中国に実行不可能な「人権状況の改善」を迫る米国

米下院、対中非難決議を採択　「人権状況の改善」迫る

【ワシントン＝山本秀也】米下院本会議は３０日、北京五輪の開催にあたり、
「人権状況の改善」などを中国政府に迫る対中非難決議をほぼ全会一致で採択した。
人権侵害や民族抑圧など、五輪開催国としての資格に事実上、
強い疑問を投げかけた内容で、開会式にあわせて訪中するブッシュ米大統領には
チベット、ウイグルなど民族地域の訪問を求めた。

決議は民主党のバーマン議員（カリフォルニア州選出）が今月２３日に提出し、
スピード審議で下院外交委員会を通過。本会議での採決では、
賛成４１９、反対・棄権２で採択された。

北京五輪に「自由と開放という五輪の伝統のもとでの開催」を求めるかたちで、
決議は冒頭から、
（１）人権侵害の停止
（２）チベット、ウイグル系国民への抑圧停止
（３）人権侵害を続けるスーダン、ミャンマーへの支援停止－を中国政府に要求した。

個別の要求条項としては、中国国内で投獄中の人権活動家、胡佳氏らの即時釈放を掲げた。
また、五輪開催を控えた中国情勢への認識として、中国領内に流入する
北朝鮮国民（脱北者）や、中国で非合法化されている気功集団「法輪功」に対する
警戒措置にも言及している。

米政府に対しては、対中外交を進める上で、人権問題と政治的な
自由を外交目標の中心とするよう求めた。ブッシュ大統領の訪中にあたっては、
民族地域への訪問のほか、政治・宗教的な理由により投獄された
中国人の家族との面会などを訪中後に実現するよう促した。

米上下両院は、チベット騒乱への弾圧に関しても、中国政府を非難する決議を
４月に相次ぎ採択していた。

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さすが腐っても人権派の国・米国。
ま、単純に「人権」だけでなく、対中的な戦略も含めているとは思いますが
それすらも出来ない日本外交からすれば羨ましい限りです。
「日中友好」だとか「北京五輪を応援する会」とか、バカらしい組合ばかり
作っていないで、記事のような米国の活動を見習って欲しいものです。

アジア地域で、世界的にどれだけ中国という国が良くも悪くも影響を与えているか。
個人的には「悪」の影響の方が多いと思いますがね。
そんな覇権主義・中国に迎合し、イエスマンである日本の外交が成功するはずが
ありません。力の論理しか存在しない国際社会、特に中国に対しては甘い顔をして
得をすることがありえないでしょう。
力を見せ付けて、強気で押す態度ことが国益にかなるというもの。

米国もそうですが、欧米中心に中国への不信、締め付けがきつくなっていました。
外貨、外資で経済が潤っている中国にとっては、致命的とも言えるでしょう。
「世界の工場」と言われ、安い人件費を武器に経済成長を遂げましたが、
そこから今に至るまでに、独自の技術を持つにいたらず、外国勢の動向に
簡単に経済が左右される脆弱な経済基盤を作ってしまいました。
当然、自業自得ですが、五輪開催後に経済の低迷が起きるのは避けられないでしょう。