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「安倍・中川問題」か「NHK問題」か「朝日新聞問題」か

2005年01月16日 17時59分04秒 | ニュースコメント
安倍晋三代議士が先日の「報道ステーション」に続き、16日には「報道2001」と「サンデープロジェクト」に出演した。
スキャンダルの渦中にある政治家として、その内容は満点といえよう。
長井氏の記者会見に対する、今日の安倍氏の反論の基本線は、Irregular Expressionさんがまとめられた「報道ステーション」での発言と大きく変わっていない。
「公平公正といっても、それが特定の番組についてのコメントの場合は圧力とみなしうる。」との批判は、今後とも続くだろうが、新しい情報が出ない限り、安倍・中川批判が持続するとは思えない。

むしろ風向きは、「朝日新聞問題」に変わりつつある。(とはいえ、NHKが免罪されるわけではない。)
NHKのトップページからは、「ETV2001」NHK関根放送総局長見解 朝日新聞社へ抗議へのリンクが目立つように張られている。
「自分のところの不始末の処理も、充分な情報公開もできないくせに朝日新聞社へ抗議できる立場か、」との批判はあろうが、タイミングのいいカウンターパンチといえるだろう。

どうもこの「番組への不当介入問題」は、朝日新聞の仕掛けの拙劣さが目立つ。
そもそも、いわくつきの元朝日記者故松井やよりさんがらみの、現在裁判進行中のいわくつき番組「問われる戦時性暴力」にまつわる、記事を、社説を含め紙面を挙げてキャンペーンとするというのは、あまりにセンスが悪かろう。
番組がとりあげた「女性戦犯国際法廷」というイベントの思想的背景はグーグル検索結果をちょっと眺めただけで、容易に理解できる。

01月13日付の社説■NHK――政治家への抵抗力を持てに書かれている、「番組や記事が視聴者や読者、つまり国民のためになるか、中立公正であるか、それを判断するのはあくまで報道機関自身でなければならない。」の文言は、そのまま朝日新聞にブーメランのように戻ることばだ。

勝負あった感のある政治家介入疑惑だが、いくつかの問題を副産物としてクローズアップさせた。

ひとつは、「社内通報制度の問題」だ、
18年度から施行される公益通報者保護法では、証拠隠滅の恐れがある場合や、内部に告発をしても2週間以上調査が行われないなど告発が放置された場合などとしている。
アサヒコムによると、長井さんは、NHKの「コンプライアンス(法令順守)通報制度」に基づき、昨年12月9日に内部告発した。だが「通報から1カ月以上たった今日にいたっても、聞き取り調査さえなされていない」と話した。とある。
施行前とはいえ、法の精神を尊重し、NHKとしては長井プロデューサーの処分はできないだろう。
内部通報に迅速的確な対応を怠ると、悪意の内部告発者をも保護せざるを得ない事態に立ち至りますよとの教訓を残した。

もうひとつは、日本の裁判官の頭の悪さ。
「問われる戦時性暴力」については、周知のごとく、模擬裁判の主催団体の一つで、故松井やよりさんが代表をつとめていた「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW―NETジャパン)が、NHKと制作会社NHKエンタープライズ、ドキュメンタリー・ジャパンの三社を相手取って提訴していたものであるが、東京地裁・小野剛裁判長は2004年3月24日、番組内容の変更は編集の自由とした上で、「取材に協力したVAWW―NETジャパンに国際法廷の忠実なドキュメンタリーが作られるかのような期待を抱かせてしまったのが悪い」として、最終段階では制作から降りていた制作プロダクション、ドキュメンタリー・ジャパンに対し、「原告に百万円を支払え」と命じた。ドキュメンタリー・ジャパンはこれを不服として控訴している。
いったい何を見ているのだ、小野裁判長!

1 コメント

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NHK問題 (dawn)
2005-01-16 22:04:27
こんばんは

trackback有難うございます。



朝日新聞問題でNHK問題がかすんでしまっては困りますよね。dawnより
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