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フルシャ指揮プラハフィルハーモニア管弦楽団@3月11日サントリーホール

2012-03-13 | ●コンサートに行きました
3月11日、ヤクブ・フルシャ指揮プラハフィルハーモニア管弦楽団のコンサートを聴きに
サントリーホールへ行きました。

プログラム
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」第2楽章
ドヴォルザーク/弦楽セレナード
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン:三浦文彰
バッハ/無伴奏パルティータ第2番からサラバンド
ドヴォルザーク/交響曲第8番
アンコール
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第1番


1曲目の新世界の第2楽章は
3月11日の公演にあたって一週間前になってプログラムに追加されることが発表になった曲で
その様子は一昨日のエントリーに書いたとおりです。
フルシャはいつも以上にシンプルに、なるべく悲しく聴こえないようにしてたような気がする。
祈りの前にふさわしい、気持ちを乱すことのない静かな演奏だったと思う。
それを受ける弦楽セレナードの第1楽章が、なぐさめるように優しく聴こえてしまった。
気のせいじゃないと思うな。
少なくとも、沈黙の後の余韻をこわしたくないと音楽家なら無意識に考えると思うし、
団員さんたちにもそういう思いはあったんじゃないかな。
優しい楽章に始まってだんだんと元気になる弦楽セレナードを経て、
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
ソリストの三浦さんが悪いわけじゃないんだけど、
コンチェルトだとオーケストラはどうしても『伴奏』なもんで
そういった意味で物足りない~コンチェルトいらん~交響曲がいい~とか思ってしまった・・・ごめんなさい。
や、でも、リズムがタイトなくせにやたら鳴りまくる伴奏に呼応するようなヴァイオリン、
あんな、オーケストラ含めてエネルギーのかたまりみたいな協奏曲は
考えてみたら滅多に聴けるもんじゃないないから、それも貴重か。
ドヴォルザークの8番、
新世界はモダンな感じだったけど、8番の方が生き生きしてるかも。
とにかくこのオーケストラはただ単に美しいだけでなく、生き生きしてる。生気に満ちてる。
アンコールのスラヴ舞曲を聴きながら
あーもうこの人たちとはお別れなんだなぁ~と思ったけど
悲しいというよりも、横浜公演を聴いてからこの一週間、本当に楽しかったー幸せだったーという
感謝の気持ちのほうが大きかったです。
最後は会場が明るくなって団員さんたちがはけても拍手が止まなくて、
フルシャが出てきてくれました。
ああ~次聴けるのは一体いつなのか。
フルシャさんは12月に聴けるけど。
プラハまで飛んで行っちゃいそうだよぅ~。

気が付けば3時間の長丁場でしたが
全然その長さを感じませんでした。
もっと聴きたいと思ったくらい・・・。



それにしても。
余韻にひたる今、フルシャ×プラハフィルハーモニアのCDに
交響曲がないのがなんともつらい。
コンチェルトか、ドヴォルザークの細かい曲の組み合わせのCDばかりなんですよね・・・
もちろんそれはそれで大好きで、もう何百回も聴いてますけど
コンサートで交響曲を聴いてしまうとそんなCDではどうしても物足らない(泣)。
唯一の大曲が『わが祖国』だけど、あれも曲集みたいなものだし。





ところで、私が恋したコンマスくんは普段は次席みたいです。
横浜、大宮公演では首席にいたんですけど、
サントリーホールでは新世界第2楽章以外は次席で、
YouTubeにある動画を見てもほぼ次席にいます。
首席はお兄さんとの噂。
彼がコンマスのときとそうじゃないときとで、弦全体の音がちょっとだけ違ったような、気が、する。
・・・多分気のせいなんでしょうけど。私、脳にヴァイオリン回路ないしね(-_-;)、席のせいもあるかもだしね。
気のせいだな、きっと。




フルシャ指揮プラハフィルハーモニア@3月10日大宮ソニックシティ

2012-03-11 | ●コンサートに行きました
昨日の3月10日、
ヤクブ・フルシャ指揮プラハフィルハーモニア管弦楽団のコンサートを聴きに
今度は大宮ソニックシティに行きました。
本当はこの公演は行く予定にしてなかったんですけど
先週の横浜公演のあと思い直して急遽チケットを取りました(^_^;)

プログラム
モーツァルト/ドン・ジョヴァンニ序曲
ベートーヴェン/交響曲第6番 田園
ドヴォルザーク/交響曲第9番 新世界より
アンコール
ドヴォルザーク/スラブ舞曲第1番


この日もこのオーケストラの音を堪能しましたよ。
「この音の中にいられるだけで幸せ」って思えることは
本当に幸せなことですな。

モーツァルトは、このオケに合っていると思った。
天上の音で、快活で、思い切りが良くて怖いもの知らずみたいな。
思い切りがいいからあのリズム感なのか、
リズム感がいいから思い切りよく聞こえるのか・・・フルシャが引き出しているのかな。
ベートーヴェンはどうかな、と思ったけど、
生き生きとした田園だった。特に後半。
第三楽章では「ああーやっぱりこの人たちチェコのオーケストラだー」って
嬉しくなって顔が笑ってしまったよ。民族的な旋律がすごく自然。
自分たちが自然だということにさえ気が付いていないんじゃないかというくらい。
そして全部を自然に、目をつぶってても演奏できてしまいそうな新世界、
(フルシャさん暗譜だったしー)
横浜公演ではその「自然」のまま、淡々と演奏された印象だったけど、
この日の公演ではもっと細かいところまで丁寧に歌ってたような気がする。
今、新世界の旋律を思い浮かべると、
このオケの音が一緒によみがえってくる。
当分のあいだ他のオーケストラでは聴きたくない。
団員さんたちは、アイコンタクトを取って笑いあったりして(時々はフルシャとも)
楽しそうに演奏しておられました。

アンコールの前、舞台に出てきたフルシャが指を一本立てていたのは
今日は1曲だけね、って意味だったのか、
それともスラブ舞曲の1番ね、って意味だったかは不明w
速いテンポなのに細かいリズムがカチッ、カチッとはまってて
それが当たり前みたいなスラブ舞曲。
じっとしているのがつらかったー!
自分が赤ちゃんだったら手足ばたばたさせてたわー。


プラハフィルハーモニアのプロモーションビデオ→
途中からフルシャさんも出てきます。


ついでに若きコンマスくんのインタビュー。
http://www.youtube.com/watch?v=Z_wm1k6qcys

今度はチェコ語か(ぐったり)。
ポーランド語教室で同じクラスの方の中には
チェコ語やロシア語も出来るという人が多いですが
私にはその脳回路がどうなっているのかさっぱりわかりません(-_-;)





フルシャ指揮プラハフィルハーモニア管弦楽団@3月4日横浜みなとみらいホール

2012-03-09 | ●コンサートに行きました
こないだの日曜日の3月4日、
ヤクブ・フルシャ指揮プラハフィルハーモニア管弦楽団のコンサートを聴きに
横浜みなとみらいホールへ行きました。

プログラム
モーツァルト/ドン・ジョヴァンニ 序曲
モーツァルト/ホルン協奏曲第1番 ニ長調 K.412、ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447
ホルン:ラデク・バボラーク
狩りの音楽、アルプス・ファンタジー(ホルンのアンコール)
ドヴォルザーク/新世界より
アンコール
ドヴォルザーク/交響曲第8番より第2楽章、スラヴ舞曲第1番


フルシャさんが、自分が音楽監督を務める自国のオーケストラを連れて
来日してくれるということで、
この公演をとても楽しみにしておりました。

フルシャの指揮は明晰だということは知っていたし、
プラハフィルハーモニアの音はとても透明感があるということも
フルシャとのCDで聴いて知っていたんですけど、
実際その音に生で触れてみたら、
こんなにこんなに透き通った音のオーケストラなのかとビックリしてしまった。
始まるなりいきなり天国に連れて行かれました・・・。
オケに魅了されるあまり、バボラークのホルンはあまり聴いてなかったかも(^_^;)
ス、スミマセン・・・(や、全体のアンサンブルとして聴いてたってことなんですよ)

フルシャの指揮は、まず音楽の輪郭をはっきりさせてから
その上にちょっとだけチェコの香り付けをするだけという感じなので、
ドヴォルザークでもスラヴっぽいねちっこさはほとんどないです。
(前にフルシャが指揮したときの新日本フィルの新世界の方がチェコっぽかった気さえする)
それでも私のハートをわしづかみにするのは多分
リズム感と和声感と、
清涼な空気の中で高く遠い空を見上げるような、透き通った音なんだろうな・・・。

で、フルシャさん目当てで行ったのに
なぜかコンマスさんに恋して帰ってきましたw
私は(しつこいようですが)ヴァイオリンの音が苦手なので
脳にヴァイオリンの音を聴くための回路がなく、
オーケストラを聴くときもヴァイオリンの音は頭の中で抹消するという癖まで持っているもんで、
始まってしばらくの間、自分の胸のトキメキの正体がわかりませんでしたよ。
コンマスさんの音は、あの透明で明晰な音のオーケストラを
先頭に立って引っ張る音でした。
(席が前の方だったので、誰がどの音を出しているのか割とよくわかったのです)
ヴァイオリン弾く姿がすごくかっこよかった。
小さくリズムを取ってる足先も素敵だった。
・・・立ち上がるとフツーの、ちょっとさえないお兄さんって感じのかたなんですけどね・・・(^_^;)
(この動画でヴァイオリンを弾いているかたです→http://www.youtube.com/watch?v=WwiOyfIN9Ew ・・・多分・・・)



フルシャの指揮を初めて聴いてから4年半も経ったんだなぁ。
最初見たときはカワイイとか思ったものだけど、
31歳となられた今はもうすっかり『マエストロ』と呼ぶにふさわしい貫禄がついちゃって
もう「可愛い」なんて言えなくなっちゃったなー。
若い音楽家にとっての4年半がどれほど長く重く、充実したものであるか、
なーんてことを考えちゃうわ。
(ついでに自分のあまりにうすっぺらい4年半と引き比べて凹んでみたりする(-_-;))


そんなこんなで、みなとみらい公演からもう1週間近く経ってますが、
なんだかまだ天国から降りてこられません。
とりあえず次の公演を聴く準備として
フルシャ&プラハフィルハーモニアの『わが祖国』のCDを聴きながら
脳内にヴァイオリン用の回路を生成中。




アンスネス@東京オペラシティ

2011-09-24 | ●コンサートに行きました
22日、レイフ・オヴェ・アンスネスのリサイタルを聴きに
東京オペラシティへ行きました。
20日の王子ホール公演へも行ったんですが、
22日の方が印象が強いので(←自分の体調と比例してる気がする)
そちらを中心に書きます。

プログラム
ベートーヴェン/ピアノソナタ第21番『ワルトシュタイン』
ブラームス/4つのバラード
ショパン/バラード第3番、ワルツ第13、7、11、5番、ノクターン第17番、バラード第1番
アンコール
ショパン/プレリュードop.28-17
グリーグ/『春に寄す』、『ガンガル』


えと、ショパンのことしか書きません、と最初に断ってしまう。
だって、アンスネスの弾くショパンがあまりにも優しくて・・・。
今思い返しても胸がじんわりします。
あんなにも寄り添うように優しく穏やかなショパンって
今まで聴いた記憶ないです。

あれを聴いて物足りないと思う人も多分いると思います。
ショパンの激情とか、サロン的な華やかさとか、ポーランド的・スラヴ的な土臭さとかは
意図的に排除したんじゃないかっていうくらいなかったので。
ただもうひたすら、完全にコントロール下に置かれた、
アンスネスらしい質実な、慈愛に満ちた、暖かな暖かな音で紡がれるショパン。
スタインウェイなのにベーゼンドルファーみたいな音がする。
ワルツ13番とか5番とかの内声がまたいいんですね。
その内声が朗々と歌って自己主張することはない、ただそこにいるというだけの。
でもその内声でアンスネスがどんなふうにショパンの音楽をおいかけたのかがわかる。
アンスネスの音楽に対していつも『真摯』とか『誠実』とかいう言葉を使いたくなるのはそこなんだな。
ノクターン17番を聴きながら、あまりの優しい音と誠実な音楽に
聴いててちょっと涙が出ちゃったんですけど
思い出しながらこれを書いていたら涙が止まらなくなってきてしまった(T_T)
「人間の体で一番暖めなきゃいけないところはなかなか温まらない」らしいですが
お風呂に入っても暖かいものを食べても温まらないところが
こういう音楽で暖められることもあるんですね。

実を言えば今まで私、アンスネスの弾くショパンがあまり好きじゃなかったんです。
ピアノソナタのCDが出てますけどあまり聴いてないし、
去年ワルシャワで聴いたショパンもちっともいいと思わなかったし(←オイ)
オペラシティのプログラムを知ったときも「えー・・・」とか思ってたくらいですからね。・・・わかんないもんですね。
あの音色でショパンの子守歌が聴きたかったな・・・とかいうのは余計な妄想w

ワルトシュタインもブラームスのバラードも良かったです。
って、「良かった」の一言でまとめる気かよ>自分
んー、だって語っても結局同じところに集約されるような気がするんだもん~~
振り返ってみると、華やかにまとめることも可能なプログラムと思うんですけど
なんだかとても穏やかで静かな演奏でした。
・・・『癒し』とかいう言葉はあまり使いたくないんだけど
あれはアンスネスが今の日本人を癒すために弾いてくれたのだと
勝手に思うことにした。
今の日本に来てくれて、本当にありがとう。
アンスネスを日本に送り出してくれた奥様にも感謝を。



---



王子ホール公演のプログラム
グリーグ/抒情小品集より『ノルウェーの旋律』、『民謡』、『孤独なさすらい人』、『春に寄す』、『羊飼いの少年』、『ガンガル』
ブラームス/4つのバラード
クルターグ/『ピアノのための遊び』より8つのピアノ小品
Evocation of Petrushka from 'Hommage a Farkas Ferene'
Tumble-bunny
A Voice in the Distance
Thistle
Les Adiex (in Janacek's Manier)
Sirens of the Deluge
Apocryphal Hymn
Seraps of Colinda Melody -Faintly Recolleted
from Hommage a Farkus Ferene
ベートーヴェン/ピアノソナタ第21番『ワルトシュタイン』
アンコール
ショパン/バラード第3番、ワルツ第11番

アンスネスのグリーグについてはもう語るまでもない、ショパンでは感じられない土臭さが
グリーグだと土と草のにおいでむせかえるよう。
王子ホール公演ではもしかしたらクルターグに一番感動したかも
とか言っても誰も信じてくれないんだろうな(-_-;)
純粋にアンスネスの音色を楽しむことができた曲。



あ、そうだ、
先日N響とやったラフマニノフ3番はテレビ放送があります。
10月9日(日) N響アワーと、
あとウラが取れてませんが
11月13日BSプレミアム「特選オーケストラライブ」でも放送するらしいです。
BSの方はノーカットでやってくれるだろうから、アンコールのガンガルまで確実に聴けますね♪





解凍中

2011-09-18 | ●コンサートに行きました
えっと、9月16日にN響定期を聴きに行ったんですが
こんなときに私ってば盛大に風邪を引いてまして、
風邪の症状を薬で無理矢理抑えた上で出かけて聴いたため
ナニを聴いたのかイマイチよくわかってなかったりします。

だって、アンスネスの弾くラフ3、
しかもNHKホールみたいなおっきなホールに向けて弾かれたラフ3ですよ?
しかも、最前列で聴いとりました(^▽^;)←バカ
波動砲を発射口付近で食らってなんだかわからんうちに即死したよーなもんですよ。

それでもなんか『スゴいもんを聴いてるような気がする』という感覚だけはあったので
聴いてる音はちゃんと瞬間冷凍して持ち帰ったはずでございます。

でも、体調が悪いときにそれを急に解凍するとエラいことになるぞと
脳みそが拒否するのでございます。

今日になってやっと体調が上向いてきたので
瞬間冷凍されたアンスネスの音がじわじわとゆっくり解凍されてきて
頭の中をラフ3がグルグル回ってます・・・

CD聴きたいような聴きたくないような。
アンスネス自身の演奏であってもCDの音で上書きしたくないのよー。
自然解凍を待つしかないのか…。



アンコールで弾いてたグリーグの『ノルウェーの農民行進曲』(ヘンな邦題・・・)op54-2、
聴いたことないなーと思ったのにこのCDに入ってた(←殴)
20年以上前の録音なので音が全然違うけど。

Piano Cto in a Minor / Sonata in E Minor
Piano Cto in a Minor / Sonata in E Minor
  • ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス
  • 発売元: EMI Classics
  • EMI Classics
  • 価格: ¥ 979
  • 発売日: 2000/02/26
  • 売上ランキング: 23728


アンスネスの抒情小品集はあちこちにバラけて入ってるから
聴いてないのがけっこうあるな…(←言い訳がましい)


・・・このグリーグを聴きながら、
「これを聴きながら育つ子ってどういう人に成長するんだろう・・・」
とかわけのわからんことを考えてました(^_^;)





ガヴリリュク@所沢市民文化センターミューズ

2011-06-19 | ●コンサートに行きました
先週の日曜日、
ガブちゃんが所沢でプロコ7番ってエサつけて釣り糸を垂らしていたので
食いついてきました♪
…なんか毎回ガブちゃんのこのテに引っかかってる気がする…。
彼は私の好きなエサをよく知ってるのよね…(-_-;)

プログラム
ベートーヴェン/ピアノソナタ第14番
ショパン/幻想即興曲、ノクターンop.48、スケルツォ第1番
ラフマニノフ/楽興の時
プロコフィエフ/ピアノソナタ第7番
アンコール
スカルラッティ/ソナタ ト長調
メンデルスゾーン(ホロヴィッツ編)/結婚行進曲
ショパン/エチュードop.25-7


前半は…月光第三楽章の速さに目が覚めたくらいで
半分くらいは意識がもうろうと…(^_^;)
ベートーヴェンは私が苦手なせいだとしてほっとくことにしても、
ガヴリリュクのショパンは、私とは波長が合わないみたい…。
(ちょっとデミジェンコのショパンを思い出してしまった…ウクライナテイストがいけないのか?!)
丁寧に弾いているのはわかりました。
主催者側に弾かされたわけじゃないなと(笑)。
特に幻想即興曲。好きなんですかね?前もアンコールで弾いてたな。

一転して後半、ラフマニノフは
ショパンではしっくり来なかったものがガシッとはまった。
指の回り方や音量にストレスがない上、
ラフマニノフでは絶対に欲しい暗い紫の色気というようなものが立ちのぼっていて
ガブちゃん大人になったのねぇ!とか思ってしまった(←あんた…(-_-;))
続くプロコフィエフ、こちらはきっちり四角く、カドの出た精悍なプロコフィエフ。
個人的にはプロコフィエフにも色気が欲しいというか、もっと泥臭い方が好きだなぁと思ったけど
後から思い返してみたらこんなプロコもアリかもと思った。
カッコいいんだもん。
本当は第一楽章は最初の弾き始めのテンポで弾ききってほしかったとか
第一楽章と第三楽章が強烈な曲なので第二楽章はもっとゆったり・・・とか
色々言いたいことはあったんだけど、
この日のプログラムで不思議と一番印象に残ったのはプロコフィエフだった。
一番良かったのはラフマニノフ。印象に残ったのはプロコフィエフ。

ガヴリリュクの演奏技巧って『曲芸』って感じもしないし、かといってストイックな感じもしない。
スゴいんだけど親しみやすくて、
そこに彼の誠意と人柄を感じます。

あと、このホールはよく響くので
音の大きいガヴリリュクが音数の多いラフマニノフとかプロコフィエフとか弾いたら
えらいことになりそうだと思ったけど
全然そんなことはなかった。
少なめペダルが知的に聴こえました。

アンコールのスカルラッティが素晴らしく軽やかで綺麗だった。
結婚行進曲は、最初のところでホロヴィッツ編曲のヤツだってわかったけど
ずいぶん音が増えてたような…途中から別の曲になっていた(^_^;)
最後にうっかりショパンの静かな曲を持ってきちゃうあたりがガブちゃん(笑)。
結婚行進曲の勢いが残ったままなんだもーん。



今回の来日でガヴリリュクはN響とプロコフィエフのコンチェルト2番を弾いたんですね。
うそん、知らなかったー
7月10日のN響アワーで放送されるようで楽しみです。
うふうふ~、プロコ2番~(←エサ)
ちなみにこの放送ではまゆこたんのプロコも放送予定。




アンデルシェフスキ@所沢文化センターミューズ

2011-05-23 | ●コンサートに行きました
昨日の5月22日、ピョトル・アンデルシェフスキのコンサートを聴きに
所沢文化センターミューズへ行きました。

プログラム
バッハ/イギリス組曲第5番、フランス組曲第5番、イギリス組曲第6番

あれ?アンコールの曲目を確認してくるのを忘れちゃった。



私、今までに何度かアンデルシェフスキのピアノをたとえて
「子供の頃お気に入りだったタオルケット」だと言ってたんですけど、
それは「さわり心地(聴き心地)がよくて、いつまでも触って(聴いて)いたくなる」という意味だと
自分でも思ってきたんですが、
前日のサントリーホール公演を聴いて、それだけじゃなかったんだということに気が付きまして。
自分がアンデルシェフスキの何が好きなのか、
それは、眠りに落ちる直前のような、深い精神世界というか…なんか、そんなようなものなんだなぁと。
(それが『タオルケット』になってしまうあたり、自分で自分の単純さと幼稚さに呆れてしまうのですが)
サントリーホール公演では、開演前にアンデルシェフスキ本人が
ステージ上に置かれたソファに腰掛け、お茶を飲みながらスタッフの女性と話をしてくつろいでいる
というパフォーマンス??がありまして、
それがどういう意図なのかわからないんですけど
そのせいで現実の世界との境界線があいまいになってしまって
かえってアンデルシェフスキの世界の中に入っていけなかったんですね。

それで、前日切り替えがうまくいかなかったのを猛省し、
この日はステージ上に椅子とテーブルがないのを見てちょっと安心したりもし、
「私はあなたのこういう音楽が聴きたいんだけども」と問いかけるような気持ちで聴いてみましたらば
アンデルシェフスキはちゃんとそういう音楽をしていたのでした。
延々と続くバッハ。あーもうバッハだけでいいよ。
前日みたいにショパンとかいらないから!
(あれ本当に「本人の希望」のプログラム変更だったんだろうか?!)
(あ、でも、シューマンは別♪)

でも…、前に聴いてた時と比べるとやっぱりそういう『世界』はちょっと薄らいだかなぁ、と思いました。
それとも方向転換しようとしてるのかな。
当方、心は狭いし頭は悪くてガチガチに固いので
ちょっと方向変えられるとすぐついていけなくなってしまう。
アジアツアーが終わった後1年半休むそうだけど、
ちょっと関係あるのかなと思ったりしました。
(↑このへんは私の勝手な思い込みと推測)



それにしても…、このホールの響きは好きですねぇ。
ピアノの音がとってもきれいに響く。
アンデルシェフスキが上手に響かせているというのももちろんありますが。
音がきらきらと昇って行って、天井から降ってくるようでした。
ホールの響きに対する感度の良い耳を持ってるピアニスト、たとえばブレハッチとかに
このホールで弾いてほしいなぁとか思ってしまった。




余談。
一時期出てたアンデルさんのお腹、ひっこんでましたね。




アンデルシェフスキ@サントリーホール

2011-05-21 | ●コンサートに行きました
(感想文じゃありません。自分用メモ)


プログラム
バッハ/フランス組曲第5番
シューマン(アンデルシェフスキ編曲)/ペダルピアノのための練習曲
ショパン/マズルカop.59
バッハ/イギリス組曲第6番
アンコール
シューマン/森の情景より
孤独の花、宿、予言の鳥、別れ


今日は完全に解読コードを間違えた。
開演前のパフォーマンス(ステージ上に椅子並べてアンデルシェフスキがお茶飲みながらくつろいでいる)に
惑わされすぎた。
同時に自分がアンデルシェフスキの何が好きなのかもよくわかった。
今後同じ過ちはいたしません。








なんか今日、ピアノの音が変だった気がする。
ト音記号のあたりが著しく私の好みに反する音だった。
ちゃんと見なかったけどスタインウェイだったのかな?

ベレゾフスキー@よみうりホール(LFJ)

2011-05-08 | ●コンサートに行きました
5月4日、ラ・フォル・ジュルネのベレゾフスキーのチケットを
友達に譲ってもらったので聴いてきました。


プログラム
リスト/超絶技巧練習曲(抜粋→全曲に変更)、メフィストワルツ第1番
アンコール
ガーシュウィン/プレリュード第2番
モートン・グールド/Boogie Woogie Etude


・・・・・・。


・・・もうね、


もう、


もう・・・








ベレ、かっこよすぎ!!









     





旅日記11 4月3日 クルティシェフ@マリインスキーコンサートホール

2011-04-14 | ●コンサートに行きました
翌日4月3日はミロスラフ・クルティシェフのコンサートを聴きに
もう一度マリインスキーコンサートホールへ。


ホール両サイド改装中でごちゃごちゃしてますが。


実は前日のアンゲリッシュさん、この日のクルティシェフ、翌日のアファナシエフ等々は
I International Festival Contemporary Piano Faces』というイベントの一環でした。

本当はアファナシエフも聴きたかったんですが、
公演日が二転三転した挙句私の旅程の外側へ行ってしまったので
あきらめました。



アファナシエフ日程変更のあおりを受けてクルティシェフの公演もソワレからマチネに。
どうもショパンコンクールの時といい、おひさまに好かれがちな御仁だ。





プログラム
チャイコフスキー/18の小品
リスト/ピアノソナタ ロ短調
アンコール
ショパン/幻想即興曲、ノクターン第20番、マズルカop.33-2、ワルツop.42


このコンサートのことを知ったのが昨年の11月。
それから2ヶ月、悩んだ挙句に行くことを決めたんですが
決めた後も地震とか色々あったし、
行くことは『正解』じゃないんだろうか、行かないほうがいいのかとか考えました。
(旅行の2日前まで同僚に「ほんとに私行くのかなぁ~」とか言っていた)
でも実際コンサートを聴き終わったあと、本当に来て良かったと思いました。
凄いコンサートでした。今まで私が聴いた中でもベスト3に入るんじゃないかと思うくらい。
そう感じることができてとても嬉しかったです。

チャイコフスキーの18の小品。
『小品』と言っても18曲もあるとかなり長い。
それをクルティシェフは1つの大曲のようにして
緊張を切らず、次から次へと聴かせてしまう。
華やかな舞曲や朗々とうたう曲、土臭い民謡のような曲からひとりごとのような曲まで
音色とか、技巧とか、リズム感とか(←コレがスゴい)、ペダルの妙とか(←コレが好き)、
クルティシェフの音楽をいろんな方向から聴くことができてとても楽しかった。
全部が徹底的にポリフォニックで
この人の頭の中はいったいどうなっているんだろうとか思う。
(前日感じたような『音が響きすぎてぼやける』ということはこの日は感じなかった)
それとこの人の場合、どんなに強く鋭く弾いたとしても、
いつも何故か、どこか優しい。
正直に申請すると、18曲のうち3回くらい泣きました。

長い沈黙の後始まった、後半のリストのソナタ。
まるで血のような、壮絶なリスト。
この大曲に正面からぶつかっていったような。
若く、青いような気もするけど、等身大の誠実さとも取れるかもしれない。
実を言えば私はこの曲を聴くのがすごく苦手なんだけど、
今、このソナタがもう一度聴きたい。
(もう家にあるあんな有名ピアニストやこんな人気ピアニストのCDでは
ユルすぎて聴けない)

自分がクルティシェフのピアノのどこに魅力を感じているんだろうと考えたときに、
全部の旋律が呼吸をしているようで、曲が生きているように感じるというのがあると思う。
どうしてそう感じるのか、その理由は彼の休符の読み方にあるんじゃないかと思う。
大きな休符、フエルマータのついた休符、曲の一番最後に付いた休符、小さく細かい休符まで
全部区別して、意味を持たせて、表現する。
その一個一個に私の心臓はいちいち反応するので、
聴いているうちにクルティシェフの音が自分の血流に乗って
体中をかけめぐるような感じがした。
それを自覚したときの気持ちをどう表現すればいいのか…。
地震以来、本当にヘタレで申し訳ないんだけども、
怖いのと不安なのとで萎縮していたものがなぐさめられて
生きていく力がみなぎるような感じがしたというか…。
音楽とは生きていくための糧であると、しみじみ、あらためて感じました。




そういえば♪
クルクル、ヒゲなし&顎つるつるでした♪
うんうん、その方がカワイイよ。
まだ若いんだし、ヒゲなんていつでも生やせるんだから
カワイコぶれるうちはカワイコぶらなきゃね。
髪もきれいになでつけてて寝グセなし。よしよし。
(でも弾いてるうちにフワンとなってきちゃうのだった。笑)


…それにしても携帯がよく鳴りました(-_-#)
このコンサートで残念なところがあったとすれば、ソレだな(-_-#)(-_-#)


このホールは日本の事務所の設計だそうで、
http://www.nagata.co.jp/news/news0701.html
写真でもおわかりの通り、まさに日本でよく見かけるような感じのホールですが
実際中に入って聴いてみると、写真で想像するよりずっと日本っぽい響きです。
木の響きなんですよね。
だからコンサートの間はなんか日本で聴いてるみたいでリラックスできたんですけど、
終演後まわりを見渡したらみんなロシア人なのが違和感だったり(笑)。
というわけなので旅行で外国のコンサートの雰囲気を味わいたいという人には
このホールは不向きかも・・・。




クルクルにノックダウンされてフラフラしながら向かった聖イサク大聖堂。
街の中心にあるというのに、行くのが最後になってしまった。


デカい…。


本当はココの展望台に昇ろうと思っていたんだけど、
工事中で昇れなそうだったのと、フラフラだったのでやめました(^_^;)


色々思い残したことも多いので、
多分、また来る。



tag:Miroslav Kultyshev-Мирослав Култышев