良い子の歴史博物館

訪れたことのある博物館、歴史上の人物、交通機関についての感想、小論など。

杭州・西湖巡り

2007年01月12日 | 庭園・公園
杭州は雨だった。
ホテルは西湖のすぐそばで、西湖の風景が美しいのだが、雨のため霞んでよく見えない。

そのうち雪が混じってきた。
恐ろしく寒い。

そんな中、妻と合羽を着せた3歳の娘を連れて西湖観光を敢行した。
案の定、観光客は極めて少ない。
西湖周辺のあちこちで公安係員を見かける。
たぶん警備する人の方が多い。
湖畔の園地に入るとまもなく、警備中の公安職員二人に呼び止められた。
何???
すると一人がカスタネットの玩具を取り出して、娘にくれるという。
意外なことに驚いた。
謝々!

玩具をしっかり握り続ける娘だが、眠いらしく機嫌が悪い。
途中で歩かなくなり、抱っこをせがむ。
ここ最近、私は腰痛で、14kgを超える娘をいつまでも抱っこできない。
かと言って、雨の中、ベンチはびしょぬれで、座るところもないし、困った。

湖畔遊歩道をときどき、電動の乗り物が通り過ぎるのに気付いた。
しかし、どこで乗り込むのだろう?
乗り場が見つからない。

まもなく電動の乗り物に向かって、手を挙げると、どこでも乗せてくれることに妻が気付いた。
湖を1周一人40元。1周50分ぐらいだそうだ。
なーんだ。
これに乗って西湖を一周する。
運転手は若い男で、運転しながら、観光案内をする。
早口の中国語を聞き取れないので、よくわからないが、あそこは毛沢東が泊まったところだとか、誰それという歴史的有名人が作ったものだとか言ってるらしい。
柳の木々の中を進む。
風景がとてもきれいだ。

車に乗り込むと、娘は上機嫌になった。
おまけに日本語の歌を大声で歌いだす。
それで乗り合わせた他の乗客たちが笑い出した。
唱歌・・好・・。(歌が上手だねぇ)と言ってくれるおばあさんもいた。
我们是日本人。っと慣れない中国語で答えると、おお日本人なんだ。と意味が通じた。
この娘は真可愛!
幾歳了? 5,6歳?
3歳
真聡明!
しばし簡単な中国語会話を楽しむ。
日中友好の架け橋となる我が娘である。(親馬鹿)
乗客たちは皆、杭州市内の人らしい。
杭州市民は杭州が世界で一番美しいと信じているので、他の地域に遊びに行かないと聞いたことがある。

車を降りて、湖畔を歩くと、舟に乗らないかと呼び込みをする人たちが待ち構えている。
いやぁ、今日は寒いから、小船には乗りたくない。
不要。不用!と断り続けて、遊覧船乗り場に急ぐ。

どこへ行く遊覧船か知らぬが、適当に切符を買って乗り込む。
風が吹き始め、一層冷えてきた。
あたりが真っ白になってきた。

まず小さな小島に到着した。
天気が良ければ、さぞかし眺めのよいところなのだろう。
島を一周し、次の船に乗り込む。
後でわかったのだが、船の切符は湖内の各島を乗り継ぐ分も含まれている。
従って、どの船でも乗ってよい。
続いて、もう少し大きな島に着いた。
こちらは島の中に湖が4つある。
西湖内の島の中に湖があるわけで、何とも不思議な光景を作り出す。
何度もう言うが、天気さえ良ければ、さぞかし美しい眺めだろう。
だが風雨が強くて、のんびりする気になれない。

島内のお店で、飲み物とお菓子を買って、休憩所でしばらく過ごした。
飲み物だが、蓮根から作るものらしい。蓮根の字が書いてある。
ドロっとした甘い飲み物で、ここの名物らしい。
たぶん、ここで栽培したものなのだろう。
きっとハスの花もきれいなんだろうな。

あまりの寒さに湖畔に戻ることにした。
湖畔に戻ると船の切符の有効が切れる。
最後の船旅というわけだ。
その船の中で、我が娘は深い睡眠に入ってしまった。

船を下りてから、腰痛を我慢し、眠ってしまった娘を抱きかかえて、大雨の中、どうしよう?
そもそも、どこに下りたのだ?
元の場所と違う。
ようやく、ここが湖の北側であることがわかった。
さぁ、どうしよう。
幸いレストランをすぐに見つけることができた。
ちょっと高級な感じのレストランである。
レストランに入ると、店員さんが奥の部屋に案内してくれた。
椅子を並べて、娘をその上に寝かす。
ここでチャーハンなどを注文し、お昼を食べた。
親が食べ終わる頃、ようやく娘が起き出した。
ぐっすり1時間は寝ていたか。
旅の疲れと雨の寒さで、ぐっすりと寝たわけだ。
娘には水餃子を注文して食べさせた。
10個の水餃子を全部、娘は食べつくす。
元気復活の娘であった。

案内板によれば、近くに浙江省博物館もあるらしい。
そこで続いて浙江省博物館に行く。
入場無料だ。
遺跡から発掘されたものや、歴史的文物を展示している。
宋代の兵士の装備とかが面白い。
また近代の革命女傑の肖像画が目に付いた。日本留学時の和服姿で、短刀を構えている。カッコいい。

博物館を見学後、タクシーに乗ってホテルに戻ろうと思った。
タクシーはたくさん来る。
ところが、どの運転士からも乗車拒否された。
ここからならホテルが近く、初乗り料金で済んでしまうため、儲からないからだ。
湖の反対側の塔に行ってみないかとか言ってくる。
行かない。ホテルに帰るっと言うと、誰も乗せてくれない。

30分以上粘って、やっと1台を捕まえて、乗り込むことができた。
どいつもこいつもサービス業の基本を知らぬ連中だ。
おかげで、雨でずぶぬれになったじゃないか。
おかげで中国の後進性を知る機会となった。