聴いたのがちょうど5年前だったという話をしたら
「そのときと比べて今日はどうでした?」と聞かれて、
なんだか悲しくなってしまいました。
なんか、あの時と比べて、なんて遠いところに行っちゃったんだろうなぁ…と。





ツィメルマン@横浜みなとみらい

2010-06-13 | ●コンサートに行きました
先週の金曜日の11日、
クリスチャン・ツィメルマンのコンサートを聴きに
横浜みなとみらいホールへ行きました。

プログラム
ショパン/ノクターンop.15-2、ピアノソナタ第2番、スケルツォ第2番、バラード第4番、ピアノソナタ第3番

ツィメルマンのオールショパンですよ。
なんか今年はニャンコもシャクシもみんなショパンショパンなので感覚が麻痺してますが
よくよく考えるとタイヘンなことです『ツィメルマンのオールショパンプログラム』。
ツィメルマンのオールショパンですよ?(←何度も言うな)

そのオールショパンプログラムをツィメルマンは
コンサートを全体から見据えて高い完成度でまとめようとは、
していないように思いました。
それよりは、ショパンをむき出しにしようむき出しにしようとして
そのためには多少破綻してもかまわない、というような…
逆かな?むき出しにしようとすると破綻せざるを得ない、のかな?
音が抜けたりひやっとする場面がちょこちょこありましたが
それが『ツィメルマンのショパンの一部』という感じがしたのが不思議。

ソナタ2番では、腰抜けました。
ぞっとするとか鳥肌が立つとかより、腰に来ました(笑)。
ソナタ3番第1楽章の第2主題(で、いいんでしたっけ?ファーーソファミレーのところ)、左手がキレイだったです。
左手がキレイというよりは、右手との絡ませかたがキレイだったです。エロ一歩手前(←殴)。
でも3番よりは、2番の方がツィメルマンには合ってるような…
ツィメルマンの弾くソナタは、私は2番の方が好きだなぁと思いました。

プログラムは最初の予定から
ソナタ3番とバラード4番の順番が変更されてバラード4番が先になりました。
そのせいかバラード4番はソナタ3番のために余力を残した弾き方かなぁとは思いましたが
やっぱり…キレイですね…(涙)。
キレイというか、私はこの人の弾くバラード4番の
コーダ前あたりが大好きなんですが
このコンサートの演奏はCDで聴き慣れた演奏とは全然違ったのに
やっぱり胸にこみあげてくるものがありました。


ああ~、去年のリサイタルがあまりにもわからなかったんで
私はツィメルマンの音楽が理解できなくなっちゃったんだろうか、
私の耳がおかしくなっちゃったんだろうかと思ったけど
ショパンを弾いてくれたらすんなりわかりました。
去年はやっぱあれだな、ベー様とバッハがいけなかったんだな(←バチ当たり発言)。
ツィメ様のところに戻って来れて良かったよぅ~。




アンスネス&ノルウェー室内管弦楽団

2010-03-27 | ●コンサートに行きました
風邪を引いてしまったので感想書くのが遅くなってしまいました。
アンスネス&ノルウェー室内管弦楽団のコンサートを聴きに
3/21東京オペラシティホールと3/22トッパンホールに行きました。
…まとめて感想書くヤツ。


プログラム
3/21東京オペラシティ公演
モーツァルト/交響曲第35番『ハフナー』、ピアノ協奏曲第23番(※)
グリーグ/ホルベルク組曲 (ホルベアの時代より)
モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番(※)
アンコール
モーツァルト/ピアノ協奏曲第14番第3楽章(※)
ショパン/ワルツ第7番(※)

3/22トッパンホール公演
ニールセン/小組曲op.1
モーツァルト/ピアノ協奏曲第14番(※)
プロコフィエフ/交響曲第1番
モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番(※)
アンコール
ショパン/ワルツ第5番(※)
ノルウェー室内管弦楽団
(※)指揮・ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス



ノルウェー室内管弦楽団はすごく小規模なオケで、指揮者はいません。
指揮者がわりに全体をまとめるのはヴァイオリンのイザベル・ファン・クーレン。
今回、アンスネスのピアノももちろん楽しみでしたが
このオケを聴けるのもすごく楽しみでした。
なんかね、みなさんニッコニコでした。
アイコンタクトしてはニコ、アイコンタクトしてはニコ。
でもそれは、楽しそうに演奏しているというよりも
指揮者のいないオーケストラの中での
お互いの音を「聴いてます?」「聴いてますよ」という合図であって
オーケストラの一員としてのプロフェッショナル精神に基づくものという感じがしました。
実際プロフェッショナルな演奏だったです。
オケの中の誰の音を聴いていても聴き惚れるくらい
一人一人が音楽家として自立していて
なおかつオーケストラとして一体になっているという。
上下関係もあまりなさそう。
(個人的ツボリストは
ホルベルク組曲で凄かったヴィオラのお嬢さん(かわゆい)と
コントラバス首席さん(しゅてき)でした)

このオケ単独の演奏も良かったですが
アンスネスが弾き振りとして入ったコンチェルトでは
拠り所を得たという感じでいっそう生き生きしているように見えました。
オペラシティ公演の23番の第1~2楽章では
ピアノとオケの歯車がいまいち合ってないかな?と思うところもあったんですが
第3楽章に入って歯車がガツッとはまったと思ったらすごく楽しくなった。
アンスネスとこのオケって音楽の方向がよく似ていると思うのですよ。
ヘンな癖がなくて、聴衆に何かを無理に押し付けてこない。
ただまっすぐな音色で歌っている。
んで、オケ内ではお互いの音をよく聴いてらっしゃる皆さん、
ピアノのカデンツァになるとアンスネスをガン見(笑)。
ヴァイオリンの後ろのほうにいらした方も、
斜めになってまで見てました。

トッパンホールのアンコールはアンスネスのソロでショパンのワルツ5番。
ワルシャワで聴いた時に、アンスネスってば盛り上げ上手だなぁと思った曲だったので
どう盛り上げているのかじっくり観察。
ほうほう、そこでブレーキ、そこでアクセル。
やわらかい音色で弾いてるのにダーンと盛り上がる。やっぱりうまいなぁ~~~!!
で、終わった瞬間大歓声が上がりました。オケから(笑)。
間違いありません、あの人たちアンスネスが大好きです。


…ただね、ただね、ただね、
ファンって本当貪欲っつーか贅沢っつーか
コンサートの後、
もうちょっとアンスネスのピアノをたくさん聴きたかったなーとか思ってしまった…。
それはリサイタルも聴きたかったとか、そういうことじゃなくってですね、
もっと長時間ひたれる時間がほしかったというか、
カデンツァが3倍くらいあったら良かったのにというか…(←なんじゃそりゃ)。
ま、今回はアンスネスっていうより
ノルウェー室内管弦楽団(ソリストアンスネス)を聴いたということで
満足することにする。

あ、ちなみに24番のカデンツァ、
重量級だなー、自作かなー、っつか自作しそー、とか言っていたら
ブゾーニ版だそうです(ジャパンアーツのブログより)。
個人的にはブゾーニ版にさらに手を加えてそーとも思いますが(←それはあくまで私の想像。ブゾーニ版がどんなだかわたくし知らないので)。


黒が基調の服を着たオケの皆さん、
女性はどこかにちょこっと赤いものを身につけているのが可愛かったです。
髪飾りとか、ネックレスとか、ジャケットの下から少し見えるカットソーとか、靴とか。


このオケはあまり大きいホールは向かないのかな。
オペラシティでは、反響版取り外されたピアノの音は真上に抜け、弦楽器の音は左右に散り、管楽器の音だけが正面から聴こえてくるという感じでした。
ま、私がミーハーでやたら前の方の席を取ってしまうのもいけないんですけど。
トッパンホールの方がコンパクトにまとまってきれいに聴こえて
これがこのオケ本来の音かなという気がしました。



2009年行ったコンサート

2009-12-31 | ●コンサートに行きました
今年行ったコンサート。
●2月9日 ブレハッチ&ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団@サントリーホール
●2月11日 上原彩子@サントリーホール
●2月12日 ブレハッチ@狛江エコルマホール
●2月14日 ブレハッチ@東京オペラシティ
●2月18日 ブレハッチ@東京文化会館
●2月19日 ブレハッチ@横浜みなとみらいホール
●4月23日 キーシン@サントリーホール
●5月10日 ムストネン指揮N響
●5月14日 ツィメルマン@武蔵野文化会館
●5月18日 ツィメルマン@サントリーホール
●5月29日 アンデルシェフスキ&アルミンク指揮新日本フィル@すみだトリフォニーホール
●6月6日 アンデルシェフスキ@サントリーホール
●7月8日 ガヴリリュク@東京オペラシティ
●10月23日 田村響&ラザレフ指揮日本フィル@サントリーホール
●12月2日 ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団@サントリーホール
●12月8日 『イワンと仔馬(バレエ)』@東京文化会館
●12月17日 ルガンスキー&デュトワ指揮N響@サントリーホール
●12月20日 フルシャ指揮新日本フィル@サントリーホール

ベスト3はなんじゃろなと考えるも
今年最初の春風のような記憶と、今月のどろんどろんの記憶を比べるのは
無理がございまス~。
『イワンと仔馬』には
これがバレエっちゅうもんや~というのを教えてもらったような気がします。
これを機にバレエにはまってしまわないよう気をつけます(ぇ)。


そういや昨日『THIS IS IT』を観ました。
きれいな声の人だったんだな。こんなにきれいな声だったっけ。
このコンサートの完成形は、もうどんなことをしても観ることは出来ないんですね。
と思うと同時に
こんなことになって、この映像が公開されなかったら
彼のステージがどんなに素晴らしいものであるかということには
多分一生関心を持たなかっただろうとも思います。
大きな画面と大音響で観たので、コンサート疑似体験できました。
今年最後のコンサートはコレでした。ってことで。



それでは皆様、よいお年を。





新日本フィル第九特別演奏会@サントリーホール

2009-12-23 | ●コンサートに行きました
20日の日曜日、新日本フィルハーモニー交響楽団の特別演奏会を聴きに
サントリーホールへ行きました。

プログラム
ドヴォルザーク/テ・デウム
ベートーヴェン/交響曲第9番
ソプラノ:天羽明恵
アルト:小山由美
テノール:永田峰雄
バス&バリトン:石野繁生
合唱:栗友会合唱団
ヤクブ・フルシャ指揮新日本フィルハーモニー交響楽団


P席中央で聴いて(見て?)きました。
やー・・・、幸せでした。
いくら指揮がフルシャさんでも
大大大の苦手のベー様第九(お好きな方スミマセン…私がおかしいんです(-_-;)、
退屈しちゃうんじゃないかとか寝ちゃうんじゃないかとか思ってましたが
そんな心配無用でした。とっても楽しくて幸せでした。


ドヴォルザークの『テ・デウム』は、神を賛美する祝祭ムードの強い曲。
ファンファーレっぽくハデハデにすることもできる曲なんでしょうけど
フルシャが指揮すると、弦は秋の空のように美しく透き通り、管は優しく暖かいので
どこか懐かしいような気分になる。
それがドヴォルザークの曲にぴったりはまるのね。

フルシャの指揮は多分
(私オーケストラのことはよくわかりませんけども)
特に個性的だったり、強く印象に残ったりすることはないと思います。
ただし細かいところにすごく丁寧だと思う。
こだわるところは厳しくこだわって音作りしてるんじゃないのかな。
小さなところが全部きちんと組上がっている。
第九の第2楽章は真骨頂と思いました。
有名な第4楽章はともかく第1~3楽章が聴けるかが心配だったんですが
楽しく聴けてしまった。

今回でフルシャの指揮を聴くのは3回目なんですけど、
この人は、私の中の足りない何かを静かに満たしてくれる人だと思いました。
(そういった意味じゃアンスネスと似ています)
そんなことをぼんやり考えて幸せな気持ちになったころに『歓喜の歌』にさしかかりました。
きっちり組み上げられた上に重なる第4楽章。
P席で聴いてたので、合唱の真ん中にいるような感じで、
合唱の人たちの歌声が大迫力だったんですけど
無意味に圧倒されたり、感動を押しつけられるようなことは全然ありませんでした。
こみあげる自分の気持ちを代わりに歌ってくれてるような、暖かい歌に聞こえました。
第九ってこんな曲だったのかー…。

…今月はゲルギエフとかデュトワとか聴いてきて
それはそれでもちろんとっってもシアワセだったんですけど
曲がアレとかソレ(血みどろ春の祭典&民衆蹂躙1905年)だったじゃないですか(^_^;
こんな『歓喜の歌』で今年終われて良かったです~。



フルシャさんの第九、もういっかい聴きたいなと思って
他の公演を探しましたけど
オーチャードホールは絶対ヤだし、トリフォニーホールは1階席しか残ってなかったので
(トリフォニーホール1階には妙な傾斜があるので酔ってしまう私(-_-;)
あきらめました。
次はいつ来てくれるんだろー…と思っていたら
東京都交響楽団の来年12月定期にお名前発見。
しかもA定期のソリストは

にこらい・るがんすきー

曲は

ショパンの1番

ひゃあああ~~~!!

来年のショパン生誕200年記念の締めくくりは早くも決定しました。
B定期の方はドヴォスメタナマルチヌーヤナーチェクのオールチェコプログラム。
楽しみだなぁあ~~!!チケットは9月発売と。メモメモ。