庭の木にあまた芽吹くを見つめいる夫の背細し明日は定年
秋明菊咲きて命日近づけり半日臥して逝きたる母の
「歌集とは借りて読んでも身につかぬ」河野裕子の教えのひとつ
特老に傾聴体験するわれに耳ふたつありムスカリの咲く
梟の風鈴はよし軽やかに森の話を聞かせてくれる
雛壇をつくり毛氈敷きつめて飾り手の孫ら来るを待ちたり
吾が歌を誉めてくれたる田村よしてるさんもう埼玉歌会にこない
ひとり居て山中智恵子歌集読むこの平穏はわれだけのもの
みすゞの詩を小四の花帆は暗唱す「星とたんぽぽ」いつ覚えたの
お年玉年賀ハガキは三等二枚きっと良い歌詠める気がする
(新倉幸子 桜橋 六花書林)
秋明菊咲きて命日近づけり半日臥して逝きたる母の
「歌集とは借りて読んでも身につかぬ」河野裕子の教えのひとつ
特老に傾聴体験するわれに耳ふたつありムスカリの咲く
梟の風鈴はよし軽やかに森の話を聞かせてくれる
雛壇をつくり毛氈敷きつめて飾り手の孫ら来るを待ちたり
吾が歌を誉めてくれたる田村よしてるさんもう埼玉歌会にこない
ひとり居て山中智恵子歌集読むこの平穏はわれだけのもの
みすゞの詩を小四の花帆は暗唱す「星とたんぽぽ」いつ覚えたの
お年玉年賀ハガキは三等二枚きっと良い歌詠める気がする
(新倉幸子 桜橋 六花書林)