Fireside Chats

ファイアーサイド・チャット=焚き火を囲んだとりとめない会話のかたちで、広報やPRの問題を考えて見たいと思います。

球団は損害賠償を請求できるだろうか?

2004年09月18日 01時55分36秒 | PR戦略
古田泣いてましたねぇ。「すぽると」で。

球団vs選手会。今日の勝負は選手会の圧勝です。
新聞もテレビも古田を批判できない空気が生れました。
これで、土曜日曜のマスコミ論調は古田支持一色になるでしょう。

なにしろNTVの「今日の出来事」さえ、野村克也を出演させて、選手会支持を表明させていたくらいですから。
極め付きは「すぽると」の坂井保之氏。
真偽はともあれ、根来コミッショナーが、「ストを行えば選手会に損害賠償を請求できるから強気に交渉しろ」との機密文書を全球団に回していたと、驚愕の暴露発言を行っていました。

記者会見の質疑応答で、全球団が損害賠償を検討することになるだろうとの経営サイドの発言がありましたが、これで平仄が一致します。

いうまでもなく根来コミッショナーは、東京高裁の仮処分判決で「高名な法律の専門家」と名指された検事出身の法律家。
法律家が陥りやすい過ちは、法律的な勝ち負けにこだわりすぎ、それに伴うイメージ上のデメリットに配慮が及ばない傾向がまま見られること。企業が視野狭窄の弁護士の指導で無謀な裁判に訴え失敗するケースは意外に多いもの。
判決が出るまでには時間がかかり、その間世論のサンドバッグになり、判決が出たときにはすでに過去の話題になって臍を噛むのです。
たとえば東芝のアフターサービス事件のとき、AKKY氏に対し仮処分申請をしたとたん、世論の総反撃を受け、あわてて申請を取り下げた醜態などはその典型でしょうね。

法的リスクよりイメージリスクの方がダメージが甚大なケースがあることを知らなければなりません。
今回の損害賠償問題は、そのケースであることを球団は悟るべきでしょう。
ぼくが球団のコンサルであったならば、損害賠償を請求すべきではないと、アドバイスします。
よもや、そんな愚挙に出るとは思いませんが、万が一勢いに押され損害賠償請求に踏み切ったとすれば、経営サイドは大きなしっぺ返しを食らうことになるはずです。