Fireside Chats

ファイアーサイド・チャット=焚き火を囲んだとりとめない会話のかたちで、広報やPRの問題を考えて見たいと思います。

オリックスは規制緩和の旗手のはず・・・

2004年09月17日 10時44分05秒 | PR戦略
とうとうプロ野球選手会がストライキを決行することになりましたね。
新規加入の審査に時間がかかるので、来期の12球団体制を確約することは出来ないというのが、スト突入の直接の引き金のようだ。

なんでそんなに時間がかかるの?
郵政公社生田総裁のシステム変更に時間がかかる発言と同様、時間を口実にした逃げのように聞こえるんだけどどうなんだろう。
なんでそんなに時間がかかるのか?
ドッグイヤーの真っ只中で生き抜いてきたライブドア・楽天とのスピード感覚の相違を感じさせる。
態のいい参入障壁ではないのか?
なんとしても来期はパリーグ5チームで選手の年俸抑制の揺さぶりをかけろという球団側の強固な意志が背後に隠れているのではないのか?
マスコミに検証して欲しいものだ。


ところで、大西宏さんが、マーケティング・エッセンスで、楽天のプロ野球参入表明を受けて、球団を持つ会社の損得勘定に触れている。
この間の騒動でいちばん得をしたのはライブドア、逆に一番損をしたのは読売新聞としたうえで、
得をしようとしているのがオリックスです。黙って超法規的な選手強化ができるのですから。宮内さんもしたたかです。しかし、これほどアンフェアのことはありません。合併という選択は、この点でも問題があり必ず歪みがでてくると思います。
としている。

ぼくも大西さんと同様、オリックスの宮内オーナーのスタンスには、何か割り切れない思いを感じている。
今回の騒動の最初から、ナベツネ・堤両オーナーに注目が集まっているが、なぜか合併当事者の宮内オーナーの存在感は希薄だ。
ファン層の反発が、生保や証券などオリックスのビジネスに影響することを恐れているのだろうか。

本来、宮内オーナーは球界の閉鎖性に風穴を開けて、新規参入を梃子とした活性化をリードすべき立場の人じゃないの?
同オーナーは政府の総合規制改革会議の議長として、小泉規制緩和の旗振り役だ。

既得権を手放したくない人が「痛みを伴う」と叫んでいる
出典:週刊ダイヤモンド/2001.6.16号

構造改革を断行しなければ日本に明日はない
出典:「THE21/2001年7月号」 猪瀬直樹の「智恵の輪」講座

オリックス証券のホームページには、こんな、宮内オーナーの高邁な発言が並んでいる。
官に対しては規制緩和を獅子吼しながら、自分のところは民間だから参入障壁は正当な経済行為だとでも言うのだろうか。
ライブドアに続き楽天も名乗りを上げた今も、合併は当然のディシジョンというのだろうか。
オリックスが球団を買ったのは、オリエントリースからオリックスに名称変更したのを契機に、社名認知を高めようとしたのが直接的な契機だったと記憶しているが、ライブドアに対しては、単なる売名行為だと非難するのだろうか?

長い目で見れば宮内オーナーのこの問題への奇妙な沈黙は、オリックスに言行不一致のツケをまわすことになるような気がする。

いまや国民的ヒーローの古田選手会長にはがんばって欲しい。
「構造改革を断行しなければプロ野球に明日はない」ですよ宮内さん。